推理将棋第148回解答(2)
[2022年4月23日最終更新]
推理将棋第148回出題の148-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第148回出題 推理将棋第148回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
148-2 中級 NAO 作 高飛車くん(その8) 10手
「見たかい。俺の5段飛車」
「いつもの作戦だね。成る手はなくて10手で詰みか。同の付く王手が2回あったね」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 10手で詰んだ
- 5段目への飛の手があった
- 同の付く王手が2回あった
- 成る手はなかった
出題のことば(担当 Pontamon)
高飛車くんシリーズの8作目は10手です。王手は何回でしょうか。
作者ヒント
同角不成で飛を入手(NAO)
締め切り前ヒント
8手目の5段目へ打った飛が移動して先手玉を詰ませます。
推理将棋148-2 解答 担当 Pontamon ▲58飛、△34歩、▲48玉、△77角不成、▲59飛、△同角不成、 (条件) |
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後手が先手の玉へ王手する最短は4手目ですが、初手から▲76歩、△34歩の後に▲77角や▲77桂を指せば4手目は同の付く手での王手である△77同角不成が可能です、先手は合い駒として▲68飛と指せば6手目は2回目の同の付く手での王手になります。この方針で詰めてみたのが参考1図の手順です。後手は8手目に5段目への飛の手を指してから△57飛成で詰めたのですが、条件では駒成が禁止されていたので失敗です。王手は全部で3回ですが、同が付く手での王手は2回なので条件をクリアしています。
参考1図:▲76歩、△34歩、▲77角、△同角不成、▲68飛、△同角不成、▲58玉、△55飛、▲18香、△57飛成 まで10手
57へ角を利かせての△57飛成では▲58玉を短手数で詰めることができますが、駒成が許されていないのであれば、飛角サンドイッチの形でしょうか。参考2図は、同の付く手での王手を念頭に入れて飛角サンドイッチの形で詰ましたのですが、手数オーバーの12手で、同の付く王手は3回になりました。同の付く王手を2回にすれば10手で詰ますことができそうな気がしますが、余裕手があるのは先手であって、参考2図の手順では後手に余裕はありません。
参考2図:▲76歩、△34歩、▲77角、△同角不成、▲68飛、△同角不成、▲58玉、△59角不成、▲18香、△55飛、▲56歩、△同飛 まで12手
参考2図での後手の手数を少なくするには、角を3手掛けて77、68、59へ移動しているところを77から直接59へ角移動することができれば手数を少なくすることができそうです。しかし、飛角サンドイッチの形を目指すのであれば後手は先手の飛を取る必要があるので、どうしても68地点になりそうな気がします。参考2図での同が付く手での王手は、77、68、56地点の3箇所でしたが、飛を取る地点を68ではなく59にすれば後手角は77地点から直接59地点への移動ができます。この△59角不成の手で先手の飛を同の付く手で、しかも王手で取るには、玉は48に居る必要があります。
初手から、▲58飛、△34歩、▲48玉、△77角不成、▲59飛の順で指せば、次の6手目の△59同角不成が王手になるので7手目は▲58玉と玉が逃げます。8手目は5段目への飛の着手の△55飛で9手目を▲56歩と突けば、最終手は△56同飛の同が付く2回目の王手での詰みになりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん(作者)「成る手なしは解図の鍵になったか?」
■「成る手なし」だと玉腹の角と玉頭への銀の形が第一感。7手詰手筋なので余裕手で他の条件をクリアできる可能性があり、解図の際には検討が不可欠。
ミニベロさん「やはりこの形が来ましたか。推理将棋ならではの詰め上がり。重宝されてますね。」
■初級が飛角サンドイッチの横型で中級は縦型でした。
斧間徳子さん「昨年11月の詰パラ(No.485)で同様の手順があったのが記憶に新しく考えやすかった。」
■類作の詰パラ#220は76の飛で、詰パラ#485は46の飛で56の歩を取る手ですね。本作が投稿されたのは昨年のゴールデンウィークだったので類作は詰パラ#220だけだと思ってました。条件が違うのでセーフでしたが危なかったです。
小山邦明さん「有名な詰み形をイメッジして解きました。」
■成る手なしの際、7手詰手筋の次に思い浮かぶ詰み形ですね。
緑衾さん「飛車が歩を取って詰む形は自分が出題したばかりでしたのですぐ分かりました。」
■年賀推理の146-7の2局目ですね。
諏訪冬葉さん「最近この詰めあがり見た記憶が・・・」
■奥野眞さん作の詰パラ#485(2021/11)でしょうか。それとも緑衾さん作?
飯山修さん「このコーナーが開設された1回目の1-3は香の串刺しでしたがその後この詰み形は結構使われている。歩の行進の23歩成と同様最初に必ずチェックする習慣にしたほうが良さそう。」
■玉腹の角と玉頭の銀の形も。
ほっとさん「59で飛を取るのがあまり見たことのない筋。」
■自作資料を確認してみたところ、そもそも59飛や先後を変えた51飛という着手自体が少なく、あったのは玉の退路封鎖の協力手であったり、とどめの手だったり、その後の飛成のための着手であるものばかりで、角で取らせる手順は本作の詰み上がりしかありませんでした。玉尻で金を取らせるのは多いのですが、玉が邪魔なので59での飛は考え難いですね。
テイエムガンバさん「よくある飛角サンドイッチの手筋ですが、飛車を同の付く王手でとらせる場所がなかなか思いつかず。」
■▲59飛、△同角不成の2手が本作の命。
山下誠さん「最後の5六同飛に気付けば容易でした。」
■詰み上がりの形が見えれば、あとは何処で飛を渡すかだけになります。
はなさかしろうさん「9手で定番の詰み形なので不思議な感じがする手順ですね。」
■59で飛を渡すという新手のせいのようです。
原岡望さん「高飛車が図に当たりましたね」
■高飛車シリーズでは5段目への飛の手を指定することによって非限定を回避できているものが多かったようです。
べべ&ぺぺさん「4手目が77角生で6手目が68角生だと思うのですが、詰みません。」
■飛を取らせるなら、28、48、68の何れかであることが定説になっていたので、他の可能性の発見が課題でした。
占魚亭さん「6手目に飛車を取るのは確定しているので、どこで飛車を取らせるかを考えるのみ。」
■2手目は△34歩、4手目に角が出て行き、6手目に角で飛を取って、8手目に5段目へ飛を打って、最終手は玉を詰める手。後手の手の割り振りは出来ているので、おっしゃる通り、何処で飛を取るかが本当の課題です。
RINTAROさん「77で王手すると見せかけて59。詰上りが見えたので早かったです。」
■王手は同が付く王手2回だけの手順でしたが、同が付かない王手の可能性もあることを示唆するための出題のことばでした。ちょっと意地悪だったかも。
ジェシーさん「詰み形は何となく見えたのですが、5九に角を持ってくる方法に悩みました。いきなり5八に飛を持ってくるのが盲点でした。」
■▲58玉で王手をかわしながら、▲59金右などで金を渡す手筋はよくでてきますが、飛を59へ持っていく手順は見えにくいです。
桝彰介さん「6八、4八で飛車を取る順でうまくいかず、5六香と5九角で5八玉を詰める基本形に思い至り、解答を導きました。」
■駒成が許されるのなら参考1図の手順などで簡単なのですが、駒成なしだと詰み形がある程度限定されます。
正解:16名
ミニベロさん 斧間徳子さん 小山邦明さん NAOさん
緑衾さん 諏訪冬葉さん 飯山修さん ほっとさん
テイエムガンバさん 山下誠さん はなさかしろうさん
原岡望さん 占魚亭さん RINTAROさん ジェシーさん
桝彰介さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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