推理将棋第149回解答(2)
[2022年5月23日最終更新]
推理将棋第149回出題の149-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第149回出題 推理将棋第149回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
149-2 中級 NAO 作 高飛車くん(その9) 10手
「見たかい。俺の5段飛車」
「相変わらず高飛車な奴だな。たったの10手で詰みか。2筋への金の手が意表の一手だったね」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 10手で詰んだ
- 5段目への飛の手と2筋への金の手があった
出題のことば(担当 Pontamon)
2筋への金の手は先手なのか後手なのか。
作者ヒント
最終手は成る手(NAO)
締め切り前ヒント
先手は飛車を振ってから2手で▲28金を目指します。
推理将棋149-2 解答 担当 Pontamon ▲68玉、△84歩、▲78玉、△85歩、▲68飛、△86歩、 (条件) |
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高飛車くんのシリーズでは5段目への飛の着手は鉄板条件ですが、本問ではその他の条件として設定されているのは2筋の金着手だけです。この2筋への金着手は先手なのでしょうか、後手なのでしょうか。
まず,2筋の金着手を後手が指す場合を考えてみます。参考1図ははてるま手筋の△39飛成までの手順で詰めてみたのですが、手数オーバーの12手かかっています。しかも、5段目の飛着手ができていないので、△37歩不成の前に△35飛、を挟む手順にすると14手になってしまいます。先手角で3筋の歩を払ってもらう時に王手にならないように△42飛もあり、飛移動の効率が悪くなっています。
参考1図:▲76歩、△42飛、▲33角不成、△32金、▲22角不成、△同金、▲58金右、△32飛、▲68金上、△37飛不成、▲69角、△39飛成 まで12手
同じく、△39飛成までのはてるま手筋の応用なのですが、今度は2筋の金着手が先手の時を考えたのが参考2図の手順です。2筋の金着手を実現するには初期配置の飛が邪魔ですので、はてるま手筋での68地点を埋める駒として飛を使う手順を採用してみました。この手順では2筋の金着手どころか1筋まで金移動ができましたが、手数オーバーの12手でした。参考1図では後手の3筋の歩を無くするための先手の協力手▲33角不成がありましたが、今回は先手の金を2筋へ移動するため、後手は自力で3筋の歩を進める必要があったのが手数オーバーの原因だったようです。5段目の飛の手を実現できていないので、▲18金をやめて、35地点で歩を取り合う手順の▲68飛、△32飛、▲38金、△34歩、▲36歩、△35歩、▲同歩、△同飛、▲28金、△39飛成 にすると先手の▲58金が間に合っていないので▲58玉と逃げられてしまいます。
参考2図:▲68飛、△32飛、▲38金、△34歩、▲28金、△35歩、▲18金、△36歩、▲同歩、△同飛、▲58金、△39飛成 まで12手
参考2図の8手目の△36歩の局面では居玉のままですが、6~ 8筋の先手駒で囲まれた78地点に玉が居て、歩を突かれたのが36ではなく86なら、飛先の歩を突く手筋での詰み形が浮かび上がります。
先手の手順としては、玉を78地点まで移動した後で玉退路の68地点を▲68飛で塞ぐ。飛が居なくなった28地点を目指して、初期配置49の金が2筋へ移動することになり、手数的には玉移動に2手、飛の手で1手、金移動に2手なので合計5手でピッタリです。
初手から、▲68玉、△84歩、▲78玉 で玉移動完了、4手目から△85歩、▲68飛、△84歩。7手目からは金移動ですが、後手は84まで進めた歩を8手目に△87歩成として先手玉を詰めてしまってはいけないので△85飛の手を挟みます。7手目から▲38金、△85飛、▲28金、△87歩成 まで10手の詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん(作者)「その4でも使ったが、忘れた頃に出てくる7手詰の筋。」
■出題ミス、申し訳ありませんでした。
小山邦明さん「後手が2筋の金の着手は難しいので、先手の着手と考えると、飛を移動させて49の金を移動するしかありませんが、そうすると後手が五段目の飛の着手をするしかないと推理しました。」
■後手が自力で飛を5段目へ出すには、元々居た8筋が効率的ですね。
ミニベロさん「解けてみれば「なーんだ」という順だが、これが推理将棋。」
■その「なーんだ」の作品にやられたようで、149回では正解数が一番少なかった問題でした。
緑衾さん「例の7手+飛車1手+金2手。高飛車シリーズは苦手意識があるのですが,今回はスムーズに解けました。」
■高飛車シリーズはこれが最後だったかな?と言っていて苦手問題を出題されたら...。
飯山修さん「138-2と同じとは知らずヒント待ちしていたらいつのまにか違う作品になっていた。7手詰+3手のムダ手がこれなら使える。」
■担当の出題ミスでご迷惑をおかけしました。すみませんでした。
RINTAROさん「忘れた頃の・・・。」
■忘れた頃の「飛先の歩」です。
はなさかしろうさん「難しかった。『高飛車くん』シリーズは待ち手が多く、条件が待ち手に掛かっているか否かも判断しづらくて難解ですが、本作は100%待ち手条件。7手のおさらいの大切さを噛みしめました。」
■解答強豪者もツボを押されると解図が止まります。
べべ&ぺぺさん「色々と考えてみたのですが、わかりませんでした。」
■いろいろ考えてもわからない時は「空き王手」や「両王手」を検討するのが良いのですが、この「飛先の歩」の基本手筋は忘れた頃にやって来るので、次回作での健闘をお祈りします。
桝彰介さん「先手5八玉、後手6八角、5七竜の形で詰む手順を考えてましたが、2八に金が動いた後の4八地点を埋められず解答にたどり着けませんでした。」
■49地点を埋めるのは大変そうです、効率が良さそうなのは飛で埋めることですが、そうなると攻めが...。
ほっとさん「1手詰があるのに5段飛車、そしてせっかく1手詰を見逃してもらったのに28金とは、確かに意表の一手。」
■不要手が3手もあって、条件はその不要手の条件だったので難しくなりました。
諏訪冬葉さん「角を使うとばかり思ってた・・・」
■初回解答時の短評「多分解答発表を見て3日くらいへこみます。」にならずに済んで良かったです。
原岡望さん「降参です 78飛 34歩 38金 77角 〇〇〇 だと 2手目と4手目交換可能
68飛 34歩 38金 77角 28金 以下
67馬 75飛 だと駒取れず
68馬 48玉 55飛 詰まず
68角生 58玉 55飛 49〇 57飛成 の 〇がなく詰まず
つぶれていないしらみはどこに?」
■しらみは飛先の歩でした。
正解:9名
小山邦明さん NAOさん ミニベロさん 緑衾さん
飯山修さん RINTAROさん はなさかしろうさん
ほっとさん 諏訪冬葉さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
「初手」飛車だと思い込んでしまいました。先入観は恐ろしいです。
投稿: 原岡望 | 2022.05.28 11:11