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推理将棋第162回解答(1)

[2023年6月21日最終更新]
推理将棋第162回出題の162-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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推理将棋第162回解説  担当 Pontamon

第162回は13名からの解答をいただきました。解答、ありがとうございます。
中級の9手は余詰があったのですが、難問だったこともあり双方解は2名だけでした。
今年は、余詰やら補足やらでまだ無傷の月が無く、担当として申し訳なく思っています。


162-1 初級  けいたん 作  3手目は68玉        8手

「8手で詰みか」
「玉の着手は3手目の68玉のみ」
「成る手はないね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 8手で詰み
  • 玉の着手は3手目の68玉のみ
  • 成る手なし

出題のことば(担当 Pontamon)

 68の玉を詰ます形を考えよう。

作者ヒント

 初手がやや意表か(けいたん)

締め切り前ヒント

 初手は玉の退路を埋めるための78地点の手で最終手は7段目。


推理将棋162-1 解答

▲78飛、△34歩、▲68玉、△66角、▲56歩、△39角不成
▲59金右、△57銀 まで8手

(条件)
・8手で詰み
・玉の着手は3手目の68玉のみ(3手目▲68玉)
・成る手なし(6手目△39角不成)

Suiri1621

Suiri1621a3手目が68玉という条件を見ると、この68玉は初手でも3手目でも良い歩突きとの手順前後がある形の可能性が高いと過去問からの経験で思い当たることでしょう。3手目に▲68玉と上がり、▲78銀のあとに▲79玉とすれば、△77角不成と△88角打で詰む手順、▲76歩、△34歩、▲68玉、△88角不成、▲78銀、△77角不成、▲79玉、△88角打が思い出されます。しかし、条件を見ると先手の玉の着手は3手目の▲68玉の1手しかないとのことなので、太刀筋には玉が逃げれない77の角での袈裟斬りで68の玉を詰める形にすることになりそうです。77地点は先手の桂が利いているので、先に▲77桂と指してもらい、その桂を10手目に角で取って詰める形です。その77地点の最終手を支えるために88で取った角を打って支えにしたのが参考図の手順になります。最終手が不成だと78地点へ玉に逃げられてしまうので▲77角引成としましたが、条件では成る手なしとなっていたので失敗手順でした。

参考図:▲76歩、△34歩、▲68玉、△88角不成、▲77桂、△95角、▲58金右、△77角引成 まで8手

最終手が77地点からの王手では、77地点に利いている桂の処理がある他に玉の退路になりそうな78地点を77への利きが無い駒で埋める必要があり、それには頭の丸い桂か角になるのですが手数的に間に合いません。玉頭の67地点に金か銀を打つ手順はどうでしょうか?試してみると10手なら可能ですが8手では無理そうです。9段目からの王手だと69の金が邪魔ですし、金や銀を打つのも手数的に無理そうです。88で取った角を打ってから69の金を取り、△58金の腹金で詰ます手順だと10手かかるのでいけません。となると残る王手地点は玉の媚びんの57からになりそうです。

7手詰の手筋を応用してみて、▲56歩、△34歩、▲68玉、△66角、▲48銀、△同角不成と進めて8手目に△57銀と打てば59地点は48の角で、58地点は57の銀でカバーしているので玉が58地点なら詰みなのですが、玉が68地点だと78へ逃げることができてしまいます。
そこで、玉の退路になる78地点を初手で先手自ら埋めてしまう手順にすれば良いかもしれません。初手から▲78飛、△34歩、▲68玉、△66角、▲56歩、△39角不成と進めると後手は6手目で銀を入手しましたが、残る1手で△57銀と打って68の先手玉を詰ますには先手の協力が必要になります。6手目を指した局面では先手玉の退路として59地点があるのでその59地点を先手駒で埋める7手目の協力手は▲59金右で、8手目の△57銀で詰ますことができました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

NAOさん「成る手なしだと角銀の筋しかないんですね。なるほど。」

■角筋へ出る▲48金を△同角不成で取りたいところですが△56歩のタイミングが合いません。68に玉が居るので後手が自力で△57角不成もできないですし。

変寝夢さん「VM2(自作ソフト)で、実戦初形/%協力自玉/手数=8/手指定条件完全一致=3,移動後の位置=68@ロイヤル/成禁/非連続王手/手指定条件完全一致=1&2&4&5&6&7&8,非ロイヤルで解図時間は3時間17分50秒 思考局面数は319744678 不詰記憶局面 9062125 不詰ハッシュ衝突回数 20433942 同一局面衝突回数 11098でした。初手が意外でびっくりした。66角のタイミングで56歩とは推理将棋らしいなぁ」

■金の手の棋譜に右が抜けていましたが正解扱いにしました。8手だからと言っても解図時間が短くなるわけでもないのですね。

中村丈志さん「初手7六歩ばかり読んでいました。」

■圧倒的に多い初手は▲76歩ですからね。

諏訪冬葉さん「金駒が欲しいが79は無理なので39を狙う」

■68に玉が居座っているので79の銀は取れないし、△88角不成,▲68玉、△97角不成、▲88銀、△同角不成で銀を入手できても詰みはありませんね。

飯山修さん「問題の出されたその日に解けるこういうような1題があると非常に助かります。」

■客寄せの初級の8手作でした。

占魚亭さん「玉位置が確定しているので、易しかったです。」

■玉が68で、69の金がそのままなら57から詰ますしかありません。横へ逃げる78地点のことが解決すれば解けたも同然

RINTAROさん「締め切り前ヒント優しいですね。」

■初級のヒントは大甘です。

ミニベロさん「昔、「飛車が動けなくなった」なんて条件でありました。懐かしいですね。」

タラパパさん作「33-1 束縛の飛車」ですね。

原岡望さん「右翼から攻めるとは。」

■玉の手が△68玉の1回だけなので左からの攻めが無くなっているのです。

べべ&ぺぺさん「成がないので、分かりやすかったです。」

■成ることができると、▲48金、△34歩、▲68玉、△66角、▲56歩、△48角成、▲78金、△58金の腹金での詰みなどがありますが、成が無いと39の銀を角不成で取ることになります。

ほっとさん「これは同一手順があったはず。」

■同一手順は「33-1 束縛の飛車」ですね。推理将棋は条件が違えば別作品。本問では飛の着手を微塵も感じさせない条件になっていました。

はなさかしろうさん「68の玉を詰ますとなると6手透かし詰のバリエーションが思い浮かびますが、攻方角を1枚以上成る必要がある…ということで、うまい条件ですね。」

■逆サイドからの攻めに気が付くかどうかにかかっていました。


正解:13名

  NAOさん  変寝夢さん  中村丈志さん  諏訪冬葉さん
  飯山修さん  占魚亭さん  RINTAROさん  ミニベロさん
  原岡望さん  べべ&ぺぺさん  ほっとさん  はなさかしろうさん
  テイエムガンバさん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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