推理将棋第156回解答(3)
[2022年12月29日最終更新]
推理将棋第156回出題の156-3の解答、第156回出題の当選者(原岡望さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
156-3 上級 ミニベロ 作 三捨利警部の推理 謎の11手 11手
「今度の事件は11手詰のようです」
「被害者(後手)は、8手目の金を含めて、二つの筋を交互に指したようです」
「成る手はなく、不成りが一度だけあったようです」
「駒を取る手が一度だけありましたが、使ってはいません」
「ごくろうさん。それだけ分かれば充分だよ」
三捨利警部は、もう手口を見抜いたのでしょうか。
(条件)
- 11手詰
- 後手は8手目の金を含めて二つの筋の手を交互に指した
- 成る手はなく、不成りが1回だけ
- 駒取りは一度だけあったが打つ手は無い
出題のことば(担当 Pontamon)
年賀推理でも2つの筋を交互に指しましたが、今度は何処と何処の筋でしょうか?
作者ヒント
先手の使った駒は3枚だけ(ミニベロ)
締め切り前ヒント
33の後手玉を空き王手で仕留めるので、後手の着手筋は3筋と4筋ですね。
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推理将棋156-3 解答 担当 Pontamon ▲26歩、△34歩、▲25歩、△42玉、▲26飛、△33玉、 ・11手詰 ・後手は8手目の金を含めて二つの筋の手を交互に指した(後手は3筋と4筋の手を交互に指した) ・成る手はなく、不成りが1回だけ(9手目▲53飛不成) ・駒取りは一度だけあったが打つ手は無い(9手目▲53飛不成) |
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8手目が金の手とのことなので、後手が交互に指す2つの筋のうち、4手目に指した2つ目の筋が8手目の金の着手筋になります。後手が交互に指す2つ目の筋として可能性があるのは初期配置で金の着手が可能な3~7筋全部の筋になります。金の着手条件での絞り込みが難しそうです。金の手が必ずある手順を思い出してみると、△52玉と△62金に対する2枚角だと3筋と4筋の歩突きが必要になるので着手筋がオーバー。△52金右に△42玉の配置での角の合利かずの形も3筋の歩突きが必要なので使えません。あとは、はてるま手筋での△52金右と△42金上に▲71飛不成ですが、飛は不成なので▲44角などで62地点をカバーすれば良さそうです。2段目の金の手以外は4筋と5筋の歩を突いておけば良いのでタイミングを気にすることも無さそうです。しかし、それでは7筋の歩の処理に困ります。そこで、後手の着手筋を5筋と7筋にして、はてるま手筋を応用してみたのが参考1図です。42と52に金が居る形だと先手角は▲44角から62地点をカバーすれば良かったのですが、参考1図では後手の着手筋は7筋と5筋なので△42飛や△42金、△42銀の協力は無理なので、先手の角は53地点へ行く必要がありました。一応、▲71飛不成で詰ますことはできたのですが手数オーバーの13手ですし、駒取り3回と不成2回は条件をクリアしていません。辛うじてクリアしている条件は、後手が交互に2つの筋の着手をすることと、8手目が金、成る手なし、打つ手なしでした。
ちなみに当初予定の▲44角の形だと、▲26歩、△54歩、▲25歩、△44歩、▲26飛、△52金右、▲76飛、△42金上、▲73飛不成、△53金直、▲76歩、△45歩、▲44角、△52金引、▲71飛不成の15手になってしまいます。
参考1図:▲76歩、△74歩、▲44角、△54歩、▲75歩、△同歩、▲78飛、△52金右、▲53角不成、△76歩、▲同飛、△55歩▲71飛不成 まで13手
参考1図では8手目の金着手を気にして指したのですが、はてるま手順は手数オーバーで失敗でした。成る手がなくて駒取りか少なくて、取った駒を使ってはいけないとなると、盤上の駒だけで詰める必要があり、過去作の経験では中段玉の配置が有力です。中段玉で思い浮かぶのは困った時の頼みの空き王手や両王手の形です。。中段玉への空き王手の形が多い44地点の後手玉を考えます。この時、塞ぐ必要がある玉の退路の中で難しいのは玉の隣の54地点です。3筋や4筋の5段目については歩や桂、飛など先手の駒で抑えることが簡単にできますが、54地点に関しては通常は後手の角を取って、その角を打つことによって54地点を抑えることが多いです。今回は取った駒を使えないので、先手の金や玉を65地点へ出張る手もありますが、飛を58へ振って5筋全体をカバーしてみます。先手の歩が飛の利きを邪魔しているので53地点の▲53歩不成まで突いて、駒取りを1回と不成1回の条件をクリアします。取った歩は使う筋もないのでこの流れは正解な気がします。
この方針で指してみたのが参考1図なのですが、▲46歩と▲36歩が間に合っていないので詰んでいませんし、8手目は玉が空き王手の定位置の44へ出る手なので、8手目の金の手も指せませんでした。
参考2図:▲58飛、△34歩、▲56歩、△42玉、▲55歩、△33玉、▲54歩、△44玉、▲53歩不成、△33桂、▲76歩 まで11手
参考2図では後手着手は3筋と4筋を交互に指していたので、8手目が金の手だとすると△42金を指さなければいけません。中段玉を目指すなら2手目の△34歩は必須なので、4手目と6手目の玉移動も必然の手になります。次の後手の手番は8手目なので△42金を指すことなり、玉は44地点へ行くことができず33地点までしか行けません。後手の最後の着手になる10手目は3筋の手ですが△35歩を指すと玉の退路として34地点が増えるだけです。△32玉と引くと空き王手にはならないけど32地点は空いているのでそこを埋める手が必要になります。候補は2つで△32金か△32銀です。△32金の場合は42地点が空きますが、それは▲53歩成でカバーできると思ったら駒成禁止なので53の歩を生のままで取るしかありません。10手目は△32銀しかありませんが、33の玉の後ろ側の3マスは全て自駒で埋められることになります。11手目の空き王手の手は▲76歩しかありませんが、後手玉が33地点だと、後方3地点は自駒で埋められていますが、24地点を抑える必要があります。あと気を付けないといけないので、44玉ではなく33玉なので▲76歩の空き王手には△44歩と歩を突いて合い駒をすることもできるようになっています。▲45歩では44地点をカバーしていますが△44歩の移動合いができてしまいます。
となると、43地点の歩を動けない状態にする必要があります、つまり43の歩をピンするのですから、それに適当なのは▲53飛不成の手でしょう。参考2図では▲58飛を指していましたが▲53飛不成を指すには先手の歩が邪魔です。後手に先手の5筋の歩を取ってもらう協力は期待できないので、先手は2筋の歩を突いて飛の出口を作ることになります。24地点を抑える必要があったので、▲25歩まで指せば24地点のカバーと飛の出口を作る一石二鳥です。あとは▲53飛不成が間に合うのかを初手から見ていきます。初手から▲26歩、△34歩、▲25歩、△42玉、▲26飛、△33玉、▲56飛の次の8手目は金の手の△42金です。9手目から▲53飛不成、△32銀、▲76歩の空き王手で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
ミニベロさん(作者)「本作はmixi時代のものですが、すでにタラパパさんの先行作があり、許可をもらって、最終手を隠す条件に変えたものです。
その分難解になったかもしれませんが、最初にこの手順を開発されたタラパパさんには敬意を表します。」
■mixiから転記した過去作データにはタラパパさんの該当作は見当たりませんでした。抽出漏れかもしれません。
NAOさん「これは難解。遠回りのようでも2筋の歩を伸ばして飛を展開し53飛不成で43歩をピンするとは驚きの手順。
初め"止めが桂跳ね"の順を追ったが、不成1回、駒取1回が11手では達成できなかった。」
■取った飛を打たずに53飛の手を指せるとは思えないのが普通。先手の飛が自力で盤上を動いて53地点へ移動できるのは9手目なので、11手で詰めるのなら残り1手しかないので詰まないと考えてしまうでしょうね。
原岡望さん「確かに開き王手ですね。」
■はい、王手を掛けている駒は初期配置88地点の角で、最終手は▲76歩ですので。
諏訪冬葉さん「44歩をこんな方法で封じるとは・・・」
■先日、将棋中継を観ていたら「間接王手飛車」という用語が出て来ました。角で飛車取りを掛けたのですが飛車が逃げると飛の陰に居る玉が取られる状況でした。本問のように43の歩がピンされている状況だと「間接両王手」とでも言うのかと思って調べたところ、「間接両王手」は詰将棋での用語で、状況は違ってました。
ほっとさん「際どい紛れが多くて難しかった。絶妙な条件設定に感心。」
■「8手目が金」と言われると、へそ曲がりな担当は「金は8手目だけではなく、2つの筋へ動かす可能性もある」と予想して、ドツボに嵌まる。
飯山修さん「ほぼ同一詰上がりのパラ169番は32飛42金で"飛車の腹に飛車取りと、金が動いた"というペテンのような条件で大量の無解者が出ていた事を思い出しました。今回の条件は格段にスマート。」
■10年前、2012年12月号での出題ですね。腹へ金を動かされた飛に取りが掛かったのではなく、自駒の飛の腹へ金を動かして相手の飛に取りを掛けたという状況はペテンというか勝手な思い込みというか...。ミスディレクションに気を付けることがまだ浸透していなくて、素直な解図者ばかり居た時代だったのかな。
テイエムガンバさん「11手中後手の5手はすぐ見抜けましたが、2筋への後手玉の退路封鎖と空き王手で仕留める方法が思いつきませんでした。」
■後手は2つの筋を交互に指すのと8手目が金の情報で後手の5手を見抜いた!?「空き王手」のことが書いてあるのでヒント後のことですよね。ヒントの効果は狙い通りだったようです。
占魚亭さん「ピンメイト。後手の着手の確定が容易だったので、先手の着手もスラスラ導けました。」
■ヒント後でも▲53飛不成の配置はスラスラとは出て来ないはずだと見込んでの「33の後手玉を空き王手で詰める」という甘めのヒントだったのですが...
RINTAROさん「「33の後手玉を空き王手で仕留める」は大ヒント。」
■「33の後手玉」の情報はヒントの出し過ぎだったか?
はなさかしろうさん「後手は33玉か73玉で2段目を自ら塞ぐのが本命でしたが、先手の効率の良い桂跳ねが不成1回で巧みに不成立になっていて首を傾げていました。25歩からの飛の活用が絶好で、絶妙の詰め上りですね。」
■▲76歩の空き王手を△44歩の移動合いができないように▲53飛不成でピンするなんて思い浮かびません。しかも飛が出て行くために突いた▲25歩が△24玉を抑えているという絶妙手順になってました。
桝彰介さん「分かりませんでした。不成や取った駒を使わない条件が達成できませんでした。」
■取った駒を使ってしまう手順を考えたのだとすると、▲96歩、△74歩、▲97角、△52玉、▲86角、△72銀、▲95角、△51金右、▲同角不成、△73桂、▲62金のように最終手が駒打ちのような手順かな。
正解:10名
NAOさん 原岡望さん 諏訪冬葉さん ほっとさん
飯山修さん ミニベロさん テイエムガンバさん 占魚亭さん
RINTAROさん はなさかしろうさん
(総評)
原岡望さん「今月もヒント頼みです。」
■解答履歴では2番目でしたので相性の良い問題だったのかと思ってました。
諏訪冬葉さん「これで今年分は完走」
■締め切り日で言うと2022年の解答は終わりですね。
ほっとさん「来年もよろしくお願いします。」
■こちらこそ、来年の解答をよろしくお願いします。
飯山修さん「2番の問題は最初から88手を条件にしたほうがとっつきやすかった。」
■目標値があったほうが取り組み易い場合もありますね。
ミニベロさん「昔、余詰の多い1手詰というテーマで、80手段の図を作った。
その原理図は、玉を55に、攻方11角・91角・22飛・73飛。
飛車の通路を開けてやれば、8×4で32通り。
これらはすべて成が使えるので、これだけで倍の64になるという算段。
これを知っていながら、今回はコロッと忘れていました。」
■「1手詰」なので詰将棋ですね。(今回覚えた将棋用語(^^;)「1手詰」だと80通りですが「1手で詰む手段(棋譜上)が最多の局面」だと90通りでしょうか。
RINTAROさん「1.2は中間ヒント前にあっさり解けましたが、3が解けずに放置していたら、締め切り日になり、慌てて解きました。」
■156-2のノーヒント解図組でしたか。担当は、詰パラ推理将棋の2022年最終問題が解けずに放置中。
桝彰介さん「推理将棋で楽しませていただいた年でした。来年もたくさんの良い問題に会えることを期待してます。ありがとうございました。」
■一応、年内の解答は終わりましたが、2022年最後の12月問題が出題中です。年賀推理ともども新年から推理将棋に取り組んでいただければ幸いです。
推理将棋第156回出題全解答者: 12名
NAOさん 原岡望さん 諏訪冬葉さん ほっとさん
飯山修さん ミニベロさん テイエムガンバさん 占魚亭さん
中村丈志さん RINTAROさん はなさかしろうさん 桝彰介さん
当選: 原岡望さん
おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。
あとがき
2022年の大晦日が数日後に迫って来ています。暴飲、暴食、各種ウイルス感染に気をつけて、新年をお迎えください。
今年、一年、推理将棋への参加、誠にありがとうございました。
来たる2023年も推理将棋のご愛顧をよろしくお願いいたします。
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