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推理将棋第168回解答(1)

[2023年12月17日最終更新]
推理将棋第168回出題の168-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第168回出題  推理将棋第168回解答(1) (2) (3)
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推理将棋第168回解説  担当 Pontamon

第168回の推理将棋の解答は14名からいただきました。解答、ありがとうございます。


168-1 初級  Pontamon 作   大駒の棋譜         7手

「7手で詰まされたけど、3回目の大駒の手の棋譜は筋・段・駒種の3文字だったよ」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 7手で詰み
  • 3回目の大駒着手の棋譜は筋・段・駒種の3文字

出題のことば(担当 Pontamon)

 165-1では大駒着手が1回でしたが、今回は大駒着手が3回です。

作者ヒント

 2回目の大駒着手の棋譜も筋・段・駒種の3文字(Pontamon)

締め切り前ヒント

 2回目の大駒着手は駒打ちなので3文字、3回目の大駒着手は成駒なので3文字。


推理将棋168-1 解答

▲76歩、△34歩、▲22角成、△52金左、▲42角、△41玉、
31馬 まで7手

(条件)
・7手で詰み
・3回目の大駒着手の棋譜は筋・段・駒種の3文字(大駒着手:3手目▲22角成、5手目▲42角、7手目▲31馬

Suiri1681

Suiri1681a攻め駒の主役は角。後手陣で角が動くと棋譜には成や不成が付くので筋・段・駒種の3文字では済みません。先手の角が後手陣へ入って、駒を取って、取った駒を打って詰むという基本パターンの場合、22や33での角成や角不成の手は最短で3手目なので次に▲22角不成から▲31角成で銀を取って▲53銀まででは大駒着手は2回だけ。▲33角不成から▲(42)同角不成で銀を取ってからの▲53銀でも大駒着手は2回。どうも先手が大駒着手を3回するのは難しそうなので考えたのは後手の大駒の手を後手陣で指せば棋譜は筋・段・駒種の3文字になるはずということ。参考図の手順はこの方針で指して、3回目の大駒着手は△52飛で、筋・段・駒種の3文字になっています。しかし、玉の退路を塞ぐ△62銀が間に合わず、▲41金の駒打ちでは詰みませんでした。

参考図:▲76歩、△34歩、▲22角成、△32金、▲同馬、△52飛、▲41金 まで7手

参考図の手順で出て来た5手目の▲同馬は同の手なので筋や段の数字は無くて2文字の棋譜でしたが、同の手ではない時に成駒の着手の成や不成は付かず、手数が長ければ右、左、上、引が付くでしょう。あと、相手陣への大駒の着手でも成や不成が付かないのは駒打ちの手です。

7手で詰ますための基本パターンは、相手陣へ角が入り、次に駒を取って、駒打ちで詰めるというものですが、最終手が駒打ちではなく、大駒の手であれば、先手だけで3回の大駒着手ができるはずです。それには3手目に22の後手角を取るのが良さそうです。5手目、7手目の残り2回の着手を取った角や22に居る角か馬の手を指せるからなのですが、取った角を打つ手の棋譜は3文字なので、とどめの7手目に角打ちをする手順がありそうです。3手目に角を取る手は▲22角成が良さそうです。もし3手目が▲22角不成だと、5手目に角を打った場合は7手目は22の角か打った角を動かす手が3回目の大駒着手になり、必ず成か不成の文字が棋譜に付くことになるからです。ということで、初手から▲76歩、△34歩、▲22角成と指し、5手目の馬移動のあと7手目に角打ちで詰めるか、5手目に角打ちをして7手目に馬の手で詰めるかのいずれかになります。

4手目から△52金左、▲31馬、△62金寄、▲42角の手順では△52玉で逃げられてしまいます。角打ちでの詰みは無さそうなので、後手玉に先手駒へ近づいてもらい、7手目を馬の手で詰める手順を考えてみます。7手目に22の馬が動いて後手玉を詰ます際、その馬の着手地点には5手目に打つ角の利きが届いている必要があります。馬の手は玉に近づく手のはずなので3筋の手になりそうですが、33地点は桂が利いているので31地点か32地点でしょう。32地点に利くように5手目に角を打つ場所が無いので4手目に△52金左としてもらえば▲41角が打てて、△42玉に▲32馬で王手ができますが△同銀で失敗します。となると5手目は▲42角として7手目は▲31馬の手順になるはずです。▲42角と▲31馬で詰むのであれば、後手玉は41へ移動しているはずです。形から言えば△32玉でも詰む形ですが、22に馬が居るのに△32玉は指せないので、後手玉は41地点で決まりです。△41玉を指すには41に居る金がよける必要があるので、4手目から△52金左、▲42角、△41玉、▲31馬で詰みとなります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

飯山修さん「最終手大駒の手順は少ないみたい」

■最終手が大駒なのはこの詰み上がり図の一種類のようです。

NAOさん「7手目馬はこれだけ。」

■8手だと最終手の角打ちでの詰みがあるのですが、7手は馬を動かすしかありませんね。

けいたんさん「馬にすれば補助記号がいらない。この橋渡るべからず的な頓知。」

■▲31角右成だと2文字も増えてしまいますね。

ミニベロさん「条件の付け方の妙。」

■7手だと最終手での角打ちができないので3手目の角成で3回目の大駒着手の棋譜が決まります。

ほっとさん「何か騙された感じ。」

166-1の▲31角右成までの7手を出してから日が浅いのに詰み上がり図は同じでした

るかなんさん「「成」が付かなかったとは言っても「成っていない」とは言ってない、と。」

■条件からどのように解釈するかに掛かっています。3回目の大駒着手は「成」でも「不成」でもないというだけのこと。成ってはいけないと早合点すると痛い目にあいます。

原岡望さん「この筋、思いつけず。全7手詰データ参照しました。」

■最終手段の29手順のおさらいをされたのですね。

RINTAROさん「何故か本手順が真っ先に浮かびました。」

■成や不成が付かないように馬の手があると予想したとしても、42地点の金を▲42馬や▲同馬で取って▲52金で詰ます手順がある中、最終手の馬の手が浮かんだのですね。

中村丈志さん「後手の大駒の手がないのは意外だった。」

■7手だと後手の大駒着手があるのは▲23歩成までの手順に出てくる6手目の△42飛だけなんです。解説では3回目の大駒着手として後手の飛の手を登場させましたが...。

はなさかしろうさん「なるほど。大駒着手3回の7手はこの詰上りだけで、角成と馬の2択ですね。」

■はい、これしかありませんでした。

桝彰介さん「166-1とは、3手目の成不成の違い。1条件で限定されてるのがすごいと思いました。」

■同じ手順でも条件次第で別作品なのが推理将棋。本問では同じ詰み上がり図ですが手順が違うので条件も違ってきます。

諏訪冬葉さん「7手で大駒3回はこのパターンだけ」

■大駒着手3回が現れる詰み上がり図でした。

テイエムガンバさん「2つ目のヒントは「3回目の大駒着手の棋譜に補助記号はなかった」のほうがスッキリしているように見えるのは私だけでしょうか?」

■「補助記号」という表現が市民権を得られているのであればそれが簡潔な言い方になりますね。

占魚亭さん「角一点張りで導きました。」

■7手だと攻めに使う大駒は角で決まりです。


正解:14名

  飯山修さん  NAOさん  けいたんさん  ミニベロさん
  ほっとさん  るかなんさん  原岡望さん  RINTAROさん
  中村丈志さん はなさかしろうさん  桝彰介さん  諏訪冬葉さん
  テイエムガンバさん 占魚亭さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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