推理将棋第163回解答(2)
[2023年7月25日最終更新]
推理将棋第163回出題の163-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第163回出題 推理将棋第163回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
163-2 中級 けいたん 作 46角成まで 11手
「46角成まで11手で詰みか。2手目は42玉だったね」
「そう、玉は斜めにしか動いていない」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 46角成まで11手で詰み
- 2手目は42玉
- 玉は斜めにしか動かない
出題のことば(担当 Pontamon)
最終手が判明しているので、後手玉は馬が利いている地点に居るはず。
作者ヒント
飛を打つ手あり(けいたん)
締め切り前ヒント
最終手は、82の角が▲46角成して35の玉を詰めます。
推理将棋163-2 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△42玉、▲55角、△54歩、▲73角不成、△53玉、 (条件) |
最終手が46角成であることが分かっているので、詰み形を考えれば良さそうです。最終手で▲46角成をした角は何処から来たのでしょうか。▲22角不成で角を取ったあと▲13角不成としておけば▲46角成を指せます。この時、玉は都の55に居れば64へ下がることはできませんが、65地点や76の歩を取って逃げることができますが、22で取った角を▲43角と打てれば65地点も76地点もこの43の角でカバーできます。つまり後手玉は△44歩を突いて△43玉、△54玉を通って都入りすれば良いことになります。2手目は玉の手なので△44歩は4手目になります。この方針で詰めたのが参考図の手順です。11手で詰んでいるのですが、2手目の△52玉や10手目の△55玉は玉を真っ直ぐ前へ進める手なので「玉は斜めにしか動かない」の条件をクリアしていませんでした。
参考図:▲76歩、△52玉、▲33角不成、△44歩、▲22角不成、△43玉、▲13角不成、△54玉、▲43角、△55玉、▲46角成
▲46角成で詰むので後手玉は5段目の可能性が高いのですが2手目が△42玉で玉は斜めにしか動かないのであればどのような経路とどの地点への玉移動ができるのでしょうか?5段目まで玉が行くのに4手かかりか、どこかの筋の歩を突く手と合わせて後手の着手5手が全て消費されます。42玉の位置からなので歩突きは3筋か5筋になりそうです。6手目は△33玉か△53玉、8手目は△24玉、△44玉、△64玉のどれかになり、10手目は△15玉、△35玉、△55玉、△75玉のいずれかになるはずです。最終手▲46角成が空き王手でなければ後手の玉は△35玉か△55玉のどちらかのはずです。玉位置が35なら、13の角の利きに居ることになるので、▲13角不成から▲46角成の手順の場合は後手玉は△55玉です。また、玉位置が△35玉であれば、最終手の▲46角成とする角は73や82地点からの移動になるはずです。
後手が歩を突かずに▲76歩、△42玉、▲33角不成を△同玉で取ってしまうことも可能ですが、そうすると先手の攻めが続きません。つまり、先手は22の角を取るために▲33角不成から▲22角不成とすることも△34歩の協力のもと直接▲22角不成で角を取ることもできないということになります。となると、攻め駒補強のために82の飛車を取りに行く手順が必要になり、▲82角不成で飛を取った角が最終手で▲46角成とすることになるので、後手玉は△35玉になります。初手から▲76歩、△42玉、▲55角の順で指し、先手はこの後、▲73角不成、▲82角不成で飛を取って9手目の飛を打つ手を挟んで11手目に▲46角成の手順になるはずです。一方、後手玉は4手目の△34歩か△54歩の後、33-24-35の順か33-44-35の順か53-44-35の順で玉を35へ移動させることになります。先の2経路は経路違いですが△34歩を突いた場合になり、46の先手の馬と35の後手玉と34の後手の歩の配置で玉の逃げ場を確認してみると、25地点と44地点があります。9手目に▲26飛と打てば25地点を抑えることはできますが44へ逃げられてしまいます。44地点を抑えるために4段目へ飛を打つと25地点が逃げ場として残ります。どうも△34歩・△35玉に▲46角成の配置では無さそうです。
つまり4手目からは、△54歩、▲73角不成、△53玉、▲82角不成、△44玉と進み、9手目に飛車を打つ場所が問題になります。△54歩・△35玉に▲46角成の駒配置だと玉の逃げ場は25地点、34地点、44地点の3箇所なので先ほどの△34歩の場合より1地点増えています。飛を打ってこれら3地点を抑えるには後手の歩頭への▲24飛で解決します。▲46角成の利きが24地点へ間接的に利いているので35の玉は24地点の飛を取ることはできません。9手目から▲24飛、△35玉、▲46角成で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
ミニベロさん「この最終手では、八方桂がないと玉の退路は断てないが、唯一この形があった。勝手な詰め上がりを想定すれば、自動的に正解にたどり着く。詰将棋作家ならではの詰み形。」
■詰将棋だと出て来やすい詰み形なのでしょうか。詰め将棋をしない担当にはわかりませんが。
NAOさん「46馬の利きの24に打ちたくなる。飛が落ちていた。」
■▲46角成のあと▲24金で34の玉を詰めたくなるけど23の歩の処理に困る。▲46角成は最終手となると35の玉の後ろ3地点と25の退路の退路が多過ぎてこれも困る。
諏訪冬葉さん「42玉のせいで13からの角成は難しそうなので73の筋を狙う。」
■2手目が△42玉に限定されているので3手目▲33角不成から▲22角不成、▲13角不成を指していては後手玉が動き難い。
るかなんさん「素直に55経由で行くとついでに飛車も取れる、と気付いて一気に視界が晴れました。」
■視点を変えることは重要なことです。
飯山修さん「25と44の両方に効く飛打が必要となるが34歩から出たので見つからなかった。54歩から出ればいいのか。少ない条件で大成功。」
■後手玉が中段へ出るには△34歩から33地点経由で1筋まで行くことが多いような感触です。
変寝夢さん「実戦初形/非連続王手/手数=11/反手指定条件完全一致=4&6&8&10,移動ベクトル=右&左&下&上@ロイヤル/手指定条件完全一致=2,移動後の位置=42/手指定条件完全一致=2&6&8&10,移動ベクトル=右上*1&左上*1@ロイヤル/手指定条件完全一致=11,成@移動後の位置=46@動かした駒の種類=角/詰条件=手数限定/手指定条件完全一致=1,移動後の位置=76で解図時間は14分41秒 思考局面数は2341956 不詰記憶局面 1169793 不詰ハッシュ衝突回数 1600894 同一局面衝突回数 668でした。初手76歩に絞り、中間ヒントは使わず、締め切り前ヒントから後手の指し手を絞り込めたので思考時間は短めです。最終3手は実戦協力詰ですねw。」
■「神の手、歩頭へただ捨ての9手目▲24飛」の動画タイトルが付きそうですが、△同歩と取れないのではなく取らないのが推理将棋。
桝彰介さん「2四飛が3五玉の逃げ道を封じるのにぴったりで感心しました。」
■▲24飛で44地点まで利かすことができるのは△54歩のあとの53経由での玉移動があってのこと。
ほっとさん「24飛がぴったり。」
■25地点、34地点、44地点の3地点を1手でカバーする▲24飛がぴったりの手。
RINTAROさん「82角が大ヒント。33からではなく53から上部へ。」
■後手玉が中段へ行くには2手目△42玉が指定されているので、△34歩を突いて33経由か△44歩を突いて43経由か△54歩を突いて53経由の3択になります。
原岡望さん「飛車角の見事な連係プレー」
■角飛サンドイッチと言うべきか?
占魚亭さん「54歩が盲点。34歩と指してしまいがち(笑)。」
■隠された妙手△54歩。
べべ&ぺぺさん「まず34歩を考えて。次に54歩に気付いたら、スイスイと手が進みました。」
■玉は斜めだけなので、△42玉、△44歩、△43玉の手順は除外されるので△34歩がダメなら△54歩ですね。
はなさかしろうさん「推理将棋の華ともいうべき詰上り。条件もシンプルで素晴らしい。」
■飛と角の役目が入れ替わっていますが、これも飛角サンドイッチと言えますね。目にすることが少ない形でした。
正解:13名
ミニベロさん NAOさん 諏訪冬葉さん るかなんさん
飯山修さん 変寝夢さん 桝彰介さん ほっとさん
RINTAROさん 原岡望さん 占魚亭さん べべ&ぺぺさん
はなさかしろうさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
| 固定リンク
「推理将棋」カテゴリの記事
- 推理将棋第181回解答(1)(2025.01.22)
- 推理将棋第182回出題(2月10日まで)(2025.01.01)
- 推理将棋第180回解答(3)(2024.12.30)
- 推理将棋第180回解答(2)(2024.12.25)
- 推理将棋第180回解答(1)(2024.12.21)
コメント