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推理将棋第159回解答(1)

[2023年3月24日最終更新]
推理将棋第159回出題の159-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第159回出題  推理将棋第159回解答(1) (2) (3)
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推理将棋第159回解説  担当 Pontamon

第159回は13名から解答をいただきました。解答、ありがとうございます。
手数が9手なので中級にした159-2が一番易しかったようで、上級はいつも以上の難問だったようです。


159-1 初級 はなさかしろう 作 七五三           8手

「8手で詰んだみたいだけど、どんな将棋だった?」
「3、5、7手目は同一駒種の手で3手目と7手目は同一駒の手だったよ」
「七五三みたいだね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 8手で詰み
  • 3、5、7手目は同一駒種の手で3手目と7手目は同一駒の手

出題のことば(担当 Pontamon)

 2枚ある駒種での3手だと、王手の時に玉はかわせないので初王手での詰み?

作者ヒント

 3、5、7手目が同一駒種で8手で詰む詰形は3通りあって、それぞれの「同一駒種」は共通です(はなさかしろう)

締め切り前ヒント

 とどめは飛打ちなので初手は飛移動の手になります。


推理将棋159-1 解答

▲78飛、△34歩、▲68金、△77角成、▲48金、△78馬、
58金左、△69飛 まで8手

(条件)
・8手で詰み
・3、5、7手目は同一駒種の手で3手目と7手目は同一駒の手(3手目▲68金、5手目▲48金、7手目▲58金左:▲68金と▲58金左は同一駒)

Suiri1591

Suiri1591a条件を整理すると、先手の初手以外の3手は全て同種の駒の手で、5手目の駒は3手目とは違う同種の駒とのことなので、初手以外は2枚ある駒の手なのが確定しています。もしかするとそれが罠で、9枚ある歩の着手かもしれないと思うのは過剰反応でしょう。

順に検討してみます。▲16歩、▲18香、▲98香、▲17香の順で1筋の香と9筋の香を条件に合わせて指すことはできますが、金の羽根付きの居玉を詰ますことはできません。次に桂ですが、▲36歩、△34歩、▲37桂、△77角不成、▲同桂、△何か、▲35桂とすれば先手の着手し条件はクリアできますが後手は角を取られてしまうので、6手目と8手目の2手だけで詰ますことはできません。となると、3、5、7手目に動く同種の駒は、銀か金になります。7手詰の形なら8手だと先手に余裕ができるので、△48角に最終手△53銀の形を目指して、先手の銀は待ちの手を指してみたのが参考図の手順です。79の銀は3手目に▲68銀として7手目に▲79銀で元の場所に戻ります。39の右の銀は5手目に▲48銀として後手に角不成で取らせて、とどめの△53銀を打つ予定でしたが、△53銀を打つ手が回ってこなくて失敗でした。

参考図:▲58玉、△34歩、▲68銀、△66角、▲48銀、△57角不成、▲79銀、△48角不成 まで8手

次は残る駒種の金の場合を検討します。片方の金を2回動かして、もう一方は1回だけなので、飛の横利きを遮る右金での▲38金と左金は57地点まで上がって△57角成で金を取らせてから△58金の頭金で詰ます手順ができそうです。▲56歩、△34歩、▲68金、△66角、▲57金、△同角成、▲38金、△58金で詰みになりますが、57地点で金を取らせるタイミングの関係で、3手目に▲68金で7手目に▲57金と指すことができませんでした。▲48玉、△34歩、▲78金、△77角不成、▲68金、△同角成、▲38金、△58金の玉腹への金打ちでの詰み手順でも5手目の金の手は3手目の金を動かしているので条件をクリアできていません。

金を取って「とどめは金」の詰み形ではダメなのでしょうか?と言っても初手以外の先手着手は金の手なので金を取らずに銀を取ろうとしても上手く行きません。79の銀のままだと△77角不成、△88角不成、△79角不成の順なら最終手の8手目にようやく銀を取れるだけです。初手を▲78銀としても4手目の△77角成のあと6手目に△78馬で銀を取っても△77角成が王手なので3手目か5手目に▲68金としておくしかなく、▲58金と寄ったとしても8段目に金が居る状態で△68銀だと▲同金でダメです。

金以外にとどめに使えそうな駒は?飛がありました。初手で▲78飛とすれば、△77角成から△78馬で飛を取ることができそうです。初手から▲78飛、△34歩、▲xx金、△77角成、▲xx金、△78馬、▲xx金、△xx飛の手順で詰ますことになりそうです。飛打ちは78の馬を支えにしての飛打ちですし、先手玉は59に居るので最終手は△69飛で確定です。あとは69の金と49の金の処理になります。69の金は4手目の△77角成が王手にならないように3手目に▲68金とすることになり、5手目は別の金の手なので49の金を▲48金と上がって、玉の退路を塞ぎます。7手目の金の手は68の金を58へ寄って最終手の飛打ちに利きを残さず、かつ、玉の退路を塞ぐ▲58金左になります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

はなさかしろうさん(作者)「157-1(Pontamonさん作)へのオマージュです。パズルにとって難しさは諸刃の剣かと思いますが、8手だったら難しくても良いかなぁ…と、その一月半後、初手玉に惹かれて自らはまりそうになり、思い出せて助かった次第です…。」

■作者あるあるとは言えませんが、担当はよく自作手順を忘れます。

NAOさん「なるほどの初手78飛。8手詰では金の手が多い印象があるが、「初手に(実質)金の手が指せず、3手目に動いた金が取られてはいけない」制約があると結構悩ましい。」

■初手▲58玉と指してみたくなる。

大塚康平さん「推理将棋に慣れていなかったため、初級でも難しかったです。非常に楽しめました。」

■今回は中級より初級の方が難しかったようです。解けた問題だけでも結構ですし、解けなくかった問題の感想も大歓迎。

変寝夢さん「自作ソフトで解かせてみました。問題文は、実戦初形/非連続王手/手指定=5,指定手数比較=同駒種:3/手指定=7,指定手数比較=同駒種:5/条件一致回数指定=6,2&4:>:1,移動後の段=7|8|9/手数=8/%協力自玉で解図時間は9分21秒 思考局面数は4031636 不詰記憶局面 889854 不詰ハッシュ衝突回数 1084330 同一局面衝突回数 3928で、8通りの詰みを発見。そこから人力で解を見つけました。」

■自作ソフトはVM2というソフトで、推理将棋のみならず様々なルールに対応されています。アップル用のプログラミング言語のSwiftで開発されています。
5手目は3手目と同種駒、7手目は5手目と同種駒のように指定するみたい。

ミニベロさん「一見5手目の駒が取られ駒風。巧みな条件で、誰もが知っている8手が好作になった。」

■3手目と7手目が同じ駒なので、後手が取るなら5手目に動かした駒だと考え易い。

RINTAROさん「初級にしては難しい。3、5、7手目金に当たりを付けて解く。」

■左右の銀だと、元に戻るか7段目へ上がるくらいしかできそうにない。

飯山修さん「私の過去問DBでは8手で3,5,7手が同一駒種の作品は2作だけだった。3,7が同一駒はパラ28番。もう一つは3,5が同一なのでいずれ姉妹作で発表されると予想。」

■3,5が同一なのは、解説中の初手▲56歩や▲48玉の手順かな。

ほっとさん「解きやすくて良い。」

■中級よりこの初級の方が難しかったとの感想が多かったです。

中村丈志さん「金の運び方が難しかった。」

■解答手順の最終手△68金では▲同銀とされて不詰みでした。

諏訪冬葉さん「以前にも「金を3回動かす」はあったので覚えていました。」

■「金着手は3回だったが最終手は金ではなかった」の149-1でしょうか。

占魚亭さん「すぐに金とわかる条件。」

■その金を取って、とどめに使いたい誘惑が。

原岡望さん「玉を動かす余裕はないと気付いて解決」

■同種駒3回でもう一手残っている先手着手は玉ではありませんでした。


正解:11名

  NAOさん  はなさかしろうさん  大塚康平さん  変寝夢さん
  ミニベロさん  RINTAROさん  飯山修さん  ほっとさん
  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  原岡望さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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