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推理将棋第146回解答(7)

[2022年2月26日最終更新]
推理将棋第146回出題の146-7の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第146回出題  推理将棋第146回解答(1) (2) (3)
  (4) (5) (6) (7) (8) (9)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


146-7 上級  緑衾 作    元旦の2局       11手×2

「今日は元旦だから11手目に詰む将棋を指そう。2局にしようか。」
「では僕はどちらも先手で2022年に因んですべての筋の着手回数を0回か2回にするよ。
 そして,着手回数が0回か2回の駒は取らないよ。」
「私は後手で令和4年に因んで4手続けて同じ筋に指すよ。
 1局目は2手目から2局目は4手目からにするね。
 そして,着手は4段目以内だけにするよ。」
「予定通り指せたね。どちらも銀の手がなかったね。」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 11手目で詰む将棋が2局
  • どちらも先手はすべての筋の着手回数を0回か2回にした
  • どちらも先手は着手回数が0回か2回の駒は取らなかった
  • 後手は1局目は2手目から2局目は4手目から4手続けて同じ筋に指した。
  • どちらも後手は4段目以内だけだった
  • どちらも銀の手がなかった

出題のことば(担当 Pontamon)

 先手は西暦条件縛りの着手、後手は元号の年条件縛りの着者の2局です。

作者ヒント

 後手が4手続けて指した筋は2局で異なります(緑衾)

締め切り前ヒント

 先手の着手は9筋だけが両局で共通していて、一方は9筋の後手陣の2手で、他方9筋後手陣の手を含みません。

出題文修正

 「それぞれ」の前提となる語句が無かったため意味が通っていませんでした。
 「それぞれの筋」を「すべての筋」に修正しました。


推理将棋146-7 解答 担当 Pontamon

1局目
76歩、△94歩、▲66角、△93桂、▲同角成、△92飛
同馬、△香、▲72飛、△64歩、▲63桂 まで11手

2局目
96歩、△42飛、▲97角、△54歩、▲42角不成、△52玉、
51角不成、△53玉、▲44飛、△52玉、▲54飛 まで11手

(条件)
・11手目で詰む将棋が2局
・どちらも先手はすべての筋の着手回数を0回か2回にした
 (1局目:6筋、7筋、9筋が2回ずつ 初手▲76歩、3手目▲66角、5手目▲93同角成、7手目▲92同馬、9手目▲72飛、11手目▲63桂)
 (2局目:4筋、5筋、9筋が2回ずつ 初手▲96歩、3手目▲97角、5手目▲42角不成、7手目▲51角不成、9手目▲44飛、11手目▲54飛)
・どちらも先手は着手回数が0回か2回の駒は取らなかった
 (1局目:4手目△93桂-5手目▲93同角成、6手目△92飛-7手目▲92同馬)
 (2局目:2手目△42飛-5手目▲42角不成、4手目△54歩-11手目▲54飛)
・後手は1局目は2手目から2局目は4手目から4手続けて同じ筋に指した。
 (1局目:2手目△94歩、4手目△93桂、6手目△92飛、8手目△92同香、10手目△64歩)
 (2局目:2手目△42飛、4手目△54歩、6手目△52玉、8手目△53玉、10手目△52玉)
・どちらも後手は4段目以内だけだった
・どちらも銀の手がなかった

Suiri14671

Suiri14672

条件が分かりにくかったようですので、本ツイン作の条件を整理します。
(共通条件)
・11手で詰み
・先手の着手は3つの筋でそれぞれ2回ずつ
・先手の駒取りは、初期状態のままの駒(動いていない駒)や2回移動した駒ではなかった
・後手の着手は4段目以内
・銀の手は無かった
・後手は同じ筋の着手を4手続けた

Suiri1467a(1局目と2局目の違い)
1局目
・後手の同じ筋の4手連続着手は2手目から開始した
2局目
・後手の同じ筋の4手連続着手は4手目から開始した

参考1図の手順では、後手は2手目の4筋着手の後は4手目からの4手を5筋着手にしています。先手は4筋、5筋、9筋の3つの筋をそれぞれ2回ずつ着手していて、駒成も無いのですが、銀を使っているので失敗です。やはり7手詰の▲53銀までの形は余詰手順として最強なようで、本問でも銀の使用を禁止する条件が必要だったようです。銀を使えないとなるとどんな詰み形があるのでしょうか。

参考1図:▲96歩、△42銀、▲46歩、△54歩、▲56歩、△52玉、▲97角、△51玉、▲42角不成、△52玉、▲53銀 まで11手

Suiri1467b銀が使えないので、次は金や飛を使った詰み形を考えたのが参考2図の手順です。4手目以降は後手は4筋だけの着手なので、4筋以外の手を2手目に指す非限定がありそうですが、2手目は△34歩でないと3手目の▲33角不成が動いていない後手駒を取ることになるので△34歩で限定されています。これで2局目が解けたと思ったら、先手は3筋、4筋、7筋の3つの筋にしか着手していませんが、3筋着手が1回で4筋着手が3回になっていたので失敗です。先手の3筋着手と4筋着手が2回ずつになるように、▲76歩、△32飛、▲33角成、△42金、▲32馬、△41金、▲72飛、△42金、▲同飛、△44歩、▲41金までの11手だと3手目の▲33角成が後手の不動の歩を取る手になるので、これも失敗になります。

参考2図:▲76歩、△34歩、▲33角不成、△42飛、▲同角不成、△同金、▲72飛、△44歩、▲42飛不成、△43角、▲41金 まで11手

本問では詰み形を想像するよりも、参考2図のように先手の着手が3つの筋に2回ずつであることと初期状態の後手の駒を取ることができないという2点から、先手角の経路と取れる駒種を考えてみるのが良さそうです。

注意点を書き出してみます。
・1段目の駒は取れない
・3段目の歩は取れない
・22の角や82の飛は取れない

以上は初期状態の後手駒を取れないということですが、では駒取りできるのはどのような状況でしょうか?もちろん先手角の角道上である必要があるので、すぐに思い付くのは42地点と62地点。あとは、△34歩の後の△33桂や△33角を5手目に取ることはできますが、この場合は3筋の着手を4回指すことになるのでこの後は△32銀、△32金くらいですし、▲33角不成が王手にならないように2手目は玉を△52玉とか△62玉へ事前に逃げておくか△42銀としておいて、3筋着手の残り2手を△31金、△32金にはできますが、詰みは無さそうです。73地点での桂取りも居玉への王手が問題になりますし、73へ駒を移動するために△74歩が必要であることから7筋着手を4手指す必要が出てくるので無理なようです。

あとは、▲66角からの▲93角不成で、93地点で香や桂を取る手順です。

△54歩で空いた53地点へ5筋着手で△53金や△53飛とする手順では△52金/飛経由の2回移動した駒になるので53地点での駒取りは無さそうです。(駒取りが7手目になってしまいますし)

銀の着手が禁止されているので、31や71の銀が動いた跡へ金が寄って、その金を先手角で取ることはできません。もちろん、動いていない駒を取れないので銀を動かしてから元位置に戻った銀を取るのも条件違反です。

これらを整理すると
・△34歩の後の△33桂/角を取る(無理そう)
・42地点の金か飛を取る
・△54歩で空いた53地点へ金か飛を2回移動して取る(条件に合わない)
・62地点の金か飛を取る
・△74歩の後の△73桂を取る(無理そう)
・△94歩の後の△93香/桂を取る

可能性がありそうで残っている中から、まず、62地点での駒取りを考えてみると、▲76歩、▲44角、▲62角不成の経路になり、△54歩の協力が必要です。つまり後手の着手は5筋と6筋で、どちらかの筋の着手を4手続ける必要があります。先手の62での駒取りまでで既に先手は3つの筋の着手をしてしまっているので、残り3手は4筋、6筋、7筋が1回ずつなので△52玉への頭金の▲53金は指せないし、▲44角に戻ってからの▲62金は△62同銀/飛があるので詰みません。

42地点で駒を取る手順も62地点と同様に先手の着手筋の3つ(3筋、4筋、7筋)が決まってしまうと思いきや、参考2図で失敗した経路の▲76歩、▲33角不成、▲42角不成以外に角の裏道がありました。▲96歩、▲97角、▲42角不成の経路です。▲97角から直接▲42角不成で駒を取るのであれば△54歩があったはずです。この経路の場合、42で取れる駒は62地点と同様に金か飛ですが62地点との違いは、42で駒を取った時点で先手は9筋と4筋の着手だけなので、もうひとつ別の筋への着手が可能な点です。▲42角不成が王手なので△52玉と逃げた形を見ると、▲51角と▲54飛による飛角サンドイッチの詰み形が思い出されます。初手から▲96歩、△42飛、▲97角、△54歩、▲42角不成、△52玉、▲51角不成までの7手が見えましたが、飛角サンドイッチでは△55歩と突いて空いた54地点への▲54飛を指して詰みになるところですが、残念ながら後手着手は4段目以内の制限があるので△55歩を指すことができません。先手の残り着手は4筋と5筋の着手が1回ずつで、目指している最終手は▲54飛の形なので、9手目を▲44飛へ打ち、最終手で▲54飛で後手の歩を取れば良いことに気付きます。後手の8手目と10手目は5筋の着手をしなければいけないのですが△55歩はできないので52に居る玉を動かすしかありません。ちょうど2手を掛けて△53玉から△52玉へ戻ればピッタリです。8手目から△53玉、▲44飛、△52玉、▲54飛で2局目の手順が解けたことになります。

最後に残った駒取り地点の93ですが、▲93角不成で初期配置の歩を取ることはできないので、初手から▲76歩、△94歩、▲66角の次の手は△93香と△93桂のどちらでしょうか?5手目は66の角で93の駒を取りますが、後手の着手は2手目も4手目も9筋だったので、9筋の着手をあと2手続ける必要があります。先手の着手筋は6筋、7筋、9筋の3つの筋が確定してしまっているので、それぞれの筋の着手を残り1回ずつです。後手玉は今のところ居玉の51地点ですが、後手の10手目は9筋以外の筋の着手を1回だけ指せるので、玉移動も可能です。とは言うものの、△42玉では先手が指せる筋の6筋から離れてしまいますし、△52玉を62地点への着手で詰めようと思っても62地点には金銀が利いているので失敗します。△62玉も同様で72地点への着手で詰まないし、61の金や63の歩を取って詰めることもできません。

となると、後手の最後の着手である10手目は玉以外の手なので、居玉を詰める必要があることになります。先手は5筋の着手はできないので、一番玉に近い筋の6筋への着手で詰める必要がありそうです。しかし、61の金を取る手はできませんし先述のように62地点への手で△同銀や△同金で失敗します。後手玉は金の羽根付きの居玉で、93で取れる駒は香か桂ということなので浮かぶ詰み形に「吊るし桂」がありました。初手から▲76歩、△94歩、▲66角、△93桂、▲同角不成までの5手になりそうですが、後手はこの後に9筋着手を2手指す必要があります。また吊るし桂の最終手は▲63桂が想定されますが、吊るし桂の場合の多くは53地点に金などの駒を配置して2段目への玉移動を抑える必要があります。しかしこの手順では先手は5筋着手ができないので、7筋と9筋の1回ずつの着手で、最終手の後の2段目への玉逃げを抑える必要があります。▲53金などができない状況で2段目への玉脱出を抑えるには飛が便利です。6手目の△92飛を7手目に取って、9手目は残っている着手筋への▲72飛で決まりです。92の飛を取るには先手の5手目は▲93角不成ではなく▲93角成で7手目は▲92同馬です。10手目は桂の打ち場所を空ける△64歩ですが、8手目の後手の最後の9筋着手は何でしょうか。条件により△95歩はできないので、8手目は△92同香になります。これで全手順が完成しました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

緑衾さん(作者)「年賀詰向けに作った分けではないのですが、たまたま4絡みだったので年賀詰にしてみました。余詰を同時に消すのに苦労しました。」

■今年もおもちゃ箱への投稿をお待ちしています。

諏訪冬葉さん「1局目:桂吊るしには53の金駒が必須かと思ったら飛車で間に合った 2局目:金を取る手順ばかり考えていました。」

■銀を使えないので次は金と考えるのは自然。

斧間徳子さん「この条件で「先手は1枚以上の駒を取った」と解釈させるのはどうか。推理将棋は条件が命(条件がすべて)なので、誤解のないような明快な条件にすべきと思います。」

■解説で書いたように「先手の駒取りは」で文を始めるのが良かったですね。駒取り無しの手順例としては、
▲76歩、△42玉、▲55角、△52飛、▲64角、△51飛、▲77桂、△52玉、▲65桂、△54歩、▲53桂成 まで11手

NAOさん「余詰消しの条件が多くなったが力作。先手2回着手の3つの筋と後手4連続の筋の組合わせが難しい。
(1)は、後手4連続の9筋が意外。先手の6,7,9筋の攻めとうまく噛み合った。
(2)は、後手4連続の5筋でまさかの玉3回移動が意表の展開。」

■確かに条件数は少し多めになってしまいましたが、狭い4段目内の4手のやり繰りが見どころ。

飯山修さん「1局目:桂で飛車をとり51飛の詰を目指したが4連続同筋の条件がきつく断念。直前ヒントで9筋を知らされようやく到達。2局目:直前ヒントから96歩97角が絶対となればこの筋の到達は容易。」

■銀を使えなくても初期配置の金を取れるのであれば
▲76歩、△34歩、▲46歩、△77角不成、▲同角、△72金、▲52角、△74歩、▲41角不成、△73桂、▲52金 まで11手
という手順も可能でした。

べべ&ぺぺさん「今回の一番の難問。手が見えません。」

■どれかの条件に触ってしまう紛れ手順が多いので解図は大変です。

RINTAROさん「完全にヒント頼りでしたが好作。最初に54飛迄の手順があって、余詰探しで63桂迄の手順を見つけられたのでしょうか?」

■作図の経緯は担当にはわかりませんが、捨てるには惜しい余詰手順を別作にすることはよくあると思います。作者の短評からだと4絡みの2作を合わせて条件付けしたようです。

テイエムガンバさん「推理将棋では頻出の手筋ですが、「後手の着手は4段目以内」という条件により、別の手筋を読んでしまいました。」

■飛角サンドイッチの形は△55歩がある作品が多いので、この形を知っていると対象から外してしまいそう。

ミニベロさん「1局目:9手素材を巧妙な条件で11手に仕上げている。2局目:こちらは10手素材。旨いツインです。」

■9手の63桂までの吊るし桂では△52飛と▲53角の形で、43桂までだと△52飛と▲53角の形の他に▲21馬で桂を取った馬を動かして42地点をカバーし、△52飛と△62銀で退路封鎖する形があるようです。53地点に成駒を配置するイメージが強かったのですが9手では無理みたいですね。10手だと△57馬や△57桂成に△47/67桂の吊るし桂が可能なようです。

原岡望さん(1局目)「1局目:旨い攻めゴマ入手 2局目:降参 96歩 97角 // 54歩 42/62 飛/金 を試したが駄目でした。残念です。
駒取ありの条件は明示した方がよいと思います。対偶というのはちょっと違うような気がします。」

■降参された2局目は、正解への道に入っていたようですが一歩及ばなかったのですね。

はなさかしろうさん「どちらも難しかったので締め切り前ヒントを待ちました。1局目は意外に推理将棋で見かけない詰み形かなと思いました。」

■余詰検討ではいつも頭にある形ですが、言われてみると2段目の飛との吊るし桂の記憶がないので調べてみたところ、2015年6月の詰パラに奥野眞さんの作品で▲82飛と▲43桂の吊るし桂がありました。同じく奥野眞さん作の昨年8月の詰パラ#480が▲12飛と▲43桂での吊るし桂でした。半年前の記憶が無い担当(^^;


正解:9名

  諏訪冬葉さん  斧間徳子さん  NAOさん  RINTAROさん
  テイエムガンバさん  緑衾さん  ミニベロさん  原岡望さん
  はなさかしろうさん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

>▲76歩、△34歩、▲46歩、△77角不成、▲同角、△72金、▲52角、△74歩、▲41角不成、△73桂、▲52金
△77角不成が「4段目以内」の条件に反しているのでどっちにしろ不可能ではないでしょうか

投稿: 諏訪冬葉 | 2022.03.08 18:13

諏訪さん> △77角不成が「4段目以内」の条件に反しているのでどっちにしろ不可能ではないでしょうか
初期配置の金を取れたとしても後手着手は4段目以内の条件をクリアできていない手順例でしたね。
4連続同筋の条件を満たしても他の条件に引っ掛かれば正解ではなく、惜しい紛れ筋とまりでした。

投稿: Pontamon | 2022.03.08 21:13

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