推理将棋第158回解答(3)
[2023年2月23日最終更新]
推理将棋第158回出題の158-3の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第158回出題 推理将棋第158回解答(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
158-3 中級 けいたん 作 先手後手とも5筋に角を打つ 9手
「9手で詰みか。この対局は令和5年の指し始めにふさわしいんじゃないかな」
「そうだね。君も僕も後手陣の5筋に角を打ったからね」
「角成を同銀で取る手があったな」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 9手で詰み
- 先手後手とも後手陣の5筋に角を打つ
- 角成を同銀で取る手あり
出題のことば(担当 Pontamon)
令和5年にちなんで、先手も後手も5筋へ角を打ちます。
作者ヒント
不成あり(けいたん)
締め切り前ヒント
後手の後手陣への角打ちは玉の退路を塞ぐ協力手です。
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推理将棋158-3 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△34歩、▲22角成、△同銀、▲52角、△42玉、 ・9手で詰み ・先手後手とも後手陣の5筋に角を打つ(5手目52角、8手目△51角) ・角成を同銀で取る手あり(3手目▲22角成、4手目△22同銀) |
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角成を同銀と取る条件があるので、▲22角成、△同銀の手順を決め打ちしてまず間違いないでしょう。これで先手も後手も角を持ち駒にするので、あとは双方とも5筋に角を打って、先手は金を入手して頭金までの形を目指し、後手は飛の横利きを遮りつつ61の金を明後日の方向へ移動する△72金の協力手をさせばいいはずです。参考図の手順がその手順になります。先手は金を入手するために相手陣の5筋へ▲52角と指し、後手も相手陣の5筋へ△58角と角を打って無事解くことができたと思ったのですが、条件を確認したところ、5筋の角打ちは相手陣ではなく後手陣が指定されていました。
参考図:▲76歩、△34歩、▲22角成、△同銀、▲52角、△58角、▲41角不成、△72金、▲52金 まで9手
参考図の駒配置だと、51には玉が居るし53には歩が居て、52は先手が打った角が居るので後手は角を後手陣の5筋へ打つことができません。となると、参考図の詰み形ではないことになります。参考図の5手目までの手順▲76歩、△34歩、▲22角成、△同銀、▲52角と7手目の金を取る手は変更できる余地が無さそうです。5手目までの変更が無いということは、後手の角打ちを6手目にはできないので6手目を他の手にして8手目に後手陣の5筋へ角を打つしかありません。8手目に角を打つと言っても6手目の局面では打つ場所がないので、6手目は後手の5筋の駒を移動して8手目に角を打つ場所を空ける手のはずです。候補としては△54歩か51の玉を△42玉か△62玉とする手の計3手のいずれかです。
6手目△54歩で8手目△53角の場合は、7手目に▲41角不成で金を取って9手目に▲52金としても飛の横利きがあるので詰みにはなりません。となると6手目は玉を動かす手で8手目は△51角になります。△62玉の場合、7手目に▲41角不成や▲61角不成で金を取って、△51角の次に角頭の52へ金を打てば良さそうですが、もう一方の金の利きがあるので詰みません。▲61角不成のあとに▲72金では飛が利いているのでダメです。したがって6手目からは△42玉、▲41角不成、△51角と進み、飛の利きが届いていない32地点へ▲32金と打てば詰みとなります。32地点は銀の利きがありそうですが4手目の△22同銀で角を取っているので32地点に銀の利きはありません。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん「角を同歩か同玉で取る別手順はよく見かけたが角成同銀は珍しい。意外な収束。」
■同飛だと左右どちらも銀が残るので実現できない詰み形でした。
中村丈志さん「4二玉が難しかったです。」
■角の打ち場所を空けるには△54歩か玉移動が必要。41や61へは手数が足りなくなります。
飯山修さん「ここ迄はサービス問題か」
■解いてみると簡単だったかもしれませんが、余詰回避のギリギリ条件の作品でした。
占魚亭さん「「同銀」は協力手だった。」
■2つの意味での協力手。銀の利きをそらすことと、取った角を玉の退路へ打って埋めること。
ほっとさん「うまく限定させている。」
■「同銀で角を取った」としても良さそうですが、▲76歩、△34歩、▲22角成、△32飛、▲62角、△同銀、▲32馬から△22銀、▲42金や△52金左、▲41飛などの詰みがあるので「角成を同銀」である必要があります。余詰を回避する条件で限定されています。
ミニベロさん「過去にあるようでないのが、作者お得意の隙間技術。」
■担当は既存作の別条件をよく作ります。というか、作ってみたら同じ詰み上がりが過去作にあったというパターンが多いですが。
RINTAROさん「これも52角の筋しかないので分かりやすかったです。」
■先手の5筋角打ちは後手陣指定なので▲52角で決まりですね。
はなさかしろうさん「51角が推理将棋らしく好感触でした。」
■腹金を実現するために△51角の協力が推理将棋らしい手。
諏訪冬葉さん「一昨日まで条件を「敵陣に角を打った」と誤解していました。」
■危うく誤答送付の可能性があったということですね。準備してあった本問の解説と参考図では後手の角打ちを△55角としていましたが、諏訪さんの短評を見て、解説と参考図を調整しました。
原岡望さん「妙手玉頭角にてこずりました」
■玉頭角を打って、金を取ってからの頭金が常套手段ですが、本作では失敗します。
正解:10名
NAOさん 中村丈志さん 飯山修さん 占魚亭さん
ほっとさん ミニベロさん RINTAROさん
はなさかしろうさん 諏訪冬葉さん 原岡望さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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