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推理将棋第142回解答(2)

[2021年9月27日最終更新]
推理将棋第142回出題の142-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


142-2 上級 Pontamon 作    入玉して勝った     15手

「15手目の初王手で詰めたけど勝った気がしない」
「一体どうしたの?」
「同じ筋の玉着手で対局が始まって、13手目に入玉したんだ」
「入玉って玉が敵陣へ入ることだろ。そんなことしてたのに詰めたの?」
「本当は14手目で詰まされるとこだったけど、後手が飛の詰みの手を見逃したので逆転で詰めたんだ」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 15手目の初王手で詰み
  • 同じ筋の玉着手で対局が始まった
  • 13手目に入玉した玉を飛で詰める手があった

出題のことば(担当 Pontamon)

 13手目の先手玉の入玉までの道中で、王手されずに金や銀を取ることはできません。

作者ヒント

 見逃した14手目は先手の玉頭へ飛を振る手(Pontamon)

締め切り前ヒント

 駒打ちは無く、駒移動の最大は角の2マス移動です。

余詰修正

会話
後手が詰みの手を見逃した ⇒ 後手が飛の詰みの手を見逃した

条件
13手目に入玉した玉を詰める手があった ⇒ 13手目に入玉した玉を飛で詰める手があった


推理将棋142-2 解答

48玉、△42玉、▲46歩、△34歩、▲47玉、△44角、
▲56玉、△35角、▲55玉、△64歩、▲同玉、△33玉、
63玉、△44玉、▲76歩 まで15手

(条件)
・15手目の初王手で詰み(15手目▲76歩)
・同じ筋の玉着手で対局が始まった(初手▲48玉、2手目△42玉)
・13手目に入玉した玉を飛で詰める手があった(13手目▲63玉に対して14手目△62飛なら詰み)

Suiri1422

本問では手数が長くなる手順よりも短手数の詰み形を考えた方が解き易いかもしれません。つまり15手の手順を考えるよりも、13手目に入玉した先手玉を14手で詰める手順を考え、14手目を後手の悪手に変えて、15手目で先手が詰めれればよいのです。

入玉した玉を詰める形と言えば、137-3で出題されたミニベロ作の「墨守」の詰み上がりの形が思い出されます。

▲68玉、△62玉、▲56歩、△34歩、▲57玉、△32金、▲46玉、△42金、▲45玉、△32金、▲34玉、△42金、▲23玉、△33金の手順だと13手目で入玉した先手玉を14手目で詰めることができますが、14手目が違う手だとしても15手で詰めることはできません。それはこの手順だと13手目に入玉するまでに入手できる駒が歩しかないからです。

Suiri1422a15手で詰めることに戻します。13手目に入玉するまでの経路で歩以外の駒を入手して、最終手でその駒を打つだけで詰む形にはどんな形があるのかを考えてみます

金や銀を入手して1段目の後手玉を3段目の先手玉と2段目へ打つ金気での詰みの形はありますが、入玉するまでに金気の駒を取るには王手がかかるはずなので条件を満たせません。(同じ段の銀を玉の横移動で取ることはできてもそれだと13手目の入玉はできません)

となると、1段目の後手玉に対して、同じ筋の3段目に入玉した先手玉とその隣のマスへの桂打ちの吊るし桂の形が思い浮かびます。参考1図の手順がその一例ですが14手目に先手玉を詰めることができる手がありません。

参考1図:▲68玉、△62玉、▲66歩、△74歩、▲67玉、△73桂、▲56玉、△65桂、▲同玉、△51金右、▲74玉、△61玉、▲63玉、△14歩、▲73桂 まで15手

3段目からの吊るし桂以外にも▲68玉、△62玉、▲66歩、△34歩、▲67玉、△33桂、▲56玉、△45桂、▲同玉、△54歩、▲同玉、△72飛、▲43玉、△51金左、▲54桂 までの詰み形もありますが、こちらも14手での詰みはありません。

Suiri1422b入玉の途中で取った駒を最終手で打つ詰手順が無さそうですが、入玉に必要な歩突きと玉移動の手数から考えられる残りの手数は1手しかないので、後手玉を15手で詰めるには、最終手はきっと角が飛び出て行く手順なのでしょう。その方針で指してみたのが参考2図です。14手目の△54歩の代わりに△42飛とすれば詰むのですが、△51金左が間に合っていないので参考2図は詰んでいません。「3手目と4手目は同じ筋の玉の手」の条件だと初手の▲76歩の次の2手目に△32飛や△52飛を指してから▲68玉、△62玉を指せるのですが、条件の玉着手は初手と2手目でした。

参考2図:▲68玉、△62玉、▲76歩、△51玉、▲77玉、△32飛、▲66玉、△62玉、▲55玉、△44歩、▲同玉、△72銀、▲43玉、△54歩、▲44角 まで15手

余詰の修正条件だと14手目は飛で先手玉を詰める手順に限定されましたが、元条件を満たす14手目に飛以外の駒で詰める手順であれば、▲68玉、△62玉、▲76歩、△54歩、▲77玉、△72銀、▲66玉、△42銀、▲65玉、△51金左、▲54玉、△53銀、▲43玉、△44銀、▲同角 まで15手の手順がありました。14手目が△42金だと先手玉が詰むのですが、12手目の△53銀が王手なので辛うじて余詰を逃れていた手順があります。

入玉するために多くの手数を使ってしまった先手は、残り1手で後手玉を詰める手段が尽きてしまったように思いましたが、万策が尽きた訳ではありません。万策が尽きたと思った時には空き王手の手段を思い出すことが重要です。

本問では、13手目までは入玉のために手数が費やされているので空き王手で後手玉に留めを刺せるのは角しかありません。つまり最終手の15手目は▲76歩のはずです。後手玉が後手陣に居ると▲76歩の空き王手に対して△44歩などの移動合いで詰みを逃れてしまいます。つまり、後手玉は44か55の中段に居る必要があります。

後手玉が55に居る場合、6段目は先手の歩がカバーしているので問題は無さそうです。後手玉の後方については先手玉が63地点ほ入玉していれば54地点と64地点をカバーでき、44地点は角の利きがあるので退路にはなりません。残るのは45と65の地点です。45は△45桂の協力が可能かもしれませんが、65の退路を塞ぐ方法がありません。よって、後手玉は44地点のはずです。

後手玉が44地点の場合、先手玉が63へ入玉していれば54地点をカバーでき、後手の△34歩で34地点は塞がっていますが、残る35地点と45地点を塞ぐ手段があれば15手目の▲76歩で後手玉を詰ますことができそうです。

▲36歩で先手玉が37地点経由で63への入玉を目指した場合は、35地点は先手の歩でカバーできているので、玉退路として残っているのは45地点なので△45桂で退路封鎖に協力することができそうです。この詰み形からだと14手目は△62飛で先手玉を詰めることができそうですが、13手目の先手玉の入玉時点では後手玉は33地点に居るはずなので、53の歩への利きがないため▲53玉で逃げられてしまいます。14手目の△62飛で先手玉を詰めるには、53の歩を守る駒が必要になります。後手玉の退路地点である35を塞ぎつつ53地点に利かせることを考えると△35角は容易に思い浮かぶはずです。この場合、先手玉が入玉を目指すための経路は▲46歩で空けた47経由になり、▲46歩が後手玉の退路の45地点をカバーすることになります。

後手玉は33経由で44へ行く必要があり、先手玉は47地点を経由する必要があるので、対局開始の同じ筋の玉着手は初手から▲48玉、△42玉で、入玉を目指す先手の3手目は45地点のカバーも兼用する▲46歩で、後手の4手目は、35へ角が行くためと33へ玉が行くための兼用になる△34歩で5手目は▲47玉です。63地点ほの入玉には△64歩とした歩を取る経路になりますが、▲65玉に△64歩だと王手になるので、▲55玉経由で64の歩を取る必要があります。しかし、後手の角が利いている時に▲55玉はできないので、これらを加味すると6手目は△44角で続いて▲56玉、△35角、▲55玉、△64歩、▲同玉で次の13手目に63地点へ入玉します。12手目は△33玉で続いて▲63玉です。この時点で△62飛であれば先手玉は詰んでいたのですが、後手の14手目は△44玉だったため15手目の▲76歩の空き王手で逆転勝ちとなりました。

元条件での余詰手順は
▲58玉、△52玉、▲46歩、△54歩、▲47玉、△32銀、▲56玉、△31角、▲45玉、△97角成、▲54玉、△42玉、▲63玉、△51歩、▲97角 まで15手
で、14手目が△53馬だと先手玉が詰みます。粗検、申し訳ありませんでした。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

Pontamon(作者)「余詰作を出題したのみならず、余詰ではなかった手順を余詰だと勘違いして修正⇒撤回のドタバタ劇の末にやはり余詰があったということで最初の余詰修正条件の復活という醜態をさらしてしまいました。粗検、申し訳ありませんでした。」

斧間徳子さん(双方解)「第1感の33桂~45桂ではうまくいかず、44角~35角に辿り着く。少ない条件で洗練された作品かと思いきや、次の余詰が成立しているようです(この余詰も妙手順です)。
【余詰め】58玉、52玉、46歩、54歩、47玉、32銀、56玉、31角、45玉、97角成、54玉、42玉、63玉、51歩、97角まで15手。」

■出題翌日の斧間徳子さんからの解答で余詰指摘があったのですね。

諏訪冬葉さん「最終ヒントを見るまで後手角は△77角不成-△55角不成で取らせると思っていました。」

■▲58玉、△52玉、▲46歩、△34歩,▲47玉、△77角不成、▲56玉、△55角不成、▲同玉のような序でしょうか。後手の手数が足りなくなるようです。

NAOさん(双方解)「片方の玉の詰ませ方はいろいろあるが、14手目と15手目の双方で詰む形の探索には苦戦した。いかにも二段玉が詰みそうなだけに中段玉には意表を突かれました。」

■入玉途中に金銀を取って玉頭へ打つ形や51地点を埋めて壁へ追い詰めた後手玉を入玉した先手玉の隣へ金気を打つ形がありそうに見えます。

緑衾さん(双方解)「ぎりぎりで不成立の手順が多く、余詰があっても傑作だと思います。」

■余詰の指摘、ありがとうございました。14手で詰ませる形は△33金以外は2段目の飛しか見えてませんでした。

ほっとさん(双方解)「53に利きを残しつつ35を塞ぐ44角~35角がうまい。」

■△42玉や△44玉で53の歩を守る以外にも手がありました。

ミニベロさん「これもヒント待ち。でも解けない。44角迄は間違っているのか?
この最終手は知っているのに、44角を追いかけすぎた。
そして、この詰み形も熟知しているはずなのに。
この条件ですべて限定されているとは!
142の1もそうだが、初王手で詰みの条件がよく利いている。」

■2回王手になってしまう最終手▲44角の手順を解説に追記させていただきました。

はなさかしろうさん(双方解)「後手も玉を繰り出すという発想が浮かばず、あっさり締め切り前ヒント待ちしましたが、それでも相当かかりました。満足感のある解き心地です。振り返ってみると43玉や23玉の紛れも相当深かったし、元条件の余詰筋もまたぴったりで、難問でした。」

■実は双方入玉の16手作(未発表)からの発想だったの後手玉も動いたのでした。

RINTAROさん「詰め上がり図からの逆算で解きました。ぴったり限定されている感じが素晴らしいです。」

■空き王手が思い浮かべば、解説のように逆算可能ですね。

飯山修さん「直前ヒントの駒打なしでそれ迄の思考は全部無駄と判明。角2マス移動で最終手詰上げも難しい。76歩で仕留める回路にようやく到達。44玉の逃げ道塞ぎは角でも桂でも良さそうだけど53に効く分角が優る。また桂だと37経由の為15手目初王手条件をクリアできない」

■桂の場合の手順だと14手での詰みが無い他に、▲48玉、△42玉、▲36歩、△34歩、▲37玉、△64歩、▲46玉、△33桂、▲55玉、△45桂、▲64玉、△33玉、▲63玉、△44玉、▲76歩の10手目の△45桂が空き王手になってしまいますね。

べべ&ぺぺさん「先手の手は、歩が1回・・・76歩。角が1回・・・66角。玉が6回。詰む形が見えません。」

■ヒントの「駒移動の最大は角の2マス移動」は先手角ではありませんでした。

原岡望さん「6筋 5筋 4筋の3択なのにできないとは悔しいです。角の2枡も想像がつきません。」

■14手詰と15手詰の両方の形を考える必要があるので、ヒントで空き王手を明かしても良かったかも。


正解:9名

  斧間徳子さん  諏訪冬葉さん  NAOさん  緑衾さん
  ほっとさん  ミニベロさん  はなさかしろうさん
  RINTAROさん  飯山修さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

本問堪能しました。紛れも熱かったですね。
イチ押しは▲4八玉△4二玉▲3六歩△3四歩▲3七玉△7七角成▲2六玉△5五馬▲2五玉△2八馬▲3四玉△4六馬▲2三玉△3三桂▲同角成の順。後手52塞ぎの一手が足りません。
惜しい紛れを見つけてしまうと後ろ髪をひかれて心理的な難度が上がってしまいます(^_^ゞ

投稿: はなさかしろう | 2021.09.28 01:01

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