推理将棋第160回解答(1)
[2023年4月20日最終更新]
推理将棋第160回出題の160-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第160回出題 推理将棋第160回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第160回解説 担当 Pontamon
推理将棋第160回は14名の方々から解答をいただきました。解答、ありがとうございます。
将棋の指し手ではあるものの論理パズルの方に寄っている中級の連立問題が取っ付き難かったようです。
また、難易度は手数には正比例しなかったようです。
160-1 初級 けいたん 作 大駒を1枚小駒を1枚 8手
「8手で詰みか」
「初手は歩突きだったね」
「大駒を1枚小駒を1枚取ったな」
「成る手はないね」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 8手で詰み
- 初手は歩突き
- 大駒を1枚小駒を1枚取った
- 成る手なし
出題のことば(担当 Pontamon)
取る大駒と小駒が解図のカギになるでしょう。
作者ヒント
将棋の格言では、とどめは何でしょう?(けいたん)
締め切り前ヒント
後手は不成の手で角と金を取り、とどめは取った金を打つ手です。
推理将棋160-1 解答 ▲76歩、△34歩、▲78銀、△88角不成、▲79金、△同角不成、 (条件) |
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8手なので駒取りは2回とも後手でしょう。となると取る大駒は角で決まりでしょうが取る小駒は何でしょう。4手目の△88角不成で角を取った流れだと次は79の銀を取るのが自然に思えます。参考図はこの手順を進めて8手目の△53銀で詰めたのですが、79の銀を取る時に角成をしてしまいました。△79角不成だと、先手が玉の退路を塞ぐ▲59金左を指してくれても69地点が玉の退路として新たに出来上がってしまいます。かと言って、39の銀が▲48銀、▲59銀と動いて59地点を埋めると、先手の▲56歩を指せず8手目に△57銀を打てないので失敗です。
参考図:▲76歩、△34歩、▲58玉、△88角不成、▲56歩、△79角成、▲59金左、△57銀 まで8手
銀以外の小駒を取ることを考えてみると、歩を取っても角単騎で詰めることはできず、△88角不成から△99角不成で香を取ったり、3手目や5手目に▲77桂を指して桂を取ったりしても詰み形がありません。となると大駒の角と小駒の金を取る組み合わせのようです。しかし、初期配置では金は角の筋違い地点に居て、駒成が禁じられているので角筋へ金を移動する必要があります。4手目は△88角不成で角を取る手なので、角は88地点にいます。次の後手番の6手目に金を取るのなら、先手は3手目と5手目で金を77地点か79地点へ移動することになります。まずは▲77金を指してみます。初手から▲76歩、△34歩、▲78金、△88角不成、▲77金、△同角不成と進めてみると、▲58玉に△59金で詰む形が思い浮かびますが▲48金が間に合っていないので不詰みです。
となると、5手目の▲79金を目指します。3手目は79地点を空けるための銀移動の手になりますが、▲68銀と▲78銀の二択になります。5手目の▲79金を6手目に△同角不成で取って、最終手で金を打つのであれば、79の角が利いている地点への金打ちになるので、3手目はその邪魔をしない▲78銀が正解でしょう、初手から▲76歩、△34歩、▲78銀、△88角不成、▲79金、△同角不成と進めば残り2手で、最終手は79の角が利いている68地点への金打ちのはずなので、7手目は玉の退路を塞ぐ▲48銀です。この▲48銀は先手の飛の利きも遮っている一石二鳥の協力手になっています。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん「取る小駒は金。それなら79へ。」
■77の歩と飛を68で取ると、△59飛で詰ますには△77角不成の手が必要になるので小駒で使い易いのはやはり金ですね。
はなさかしろうさん「条件が「79で金を取る」という方針に収斂していく、短手数らしい問題でした。」
■大駒も取らないといけないので79で金を取るしか残っていませんでした。
諏訪冬葉さん「頭銀にしようとしたら成りなしでは手が足りませんでした。」
■9手目が銀ではなく金になっていました。担当はカナ入力なので濁点のキーを押したつもりで押せていないと銀が金になってしまいます。
飯山修さん「8手で成なしの順は非常に少なくこういう問題は助かります」
■角を取って筋違いへ打つと手数が足りないので、角が行ける地点で手順を絞ることができますね。
べべ&ぺぺさん「とどめが、金打ちという事で解けました。」
■変換ミスで修正するとのコメントが記載されていたようですが、9手目の金銀の変換ミスだったのかな?でも、金のままで解答されていました。
ミニベロさん「手順自体はmixi時代のものだけど、まだ活用できる隙間技術。」
■mixi時代には8手、9手、10手作が多数研究されていたようですね。
占魚亭さん「最近、類似手順を見たのですぐにピンときました。」
■担当もいろいろと余詰検討をしていると、見たばかりの手筋でピンと来てあらぬ筋が見えたりします。
ほっとさん「「大駒を1枚小駒を1枚取った」はいろいろな解釈ができそうだが、素直に詰める側が2枚取る順だった。」
■駒は大駒、小駒、どちらでもない玉の3つに分類でき、解釈にブレは起きないはずと思ったら、誰が何を取ったかの組み合わせが4通りあるということですね。
原岡望さん「金銀の連係プレー」
■初手以外の先手着手は金銀だけですね。68地点で駒を取ることが多いですが、それだと大駒を取る手が入らない。
変寝夢さん「解図時間は1時間40分28秒 思考局面数は61479793 不詰記憶局面 0 不詰ハッシュ衝突回数 0 同一局面衝突回数 8693
ソフトに入力した文は、『実戦初形/非連続王手/%協力自玉/成禁/手数=8/手指定=1,動かした駒の種類=歩@移動後の位置=76/条件一致回数指定=4,1&2&3:=:1,取られた駒の種類=角/条件一致回数指定=8,1&2&3&4&5&6&7:=:1,取られた駒の種類=歩|香|桂|銀|金|と|杏|圭|全/条件一致回数指定=6,4:>:0,移動後の段=7|8|9|6/条件一致回数指定=8,6:>:0,移動後の段=7|8|9|6』でした。プラス条件として、6789段目への着手が4手目と6手目で1回以上6手目と8手目で1回以上としています。
これは人の頭で考えた方が早いですね。」
■「同一局面衝突回数」を検出しているということは、同じ局面が出たらその先を読まずに時間短縮しているということですね、多分。ハッシュは同一局面を高速に判断するために使うのかな。余詰の機械検証ができるようになりたいけど、プログラミングは担当には中々手強い。
RINTAROさん「毎回易しい作品をありがとうございます。」
■短手数作を投稿していただいている作者の皆さんに感謝です。
中村丈志さん「初手歩突きの指定で解きやすかった。」
■解答は先後逆表記になっていました。手順を考える時には前へ攻める方が考え易いのかな。
桝彰介さん「飛車の横利きの消し方に悩まされました。」
■盤上の金、銀の移動や玉自信で遮るほかに、駒打ちの合い駒や飛移動で利きを外したり元凶の飛を相手に取らせるなどいろいろありますね。
正解:12名
NAOさん はなさかしろうさん 飯山修さん ミニベロさん
占魚亭さん テイエムガンバさん ほっとさん 原岡望さん
変寝夢さん RINTAROさん 中村丈志さん 桝彰介さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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