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推理将棋第161回解答(3)

[2023年5月25日最終更新]
推理将棋第161回出題の161-3の解答、第161回出題の当選者(桝彰介さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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161-3 上級  Pontamon 作  駒台に7枚         11手

「早指し練習の10秒将棋は二人とも随分忙しそうだったね」
「不成の手が無かったから駒を裏返さないといけないし、先後で4手連続の駒取りもあって、相手の駒を駒台に置いてから盤上の手を指したからね」
「結果はどうだったの?」
「11手で詰んだんだけど、終局時に駒台には7枚の駒があり、6枚は歩だったよ」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 11手で詰み
  • 先後で4手連続の歩取りがあった
  • 終局時、駒台には7枚の駒があり、6枚は歩
  • 不成なし

出題のことば(担当 Pontamon)

 駒を取れない初手と2手目を除くと、残り9手中の7手が駒取りになります。

作者ヒント

 4手連続の歩取りは、5手目から8手目まで(Pontamon)

締め切り前ヒント

 後手は6手目の47飛成が初の駒取り。先手も後手も4筋着手が3回ずつです。

余詰修正

 会話と条件の「4手連続の駒取り」を「4手連続の歩取り」に修正


推理将棋161-3 解答

▲76歩、△44歩、▲同角、△42飛、▲53角成、△47飛成
63馬、△37龍、▲48飛、△27龍、▲41飛成 まで11手

(条件)
・11手で詰み
・先後で4手連続の駒取りがあった(5手目▲53角成、6手目△47飛成、7手目▲63馬、8手目△37龍)
・終局時、駒台には7枚の駒があり、6枚は歩(歩を取る手:3手目▲44同角、5手目▲53角成、6手目△47飛成、7手目▲63馬、8手目△37龍、10手目△27龍、金を取る手:11手目▲41飛成)
・不成なし(5手目▲53角成、6手目△47飛成、11手目▲41飛成)

Suiri1613

Suiri1613a11手で詰んで7回駒を取らないといけないとなると、初手と2手目では駒を取ることができないので残り9手のうちの7手が駒取りの手になり駒取り以外の手は2手しかありません。当然、後手も駒取りの手を指して協力しなければ7回の駒取りは実現できません。後手が駒を取るとなると最近よく出て来る手は99の香を角で取る手です。▲99角成で馬を作り、その馬が横へ動いて先手の9段目の駒を取って行くことになりそうです。参考図はこの方針で先後合わせて7回の駒取りの手を指して11手で詰んだものですが、終局図では駒台には先後合わせて6枚の駒しかありません。先手が取った飛は詰めるために打って使ったからです。また、駒台の歩は先後とも1枚ずつなので歩6枚には全く足りません。

参考図:▲76歩、△32飛、▲33角成、△42金、▲32馬、△99角成、▲31馬、△89馬、▲22飛、△67馬、▲42飛成 まで11手

後手が駒取りに協力しなければいけないと言っても、△99角成からの駒取りでは、参考図の手順の他には△89馬の次に△67馬で歩を取るくらいしかありません。参考図の手順での最初の駒取りは▲33角成で歩を取る手でしたが、5手目に32の飛を取らずに▲23馬もしくは▲43馬とすれば先手は2枚目の歩を取ることができますし、後手は△37飛成で歩を取ったあとに7段目の歩を取る手を続けることができそうです。先手が5手目に▲23馬で歩を取ると次の歩取りは▲13馬しかないので玉から遠ざかってしまい、11手で詰めることは難しそうなので、5手目は▲43馬として後手玉に近づくのが良いでしょう。後手は△37飛成から△47龍、△57龍では王手になってしまうので、△37飛成のあとは2筋、1筋の歩を取って行くか、△47龍の後に△27龍とするかになるでしょう。この方針で指してみると、▲76歩、△32飛、▲33角成、△42銀、▲43馬、△37飛成、▲53馬、△47龍、▲63馬、△27龍と10手指してみると、先手は4枚の歩、後手は3枚の歩を取ることができましたが、次の11手目で詰ます手がありません。しかし、その図を見ていると、63の馬が41の金を狙っているので42の銀がいなければ▲42歩から▲41不成で詰む形だということに気付きます。持ち駒の歩を使えば、終局時に駒台には歩が6枚になりますが、駒台の駒数は7枚ではなくなります。持ち駒を使えないのであれば盤上の先手の飛を△48飛と振ってから最終手で△41飛成として金を取れば先手の歩取り4回を3回に減らすことができそうです。後手の△42銀は邪魔駒になるので指したくないですが、3手目が▲33角成での王手だと△42銀を省くことはできませんし、▲33角成から2手で▲63馬を指すことはできません。先手は3回の歩を取る手を指して63地点に馬を配置する必要があるので、▲33角成以外の手で3手目に歩を取る手順を考えることになります。初手の▲76歩に対して2手目に△44歩とすれば3手目に▲同角で歩を取ることができます。後手は飛で先手陣へ切り込んで歩を取り集める必要があるので4手目は△42飛で、続けて▲53角成、△47飛成、▲63馬、△37龍とすれば4手連続での駒取りとなり、条件をクリアできます。飛成が47地点なので王手を掛けない△37龍に手順が限定されています。9手目からは▲48飛、△27龍、▲41飛成で詰みとなります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

Pontamon(作者)「最短とか最多とかはテーマとして使い易いものです。今回は最多の持ち駒で最多の同種駒でした。」

ミニベロさん「この導入部や駒取り条件など、懐かしいです。」

■▲76歩、△44歩、▲同角の序はmixiに結構あるようですね。ここでは2008年の「12-3 小金持ち」が最初でしょうか。作者のタラパパさんのコメントでは「ミニベロさんのお陰で生まれた作品」とのこと。懐かしいはずです。

NAOさん「持駒7枚なら最終手も駒取り」

■駒取り可能な3手目から最終手の11手目までの9手で7回以上の駒取り。4連続駒取りの条件から前後は駒取りでは無い手が入るので6手で4枚の駒取りになり、残り3手で3枚の駒取りが必要なので最終手は駒を取って詰めることになりますね。

諏訪冬葉さん「4連続歩取りで最初に浮かんだのは6-3「マネ将棋」でした」

■マネ将棋だと先後で駒取りができますね。

飯山修さん「「過去の類作」に反応し調べたところ35-3が持ち駒を減らさないので最適と判明。結局1番先にこの問題が解けた。
作品の並べ順はあまり気にしなくても良いと思います。手数順が楽なのでは」

■担当は作品の完成後に先行作や類作を確認しています。35-3は6枚の持ち駒で歩は5枚でしたが詰み上がりの要所は同じ手筋でした。

ほっとさん「冷静に考えればこれしかないのに何故か悩んだ。」

■3手目の▲33角成のあと、1筋側か9筋側へ3段目を移動して歩を集めると上手くいきません。2手目の△44歩が見え難い手でした。

はなさかしろうさん「打ちなく先手の飛角で詰ます。3筋か4筋か。11手の王道路線ですね。4手目に角を取られて先手が勝つ順まで考えて…11手では詰まないんだっけ?…脱線してしまいました。」

■単に4手目に先手の角を取られても先手が勝つ手順でしたら、▲76歩、△34歩、▲22角不成、△同銀、▲52角、△72金、▲41角不成、△12香、▲52金までの9手で詰みますね。
4手連続駒取りの4手目に先手角が取られるケースですかね。角ではなく馬を4連続駒取りの4手目で取られる場合は詰みがありました。▲76歩、△32飛、▲33角成、△42銀、▲32馬、△99角不成、▲41馬、△同玉、▲12飛、△31玉、▲32金まで11手。

RINTAROさん「6手目47飛成でほぼ解けました。」

■△47飛成で歩を取った後は歩を集めるので9段目の高価値の駒には目もくれず、王手にならないように1筋側への移動で駒を取るしかない。

原岡望さん「ひたすら取るので易しい」

■後手が駒取りを開始するなら、△99角成から9段目の駒を取って行くか、△32飛から△37飛が思い浮かびます。△44歩を取らせて△42飛とするのが少し意外な順。

占魚亭さん「派手な手順。後手玉を動かす余裕がないので、手順・詰み形を予想しやすかったです。」

■先手も後手も相手の手は眼中になく、ただ駒を取りまくっていたら詰んでしまった。

桝彰介さん「解けてみれば既視感のある手順も、条件によって既出の手順でも全く印象が違って見えるのは推理将棋ならではと思いました。」

■▲48飛からいきなり▲41龍となっていましたが、41の龍で詰ます形が見えていたので正解扱いとさせていただきます。


正解:10名

  ミニベロさん  NAOさん  諏訪冬葉さん  飯山修さん
  ほっとさん  はなさかしろうさん  RINTAROさん  原岡望さん
  占魚亭さん  桝彰介さん


(総評)

ミニベロさん「今回はレトロ特集ですね。」

■mixi時代の活気を知らない担当にはどれも新鮮な感触です。

諏訪冬葉さん「161-2:出題時コメント(初の詰み形)と作者ヒント(よくある9手詰順)の矛盾で手つかずです。」

■混乱させてしまい申し訳ありません。「初の詰み形」は出題中の162-2のためのものでした。

ほっとさん「GWが終わってしまう……。」

■GW最終日の解答送付だったようです。

RINTAROさん「今回も締め切り日前日になり、必然的にヒントを目にすることになる。
でもこれくらい優しいヒントは必要だと思います。
ヒントがなかったら解答者激減だと思います。」

■解くのが大変だった入門時のことを忘れ、難問ばかり出題しているのかも。

べべ&ぺぺさん「最近、あまり解く集中力がわきません。次回は頑張ります。」

■「解いてやるぞ」と意欲が湧く作品との相性があるかもしれませんね。

原岡望さん「珍しく〆切1日前の解答です。パラの最後が解けず残念。」

■パラ4月号の最後の問題は難問でした。こちらの161-2を先に解いていたら別手順を見つけていたかも。

占魚亭さん「今回も2作解答。2の手順が浮かばなかった……。」

■いつも解答ありがとうございます。

桝彰介さん「推理将棋を長年見てますが、既出の手順も条件やストーリー性のある会話による工夫で新しい問題を作る出題者もすごいですし、推理将棋自体も奥深いものだと感じています。」

■解答を送って来ていなくても推理将棋ファンはたくさん居るということですね。担当も頑張ります。


推理将棋第161回出題全解答者: 12名

  ミニベロさん  NAOさん  諏訪冬葉さん  飯山修さん
  ほっとさん  中村丈志さん  はなさかしろうさん  RINTAROさん
  べべ&ぺぺさん  原岡望さん  占魚亭さん  桝彰介さん

当選: 桝彰介さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください

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