推理将棋第151回解答(1)
[2022年7月21日最終更新]
推理将棋第151回出題の151-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第151回解説 担当 Pontamon
第151回のけいたんさんの個展では12名の方々から解答をいただきました。解答、ありがとうございます。
151-1 初級 けいたん 作 51飛まで 9手
「51飛まで9手で詰みか。これが初王手だったね」
「2手目は4筋の着手だったな」
「不成はなかったね」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 9手で詰み
- 最終手は初王手の51飛
- 2手目は4筋の着手
- 不成なし
出題のことば(担当 Pontamon)
盤上の飛を動かして9手目に51へは行けますが、2手目が4筋だと無理そうです。
作者ヒント
飛は振らない(けいたん)
締め切り前ヒント
4筋の2手目は玉の退路を塞ぐ金の手。
|
推理将棋151-1 解答 ▲76歩、△42金、▲55角、△74歩、▲82角成、△52玉、 (条件) |
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最終手が▲51飛となると、初期配置51の玉は何処かへ移動させておく必要があり、玉位置は玉移動の手が1手なら41、52、61のどれかになるはずです。後手は手の4手は、飛の移動、玉の移動と最終手▲51飛を同金で取れないように左右の金を移動する2手の計4手のはずなので玉移動は1手だけです。
参考1図は最終手▲51飛までの9手で詰んでいますが、▲33角不成は▲24角不成でも▲15角不成でも良いので余詰みかと思ったら条件を読み間違えていました。42地点や62地点で後手の飛を角で取る時の定番は角不成なので、最終手▲51飛で詰ますための飛の入手は角不成で、条件は「駒成なし」だと思い込んでいました。
参考1図:▲76歩、△42飛、▲33角不成、△52玉、▲42角不成、△32金、▲33角不成、△62金、▲51飛 まで9手
参考1図では42地点で飛を取る際に王手にならないような手順と角を不成で指して失敗しました。かと言って、▲42角成では52の後手玉に王手が掛かってしまいます。そこで、参考2図では飛取りを62地点にして、▲62角成で飛を取る手が後手玉への王手にならないように事前に△41玉と逃げておく手順にしました。この事によって、▲62角成で飛を取った後の馬を動かす必要もありません。なので後手の協力手△54歩を必要とせずに先手が▲53角成から▲62同馬で飛を取る余裕がありました。しかし、後手の手では飛の移動、玉の移動、左右の金移動の4手で目一杯のため△32銀を指すことができず詰んでいませんでした。
参考2図:▲76歩、△42金、▲44角、△41玉、▲53角成、△62飛、▲同馬、△72金、▲51飛 まで9手
後手着手の内訳で。玉移動の1手は必須ですが他の手の必要性を検討してみます。
後手の左右の金を移動させるのに2手掛かっていますが、先手が飛を取った後に馬で金を取れば後手には1手の余裕ができるので参考2図では指せなかった銀の手を指すことができそうです。参考2図の手順では▲53角成を指しているため、7手目の▲62馬で飛を取った後に▲61馬で金を取るのが9手目になるので手数オーバーです。そこで、参考2図とは左右反転した後手の駒配置で考えてみると、▲76歩、△42飛、▲33角不成、△62金、▲42角成、△61玉、▲41馬、△72銀、▲51飛の9手で詰ますことができますが、▲42角成が王手になってしまいます。どうも後手の金の手を減らすことはできないようです。
では、後手の手で飛を移動する手を省くことはできるでしょうか?つまり、初期配置の82地点の飛を先手が取りに行く手順です。▲82角成で後手の飛を取った後、61の金を1手で取ることはできないので、後手は左右の金の両方を動かす必要があり、玉移動の手を合わせると後手に残っているのは1手だけです。先手が61の金を取れないのであれば、その1手を△32銀に使うこともできないので、後手の残り1手は先手の飛取りの手に対する協力手の△74歩が濃厚です。
初手から、▲76歩、4筋の手、▲55角、△74歩、▲82角成です。2手目の4筋の手で玉が42へ移動すると、最終手の▲51飛が王手にならないので△42金で決まりです。後手玉は△52玉か△61玉のどちらかになりますが、最終手の▲51飛を支える駒が必要になります。それは▲73馬しかありません。後手の残り2手は、右金の移動と玉の移動です。▲73馬と▲51飛の形で詰むのであれば、△72金、△61玉の順でも△52玉、△72金の順でも詰み形を作ることは可能ですが、前者の順だと7手目の▲73馬が王手になるので後手手順は後者になります。6手目から、△52玉、▲73馬、△72金、▲51飛で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
けいたんさん(作者)「不成なしで振り飛車の筋を消した。」
■最終手が飛なので飛の入手が必要なところで2手目が4筋の条件なら△42飛と振ってしまいそう。
ミニベロさん「最近のけいたんさんは古典の掘り起こしをしてるのかな。」
■類型の作品としてミニベロさん作の詰パラの27番がありました。
RINTAROさん「33からだとうまくいかないので、逆から攻める。」
■▲33角成から▲42馬で飛を取る手順は、玉が61へ行くタイミングが合いません。
NAOさん「どこで飛を取るか?素直に82で取れば自然に手が決まる。52-3チャンプ作12手から無駄手を3手省いたのが本問。」
■過去作を探す際、本問だと9手目が51飛の作品を検索するので、先後が入れ替わっていると見つけ難いですね。
諏訪冬葉さん「2手目42飛と並行して考えていたら52玉を見落としてました。」
■不成ができれば、42で飛を角不成で取ってから角を逃げる手順が可能なのですが...。
飯山修さん「2手目4筋はいかにも42飛を誘っているのでそれ以外の手から考えるという王道を通って大正解」
■推理将棋をやっていると何でも疑ってしまう癖が...。
ほっとさん「飛を取るにはこのルート。」
■飛を振る代わりに△74歩の協力手。大差ないようだけど、角成が王手にならない利点。
中村丈志さん「締め切り前ヒントに助けられました。今月も指し将棋が忙しく、ここまでです。」
■トーナメントを勝ち上がっているとかかな。
占魚亭さん「飛車は急いで取らなくても間に合う、ということですね。」
■どうしても、条件クリアのための着手を急いでしまいます。
緑衾さん「どうしても王手が掛かってしまいましたが、73馬と52玉の配置を発見してなんとかなりました。」
■42や62の飛を角不成で取っての△52玉はできるのですが、角成が王手になるので△52玉ではなく41や61へ玉を動かすことを考えるとはまってしまいます。
はなさかしろうさん「初王手と不成なしの組み合わせがいい感じにもどかしかったです。」
■82で飛を取れば両方の条件をクリアできるという仕掛けでした。
正解:12名
ミニベロさん RINTAROさん NAOさん 諏訪冬葉さん
飯山修さん ほっとさん テイエムガンバさん 中村丈志さん
けいたんさん 占魚亭さん 緑衾さん はなさかしろうさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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