推理将棋第161回解答(1)
[2023年5月21日最終更新]
推理将棋第161回出題の161-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋第161回解説 担当 Pontamon
推理将棋第161回は12名から解答をいただきました。解答、ありがとうございます。
正解者数で言えば、やはりと言うか中級の9手が最難問だったようです。
担当作の上級では余詰を出してしまい申し訳ありませんでした。元々は「4手連続の歩取り」だったものを金銀桂香は8枚だから出題のことばを「6枚以上ある駒は5種」にして、その際、問題文を変更したのが命取り。金銀桂香は4枚なのに気付いて、出題のことばだけを直して、出題文をそのままにしたのが余詰作になった原因でした。出題直前の変更は気を付けなければいけませんね。
161-1 初級 けいたん 作 玉の斜め後ろの3筋の駒 10手
「10手で詰みか」
「棋譜上角打の手があるね」
「とどめは玉の斜め後ろの3筋の駒を取る手だな」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 10手で詰み
- 棋譜上角打の手がある
- とどめは玉の斜め後ろの3筋の駒を取る手
出題のことば(担当 Pontamon)
最終手が玉の斜め後ろなので少なくとも先手玉は8段目、もしかすると7段目?
作者ヒント
先手角の移動先がポイント(けいたん)
締め切り前ヒント
1筋側(17角不成)から攻めます。
推理将棋161-1 解答 ▲76歩、△34歩、▲44角、△同角、▲58飛、△17角不成、 (条件) |
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角打は攻め方だけとは限らないのでミスディレクションに注意して先手が角打を指し、3筋の駒を取って詰めるのなら、はてるま手筋が思い浮かぶので、この方針で指してみたのが参考図の手順です。10手で詰んでいるのですが、条件を見直してみると、最終手で取られる3筋の駒は玉の斜め後ろとのことなので参考図の手順では失敗でした。
参考図:▲98香、△34歩、▲68飛、△77角生、▲58金右、△68角生、▲68同金上、△38飛、▲99角打、△39飛成 まで10手
玉の斜め後ろの駒を取られて詰みなのであれば、先手玉は8段目や7段目に居なければ斜め後ろの先手駒はあり得ません。しかも最終手で取られる斜め後ろの駒が3筋の駒となると玉は2筋か4筋に居たことになります。27や47地点へ自力で玉を配置するには歩を突いて、47玉なら玉の手が2回、27玉なら玉の手3回が必要で、玉の斜め後ろの3筋である38地点へ駒を動かす手も必要なので先手の手数はギリギリ。一方後手は先手玉が6段目へ逃げられないようにする必要があるので10手では無理なようです。
となると先手玉は8段目になります。42地点の方が近いので可能性が高いのですが、▲28玉はありそうです。というのも、▲18飛を指してあれば▲28玉は7手目に可能ですし、39の銀を取られて詰みなのであれば49の金を▲59金右でソッポへ移動する協力手が可能になるからです。この方針で詰むのですが「角打」の実現のために△56歩の協力が必要なので12手になってしまい失敗です。(▲18飛、△34歩、▲48玉、△77角不成、▲38玉、△88角不成、▲28玉、△66角不成、▲56歩、△48角打、▲59金右、△39角成)
先手の角を取るために、△77角不成から△88角不成の2手の後、△66角不成で戻る手順が非効率的なので、この辺りを改善する必要がありそうです。先手玉を△48玉へ配置するのであれば1手で済むので先手はいろいろな協力ができそうです。最終手は39の銀を取る手になりますが、△48玉が居ると9筋側から角成の手を指せないので、逆サイドから攻めることになります。後手は角打の手を指すために角の入手が必要ですので先手は▲44角の協力をして後手は△同角から△17角不成を指せば△28角打の手が可能になります。初手から、▲76歩、△34歩、▲44角、△同角と進め、5手目は玉の退路封鎖のための▲58飛で続いて△17角不成、▲48玉、△28角打と指して角打の条件をクリアします。最終手は△39角成で玉を詰めるので、9手目は玉の退路封鎖ならびに△39角成した馬を取れないようにするための▲59金右で、△39角成で詰みました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
ミニベロさん「ありそうでなかったのかなぁ。条件付けが旨いんだな。作者お得意のニッチテーマ。」
■28角打の棋譜が出て来たのは「98-2 2016(平成28)年の指し初め局」の最終手16手目くらいでしょうか。相方の角は37なので本問の17は初?
NAOさん「48玉を相手にするなら角の侵入は17から。」
■48に玉が居ると37や39の角配置は無理なので、角打に関しては17か19に相方の角が居る配置ですね。
諏訪冬葉さん「角打ちの手があるから最終手も生角が動けるところと予想。
その上で、初級:玉は8段目・中級:玉は6段目かもしれない・上級:むしろ後手の玉が4段目を疑う。」
■さすがに後手玉が4段目まで行くと残り1手で先手玉を詰ますことはできないでしょう。
飯山修さん「玉の斜め後ろの3筋で効率のよいのは39なのでそこに2枚角の成で詰む手順の探索。うまく成立してるものですね」
■△55角、▲36歩、△28角打、▲37桂、△同角引成
ほっとさん「条件がシンプルなはずなのにごちゃごちゃしている印象。」
■「17角の後に角打があった」の1条件で限定できますが、17角を明かすのは味消し。端角とか1筋の角だと余詰多数。「17角と角打があった」だと△44角打のあとに△17角生から△35角成で詰む余詰手順があります。
中村丈志さん「ヒントが出るまでは、5五角を取らせる手ばかり考えていた。」
■9手目の金の手に「右」が付いていませんでしたが正解扱いとしました。
はなさかしろうさん「ヒントが豊富な条件付けが嬉しいです。」
■最終手の着手地点と玉位置はほぼ見えています。
RINTAROさん「17角不成のヒントで全手順が決まりました。」
■初級レベルにするための締め切り前ヒント。初級作については初心者レベルになってしまいがちです。
べべ&ぺぺさん「これで、いいのでしょうか。やや不安です。」
■はい、正解手順でした。
原岡望さん「一石二鳥の44角」
■後手への角の進呈とその後の後手角の方向変更に最適な地点でした。
占魚亭さん「素直に(?)銀取りを目指す。」
■玉の斜め後ろの3筋の駒なら初期配置の銀がターゲット。
桝彰介さん「後手に角をどこで取らせるかが一番のポイント」
■55地点で角を進呈して、飛を58へ動かした跡地に△28角打として▲48玉に△37角引成をすれば詰みそうな気がしたけど29の桂が利いていますし玉の斜め上になってしまいます。、66地点だと角打の後で△39角成で△28玉を詰ますことになるので、△18飛の手や△58金右などが必要になって手数が足りません。
正解:12名
ミニベロさん NAOさん 諏訪冬葉さん 飯山修さん
ほっとさん 中村丈志さん はなさかしろうさん RINTAROさん
べべ&ぺぺさん 原岡望さん 占魚亭さん 桝彰介さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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