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推理将棋第142回解答(1)

[2021年9月24日最終更新]
推理将棋第142回出題の142-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第142回出題  推理将棋第142回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第142回解説  担当 Pontamon

推理将棋第142回は上級問題3題でしたが15名の方から解答をいただきました。解答、ありがとうございます。
142回は余詰作2題の出題となり、大変申し訳ありませんでした。手数が長くなるといろんな手順が出てくるので余詰検討も大変になります。


142-1 上級 はなさかしろう 作  準備の10手とあと1手  14手

「隣の将棋が終わったみたいだけど、どんな将棋だったの?」
「14手目の初王手で詰んだよ。駒を成る手は2回あったな」
「後手陣の方にだいぶ手が行っていたみたいだったけど」
「そうだね。後手陣への着手が11回あった」
「ふうん…そうすると、後手の方が暇になりそうだけどねぇ」
「そのせいかな。8筋にいる駒を動かす手が3回あったよ」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 14手目の初王手で詰んだ
  • 成2回
  • 後手陣への着手11回
  • 8筋にいる駒を動かす手3回

出題のことば(担当 Pontamon)

 14手中11手が後手陣内の着手。後手陣外の3手で先手玉を詰める形とその準備とは?

作者ヒント

 後手陣外の3手のうち後手の手は1手、定番の形です(はなさかしろう)

締め切り前ヒント

 最終手の△57飛成を支える駒は93の角です。


推理将棋142-1 解答

▲76歩、△42金、▲33角不成、△41玉、▲42角不成、△52飛
▲53角成、△同飛、▲92金、△82角、▲93金、△同角
▲58玉、△57飛成 まで14手

(条件)
・14手目の初王手で詰んだ(14手目△57飛成)
・成2回(7手目▲53角成、14手目△57飛成)
・後手陣への着手11回(初手▲76歩、13手目▲58玉、14手目△57飛成以外の11手)
・8筋にいる駒を動かす手3回(3手目▲33角不成、6手目△52飛、12手目△93同角)




Suiri1421

Suiri1421a後手陣以外の着手が3手しか許されていません。後手陣の飛や角で先手陣の玉を詰めるにはこれらの飛び道具の利きを通すために3段目の歩を先手が払う必要があり、それができるのは角だけなので▲76歩からの▲33角は必須になります。後手の飛び道具と言っても22の角で先手玉を詰めるには先手玉は77や88移転へ移動する必要があるので詰み形は角ではないでしょう。となると、後手の飛び道具は飛になりますが、先手玉を同じ筋の後手陣の飛の直射で詰めようとしても先手玉は左右へ逃げることが簡単にできてしまいます。そんな中で唯一の詰み形として思い浮かぶのは、▲58玉に対して△57飛成で詰める形です。この形だと後手陣以外の着手3手は、▲76歩、▲58玉、△57飛成の3手であることが確定し、飛が57で成るためには53の歩を先手角で払う必要があることが分かります。また、57に成った龍を支える駒は13か93の角しか無さそうです。

そこで、先手角が▲33角不成、▲42角不成、▲53角不成で53の歩を払い、▲13角不成を△13同角で後手が取って57へ利かしてみたのが参考1図です。14手で詰んでいるのですが、後手陣以外の手として▲35角不成が混ざっていて条件をクリアしていませんでした。

参考1図:▲76歩、△52飛、▲33角不成、△42金、▲同角不成、△62玉、▲53角不成、△51玉、▲35角不成、△12香、▲13角成、△同角、▲58玉、△57飛成 まで14手

中段の着手である▲35角不成をしないで13の歩を先手が取るには▲31角不成を経由して▲13角不成する経路になりますがそれには22の角が邪魔なので後手の角は△12香から△11角のように一時退避する必要があります。指してみると、▲76歩、△52飛、▲33角不成、△62玉、▲42角不成、△12香、▲53角不成、△51玉、▲31角不成、△11角、▲13角不成、△22角、▲58玉、△13角、▲22銀、△57飛成などの手順では16手かかってしまいます。先手が後手の香を取ってから打って後手に香を渡し、後手は飛の尻に香を打って△57飛成を支える形だと更に手数が必要になります。

Suiri1421b22の初期配置の後手角が13へ行って57の龍を支えるのが効率が良いように思いましたが、13の歩を先手角で払うにはその後手角が邪魔をしていました。そこで今度は93の角で57の龍を支えることができないかを考えてみます。初期配置82の飛は52へ移動していれば▲71角不成から直接▲93角不成で93の歩を払うことができるので手数を減らせそうです。93の歩を払うというタスクについてはそれで良さそうなのですが、この93の角を後手が△93香や△93桂で取ると93への角打ちの邪魔になります。そこで、先手が93の歩を払うのを角以外の駒にさせて、後手は先手の角を取って使う手順を考えてみます。また、13の角の手順ではクリアできていなかった8筋の駒を3回動かす条件をクリアするにも93の角で57の龍を支えるのが正解な気がします。参考2図の手順では先手は後手の銀を取って▲82銀と打ち、8筋の駒が移動する3回目の手として▲93銀不成で93の歩を取っています。後手は先手の角を取ってから△71角と打って、▲93銀不成を△同角で取ることよって93地点への角配置を実現しましたが、残念ながら総手数は16手になり手数オーバーでした。

参考2図:▲76歩、△52飛、▲33角不成、△62玉、▲42角不成、△72玉、▲53角不成、△62銀、▲同角成、△同玉、▲82銀、△71角、▲93銀不成、△同角、▲58玉、△57飛成 まで16手

93の歩を先手着手で取れる駒として残っているのは金です。金の場合は、先手は取った金を92へ打ち込んでから▲93金で歩を払い、後手は取った角を△82角と打って93の金を取れば8筋の駒を3回動かすことができます。その方針で指してみると、▲76歩、△52飛、▲33角不成、△42金、▲同角不成、△62玉、▲53角成、△同飛、▲92金、△82角、▲93金、△同角、▲58玉、△57飛成の14手で詰ますことができました。これで解図完了だと思うと、参考1図も参考2図もこの手順も最終手が初王手ではありませんでした。

53の歩を先手角で取るのは必須なのですが、3手目の▲33角不成が王手にならないようにしなければいけませんし、玉が62へ早逃げしたとしても▲53角不成で歩を取った時に王手になってはいけません。玉の早逃げも駄目なら、王手される前に事前に合い駒しておくしかありません。

初手から▲76歩、△42金、▲33角不成の後、先手の次の手は▲42角不成なるので51の玉は早逃げすることになります。△62玉か△52玉としたいところですが、△52飛の着手も必須なので玉がその手を邪魔してはいけません。ということで4手目は△41玉の早逃げです。4手目から△41玉、▲42角不成、△52飛、▲53角不成。この後、先手は9手目▲92金、11手目▲93金、13手▲58玉の着手なので、後手は角を入手して、△82角、△93角、△57飛成の4手になります。駒成回数が2回で指定されているので、7手目は▲53角成で、8手目から△同飛、▲92金、△82角、▲93金、△同角、▲58玉、△57飛成で詰みとなりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

はなさかしろうさん(作者)「改めて見ると、中編の練習問題といった風情ですね。あとの2問が重たい回のようですので、本問は気軽に楽しんでいただければ幸いです。」

■正解者数は1番でしたが、短評を見る限りでは本作が一番の難問だったようです。

斧間徳子さん「後手陣外の3手は76歩、58玉、57飛成しかなさそうだと予想できるが、金を取って92金は凄い順で度肝を抜かれた。」

■△13角にするのが第一感の上、42や62で金銀を取って93の歩取りに使おうとしても王手回数をクリアできない順が多くて...。

諏訪冬葉さん「後手陣以外の3手はほぼ決まりなのであとは条件を満たしつつ舞台を整えるだけ」

■やることは、△13角か△93角の配置ですが舞台を整えるのが難しかったようです。

NAOさん「今月の最難問。端角と57飛成の組合わせしか詰みがないはずなのになかなか手順が噛み合わない。そうか、93角か。22角を触らない手順に痺れました。」

■22の後手角を93へ持って行くこともできず。

緑衾さん「詰み形はすぐ見えたのですがそこから苦労しました。金を取るんですね。」

■しかも2手目の△42金を取る手順に限定されています。

ほっとさん「92金、82角が妙手順。」

■△13角が困難だと分かっても、△93角の配置にするための92金、82角は気付きにくいですね。

ミニベロさん「全然解けないのでヒント待ち。ヒントもらっても解けない。
そうか、5筋と端の歩は、同じ駒で取るんじゃないのか。
22の角を使う順を追いかけすぎた。
一つ一つの条件が利いていて、隙のない手順です。
ちょっと怖いけど、はなさかさんの作品はもっと見たい。」

■はなさかさんに限らず、ベテラン解図者からの投稿を担当も期待しています。

RINTAROさん「22角を使うことばかり考えていました。取らせて打たせるのではと気付くのが遅かったです。」

■取って打つ手筋はありますが、先後それぞれが指すのは珍しいかと思います。

飯山修さん「76歩と33角が必須なので後手の自陣外の手はわずか1手となると57飛成の詰形しかない。52香が打てそうもないので13か93の角の選択になる」

■△51香や△52香の手順だと20手になってしまうようです。

べべ&ぺぺさん「93の歩を金で取るとは考えにくいです。」

■まさかの▲92金からの▲93金でした。

中村丈志さん「自信ないです。8筋にいる駒というのが、「初形で8筋にいる駒」という意味でなければ、この解は間違っています。」

■8筋にいる駒の可能性は、初期配置の駒、8筋へ打った駒、8筋へ移動した駒(8筋から8筋へも含む)ですね。

ジェシーさん「最後は5七飛成までというのは想像がつきましたが、いったん5三に移動するというのが盲点でした。」

■先手の角には53以外に端の歩を取ってもらう必要がありそうに思いますよね。

原岡望さん「まさかの92金」

■後手陣だけの着手で93の歩を取れるのは、角か82銀か92金ですね。


正解:13名

  斧間徳子さん  諏訪冬葉さん  NAOさん  緑衾さん
  ほっとさん  ミニベロさん  はなさかしろうさん
  RINTAROさん  飯山修さん  べべ&ぺぺさん
  中村丈志さん  ジェシーさん  原岡望さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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