推理将棋第169回解答(3)
[2024年1月28日最終更新]
推理将棋第169回出題の169-3の解答、第169回出題の当選者(ミニベロさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第169回出題 推理将棋第169回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
169-3 上級 はなさかしろう 作 攻方連続両王手詰 その2 20手
「隣の将棋が終わったみたいだけど、どんな将棋だったの?」
「20手で詰んだよ。12、14、16、18、20手目は互いに異なる地点の玉への両王手だったな」
「へぇ、後手の5手連続両王手で詰み…今度は5地点で両王手がかかったんだね。ほかに目を引く手はなかった?」
「成が1回あったよ。それから、金にかけられた取りを躱す手に対して、角の隣の地点への手で応じたことがあったな」
「ふうん。まぁでもやっぱり、11手目までの準備が肝だね」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 20手で詰んだ
- 12、14、16、18、20手目は互いに異なる地点の玉への両王手
- 成1回
- 金にかけられた取りを躱す手に対して、角の隣の地点への手で応じたことがあった
出題のことば(担当 Pontamon)
145-3の5連続両王手は3地点の玉。今回のその2は5連続両王手の玉位置が全て異なります。
作者ヒント
連続両王手の回数から連続両王手開始直前の局面が概ね推定できれば半ば解けています。玉の経路を確保すること(はなさかしろう)
締め切り前ヒント
角の隣の地点へ角の手を指し、2枚の角の利きを使った両王手で玉を69地点まで押します。
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推理将棋169-3 解答 ▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同角、▲46歩、△25角、 (条件) |
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「145-3 攻方連続両王手詰 その1」は2021年のトリの問題でしたが、タイトルにその1が付いていたのでその2がいつ出るのかを楽しみにしていた方も居るかと思います、その2は約2年後の2023年のトリの問題となりました。
145-3では先手の58の飛と22の飛の交点である52地点を中心にして、先手の角や馬は53地点と42地点を行き来して、後手玉は51地点と62地点を行き来する構造でした。本問では両王手を掛けられる後手の玉位置は全て異なるとのことですので条件を紐解いて行くことにします。
まずは駒成が無い場合に金取りを掛けるにはどうするかです。角筋の77や37へ2手掛けて金を移動すれば角で金取りを掛ける手を指せますが、11手までに連続両王手ができるような駒配置にしないといけないのでこの手順ではないでしょう。角で金取りを掛ける手を考えたのは、その後、角の隣への着手が条件にあったからです。もちろん、後手が歩を突いてから桂の3段跳ねで金取りを掛けることはできますが、これも手数が足りないでしょう。残るは駒打ちで金取りを掛けることです。遠距離砲の角は先手の金から離して打つことができますが7段目に並んでいる歩が邪魔をしています、69の金に角打ちで駒取りを掛ける▲46歩の協力が必要で、後手は△14角か△25角の角打ちで金取りを掛けれます。後手はその時点で角の持ち駒があることになるので、初手から▲76歩、△何か、▲33角不成、△同角で角を持ち駒にして、▲46歩、△14角、▲何か、△24角で条件はクリアできますが、24の角筋には▲46歩と▲57歩が居るので両王手には邪魔になりそうです。となると5手目からは▲46歩、△25角、▲68金、△15角と進めることができます。さて、両王手のレールとなるのは△15角と△25角ですが、両王手を切り替えるシャッター駒は何でしょう。もうお分かりだと思いますがそれは飛です。2手目は△32飛で10手目に△36飛と浮いて、25角を利きを遮り、9手目の▲48玉が11手目に▲47玉へ行けるようにします。
ここまでの準備段階の手順が参考図となります。7手目の金取りをかわす手は▲78金となっています。▲68金でも良さそうに見えますが、それは後のお楽しみになります。
参考図:▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同角、▲46歩、△25角、▲78金、△15角、▲48玉、△36飛、▲47玉 まで11手目までの途中図
参考図からの最初の両王手は、△37飛不成になります。玉は飛の利きが無い飛の媚びんの▲48玉へ逃げ、後手は更に△47飛不成で両王手を掛けますが先手玉は▲58玉と逃げます。後手の飛は鋸の目のように縦横移動を交互に指して玉を9段目へ押して行くのですが、玉が47、48、58、59、69まで行った時、△59飛不成では▲68玉へ逃げられてしまいます。なので68地点にも利くようら最終手は△59飛成とする必要があります。また、7手目の金取りをかわす金の着手ですが、▲68金だと、最終手△59飛成に▲78玉で逃げることができるので7手目は▲78金なのです。
12手目からをまとめると、△37飛不成、▲48玉、△47飛不成、▲58玉、△48飛不成、▲59玉、△58飛不成、▲69玉、△59飛成 になります。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
はなさかしろうさん(作者)「その1を出題していただいた時点でその3まで概略できていたのですが、条件や手順が未確定のまま2年の月日が流れ去ってしまいまして、この度大幅にテコ入れして棚卸しします。最短の両王手が4-3の9手目であることを考えると、最短の連続両王手はたぶん145-3の11手目からで、さすがに12手目に連続両王手を始められる形はいろいろある…ということで、連続両王手の最短手数探索は本問で一段落のつもりです。」
■出題中の171-3は玉位置が異なる両王手の最長手数探索でしょうか。
NAOさん「トリに相応しい謎解き。5か所の玉に連続両王手がかかるとは驚き。」
■両王手で仕留めずに玉を逃がして行くのがミソ。
るかなんさん「二枚角の発想は直前ヒントが出るまで全くの埒外でした。」
■2年前の前作だと、2枚の飛の交差地点を中心にした行き来でしたが、玉の位置が変わって行くには交差しない平行なレールが必要でした。
ほっとさん「15角25角36飛の組み合わせは浮かばなかった。」
■一度体験すると次回からは大丈夫でしょう。
ミニベロさん「この両王手の構想は、昔々MIXI時代に「看寿に捧ぐ」というタイトルで作ったことがありますが、グダグダの条件で、とても外に出せる代物ではありませんでした。
本作は条件がすっきりしていて、作品として完成していると思います。」
■過去作を担当が研究した際、mixiからコピーしていなかったようです。検索してみると「看寿に捧ぐ」は133番で登録されていました。
原岡望さん「ヒント頼みです。」
■難問にはヒントの活用を。
飯山修さん「最初の両王手の位置が46と思い込んで苦戦。37にする事で1手省略出来た。」
■▲46玉にするには▲45歩も必要なので相当手数が足りなくなったことでしょう。
RINTAROさん「面白い作品。ヒントなしでは解けなかっただろうな。」
■通常は両王手で詰めるもの。連続両王手なんて想定外で面喰ってしまいます。
桝彰介さん「分かりませんでした。両王手する駒は角と金で斜め下にジグザグに追っていくのかと想像しましたが、そこまでの手順が思いつきませんでした。」
■金で追うと金の利きが強いのでうまくいきません。
諏訪冬葉さん「1手足りないと思ったら角を飛車で取ってました。」
■4手目の△同飛と△同角の違いはあとで大違いになります。
正解:9名
NAOさん はなさかしろうさん るかなんさん ほっとさん
ミニベロさん 原岡望さん 飯山修さん RINTAROさん
諏訪冬葉さん
(総評)
るかなんさん「10手で初級は身構えましたが解いてみると確かに初級でした。
旧年中はありがとうございました。本年もよろしくお願いします。」
■本年も投稿よろしくお願いします。
ほっとさん「169-3が年内に解けず、年明けの解答。今年もよろしくお願いします。」
■今年も解答をよろしくお願いします。もちろん作品投稿も大歓迎です。
原岡望さん「今回は4日解答。今年もお手柔らかに」
■詰パラの締め切り後まで解けないくらいのヒントの方が解きがいがあるのかも。
飯山修さん「元旦出題は苦戦しそう」
■解図期間がいつもより2週間長いとは言え、出題数が倍の6題で全てが11手なので厳しいかも。
RINTAROさん「好作3題。ヒントのおかげで全題正解できています。今年も優しいヒントをよろしくお願いいたします。」
■締め切り前ヒントが出ても締め切りギリギリまで解けないくらいが良いのかもしれませんが、解答者に優しい易しめのヒントになってしまいます。
桝彰介さん「今年初の解答も、1問しか分かりませんでした。今年も1問でも分かれば継続して解答していくのでよろしくお願いします。」
■1問でも結構ですので今年も解答よろしくお願いします。
推理将棋第169回出題全解答者: 13名
NAOさん はなさかしろうさん るかなんさん ほっとさん
ミニベロさん 原岡望さん 中村丈志さん 飯山修さん
RINTAROさん 桝彰介さん 諏訪冬葉さん 占魚亭さん
テイエムガンバさん
当選: ミニベロさん
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コメント
玉位置が異なる連続両王手は34回できることを確認しているのですが(Web Fairy Paradise 161号30ページ図2)、この図は準備に相当手数がかかりそうで推理将棋には向かないと思います。そこで、「両王手効率」(=両王手回数/総手数)を計算してみます。
・4-3: 1/9=0.111
・145-3のバリエーション(玉位置52→51→62): 3/15=0.2
・169-3: 5/20=0.25
・171-3: 13/44=0.295、14/45=0.311
というわけで、少しずつ伸びて、なんとか3割を超えたのですが…果たしてこれは最高値でしょうか。先ほどの34回の図は総手数109手、つまり両王手開始局面に42手で辿り着かないと14/45を超えないので、ちょっと無理そうです。
投稿: はなさかしろう | 2024.02.01 22:46
やはり両王手効率は14/45=0.311が最大なのではないでしょうか。
初形から強引に34回連続両手の準備をやってみると、当然42手では届かず最短54手かかりました。また、171-3Bの連続両手14回の機構に2~3回だけ足してやることも試しましたが、1回増しの仕掛けを増やすのに4~5手ぐらい必要になってそれなりに準備の手数がかかりました。
・連続16回:準備25手、総手数56手、16/56=0.286
・連続17回:準備30手、総手数63手、17/63=0.270
・連続34回:準備54手、総手数121手、34/121=0.281
投稿: NAO | 2024.02.04 23:41
凄いですね。14回は単一機構でシンプルなのですが、16回、17回になると機構の継ぎ変えが必要になるので、
16回はともかく17回はどうやって? という感じです。
14回/45手は最短でやると待ちが1手入るので付け入る隙はありそうですが、
0.3を維持しようとすると準備手数4手あたり両王手3回のペースで増やしていかないといけないので、
できるとしたら槍衾のような別の機構を導入するときかな、とも思います。
投稿: はなさかしろう | 2024.02.10 23:55
異なる玉位置への「両王手効率」であれば、0.311を越すことができることとわかりました。
14回の機構を再構築することで14連続(19~45手目)と15連続(61手目~)の2回の連続両王手が可能です。
・1回目の連続両王手:準備18手、両王手14回とその応手:28手
・2回目の連続両王手:準備14手、両王手14回とその応手:28手+止めの両王手:1手
総手数 89手。29/89=0.3258
投稿: NAO | 2024.02.17 14:07
18+(14+14)+14+(14+13)=87手で28回はできたのですが、、止めの1回!?
投稿: はなさかしろう | 2024.02.20 21:52
もっと効率の良い手順がありました。
20+(14+14)+8+(14+13)=83手で28回。28/83=0.3373
投稿: NAO | 2024.02.20 23:48
おぉ…最初の準備で20手かけて歩の壁を破っておいた方が効率良いとは思ったのですが、中間8手で行けますか!?
投稿: はなさかしろう | 2024.02.21 21:59
18+(14+14)+14+(14+14)+1=89手で29回がようやくわかりました。
手はあるものですね。この序は作問時点で見えていなかったので危ういですが、年賀条件の「11手目は龍」で救われたかも!?
投稿: はなさかしろう | 2024.02.21 23:26
20+(14+14)+8+(14+13)=83手で28回がようやくわかりました。長かった…。
どうやら全然違うことを考えていて嵌っていたようです。
そこで、組み合わせて更に進めてみました。
21+(14+14)+8+(14+14)+12+(14+13)=124手で42回。42/124=0.3387
投稿: はなさかしろう | 2024.03.10 06:40
少し甘かった。でもこれで嵌った間に考えたことの一部が活きました。
22+(14+14)+8+(14+14)+10+(14+13)=123手で42回。42/123=0.3415
投稿: はなさかしろう | 2024.03.10 20:42
0.34越えは凄い。準備を20手、8手と進めると次が16手ぐらいかかってしまいます。
後では2手かかるのを序の1手で済ますのか。なるほど。
別のやり方で24+(14+14)+8+(14+14)+8+(14+13)=123手の42回手順もありました。
投稿: NAO | 2024.03.11 23:36
なるほど。24+(14+14)+8+(14+14)+8+(14+13)=123手の42回、こちらの方が綺麗ですね。
ところで、必要な動作を数え上げると42回の最少は122かと思いますが、
走り駒がジャンプしないと実現できないのが残念。
ということで22+(14+14)+10+(14+14)+10+(15+14)=127手の43回。
43/127=0.3386で効率は下がっていますが、やりたかった手を組み込んでみました。
投稿: はなさかしろう | 2024.03.12 20:11
43回127手。同じこと考えてました。2手で準備して1回増やしても1/4手(0.25)、仮に1手で1回増の準備できたとしても1/3手(0.333)で率が下がりますね。
さて、14連続の折り返し辺には両王手に使ってないマスが4つずつあります。このマスを使って各1~2回ずつ使って回数だけは増やすことができました。
14+1+14+1+15の45回が133手、45/133=0.3383(かなり健闘)。14+2+14+2+15の47回が141手、47/141=0.3333でした。
投稿: NAO | 2024.03.14 19:36