推理将棋第146回解答(1)
[2022年2月19日最終更新]
推理将棋第146回出題の146-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第146回解説 担当 Pontamon
2022年の年賀推理特集は9作の盛況な回で、15名の方々から解答をいただき、ありがとうございました。
しかし、年頭から余詰を2作出してしまい、粗検、大変申し訳ありませんでした。
146-1 初級 NAO 作 令和4年の決め手 7手
「あけましておめでとう。指し初めの一局はどうだった?」
「7手目に4筋の手を指して詰ませて勝ったよ」
「令和4年の元旦にぴったりだね。今年もよろしく」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 7手目4筋の手で詰んだ
出題のことば(担当 Pontamon)
7手詰に1条件の年賀詰がありました。ウォーミングアップにどうぞ。
作者ヒント
"初王手"の詰みです。(NAO)
締め切り前ヒント
ノーヒント。7手詰の29手順をおさらいしましょう。
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推理将棋146-1 解答 ▲76歩、△52玉、▲33角不成、△51金左、▲同角不成、△32銀、 (条件) |
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何手詰であろうとも、攻め駒の中心は角ですので、取った後手の角を支えにして馬を42地点へ移動して詰ませてみたのが参考1図です。後手の左金は飛の横利きを消しつつ、42への利きを外すために62へ移動する協力をしましたが、残念ながら手数オーバーの9手でした。
参考1図:▲76歩、△34歩、▲22角成、△52金左、▲15角、△42銀、▲32馬、△62金寄、▲42馬 まで9手
手数オーバーの原因は、▲22角成した馬が42地点へ移動するのに2手掛かってしまうからです。7手では、3手目や5手目に取った駒を最終手の7手目に打って詰ますか、3手目に取った駒を5手目に打って、最終手の支えにする手段になりそうです。と言っても、3手目に取れる有用な駒は角しかなく、参考1図の手順で失敗していますので、今度は5手目に金を取って7手目にその金を打って詰める方針で指してみたのが参考2図です。残念ながらこの形では△62玉と逃げられてしまいます。

参考2図:▲76歩、△34歩、▲22角成、△32金、▲同馬、△52飛、▲41金 まで7手
参考2図では31の銀が居るために金を42へ打つことができなかったので52地点と62地点を後手の駒で塞いでもらう必要があって、手数が足りませんでした。最終手▲42金を目指せば、玉の退路封鎖は62地点だけで良くなり、▲42金を指せるように△32銀の協力をしてもらう手順が良さそうです。初手から▲76歩、△42金、▲33角不成、△41玉、▲42角不成で金を取って、最終手▲42金を指せるように▲51角不成を指している間に後手は△32銀と飛の利きを止める協力手を指してもらえば詰みになるはずです。たとえば、先ほどの続きで△62金、▲51角不成、△32銀、▲42金までの手順です。しかし、これでは手数オーバーの9手なので失敗です。
2手縮めるにはどのような工夫が必要でしょうか? 角で金を42地点で取り、金打ちの場所を空けるために▲51角不成としている手が無駄だったことに気付けば、正解に辿り着きそうです。つまり、どうせ51への角移動が必要なのであれば、金取りを42地点ではなく51地点ですれば良いのです。
初手から▲76歩、△52玉、▲33角不成、△51金左、▲同角不成の5手目に51地点で金を取ります。最終手で▲42金で詰ますには31地点の銀が邪魔なので、6手目は後手の協力手の△32銀です。この形では52地点に後手玉が居るので飛の横利きは42地点には届いていませんし、62地点は先手の51の角が利いています。金の入手と62地点も抑える▲51角不成が光っています。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん(作者)「ありそうでなかった?7手詰1条件。」
■7手詰29手順は無理矢理の1条件で表現可能。DD++さんに推理将棋のトレーニングを受けた時の1問目の課題でした。
諏訪冬葉さん「これしかないとは意外でした。」
■再来年(令和6年)のための予習は終わりましたでしょうか?
斧間徳子さん「この1条件だけで手順が決まるとは少し驚きです。」
■殆どの7手詰は「〇〇に〇〇で応じた」という条件で成立するようですが、簡素なものは少ないようです。
飯山修さん「詰み形のおさらい」
■まずはウォーミングアップの7手詰。
けいたんさん「4筋条件はこれしかないのか。綺麗な詰上がり。」
■頭金や腹金は綺麗ですね。
べべ&ぺぺさん「この筋はすぐに浮かびました。」
■7手詰の詰み上がりは、8手以上の問題の基本や余詰で出てくるので覚えておきましょう。
エレーンさん「52玉~51金左がなかなか見えなかった。」
■このような7手詰の手筋は手数が増えても部分的に出てきます。
RINTAROさん「最終手4筋は1解なんですね。」
■最終手〇筋で限定できる7手詰手順は.....。
緑衾さん「少しだけ考えてしまいました。」
■余詰がないかを考えたのでしょうか。
ミニベロさん「最終手4筋はこれだけでしたか。ということは、2023年はあれしかないね。」
■7手詰ならあれですね。そして再来年はあれです。
原岡望さん「嬉しいサービス問題」
■全員正解の第1問でした。
ジェシーさん「この条件でこの形しかないのですね。」
■最終手4筋の7手詰はこれだけです。
はなさかしろうさん「7手を時々お浚いするのが楽しいです。最初▲42角が浮かびましたが、あれは31角成or馬まででしたね。」
■「4筋着手があった」だと▲53銀までの手順なども。31馬までの手順だと、▲76歩、△34歩、▲22角成、△52金左、▲42角、△41玉、▲31馬 ですね。この手順は最終手の棋譜指定の1条件が可。
正解:15名
諏訪冬葉さん 斧間徳子さん NAOさん 飯山修さん
中村丈志さん けいたんさん べべ&ぺぺさん エレーンさん
RINTAROさん テイエムガンバさん 緑衾さん ミニベロさん
原岡望さん ジェシーさん はなさかしろうさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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