推理将棋第163回解答(1)
[2023年7月23日最終更新]
推理将棋第163回出題の163-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第163回解説 担当 Pontamon
推理将棋第163回は、けいたんさんの個展でしたが、いかがだったでしょうか。
今回は14名の方々から解答をいただきました。解答、ありがとうございます。
163-1 初級 けいたん 作 最終手以外奇数筋 8手
「8手で詰みか」
「初手は金の着手だったね」
「成る手はないな」
「最終手以外は奇数筋だったね」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 8手で詰み
- 初手は金の着手
- 成る手なし
- 最終手以外奇数筋
出題のことば(担当 Pontamon)
初手は四択。先手は奇数筋だけなので玉は5筋確定。居玉のままなのか前へ進むのか?
作者ヒント
銀の着手あり(けいたん)
締め切り前ヒント
着手があった奇数筋は、1、3、5筋で5筋は4回。
推理将棋163-1 解答 ▲58金右、△14歩、▲56歩、△13角、▲57金、△同角不成、 (条件) |
初手の金の手は奇数筋が指定されているので、▲38金、▲58金右、▲58金左、▲78金の4択になります。先手の着手は全て奇数筋になるので、△77角不成で王手が掛かると▲68銀などの68地点の合い駒ができないので、必然的に▲58玉と逃げることになるので、初手の金の手で58地点への着手は無さそうです。つまり、▲38金か▲78金の2択に絞ることができます。とりあえず初手▲78金の手順を考えてみたのが参考図の手順になります。
3手目に▲58玉で事前に△77角不成の王手を回避しておいて、8手目のとどめに使える金を差し出す5手目▲59金は推理将棋での常套手段。飛の利きと銀の利きを1手で外す▲38銀が推理将棋らしい協力手でしたが、初手で動いた69の金の跡地が玉の逃げ場として空いていたので詰んでいませんでした。初手が金の条件ではなく奇数筋の手の条件だけが効いているのであれば▲76歩と指していれば詰むはずなので、69の金は動きたくありませんでした。
参考図:▲78金、△34歩、▲58玉、△77角不成、▲59金、△同角不成、▲38銀、△48金 まで8手
もし初手が▲38金だった場合は左右反転パターンになり、69の金を5手目に▲59金として△同角不成、▲78銀、△68金では初手で動いた49の金の跡地が玉の逃げ場になります。後手はとどめに使う金を入手したいところですが初期配置の金は偶数筋にあるため奇数筋へ動いてもらった後でなければ取ることができません。初手▲78金なら△77角成から△78馬で金を取れますがその後の詰み形がありませんし、第一、駒成が禁止されています。▲38金を取りに行く場合も駒成が必要な他、1手余分に必要です。59地点の金を取る手順ではどちらの金でも結果は同じでした。さて、これら以外に何処で金を取ることができるのでしょうか?
△77角不成の王手を念頭に入れて、△58玉を指せるように初手の金の手で58地点への金の手を除外しましたが、△77角不成と指さなければいいのかもしれません。初手の金の手が▲58金右か▲58金左の場合、58地点の金を後手の角では取れないので角筋への金移動が必要で、都合が良いのは57地点です。つまり、3手目は▲56歩で5手目に▲57金として、後手は角不成で金を取ることになります。その金取りの手は6手目になるので次の8手目には金を打って詰ますことになります。先手に残っている手は7手目の1手だけです。▲58玉と上がると支えの無い57の角は取られてしまうので、先手玉は居玉のままで、後手は8手目に角を支えにして△48金か△68金と打つしかありません。8段目への金打ちなので、先手の飛の横利きを止める手が7手目になります。好都合なのは△38銀です。48地点への銀の利きも外せるし飛の横利きを止めることにもなって一石二鳥です。初期配置では68地点には先手の金銀飛が利いているので、初期配置69の金を後手が入手して、飛の横利きが止まっても△68金では▲同銀が可能なので詰みません。したがって初手の金の手は▲58金右になります。これで先手の着手4手が確定しましたが、後手は6手目に57の金を角で取る必要があります。△34歩、△66角、△57角不成の経路だと偶数筋の手の△66角が入るのでいけません。となると△14歩、△13角からの△57角不成の順になります。初手から▲58金右、△14歩、▲56歩、△13角、▲57金、△同角不成で後手は金を入手し、7手目から▲38銀、△48金までの詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
ミニベロさん「一瞬、余詰順かと思って他を探してみた。奇数筋で金を取るのは59くらい。条件が効いているか。」
■7手でも玉尻で金を取りますね。
NAOさん「奇数筋なら1筋と5筋を使わないとね。」
■角を使う場合、中央近くの3筋、5筋、7筋の3つを使う手順が自然に見えてしまう。
諏訪冬葉さん「最終手だけ偶数筋といえば腹金で仕留める7手ですが、初手金のせいでうまくいかなかった。」
■初手が金の手は遊び手にも思えますが、腹金の余詰み回避だけではなく手順前後を限定する条件にもなっていました。
るかなんさん「奇数筋、だけでここまで選択肢が無くなるのか。」
■8手全て奇数筋という条件も面白いかも。と思ったら「133-1 全手順奇数筋」がありました。
中村丈志さん「消去法でなんとか解けました。」
■△66角は偶数筋なので対象から消去。という感じでの消去法ですかね。
飯山修さん「6筋経由角の別詰を奇数条件でうまく回避」
■5筋経由で金を取れなくて7筋経由を考えると初手条件が邪魔をする。
変寝夢さん「ソフトで実戦初形/非連続王手/%協力自玉/手数=8/手指定条件完全一致=1&2&3&4&5&6&7,移動後の筋=1|3|5|7|9/手指定条件完全一致=8,移動後の筋=2|4|6|8/手指定条件完全一致=1,動かした駒の種類=金/成禁で解図時間は25分52秒 思考局面数は28276695 不詰記憶局面 2143450 不詰ハッシュ衝突回数 2946197 同一局面衝突回数 6142でした。7手目38銀が飛と銀の利きを止める好手?」
■7手目は推理将棋らしい好手でした。解答ですが初手に右が抜けていました。本問では肝になる部分なので不正解とさせていただきました。
桝彰介さん「条件に当てはめた手を考えると、端角から金を奪う手順にたどり着くのはそれほどかかりませんでした」
■△13角から△57角で金を取る手順が見えれば解けたも同然。
ほっとさん「後手角を1筋から活用することになかなか気がつけず。」
■王道の△34歩、△77角不成、△59角不成で金を取る手順に引っ張られますね。
RINTAROさん「1筋の着手ありが大ヒント。」
■1筋の着手だと、締め切り直前ヒントですね。
原岡望さん「角の使い方」
■小さく反動をつけてドーンと△57角不成で金を取る。
占魚亭さん「「最終手以外は奇数筋」が最大のヒント。」
■「最終手以外は奇数筋」の条件でかなり絞られますがそれでも200通り以上の手順があるようです。
はなさかしろうさん「7手目まで奇数筋で8手。いろいろな筋を撫で斬りにして、返す刀で角の経路も限定する優れものですね。」
■初手は金の条件が効いていて、200通り以上から1手順に限定されました。
正解:12名
ミニベロさん NAOさん 諏訪冬葉さん るかなんさん
中村丈志さん 飯山修さん 桝彰介さん ほっとさん
RINTAROさん 原岡望さん 占魚亭さん はなさかしろうさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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