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推理将棋第142回解答(3)

[2021年9月29日最終更新]
推理将棋第142回出題の142-3の解答、第142回出題の当選者(斧間徳子さん)を発表します。
推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第142回出題  推理将棋第142回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


142-3 上級 ミニベロ 作    墨守3         18手

「隣の将棋見たかい。後手は自陣から一歩も出ない墨守戦法使ってたね」
「ああ見たよ。しかも新型の、2枚の駒と二つの筋しか使わないやつだよ」
「先手も、一手おきに玉の手を指す工夫を見せて抵抗してたけどね」
「ああ、玉が5段目まで行ったところで18手で詰まされちゃったね」
「5筋の手は一度だけだったね。これが敗着かな?」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 18手詰
  • 後手は、2枚の駒で自陣内の二つの筋だけを着手
  • 先手は、一手おきに玉の手を指し、5段目で詰み
  • 5筋の手は一度だけ

出題のことば(担当 Pontamon)

 今回の墨守は2つの駒で2つの筋のみです。同じ段の玉着手があるのかどうか。

作者ヒント

 飛車筋は渡れない(ミニベロ)

締め切り前ヒント

 4回の着手で端の5段目へ行った玉を飛と香の利きで詰めます。

余詰修正

会話「ああ、玉が5段目まで行ったところで18手で詰まされちゃったね」⇒「ああ、結局玉は18手目に、6段目で詰まされちゃったね」

条件
「5段目で詰み」⇒「6段目で詰み」

余詰再修正(作意順が変わるのを回避)

元の会話、条件からの再修正
会話「5筋の手は先手だけだったね。これが敗着かな?」⇒「5筋の手は一度だけだったね。これが敗着かな?」

条件「5筋の手は先手だけ」⇒「5筋の手は一度だけ」


推理将棋142-3 解答

▲76歩、△62金、▲68玉、△61金、▲55角、△62金
77玉、△61金、▲73角成、△62金、▲86玉、△92香
▲83馬、△61金、▲95玉、△62金、▲93馬、△同香 まで18手

(条件)
・18手詰
・後手は、2枚の駒で自陣内の二つの筋だけを着手(6筋の△62金、△61金の往復着手と9筋の△92香、△93同香)
・先手は、一手おきに玉の手を指し、5段目で詰み(3手目▲68玉、7手目▲77玉、11手目▲86玉、15手目▲95玉)
・5筋の手は一度だけ(5手目▲55角)

Suiri1423

Suiri1423a5段目の玉を詰めるには片側が壁になっている端玉の形が退路が少なくて都合が良いはずです。そして、端の6段目が玉の退路となないようにする最終手は香のはずで、端から2筋目は中段の3地点をカバーできる飛のはずです。後手の手で先手陣の手が許されるのであれば、7段目に大駒の成駒が配置されれば6段目の退路をカバーできますが、本問では後手着手は後手陣だけなので、端の段目玉を香と飛のふた筋で詰める形のはずです。

参考1図は、先手の△15玉を1筋の香と2筋の飛で詰めたものですが、手数オーバーの20手なので失敗でした。

参考1図:▲36歩、△12香、▲48玉、△11角、▲76歩、△22飛、▲37玉、△24歩、▲55角、△23飛、▲26玉、△22飛、▲46角、△23飛、▲15玉、△22飛、▲24角、△23飛、▲13角不成、△同香 まで20手

参考1図の手順では、角が出て行くための▲76歩と玉が出て行くための▲36歩の2手が必要なために手数オーバーになったようです。それに後手は自陣内の手ではない△24歩を指してしまっています。

Suiri1423b角出と玉出を兼ねた▲76歩で95地点の玉が詰む手順なら手数を減らせそうです。また、後手が△84歩と指さずに済ますためには、▲66角から▲93角成後に▲83馬で歩を取れば良さそうです。参考2図はこの方針で指してみたもので、無事に18手で先手玉を95地点で詰ますことができました。しかし、条件で指定されている5筋の手が入っていないですし、先手玉の着手は1手おきですが5手目からの4回なのでこの場合は初手も玉着手でないといけないので失敗でした。

参考2図:▲76歩、△92飛、▲66角、△82飛、▲68玉、△92飛、▲93角成、△82飛、▲77玉、△92飛、▲83馬、△82飛、▲86玉、△92飛、▲93馬、△82飛、▲95玉、△93香 まで18手

後手には2つの筋で2つの駒の着手しか許されていなくて、詰み形は端からの2つの筋の香と飛の形のはずなので参考2図では飛を9筋の8筋を往復させて時間稼ぎをしていました。先手は馬を作って83の歩を払い、17手目は▲93馬として△同香での詰みのはずです。参考2図の詰み上がりを目指すしかないのですが、どこか改良できる手順があるのでしょうか。

先手の5筋の着手条件から想像できる手は▲55角です。その後の▲73角成で馬を作り、▲83馬から▲93馬と指せば良さそうなのですが、▲73角成が王手になってしまうので飛を△62飛と振ると後手の着手筋が3つになるのでいけません。参考1図の手順では飛を2筋に振る必要があったので、時間稼ぎは飛を2筋内で移動させる手順を採用しましたが、95の先手玉を詰める手順では初期配置の82の飛は動かす必要がないことに気付けば、▲73角成の王手の対応を別の手で済ますことができます。王手を掛けられている51の玉を△52玉、△51玉を往復させて時間稼ぎをすることができますが、条件により後手玉を5筋で動かすことができません。となると必然的に▲73角成の王手の合い駒は△62金です。△52銀の合い駒だと銀は△62銀と△71銀を繰り返すことになり、最終手の△93香と合わせると後手の着手筋が3つになるので62地点での合い駒は△62金になります。その後、この金は△61金、△62金の往復で時間稼ぎをします。

よって、初手から▲76歩、△62金、▲68玉、△61金、▲55角、△62金、▲77玉、△61金、▲73角成、△62金、▲86玉まで進めたところで問題発生です。73に馬が居るので12手目に△61金と指すことができません。13手目は▲83馬なので14手目は△61金を指して時間稼ぎを続けることができますが12手目は何ができるでしょうか?後手の着手筋は2つだけで、着手は2つの駒だけという条件なので、初形61の金を62との往復で時間稼ぎすることと最終手の△93香を予定していたのでそれ以外の筋や駒を指すわけにはいきません。解決策は何のことはなく△92香です。やることが決まっているとタイミングがずれると見えなくなってしまう固定概念に気をつけましょう。

12手から、△92香、▲83馬、△61金、▲95玉、△62金、▲93馬、△同香で詰みとなりました。

最後に、ほっとさんから指摘があった余詰手順の紹介と作者からのお詫びのコメントが寄せられていますので掲載します。

余詰手順
▲56歩、△32飛、▲68玉、△42銀、▲76歩、△31飛、
▲57玉、△32飛、▲33角成、△31飛、▲46玉、△32飛、
▲43馬、△33飛、▲55玉、△31銀、▲65馬、△43飛 まで18手

2つの筋で2つの駒という条件から、往復運動での時間稼ぎができる駒は、縦運動では玉と金、横運動では飛だと思い込んでいましたが、飛を縦と横に動かすというブレークスルーの発想が素晴らしいです。(担当)

作者(ミニベロ)よりのお詫び

先ず、余詰のお詫びです。
ほっとさんの御指摘の順は、全く見えませんでした。
出題されれば解けないレベルの巧妙な順でした。

次に、怪しい修正のお詫びです。
言い訳ですが、制作時において15手目(後述)は、
5段目でも6段目でも狙いには関係のない『どちらでもいい』手でした。
この『どちらでもいい』が私の頭の中で一人歩きして、
安易に修正してしまいましたが、勿論作意を変える順はいけません。
これにすら気がついていない低いレベルの話でした。
解答者の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。

そして「15手目」と「17手目」の間違いですが、
これは「悪手が悪手を呼ぶ」という言い訳にならないミスでした。
重ねてお詫び申し上げます。

担当からも粗検のお詫びを申し上げます。
それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

ミニベロさん(作者)「12手目の92香しか謎はないので、一番易しいと思う。この詰め上がり、前例がなければいいのだが。
難しかった人には、おまけバージョンをどうぞ。
・18手詰
・後手は、自陣内の二つの筋を交互に着手
・先手は、一手おきに玉の手」

■おまけバージョンも難しいはずだけど...。
第143回の9手特集が簡単過ぎた方はこの「おまけバージョン」の解答を143-番外で解答してください。(手数で言えば、9手作5題と同じ。昨年は9手作6題の出題で結果稿が大変だった)

斧間徳子さん「今月では一番易しかったが、解いて楽しい秀作と思う。」

■次回の墨守作品はどうなるでしょうか。墨守の残り作品の内の1作はミニベロさんの短評で「おまけバージョン」として出ています。

諏訪冬葉さん「最終ヒントだけで解きました。
「17手が変わる」の意味がわからない・・・」

■すみません、「17手が変わる」は「15手が変わる」の間違いでした

NAOさん(双方解)「長手数の割には取り組みやすい。金の手の合間に92香が限定で1回入るのが洒落た構成。」

■最終手の△93香までは金の上下運動だと思っていると、はたと悩む。暗算での解図では要注意ですね。

緑衾さん「141-3で考えた筋がほぼそのまま解答でした。結局余詰は分かりませんでした。修正後の条件「・5筋の手は一度だけ」は会話には「敗着」とあるので先手の手だと書いた方がいいかもしれません。」

■元の条件は「先手だけ」なので会話の「敗着」に不整合はありませんでしたが、条件を「一度」にしたら会話の「敗着」の記載は削っても良かったですね。(着手回数で条件をきつくした代わりに先後の可能性で緩くする)
141-3の緑衾さんの短評への担当コメントは本問があったのではぐらかしてました。

ほっとさん(双方解)「後手の飛を動かすことばかり考えていた。まさか金・香だけで間に合っているとは。」

■後手の飛の動かし方に参りました。

はなさかしろうさん(双方解)「難しくて、締め切り前ヒントを見てもしばらく解けませんでした。先手が角の手で後手玉に王手すると交互玉条件で手詰まりになると速断してしまったのがいけませんでしたが、手数に緩みを持たせたつくりもまた、難しさの一因だったと思います。とはいえカッコ良い余詰筋や紛れ筋が生じていて、とても楽しかったです。」

■本来なら、余詰手順ではなく作意順で楽しんでいただくはずでした。

RINTAROさん「不自然な5筋の着手で角を使うことに気付きました。後手の着手が自然に限定されている点が素晴らしいです。142-3余詰再修正の作者コメントにある「玉方の最終手」とは「17手目」ではなく「15手目」のことでしょうか?」

■先手玉の着手は1手おきなので、最後の玉着手が▲95玉でも▲96玉でも成立する手順だったので、思いっきり勘違いしました。

飯山修さん「この手順しか思いつかないが5筋の条件クリア出来ず。55角ー>73角成は王手放置だし。5筋2回以上着手の余詰手順も判りません。」

■参考2図の手順だと5筋着手が無いので失敗でした。締め切り前ヒントの「飛と香の利きで」はちょっと意地悪なヒントでした。15の玉の場合は後手の飛着手は必要ですが、95玉の場合は飛の利きは詰めに必要ですが飛の着手が不要な手順が作意でした。

べべ&ぺぺさん「手が広い印象で、考えにくくて解けません。」

■端玉だと手が狭まります。分かり易い詰み形からの逆算も解き方の一つです。

占魚亭さん「第一感は飛でした。」

■おそらく、参考2図のような手順ですね。

原岡望さん「妙手92香」

■後手着手に困っていたら△92香がありました。9筋の後手着手は最終手の△93香の1手だけだとの思い込みが△92香の発見を遅らせます。


正解:11名

  斧間徳子さん  諏訪冬葉さん  NAOさん  緑衾さん
  ほっとさん  ミニベロさん  はなさかしろうさん
  RINTAROさん  占魚亭さん  テイエムガンバさん
  原岡望さん


総評

斧間徳子さん「3年目に突入とのこと、担当の激務、お疲れ様です。
今月は手数は長いが3作とも好作で楽しめました。たしかにやることが決まっている中編は、難解な短編よりはるかに解きやすいですね。」

■「難解な短編よりはるかに解きやすい」とは云うものの、出題翌日に全問正解+余詰指摘には参りました。

NAOさん「解答者減が心配だがたまにはこのような出題も歓迎します。長手数の3題は手応えたっぷりで、十二分に楽しみました。」

■解答者数は微減で済みましたが、全員正解の問題はありませんでした。全問正解は約半数。

緑衾さん「超手数特集だと1問目から重たくて大変でした。墨守って、中国の故事からきた言葉なんですね。」

■墨守は投稿があった際に担当もネットで調べました。

ほっとさん「上級3作はなかなか大変だった。」

■手数で分類すると上級になってしまいますが、14~16手の初級があっても良いかと思います。

ミニベロさん「合計手数は多いが、いい選題だと思う。
詰将棋でもそうだが、長編は繰り返しや絶対手が多いので、やってみると実はそれほど難しくはない(なんてヒント待ちだけど)。
今回も、142-3が一番簡単だし。」

■まだ墨守シリーズ残っているので15手以上が普通になる時代が来ますかね?今は9手が初級で11手が平均でしょうか。

RINTAROさん「解図するのが遅くなりました。必然的にヒント頼りになってしまいました。」

■今回は上級3題ということもあって、強豪解答者もヒント待ちされていたようです。

飯山修さん「長手数特集は初の試みですかね。解答者が減らなければいいですが。」

■解答者数は若干の減で済みました。

べべ&ぺぺさん「時間切れです。次回は全問正解を目指します。」

■出題中の143回は9手特集なので全問正解になるでしょう。

占魚亭さん「すみません、今回は1問解答です。手をつけたのがギリギリで時間がありませんでした。」

■解図0問での感想送付でも構いませんので今後もよろしくお願いします。

ジェシーさん「今月は時間切れにつき、一問だけです・・・。」

■143回は全問解答を期待しています。

テイエムガンバさん「今回は1問だけの参加です。次回以降は全問正解できるように頑張ります。」

■1問だけの解答の方が3分の1居ましたが、解答された問題は割れていました。

原岡望さん「今回は全面的にヒント頼みです。今月は詰パラも解けないのがあり絶不調です。」

■詰パラ9月号の推理将棋は休載ですし、143回は9手特集なので楽勝ですよね。


推理将棋第142回出題全解答者: 15名

  斧間徳子さん  諏訪冬葉さん  NAOさん  緑衾さん
  ほっとさん  ミニベロさん  はなさかしろうさん
  RINTAROさん  飯山修さん  べべ&ぺぺさん
  中村丈志さん  占魚亭さん  ジェシーさん
  テイエムガンバさん  原岡望さん

当選: 斧間徳子さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。

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コメント

おまけ作は、解答募集をしているわけではないのですが、
NAOさんより、解答と余詰順をいただきましたので。修正しておきます。
ありがとうございました。

・18手詰
・後手は、自陣内の二つの筋を交互に着手
●後手の使用駒は2枚
・先手は、一手おきに玉の手

投稿: ミニベロ | 2021.10.01 16:21

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