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推理将棋第152回解答(1)

[2022年8月23日最終更新]
推理将棋第152回出題の152-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第152回出題  推理将棋第152回解答(1) (2) (3)
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推理将棋第152回解説  担当 Pontamon

第152回の解答は14名の方々からいただきました。解答、ありがとうございます。
152-3の「角を取った」の解釈についての注意喚起がありました。今後の参考とさせていただきます。


152-1 初級  Pontamon 作  同じ筋 vs 同じ段?     7手

「さっきの将棋は7手で詰んだよ」
「どんな将棋だった?」
「僕は同じ筋の手を9段目側から1段目側への順で指したんだ」
「じゃ、相手は同じ段の手だけだったんだろう?」
「いや、相手には同じ段や筋の連続着手はなかったよ」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 7手で詰み
  • 対局者の一人は同じ筋の手を9段目側から1段目側への順で指した
  • 相手は同じ段や筋の連続着手なし

出題のことば(担当 Pontamon)

 初級は忘れた頃の7手詰作品です。

作者ヒント

 先入観は捨てて逆転の発想を(Pontamon)

締め切り前ヒント

 後手が5筋の手を3手指します。


推理将棋152-1 解答

▲76歩、△54歩、▲44角、△52玉、▲71角成、△51金右
▲53銀 まで7手

(条件)
・7手で詰み
・対局者の一人は同じ筋の手を9段目側から1段目側への順で指した(2手目△54歩、4手目△52玉、6手目△51金右)
・相手は同じ段や筋の連続着手なし(初手▲76歩、3手目▲44角、5手目▲71角成、7手目▲53銀)

Suiri1521

Suiri1521a同じ筋の手を9段目側から1段目へ順に指すと言えば、もうお馴染みの23歩成までの7手詰を思い出しますが、ごの場合、後手の手は2段目だけだったはずです。32玉型以外に詰みになる形があるのか念のため確認してみたのが参考1図の手順です。

全て異なる段の着手ということなのですが、最終手が▲23歩成なので、この最終手で王手がかかる位置である33へ玉を移動しました。この△33玉にするには、33地点を空けるための4段目着手の△34歩、33へ玉が向かうために2段目を経由する△42玉、三段目着手の△33玉で全て異なる段の着手になりましたが、33の玉には44地点や42地点の逃げ場があるので詰んでいません。

参考1図:▲26歩、△42玉、▲25歩、△34歩、▲24歩、△33玉、▲23歩成 まで7手

Suiri1521b同じ筋の着手を続けるのはどうも先手ではなく後手のようです。42地点や62地点で銀を差し出して52玉を▲53銀で詰ます形では既に同じ筋の着手ではないので失敗です。同じ筋の着手を後手が指す7手詰にはどんな手順があったのかを思い出す必要があります。△52玉で空けた51地点に△51金左として▲同角不成で金を渡し、▲42金で詰める手順なら、銀の利きを外すための△32銀が必要になるので失敗します。52玉から51金では後手の3手目を指せる段が無くなってしまっているので、後手の最初の手は3段目より上の段である必要があります。3段目より上の段の着手と言えば、42地点や62地点で銀を差し出す際に指す△54歩がありますが、この手順は失敗のはずでした。先手が銀を取る地点は42や62だけではなく、1段目の初期配置の銀を取る手順があるのを思い出せるはず。1段目の義を取る際に角成にして、後手は51地点へ金を寄せれば金が居た地点は馬でカバーできるので▲53銀で詰みとなります。参考2図がその手順です。これで無事に解けたと思ったのですが、初手と3手目が同じ筋の手になってしまったので失敗でした。

参考2図:▲96歩、△54歩、▲97角、△52玉、▲31角成、△51金左、▲53銀 まで7手

参考2図の手順での失敗は同じ筋の連続着手があったからですので、その解決策は簡単です。31の銀を取りに行くのではなく、71の銀を取りに行きます。初手から▲76歩、△54歩、▲44角、△52玉、▲71角成で銀を入手したので7手目に▲53銀を打って詰みにします。したがって6手目は△51金右で7手目▲53銀での詰みとなりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

Pontamon(作者)「7手作だと失敗手順で惜しいものが少ないので解説が難しい。」

ミニベロさん「飛先の歩は、一応騙されてみました。」

■参考1図で確認してみましたが、飛先の歩では後手着手は2段目しか成立しませんね。

NAOさん「7手で後手番が上段側から指す手順。意外と見つからなかった。」

■ベテランには瞬殺かと思いましたが、意外に良問だったか。

緑衾さん「七手詰一覧を見ながら解いてもよかったのですが今回は真面目に考えてみました。」

■7手に限らず、余詰チェックのために一覧表があると便利ですね。

ほっとさん「「僕」が後手番であることにいつ気付くか。」

■主人公の話者が「〇手で詰まされちゃった」と言えば先後が明らかですが、勝者が主人公になることが多いので読み手の先入観への罠でした。

チャンプさん「作意手順についてはもはや特に触れるところはありませんが、混乱を招きそうな題名にはご注意ください(笑)
いつの話?と言われそうですがPontamonさん新担当就任おめでとうございます&ありがとうございます。
推理将棋には謎解き要素と会話文という2つの楽しみがあるので、これからも世に広めて頂ければ嬉しく思います。」

■一応「?」を付けていますが、対局者の一方は同じ筋の着手で他方は同じ段の着手だと勘違いされるかもしれないということですね。

飯山修さん「7手詰は久しぶりかと思ったら今年の年賀詰にあった」

■7手詰の29手順はすべて1条件での表現が可能とのこと。かと言ってその1条件は1手順にひとつだけではないものもあるので、是非作図にも取り組んでみてはいかがでしょうか。

諏訪冬葉さん「全部同じ筋で9段目側からだとすると2筋の歩だ。と瞬時に変換して相手の手にやられました。」

■仕掛け通りに騙されていただき、ありがとうございます。(笑)

RINTAROさん「先手2筋をまずは考える。」

■それを思い付き易い会話ですので。

けいたんさん「「同じ筋の手を9段目側から1段目側への『順』で指した」異様に難しい文章ですね。」

■この異様さで2筋の歩の手筋でないことが推測可能。(笑)

中村丈志さん「9段目側から1段目側への順という意味が、なかなかわかりませんでした。」

■「着手した段の数字が徐々に小さくなった」の方が良いかな?

はなさかしろうさん「難しかった。7手だけにとりわけ、難しいことの価値が高いですね。」

■「(思ったより)難しかった。」ですよね。

原岡望さん「問題の意味を理解するのに一寸時間がかかりました。」

■異様な文章だったようです。

桝彰介さん「条件次第で7手詰も随分新鮮に感じられると再認識しました。」

■会話文が異様な表現になりましたが...。

占魚亭さん「5筋は盲点でした。」

■42か62で銀を取って53銀までなら詰形がある。ちょっと違うけど「左右同形中央に手あり」は推理将棋にも当てはまる。


正解:14名

  ミニベロさん  NAOさん  緑衾さん  ほっとさん
  チャンプさん  飯山修さん  諏訪冬葉さん  RINTAROさん
  けいたんさん  中村丈志さん  はなさかしろうさん  原岡望さん
  桝彰介さん  占魚亭さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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