« 詰将棋メモ(2023年3月25日) | トップページ | 詰将棋メモ(2023年3月26日) »

推理将棋第159回解答(2)

[2023年3月26日最終更新]
推理将棋第159回出題の159-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第159回出題  推理将棋第159回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


159-2 中級 ミニベロ 作 初手以外すべて王手        9手

「9手で詰んだか。9手で頭飛車は珍しい手筋だね」
「先手の「初手以外すべて王手」というのも珍しいけどね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 9手詰
  • 先手は、初手以外すべて王手を掛けた
  • 頭飛車の手があった

出題のことば(担当 Pontamon)

 頭金は手付金ではなく将棋では相手の玉頭への金の手のこと。となると頭飛車は?

作者ヒント

 ほぼ瞬殺レベルなのでノーヒント(ミニベロ)

締め切り前ヒント

 頭飛車は最終手ではなく3回目の王手の手。先手は初手以外は王手するので飛を取る手でも王手です。


推理将棋159-2 解答 担当 Pontamon

▲76歩、△64歩、▲33角不成、△42飛、▲同角不成、△62玉、
63飛、△52玉、▲53飛成 まで9手

(条件)
・9手詰
・先手は、初手以外すべて王手を掛けた(3手目▲33角不成、5手目▲42同角不成、7手目▲63飛、9手目▲53飛成)
・頭飛車の手があった(8手目△52玉-9手目▲53飛成)

Suiri1592

Suiri1592aウィキペディアの「将棋用語一覧」によると「頭金」は「敵の玉頭へ金を打って詰む形」とかなり限定されています。推理将棋で「玉頭への金の手」だと、自玉でも相手の玉の玉頭でも良く、金を打つ手だけではなく金移動の手でも良いと解釈されています。さて、将棋用語に見当たらない「頭飛車」はどのような手なのでしょうか?ウィキペディアは必ずしも正しいとは限りません。詰まなくても適の玉頭へ金の手を指すのが頭金だと認識されている人も多いと思います。出題のことばで「相手の玉頭への金の手のこと」と書いたせいか、作者からのコメントでは『「頭飛車(頭金)は自玉でもいいですよ。』とのことなので、「玉頭への飛の手」と解釈するのが無難なので、まずは後手玉の玉頭へ後手の飛を指す場合を考えてみたのが参考図の手順です。後手は2手目に一旦△52飛と指して「頭飛車」を実現させてから、先手に飛を差し出す△42飛を指しています。2手目が頭飛車の手なので3手目の▲33角不成は王手になっていて、△42飛を▲同角不成で取る手も王手になっています。42の角と持ち駒の飛で後手玉を詰ますために7手目は5筋へ飛を打って最終手で▲53飛成で52の後手玉を詰めましたが、7手目の飛打ちの手は王手ではありませんでした。7手目の飛打ちで王手にするには▲52飛しかありませんが、後手玉は王手をかわすには△同玉や△同金で飛を取るしかないので9手で詰めることはできません。7手目で飛を打って王手する以外の王手は▲51角不成ですが、△52玉や△72玉とされると最終手で飛を打っても詰みにはなりません。もし、6手目に△52玉とした場合だと7手目に▲82飛として△72金、▲同飛成として飛角サンドイッチの横型を目指しても71の銀が居るので詰みにはなりません。

参考図:▲76歩、△52飛、▲33角不成、△42飛、▲同角不成、△62玉、▲56飛、△52玉、▲53飛成 まで9手

初手以外は先手は王手を続けるのは結構難しいようです。次は先手の飛を後手玉の玉頭へ打つ場合を考えてみます。そのためには先手は飛を入手する必要がありますが、3手目の王手の▲33角不成からの△42飛、▲同角不成の王手の手順は替えが効かない必須手順のように思われます。5手目に飛を入手しましたが、失敗した参考図の手順の5手目と同じ局面になりそうな気がします。参考図では2手目に指した頭飛車の手を指しましたが、今回は2手目の手が確定していません。詰み形が▲42角に▲53飛成だとすると6手目は△62玉なので、頭飛車で王手するには63の歩が突かれている必要があります。ということで、初手から▲76歩、△64歩、▲33角不成、△42飛、▲同角不成、△62玉の時に▲63飛と飛を打って王手ができました。続けて8手目から△52玉、▲53飛成で詰みになりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

ミニベロさん(作者)「頭飛車(頭金)は自玉でもいいですよ。いろいろ都合があって。在庫がないので、大昔の初級啓蒙作。」

■出題のことばでは「(頭金は)相手の玉頭」と書いたのは担当の失敗だした。頭飛車は自玉と相手玉の両方で解説しました。

NAOさん「頭金9手詰と同様に、63に頭飛車のスペースを作る。」

■41の金を馬で取って、△64歩でスペースを作る協力に62の後手後手を▲63金で詰める形ですね。

はなさかしろうさん「2手目の64歩が推理将棋らしい準備の手で、玉の寄り道がいい感じです。」

■先手の連続王手条件のために2手目にしか突けない△64歩。頭飛車での詰みではありませんでした。

変寝夢さん「実戦初形/非連続王手/手指定=3&5&7&9,王手/手数=9/手指定=7,動かした駒の種類=飛@頭=v玉で、解図時間は2秒 思考局面数は4669 不詰記憶局面 2263 不詰ハッシュ衝突回数 496 同一局面衝突回数 3でした。王手の縛りがあると、機械的にはかなりスピードアップします。」

■「飛@頭=v玉」は「飛の手 at 後手玉の頭」のような書き方なんですね。この書き方ができるVM2では「尻」とか「腹」とかも行ける仕様になっていそう。

RINTAROさん「こちらが初級でしょう。瞬殺でした。」

■初級の「8手だったら難しくても良いかなぁ」、中級の「ほぼ瞬殺レベルなのでノーヒント」など、作者と解答者の方が難易度判定が正しいようです。

飯山修さん「同一手順はパラ74番で大駒の王手4回の1条件作でした。」

■2手目と4手目は手順前後が可能で同じ詰み上がりになりますが、過去作には同一手順しかないようです。
74番は初王手条件で手順を限定していましたが、本問は3手目と7手目が同一駒の条件でした。

ほっとさん「同一手順があったはずだが自力では見つけられず。」

■詰将棋パラダイス2010年5月号での74番でした。

中村丈志さん「6四歩は意外な2手目でした。」

■先手の連続王手の条件が無ければ4手目での△64歩は可能でした。

諏訪冬葉さん「飛車がいるので序盤の攻防は自明。あとは打つ場所だけ。」

■▲76歩、△74歩、▲33角不成、△42飛、▲同角不成、△62玉、▲52飛、△63玉、▲51角不成では△同金でダメだし、頭飛車になっていない。飛の打ち場所がカギになりました。

べべ&ぺぺさん「連続王手は考えやすかったです。」

■3手目の王手はアレですしね。

占魚亭さん「理詰めで解ける易作。簡潔な問題文も良いですね。」

■出題中の第160回の中級と上級は問題文が長いし、条件も多いので覚えられないとの感想が出そう。

原岡望さん「歩突きの筋の選択で解決」

■5筋の△54歩だと、▲33角不成、△42飛、▲同角不成、△52玉、▲53飛での頭飛車ができますが、△62玉に▲52飛でも▲51角成でも△同金で失敗。7筋、5筋の歩突きがダメなので6筋が正解。


正解:12名

  NAOさん  はなさかしろうさん  変寝夢さん  ミニベロさん
  RINTAROさん  飯山修さん  ほっとさん  中村丈志さん
  諏訪冬葉さん  べべ&ぺぺさん  占魚亭さん  原岡望さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

|

« 詰将棋メモ(2023年3月25日) | トップページ | 詰将棋メモ(2023年3月26日) »

推理将棋」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 詰将棋メモ(2023年3月25日) | トップページ | 詰将棋メモ(2023年3月26日) »