推理将棋第157回解答(3)
[2023年1月26日最終更新]
推理将棋第157回出題の157-3の解答、第157回出題の当選者(テイエムガンバさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第157回出題 推理将棋第157回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
157-3 上級 チャンプ 作 美野樫9兄妹再来! 18手
六実「なんか招待状みたいのが届いてるわよ~」
隆二「兄貴、どうやら長らく中止してた町の将棋まつりのイベントがあるみたいだぜ?」
健一「おぉ? 久々じゃねぇか!」
四郎「しかも僕たちには席上対局を用意してあるって書いてあるよ?」
七海「それは大変光栄なことですね」
九美「ウチも、行ってみたいなぁー」
源三「招待されたら全員参加するしかなさそうやな」
圭五「腕が鳴る!足が鳴るぜぇええ!そうとなりゃ試合に備えて一っ走りだ!うぉおおー!」
八重「何をしに行くつもりよ・・・」
・・・イベント当日・・・
九美「対戦相手はあの人みたいだねぇー、私たちが後手だって、みんな頑張ろうねぇー」
・・・対局開始・・・
八重「18手で我が軍の勝利です」
圭五「みたか!俺の必殺シュート!」
六実「成る手は無かったけど余裕~♪余裕~♪」
四郎「ちょうど皆、1手ずつ指せて良かったね」
隆二「お互い持ち駒を使い切ったいい一局だったな」
源三「しかし、なんやえらい王手の多い将棋やったな」
七海「・・・察するに4種類の駒による王手が全部で8回あったかと」
健一「久々だったが全員腕は鈍ってなかったみてぇだな!」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 18手で詰んだ。
- 後手は1筋~9筋の手を1回ずつ着手した。
- 成る手は無く、4種類の駒による王手が計8回あった。
- 終局時、お互いの持ち駒は無かった。
出題のことば(担当 Pontamon)
王手を掛けた4種の駒のうち2種はすぐ思い付きますが、さて残りの2種は?
作者ヒント
後手は全ての筋で1回のみの着手。となると1、2筋は特に鬼門。遠くから王手の出来る駒を入手する必要がありそうです。(チャンプ)
締め切り前ヒント
王手の4種の駒と回数は、角3回、飛は連続3回、桂1回、金1回。
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推理将棋157-3 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△34歩、▲77桂、△同角不成、▲68飛、△同角不成、 ・18手で詰んだ。 ・後手は1筋~9筋の手を1回ずつ着手した。(2手目△34歩、4手目△77同角不成、6手目△68同角不成、8手目△18飛、10手目△28同飛不成、12手目△48同飛不成、14手目△85桂、16手目△59角、18手目△95金) ・成る手は無く、4種類の駒による王手が計8回あった。(4手目△77同角不成、6手目△68同角不成、8手目△18飛、10手目△28同飛不成、12手目△48同飛不成、14手目△85桂、16手目△59角、18手目△95金) ・終局時、お互いの持ち駒は無かった。 |
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後手の手は各筋1回ずつで、8回の王手をする必要があります。2手目の△34歩は角が出ていくために必須な手なので、王手を掛けない筋の着手は2手目の△34歩だけなのが分かります。つまり、4手目以降の8手全ては王手の手を指す必要があります。4手目の77地点での角不成の手が最初の王手になるので先手玉は居玉の状態のはずです。この王手に対して▲68飛として△同角不成で飛を取れば、このあと△12飛を指して、遠い1筋からの王手が可能になります。その後は2筋の合駒を△同飛不成、4筋の合駒を△同飛不成で王手していきます。この方針で詰めてみたのが参考1図です。しかし、後手の持ち駒の角が余ってしまいましたし、最初の王手と最終王手が7筋で重なったため手数オーバーの20手でした。
参考1図:▲76歩、△34歩、▲77角、△同角不成、▲68飛、△同角不成、▲同玉、△18飛、▲28角、△同飛不成、▲48銀、△同飛不成、▲58金左、△同飛不成、▲77玉、△88角、▲86玉、△95銀、▲75玉、△74金 まで20手
やり直しの参考2図は参考1図の11手目からの変化になります。11手目の合駒を▲48銀にすると18手目が△95銀になるので▲85玉へ逃がしてしまうので12手目に同飛で取る駒を金にしました。まだ△48同飛不成の王手に対して5筋での合駒ではなく玉を77へ逃げる手にしてみたところ、丁度18手で詰ますことができました。参考1図では余ってしまった角は12手目の5筋での王手がなくなったので16手目に△59角と打って王手することができ、これで無事解けたと思ったところ、王手をした駒種は、角、飛、金の3つだけだったので条件をクリアできませんでした。
参考2図:▲76歩、△34歩、▲77角、△同角不成、▲68飛、△同角不成、▲同玉、△18飛、▲28角、△同飛不成、▲48金、△同飛不成、▲77玉、△88角、▲86玉、△59角、▲96玉、△95金 まで18手
参考1図では角と飛以外に王手する駒として金銀があって4種でしたが持ち駒に角が余ってしまいました。後手に角が余るのなら、▲76歩、△34歩、▲77角、△同角不成、▲68飛、△同角不成、▲同玉、△18飛、▲28銀、△同飛不成、▲48金、△同飛不成、▲77玉、△88角、▲86玉、△85銀、▲95玉、△94金の手順にすれば、王手の駒種は4つで後手の持ち暇は余りませんが先手の持ち駒としてやはり角が余ってしまいました。この手順でも参考1図でも参考2図でも▲77玉には△88角の8筋からの王手をするには、88の初期配置の角をどかす必要がありました。▲77玉の次の手で△59角を打つと玉は86地点へ行けません。△86角の王手をすると▲同玉なので先手の持ち駒が増えてしまいます。
この問題を整理して解決するための要点は
1.8筋の手での王手、88の角を後手に渡さず▲68同玉で取った元々後手の角だけを後手に渡す
2.▲77玉に対して8筋着手での王手は△88角以外の手で王手する
3.8筋着手で王手した駒を▲同玉で取られてはいけない
4.王手する駒種4つのうちの3つは、角、飛、金
になります。
王手する駒種を1つ増やす必要があるので、残ってする駒種は歩か香か桂ですが、77の玉に対して8筋の香打ちでの王手はできないし歩は二歩で使えません。となると必然的に桂での王手、つまり△85桂の王手になります。そのためには後手は桂を入手しておく必要があるので、3手目は▲77角ではなく▲77桂になります。初手から▲76歩、△34歩、▲77桂、△同角不成、▲68飛、△同角不成、▲同玉として、1筋と2筋からの王手は取ったばかりの飛を打って王手します。8手目から△12飛、▲28角を打って後手が△59角での王手を指せるようにします。次の48地点で角を渡すには9手目の合いは▲28銀になってしまうので最終手△95銀では▲85玉と逃げられてしまいます。10手目から△28同飛不成、▲48金、△同飛不成で金を後手に渡します。13手目から▲77玉、△85桂、▲86玉、△59角、▲96玉、△95金で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
諏訪冬葉さん 「7手目の角取りが全く見えず苦戦しました。」
■攻め駒の中心になる角を取られる手は考えにくいですね。
NAOさん 「王手8回のうち、1~2回は先手かな、となんとなく解き始めると苦戦。後手からの連続王手を考えたら流れるように手が続く。1,2,8,9筋が使いにくいが1筋の飛打ちから巧く手が繋がった。」
■3手目▲33角不成の初王手を△同角で取ったり、▲33角不成の王手に続けて▲42角不成や▲51角不成で王手してから後手に角を取らせると、△15角の角打ち王手に▲26歩、△同角と進めれば王手し難い1筋と2筋着手での王手も実現できそうに見えます
RINTAROさん 「4手目以降、後手の指し手は全て王手なので考えやすかったです。」
■3手目の▲33角不成の王手の手を思考から除外できれば、残りの後手の手は全て王手の手になりますね。
はなさかしろうさん 「美野樫9兄妹条件、面白いですね。独特なので解くときに考え方を頭に染み込ませる感じがします。28で銀でなく角を手放すのが鍵で59角から大きな詰形ができました。」
■▲28銀と▲48角で銀と角ょ渡すと、最終手が△95銀になり、▲85玉で桂を取られて逃げられてしまいます。角の渡し場所が上手く限定されていました。
ほっとさん 「全く想像がつかずに最終ヒント待ち。少ない条件でうまくまとまっている。」
■王手する駒種と回数が締め切り前ヒントでしたが、角の王手3回と聞くと▲33角不成での王手も再検討が必要になると予想しましたが、甘過ぎとの短評もありました。
原岡望さん 「桂の使い道が分かって解決」
■王手した駒種が4種の情報だと、飛角金銀を予測するのが普通かと。桂に目を付けたのが鋭い推理だったようです。
飯山修さん 「すべて後手側王手なのは意外。てっきり33角同角が入ると思ってた。最終ヒントはバラし過ぎの 気もするが新春初売り大サービスですね 」
■▲33角不成の初王手に△同角で角を入手して、△77角不成の王手と角打ちでの王手で角王手3回と考えると容易には解けないはずだったのですが...。
ミニベロさん 「手が広くて景色が見えないのでヒント待ち。締め切り間際に無理やり解いたが、一応条件は満たしていると思う。」
■先手の角が全く動かず、後手角を取ってから後手へ差し出し、後手はその角を取ってからの角打ちで王手するという絡繰りでした。
正解:8名
諏訪冬葉さん NAOさん RINTAROさん はなさかしろうさん
ほっとさん 原岡望さん 飯山修さん ミニベロさん
(総評)
RINTAROさん 「2は傑作、3は好作、1は戯作。本年も1年間解答できてよかったです。来年も1年間解答できるよう頑張ります。」
■年間の解答者を集計してみました。全23名、のべ159名だったので月平均13.25名。最近、解答者が減って来ているのが気になります。2023年も解答、よろしくお願いします。
ほっとさん 「結局2022年中に解き切れず。」
■月末~締め切り日での解答が多かった印象ですが、年度またぎはやはり気になりますね。
原岡望さん 「今回は珍しく〆切前の解答です。春から縁起がいいです。本年もよろしくお願いします」
■その勢いで年賀推理を解いて行きましょう。本年もよろしくお願いします。
飯山修さん 「年賀推理は手古摺りそう。今年は締め切りギリギリ解答の連続の予感が。」
■年賀推理で手古摺りそうなのは上級の3作。35手や61手は長手数なので取っ付きにくい気がするだけです。
推理将棋第157回出題全解答者: 11名
テイエムガンバさん 諏訪冬葉さん NAOさん RINTAROさん
はなさかしろうさん ほっとさん 原岡望さん 飯山修さん
ミニベロさん 中村丈志さん 占魚亭さん
当選: テイエムガンバさん
おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。
推理将棋2022年全解答者: 23名(のべ159名:月平均13.25名)
NAOさん RINTAROさん エレーンさん けいたんさん
さつきさん ジェシーさん チャンプさん テイエムガンバさん
はなさかしろうさん べべ&ぺぺさん ほっとさん ミニベロさん
原岡望さん 山下誠さん 小山邦明さん 諏訪冬葉さん
占魚亭さん 川石隆志さん 中村丈志さん 飯山修さん
斧間徳子さん 桝彰介さん 緑衾さん
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