推理将棋第146回解答(2)
[2022年2月20日最終更新]
推理将棋第146回出題の146-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第146回出題 推理将棋第146回解答(1) (2) (3)
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
146-2 初級 諏訪冬葉 作 新春9-2問題 9手
「今年の初対局は9手で勝ったよ」
「わーすごいね」
「最終手は11の駒を22に動かしたんだ。22年1月1日にふさわしいだろ」
「わーすごいね」
「7手目は77におまけの文字がつく手。景気よさそうだろ」
「わーすごいね」
「お前『わーすごいね』しかいってなくね?」
「わーすごいね」
「・・・」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 9手で詰んだ
- 7手目は77で補助記号がある手
- 9手目は11の駒を22に動かした
出題のことば(担当 Pontamon)
年賀条件でお馴染みの11と今年の22が入った最短手数問題です。
作者ヒント
7手目の駒と補助記号は何でしょう。(諏訪冬葉)
締め切り前ヒント
補助記号が付く7手目の77地点へ着手した駒が22地点の最終手を支えます。
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推理将棋146-2 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△34歩、▲22角不成、△42玉、▲11角不成、△32玉、 (条件) |
![]() |
補助記号が付く77地点への着手を考えてみます。後手の着手ならいろいろありそうですが、先手の着手となると、飛や角を後手陣から77へ引いて来た時の成(または不成)でしょうか。参考1図は73の飛を▲77飛不成と引いた後に▲72飛不成で後手玉を詰めた手順です。飛を引くタイミングが合わず、補助記号付きの77への着手は9手目で、後手玉を詰めたのは11手目です。しかももう一つの条件である11の駒を22へ移動する手が含まれていないので失敗でした。
参考1図:▲78飛、△34歩、▲96歩、△77角不成、▲同飛、△42玉、▲73飛不成、△32玉、▲77飛不成、△22玉、▲72飛不成 まで11手
飛では77への補助記号付き着手を7手目に実現することはできないので、対象となる駒は角しかありません。また、11から22へ移動できる駒は玉以外だと、銀、角、馬、龍の4種類なので、参考2図の手順では11へ銀を打つ方針で進めました。7手目の補助記号付き着手は▲77角成を指して、最終手は11の銀を22へ引く▲22銀成で後手玉を詰めた手順になりますが、13手の手数オーバーの失敗手順でした。
参考2図:▲76歩、△34歩、▲22角不成、△12香、▲33角打、△42金、▲77角成、△41玉、▲31角不成、△32玉、▲11銀、△41金、▲22銀成 まで13手
参考1図の飛にしても参考2図の角にしても77地点への着手に付く補助記号は「成」でも「不成」でも関係ない手順になっています。飛では7手目に77地点への補助記号付き着手はできないので、駒種は角であることに間違いは無いはずですが、「成」と「不成」が限定されないことが不思議です。「成」や「不成」以外の補助記号で角の着手に付く可能性があるものに「右」や「左」、「上」があります。たとえば、初手から▲76歩、△34歩、▲22角不成、△何か、▲68角、△何か、▲77角上などです。22の角が77へ引くと▲77角引の他に成か不成が付くので限定されません。角の打ち場所が▲86角なら7手目は▲77角左にになります。もう一つの角が22に居るので「右」だけが付く角着手を7手目にすることはできません。しかし、11に先手の駒が無いので先手の次の9手目で22へ移動することはできません。
7手目の補助記号で引っ掛かっていますが、もう一つ残っていたものがあります。それは「打」です。盤上に自分の角がある状態でその角の利きへ持ち駒の角を打つ手です。3手目に▲22角不成で角を取っていて、7手目に▲77角打をすれば良いのですが、では、5手目は? 手数オーバーの参考2図では11へ銀を打つために△12香の手が必要でしたが、今回は5手目に自分で▲11角不成を指すことができ、手数削減になります。初手から、▲76歩、△34歩、▲22角不成、△42玉、▲11角不成、△32玉、▲77角打 になります。後手玉は▲22角引成で詰まされるように32地点まで移動してきましたが、8手目は玉の退路を塞ぐための協力手△42銀で、9手目の▲22角引成で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
諏訪冬葉さん(作者)「77角に補助記号を付けるためには11に生角を置いておく必要がある。それだけの問題です。」
■年賀推理の投稿、ありがとうございました。
斧間徳子さん「7手目77角打を考えると自然に解け、一番易しかった。」
■「打」が見えれば、最終手の地点がわかっているので解図は容易だったでしょう。
NAOさん「7手目は打つ。11と22が入る易しい年賀詰。」
■「5手目は補助記号が付く55への着手」でも成立しますが、元祖フィーバー数字の777が豪勢。
飯山修さん「ゾロ目はサイコロ博打が語源らしいが昔の競馬ではよく使ってた言葉。今は枠連を買う人は少なくてあまり使われなくなった」
■出走頭数が多いG1や強すぎる馬の単枠指定を除いて、10頭立ての7-7や8-8は中穴?
中村丈志さん「角を駆使するので読みやすかったです。」
■7手目に▲77飛〇はできないので、角2枚の問題でした。
けいたんさん「これは分かりやすかった。」
■詰み場所の予測も容易なので。
べべ&ぺぺさん「暗算で2分で解けました。」
■初級問題として優秀な作品でした。
エレーンさん「手数は一問目より長いですが、こちらの方が考えやすかった。」
■手順捜索ではなく理詰で解けるので考え易いです。
RINTAROさん「これはお年玉。」
■解図強豪にはお年玉。
テイエムガンバさん「「77で補助記号がある手」というヒントで補助記号が成か不成かのどちらかとミスリードしてしまいました。」
■7手目の77着手が成でも不成でも次の最終手は11の駒を22へ動かす手なので限定されません。
緑衾さん「22への手までの詰み1つ目ですね。」
■22への手までは全部で3問でした。
ミニベロさん「シンプル条件できれいに限定されています。
棋譜ルールでは、77に{打}が付くんですね。
11の角を引いてくる手には、必ず成か不成が付くので、7七角だけでも区別はつきそうですが。」
■▲77角だけだと成や不成を書き忘れた誤記との区別がつかないです。
原岡望さん「素直な問題」
■手順が見えているとどれも素直に思えます。
ジェシーさん「全部の補助記号を間違えずに書くのが一苦労です。」
■将棋ソフトがあると便利なのですが、連盟の棋譜表記と違うソフトがあるのでチト厄介。
はなさかしろうさん「11と22に着手がある詰手順は9手が最短ですね。さらっと解けて年初にありがたいです」
■来年の年賀推理に、「11の着手」「23の着手」「1段目玉が詰んだ」の9手詰なんてのはいかがでしょうか。
正解:15名
諏訪冬葉さん 斧間徳子さん NAOさん 飯山修さん
中村丈志さん けいたんさん べべ&ぺぺさん エレーンさん
RINTAROさん テイエムガンバさん 緑衾さん ミニベロさん
原岡望さん ジェシーさん はなさかしろうさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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