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推理将棋第157回解答(1)

[2023年1月22日最終更新]
推理将棋第157回出題の157-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第157回出題  推理将棋第157回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第157回解説  担当 Pontamon

出題は2022年12月でしたが、この解説が2023年最初の解説となります。
第157回は11名の解答者から解答をいただきました。解答、ありがとうございます。2023年も解答をよろしくお願いいたします。


157-1 初級  Pontamon 作  3回動かす          8手

「さっきの将棋は8手で詰んだよ」
「どんな将棋だったの?」
「先手はある駒を3回動かしたよ」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 8手で詰み
  • 先手はひとつの駒を3回動かした

出題のことば(担当 Pontamon)

 3回着手は連続なのか非連続なのか?どの駒?

作者ヒント

 ある駒を3連続で動かします(Pontamon)

締め切り前ヒント

 後手もある駒をそのまま3回動かします。


推理将棋157-1 解答

58玉、△84歩、▲68玉、△85歩、▲78玉、△86歩、
▲68飛、△87歩成 まで8手

(条件)
・8手で詰み
・先手はひとつの駒を3回動かした(初手▲58玉、3手目▲68玉、5手目▲78玉)
Suiri1571 

Suiri1571a先手が3回指す駒がどれなのか分かりませんが、先手の4手中の3手を指すのですからその3手は無駄手なのかもしれません、つまり残り1手で詰み形を作るとなると、あの形です。そう、▲58玉の1手だけを指せば、△57銀や△57飛成で詰む形があります。参考1図は後手の△66角を指せるタイミングを作るために初手で▲58玉を指して、最終手△57銀の詰み形を目指した手順になります。残念ながら8手の時点ではまだ△57銀を打てず、詰ますには10手掛かってしまい、失敗でした。

初期配置39地点の銀を39地点のままで取ったので△48角不成の手が必要になって手数をオーバーしています。それでは時間稼ぎの「ある駒3回着手」の条件クリアのために△48銀、△39銀、△48銀の3手で手待ちをしながら48地点で銀を取らせる手順なら良さそうかと思ったのですが、▲56歩が指されていないので後手の△57角不成から△48角不成で銀を取ることになるので同様に10手かかってしまいます。

参考1図:▲58玉、△34歩、▲56歩、△66角、▲55歩、△39角不成、▲54歩、△48角不成、▲16歩、△57銀 まで10手

Suiri1571bある駒を手待ちのために3手指すのではないとすると、先手玉が詰まされる形作りのために指す手なのかもしれません。居玉のままだと金の羽根付きになるので詰ませるのは難しいですが、金と玉の位置を入れ替える際に金の手を3手指せば良いかもしれません。玉と金を入れ替えるのは吊るし桂で仕留めるときの常套手段なので、その吊るし桂を目指したのが参考2図です。玉の手を挟んで金を3回動かしていますが、吊るし桂の形だと手数オーバーの10手になったので失敗でした。

参考2図:▲76歩、△34歩、▲68金、△88角成、▲69玉、△89馬、▲58金寄、△67馬、▲59金引、△77桂 まで10手

3回指す駒は、歩でも銀でも金でもないようです。ひとつの駒で3回着手が可能で残っている駒種には角と飛があります。角は初期配置では動くことができないので、初手は角道の歩を突くか▲98香や▲78銀などで角が移動できるスペースを作ってその地点へ行き来する順が考えられます。しかし、この順だと先手玉が詰まされるための協力手を指せないので失敗するでしょう。飛の場合は3回目の手で▲68飛として、△66角と△56飛の詰み形や△57飛成までの詰み形が思い浮かびますが、手数が足りません。▲16歩としても香の場合は▲18香と▲17香の2手しか指せないので除外できますが、桂は初手の歩突きのあとの3段跳ねが可能です。しかし、これも詰み形を作る協力ができないので失敗します。残っている駒種は玉です。△87歩成までの詰み形では、玉が1手で▲78玉を指せるのであれば、飛を左右に振って3回目で▲68飛にしてもいいですし、▲48金、▲58金寄、▲68金寄の3手で68地点を埋めることもできます。しかし、78地点へ玉が行くには▲68玉、▲78玉の2手が必要なので、その後に飛や金の3手を指すと手数オーバーになります。などの手順を確認していて気づきました。68地点を埋めるための金の着手は2手で済むところを3手掛けて移動していたのでその方法を玉移動に適用すれば、78地点への玉移動を3回にできます。残りの1手は退路の68地点を埋める▲68飛です。初手から、▲58玉、△84歩、▲68玉、△85歩、▲78玉で玉を3回動かしました。6手目から△86歩、▲68飛、△87歩成で詰みとなりました。

同手順の先行作はミニベロさん採譜の「11-1 斜めに行ける駒はない?」、同じ詰み上がりは館長さんの「8-1 だるまさん」やけいたんさんの「136-1 初手と7手目は金」があります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

テイエムガンバさん 「古典7手の名作プラス1手の基本的な問題。」

■客寄せの8手易問でした。「忘れた頃の/例の手順」その1。

諏訪冬葉さん 「昔「斜め移動なし」の条件で同じ手順の問題があったのを覚えていました。」

■「11-1 斜めに行ける駒はない?」ですね。似た条件があったのなら思い出すかもしれませんが、「先手はひとつの駒を3回動かす」の条件が斜めに行ける駒はないに結び付くとは意外でした。

NAOさん 「7手詰の受方2連続を一手延ばす。」

■3手動かすために初手へ余裕手を追加しました。

RINTAROさん 「瞬殺です。」

■「瞬殺」コメントその1.

はなさかしろうさん 「忘れた頃にやってくる…第一感即この手順ですが、唯一解とは驚きです。」

■他の駒でも3回着手がありそうな気はしますね。

ほっとさん 「忘れた頃に出題されるやつ。」

■「忘れた頃/例の手順」その2。

原岡望さん 「例の手ですね」

■「忘れた頃/例の手順」その3。

飯山修さん 「瞬殺というコメントが多いと思う 」

■「瞬殺」コメントその2.瞬殺コメントは2件でした。

ミニベロさん 「忘れた頃にやってくるこの順。」

■「忘れた頃/例の手順」その4。やはり、この手のコメントが最多の4件でした。

中村丈志さん 「これで正しいのか?」

■はい、正解手順です。

占魚亭さん 「これしか考えられないけど……(自信なし)。」

■玉以外の駒でも可能な気がすると自信が無くなるパターンですね。


正解:11名

  テイエムガンバさん  諏訪冬葉さん  NAOさん  RINTAROさん
  はなさかしろうさん  ほっとさん  原岡望さん  飯山修さん
  ミニベロさん  中村丈志さん  占魚亭さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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