推理将棋第167回解答(2)
[2023年11月25日最終更新]
推理将棋第167回出題の167-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第167回出題 推理将棋第167回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
167-2 中級 NAO 作 金駒は龍より後に 10手
「たったの10手で詰まされちゃった」
「金駒の手は龍の手より後の2回だけだったね」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 10手で詰んだ
- 金駒の手は龍の手より後の2回だけ
出題のことば(担当 Pontamon)
龍の手は何手目? 2回の金駒の手での金と銀の組み合わせは?
作者ヒント
9手目と10手目は金
締め切り前ヒント
龍は3筋と4筋で6手目に作れます。後手はとどめの金を取る必要があるので龍を作るのは4筋です。
推理将棋167-2 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△44歩、▲同角、△42飛、▲77角、△47飛成、 (条件) |
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飛車成の最短は6手目なのは何度か出て来ているので覚えておられる方も多いでしょう。2手目△32飛で3手目の▲33角成/不成を△同飛と取って、次の手番の6手目に△37飛成とする手順と、2手目△44歩を▲同角と取らせて邪魔な歩の処理をして4手目に△42飛として、5手目の角移動後に△47飛成とする大きく分けてこの2手順になります。5手目の角移動が非限定っぽいので△37飛成の手順で進めてみたのが参考図の手順になります。6手目に飛成で龍を作れるのが最速なので条件にある龍の手は8手目に指すのが最短になり、その後で金駒の手を2手指すのであれば、9手目の先手の手と10手目の後手の最終手しか残っていません。9手目は88へ振った飛の横利きを止めるための▲78金として△58金の頭金で詰ました。9手目が▲78銀なら69の金が残っているので頭金の形にはできませんが、玉腹への△49金で詰みます。
別手順の詰みもあるし、4手目に取られる3手目の角の成・不成にも非限定があるのでおかしいと思ったら、金駒の着手は龍の手の後の2回だけという条件でした。とどめの金打ちのため、龍の手の前の7手目に▲38金で金を差し出していた手が条件違反でした。
参考図:▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同飛、▲88飛、△37飛成、▲38金、△同龍、▲78金、△58金 まで10手
条件を見直すと、3手目の▲33角は不成と成の非限定を解消できるような条件が無いので、飛車成は3筋ではなく4筋なのでしょう。すると、5手目の角移動の手は詰み形に関与して着手地点が限定されるに違いありませんが、とりあえず5手目は角移動として、初手から▲76歩、△44歩、▲同角、△42飛、▲角移動、△47飛成の6手目まで手を進めます。参考図の手順ではとどめのための金を差し出す手が条件違反だったので龍の手の前に金や銀の手は指せません。後手は8手目はとどめに使う金を取る△49龍になるはずです。もし居玉のままだと△49龍は王手になるので9手目は玉を逃げるか金か銀を動かして49の龍を取って王手を解除する手になりますが9手目の金駒の手なので玉が逃げる手は指せません。また39の銀で49の龍を取ることもできないので、8手目の△49龍が王手にならないように7手目は事前に玉が逃げる手を指しておく必要があります。8手目の△49龍が王手にならない地点で7手目に玉が移動できるのは68地点しかありません。7手目から▲68玉、△49龍となり、49の龍を支えにして68の玉を金打ちで王手する最終手はこの時点では△58金しかありませんが、28の飛の横利きがあるので詰みません。となると49の龍を支えにして68の玉を金で王手するには玉尻の69地点への金打ちしかありません。なので9手目は▲78金で69地点を空けるとともに玉の退路の78地点を先手の駒で埋める手になります。すなわち9手目から▲78金、△69金になりますが、ここで未確定だった5手目の角移動の手は▲77角に決定します。もし5手目が▲77角以外の地点への角移動だと、△69金の王手に対して▲77玉と逃げることができるからです。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん(作者)「シンプル条件での詰型の推理。」
■金駒2回の条件ではなく、龍の手の後の縛りが効いてます。
はなさかしろうさん「それっぽく動かしていたら詰みに誘い込まれた格好でしたが、尻金は意外な結末でした。」
■金駒で詰めるならまず浮かぶのは頭金。尻金は意外ですね。
諏訪冬葉さん「偶数手の問題で44角パックマンは角の位置の限定が難しいからあまり考えなかった。」
■3手目の▲33角の成・生非限定の3筋の方が怪しく見えます。
ミニベロさん「軽い謎解きの推理将棋らしい良問です。」
■龍作りのタイミングと金駒着手のスケジューリングが謎解きの要。
原岡望さん「角が敵陣に入らなかったことに気付いて解決」
■▲33角だと成か不成が付くけど限定するような条件が見当たらないので角は後手陣へ入っていない。つまり▲44同角で歩を取って、△42飛が△47飛成を実現する手順に気付きます。
ほっとさん「4筋から侵入することに気付けば簡単。」
■44地点で後手の歩を取った角の行き場所の目星が付けば問題なし。
るかなんさん「龍の手が出るのは最短でも8手目と気付けばしめたもの。」
■残る9手目と10手目で先手と後手は金駒着手を1回ずつになります。
占魚亭さん「普通に考えたら龍を作るのは後手なので、すんなり解けました。」
■暗算でうっかりしたのでしょうか、▲同飛で取られてしまう10手目でした。王手にならない5九金だったら筋の数字の打ち間違いかもしれないと思いましたが。
飯山修さん「77角がピッタリ。9,10手目が金駒なのはすぐわかるが作者がこんな甘いヒント出していいんですかね。」
■作者ヒントの時点で有益なヒントを出し過ぎるよりも、ベテランにとっては当たり前のことをヒントとして出すくらいでもOKでしょう。
RINTAROさん「上手い条件付けで、上手い手順です。」
■シンプルな条件で詰み形へ導く上手い条件付けでした。
桝彰介さん「飛車が最短で成る手順の知識があったため、1問目の7手詰めより早く解けました。シンプルな条件で手順が限定されてるのは流石です。」
■飛車が最短手数で成る手筋は2つ。どちらなのかを絞るのに苦労する時も。
正解:10名
NAOさん はなさかしろうさん ミニベロさん 原岡望さん
ほっとさん るかなんさん 飯山修さん RINTAROさん
テイエムガンバさん 桝彰介さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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