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推理将棋第146回解答(3)

[2022年2月21日最終更新]
推理将棋第146回出題の146-3の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第146回出題  推理将棋第146回解答(1) (2) (3)
  (4) (5) (6) (7) (8) (9)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


146-3 初級  けいたん 作  42金まで香落ち      10手

「42金まで10手で詰みか。香落ちは卒業かな」
「上手角が2回動いたね」
「上手に5~9筋の着手はないな」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)
  手合い割:香落ち

  • 42金まで10手で詰み
  • 上手角が2回動く
  • 上手に5~9筋の着手なし

出題のことば(担当 Pontamon)

 手合い割は(左)香落ち。年賀推理に関係がありそうな手は何でしょう。

作者ヒント

 割と豪快な手順(けいたん)

締め切り前ヒント

 上手の角は初手から動き、最終手の▲42金は頭金です。


推理将棋146-3 解答 担当 Pontamon

図面の「先手」「後手」は「下手」「上手」と読み替えてください。
 香落ちなので、上手から指し始めます。

手合割:香落ち 
11角、▲76歩、△12飛、▲33角不成、△42金、▲同角不成、
41玉、▲31角不成、△22角、▲42金 まで10手

(条件)
手合い割:香落ち
・42金まで10手で詰み(10手目▲42金)
・上手角が2回動く(初手△11角、9手目△22角)
・上手に5~9筋の着手なし(初手△11角、3手目△12飛、5手目△42金、7手目△41玉、9手目△22角)

Suiri1463

Suiri1463a最終手が▲42金だと分かっているので玉位置や玉の退路を封鎖する地点は容易に想像できます。上手角が2回動くのですが、最終手が▲42金なので上手角の2回目の移動先は△33角であってはいけません。これらを念頭に入れて進めたのが参考1図です。▲42金を支えるために下手は42で金を取った後に▲31角不成で42地点を空け、上手は玉の退路の62地点を△62飛で塞ぎましたが、上手の6筋着手は禁止されていたので失敗です。

参考1図:【手合割:香落ち】△52玉、▲76歩、△62飛、▲33角不成、△42金、▲同角不成、△11角、▲31角不成、△22角、▲42金 まで10手

62地点を下手がカバーしつつ、最終手の▲42金も支えることができる角の位置は51でしょう。参考2図では、上手が51地点で金を渡した際の▲51角不成で62地点をカバーできているので△62飛は不要になっていて、上手角の2回移動も実現できているので成功したと思いましたが、上手が着手できない9筋側の筋は5筋以降だったので参考1図同様に参考2図も失敗でした。

Suiri1463b参考2図:【手合割:香落ち】△52玉、▲76歩、△11角、▲33角不成、△51金左、▲同角不成、△32銀、▲16歩、△22角、▲42金 まで10手

最終手が▲42金の場合、飛の横利きがあるので玉位置を52にするのが常套手段だったのですが、6~9筋の着手禁止ではなく5~9筋の着手禁止なので△52玉は指せません。となると△41玉に対しての頭金の▲42金で仕留める必要がありそうですが、飛の利きを無くすミッションが発生します。下手の着手は5手しかないので、▲76歩の他に必要な手は、金を取る手、飛を取る手、▲42金の合計4手なので5手で行けそうな気がします。しかし、実際には金や飛を取れるのは下手の2回目着手で角成した後に3回目と4回目着手で金と飛を取ることになります。51で居玉のままで▲42金を打っても62地点の逃げ場があるため、どうしても上手玉は41への移動が必要です。となると、32や42で金や飛を角成や馬で取る手が王手になってしまい、手順が成立しません。

上手の飛の利きを無くすために飛を取ることを考えたのが間違いだったようです。上手は1~4筋の着手しかできないのですが、△12飛へ移動して22地点を他の駒で抑えれば飛の利きを外すことができそうです。12への飛移動の邪魔をしている22の角を先に移動させ、△12飛のあとに△22銀や△22角で飛の利きを遮ることができます。上手の角着手は2回という条件があるので、22地点で飛の利きを遮るのは角になるでしょう。

初手から、△11角、▲76歩、△12飛、▲33角不成、△42金、▲同角不成、△41玉の次の手では42地点に利きがある31の銀を取る▲31角不成で、次の△22角で12の飛の利きを遮れば▲42金までの詰みとなります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

けいたんさん(作者)「香落ちは11角を指したいところ」

■既投稿作を年賀用に修正しての出題でした。

諏訪冬葉さん「146-1と同じ手順+角の無駄手で行けるかと思ったら5筋の手がなくて撃沈。」

■上手の右側の筋の手が禁止ですが、5筋も含まれていました。

斧間徳子さん「香落ちを活かすには11角。角の往復がユニーク。」

■角の往復でなくて△22銀を許すと下手の角位置や角成の非限定が多数。

NAOさん「香落ち一間飛車の協力手。」

■一筋の書き間違い?

飯山修さん「これ迄の駒落ち作品の中の最高傑作か?(と言ってもそれほど数は発表されていないが)」

■着手禁止筋ではなく、年賀条件らしく「上手は1筋から4筋までの間の着手」が良かったかな?

中村丈志さん「香落そのものもヒントになりますね。」

■初手から可能な△11角を指せます。

べべ&ぺぺさん「飛車筋が横に効いていると、42金までの詰みはないと思いました。」

■△62飛や△52玉を指せれば詰みがあったのですが....。△12飛は気付き難い好手。

RINTAROさん「4筋迄の着手しか指せないので、飛の横利きを止めるにはこれしかない。」

■△12飛の発見がミソ。

テイエムガンバさん「香落ちならではの初手と3手目。」

■これらの大駒着手が豪快な手順。

緑衾さん「11角は出るだろうなと思ったら出ました」

■はい、初手からの出番でした。

ミニベロさん「香落ちならではの手順。」

■香落ちでないと△12香、△11角は出来ても、△12飛は中々できません。なので△12飛は気付き難い。

原岡望さん「香落特有の手筋」

■香落ならではの初手でした。

ジェシーさん「「5~9筋の着手なし」は意外と厳しい縛りですね。」

■6筋着手と5筋着手を取り上げないと失敗例の解説ができませんでした。

はなさかしろうさん「上手角が11と22に。」

■明示されていませんが、解いて分かる年賀条件。


正解:13

  諏訪冬葉さん  斧間徳子さん  NAOさん  飯山修さん
  中村丈志さん  べべ&ぺぺさん  RINTAROさん
  テイエムガンバさん  緑衾さん  ミニベロさん
  原岡望さん  ジェシーさん  はなさかしろうさん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

一筋の書き間違い?

いや、一間飛車でいいんですよ。
担当先生は将棋指さないからなあ。

投稿: ミニベロ | 2022.02.21 13:42

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