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推理将棋第158回解答(4)

[2023年2月25日最終更新]
推理将棋第158回出題の158-4の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第158回出題  推理将棋第158回解答(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


158-4 中級 Pontamon 作  4年分の年賀推理       11手

「あけましておめでとう。元旦早々何やってるの?」
「今日は差し出し日に元旦って書いて年賀状を出す日だから年賀状を書いているんだ」
「物は言いようだけど12月25日までに出せなかったんだろ。で、何で将棋盤が出てるの?」
「年賀状に年賀推理を書いているだろ、でも毎年毎年作るのが面倒だから4年間使える1作を作ったんだ」
「どんなの?」
「11手で詰んで、先手も後手も指した駒は2個ずつ。駒の表裏は不問だよ」
「物理的に1つの木片の駒なら、成って裏面で使っても1つということだね。それで?」
「23年から26年の4年間使えるように、23地点から26地点までの2筋の着手があったという条件さ」
「令和5年にちなんだ着手は?」
「5段目での駒成だよ。昨年作ってたら4段目での駒成にしたな」
「来年、6段目での駒成りにできないのなら、来年も新作を作らないといけないね」
「・・・・」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 11手で詰んだ
  • 先手も後手も着手した駒は2個ずつ(駒種の数ではなく物理的な駒の個数。駒の表裏で使ってもひとつの駒とする)
  • 23、24、25、26地点の着手があった
  • 5段目での駒成があった

出題のことば(担当 Pontamon)

 動かした駒が2つならアレ。詰みの定義が異なる詰将棋と推理将棋。連続王手義務がない推理将棋で「11手詰」なら11手で詰む手順ですね。

作者ヒント

 駒成はもちろん5手目の角成(Pontamon)

締め切り前ヒント

 昨年の年賀推理(146-5)での先手の使用駒数は3つで今回は2つで同じ詰み形。


推理将棋158-4 解答 担当 Pontamon

▲76歩、△42玉、▲33角不成、△32玉、▲15角成、△24歩
26馬、△23玉、▲25馬、△12玉、▲34馬 まで11手

(条件)
・11手で詰んだ
・先手も後手も着手した駒は2個ずつ(先手:77の歩と88の角(7手目以降は馬)、後手:23の歩と51の玉)
・23、24、25、26地点の着手があった(6手目△24歩、7手目▲26馬、8手目△23玉、9手目▲25馬、)
・5段目での駒成があった(5手目▲15角成)
Suiri1584

23地点から26地点までの2筋の着手があるとなると一番に思い浮かぶのは先手の飛先の歩を突き進む手順です。歩成してから飛を取り、飛打で詰ませてみたのが▲26歩、△32飛、▲25歩、△52金左、▲24歩、△62金上、▲23歩成、△61金、▲32と、△62金上、▲41飛 の11手の手順です。先手は27の歩を突いて行き、と金になってから32の飛を取って41へ飛を打つ順なので2つの駒だけです。棋譜の字面を見ると後手は飛を振る手以外は金の手なので2つの駒だけに見えますが、金は左右の金を動かしているので後手が使った駒は3つになるので失敗です。また駒成が5段目ではなく3段目なので、駒成条件をクリアしていませんでした。

Suiri1584aこの失敗手順では23から26までの地点の着手を全て先手が指した手順でしたが、先手と後手で分担するのが良いかもしれません。参考図の手順では先手は2筋の歩を突いて飛で後手陣へ向かいます。後手は2筋の歩を突いて、玉を14地点へ移動する時に23地点を通過します。▲25歩を支えにして▲24龍で詰ませたのは良いのですが、今回も駒成が3段目の▲33飛成だったので失敗です。かと言って、▲33飛不成から▲35飛成して▲24龍では先手は手数オーバーになるし、後手玉は14地点から動けず、指せる手がありません。(他の駒を動かすと着手駒が3つになる)

参考図:▲26歩、△42玉、▲25歩、△32玉、▲26飛、△24歩、▲36飛、△23玉、▲33飛成、△14玉、▲24龍 まで11手

参考図の後手の手順を見てみると似た展開があったのを思い出します。△23玉のあとに△14玉へ行くのではなく△12玉とする手順です。確か、この配置での詰みは先手の馬での単騎詰でした。つまり、先手の着手は▲76歩の歩を突く手と角が動いて角成してから馬の手で12の玉を詰める手順です。駒の角が成ってもひとつの駒とのことなので先手が着手する駒は初期配置で77に居た歩と88に居た角の2枚だけになります。

初手は▲76歩しかありませんが、2手目は△24歩と△42玉のどちらでしょう?2手目に△24歩を指すと3手目の▲33角不成の王手の際に△42玉とはできないので、2手目は△42玉で3手目の▲33角不成の王手に△32玉とかわします。その後、△24歩から△23玉、△12玉と指します。指定された2筋の4地点の着手のうち、後手は23地点と24地点の着手ができるので、25地点と26地点は先手が指す必要があります。と言っても使用する駒は確定しているので▲26歩と突くことはできません。▲44角から▲26角はできますが、25地点の着手ができません。ということは26地点の手は馬の着手になります。3段目での駒成が禁じられているので先手は▲33角不成の後で後手陣から角を引く時に駒成します。ここまでの手順は初手から、▲76歩、△42玉、▲33角不成、△32玉になりますが、次の5手目は角引きでの駒成で、更に次の先手番の時に25地点や26地点へ行ける地点で駒成する必要があります。▲55角成では馬で25地点や26地点へ行けないので、5段目での駒成は▲15角成になります。5手目から▲15角成、△24歩、▲26馬、△23玉、▲25馬、△12玉までは必然の流れで、最終手は12の玉に唯一馬の利きが通る地点への手の▲34馬で詰みとなりました。

(短評)

Pontamon(作者)「詰み上がりは昨年の年賀推理と同じで、△12玉を▲34馬で詰める単騎詰でした」

NAOさん「2筋の歩は1回だけ。4段目と5段目の角成はできるけど6段目ではダメと。」

■来年は2024年なので、3年分の推理将棋作りということで、「6段目の駒成/同種駒で24、25、26地点着手あり」でどうか?(手順前後以外でもメチャ余詰みました)

飯山修さん「角を使う場合76歩とセットなので75馬の詰上りが思い浮かぶが2筋条件クリアは不可能。馬単騎詰という事になるが 私の脳内に12玉34馬の形はまだ"アレ"として登録されておらず角はアッサリ捨てて歩飛車コンビに決め打ち撃沈。
中間ヒントを見て呆然。そういえば去年の年賀詰に先手の3手の無駄手を生かす問題を検討すると予言されていた。」

■早々に捨てていた歩と角の組み合わせなのに、中間ヒントが「5手目の角成」はショックだったでしょう。

占魚亭さん「26馬~25馬が面白い動き。」

■詰パラ#404(2019/7)では、15、25、35、45の横一直線の動きでした。

ほっとさん「条件はもう少し洗練できそうだが。」

■括弧書きを注釈にするとスッキリしたかな。

ミニベロさん「端玉を仕留める馬の単騎詰は10手でできるが、巧みな条件でこの詰め上がりを想像させない。」

■最短手数ではない11手の馬単騎はちょっとズルいかな。両王手や単騎詰は明かさないことが多いですが、角単騎の最短11手は作品化されていないみたいなので角単騎を明かして作ろうかな。

RINTAROさん「15角成が妙手。」

■26、25地点経由で34へ戻るには▲15角成が必須。

はなさかしろうさん「年賀お約束の11手。玉方5手、攻方3手の珍しい形なのに攻方がもう1手遊ぶというのがいいですね。」

■この馬単騎の形の最短は10手なので、11手だと攻方に余裕手が増えて3手になります。その3手をどのようにして消費させるかのアイデアと工夫で新作可能。

諏訪冬葉さん「角と76歩しか動かせないなら単騎詰めに持ち込むしかない」

■そうです。"アレ"は馬単騎詰でした。角単騎詰も11手で可能ですが5段目での駒成は無理。

原岡望さん「見慣れた詰上がり」

■1年前も同じ詰み上がりでした。


正解:9名

  NAOさん  飯山修さん  占魚亭さん  ほっとさん
  ミニベロさん  RINTAROさん  はなさかしろうさん
  諏訪冬葉さん  原岡望さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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