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推理将棋第169回解答(2)

[2024年1月26日最終更新]
推理将棋第169回出題の169-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第169回出題  推理将棋第169回解答(1) (2) (3)
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169-2 中級 ミニベロ 作    歩で始まり歩で終わる(B) 11手

「麩で始まり麩で終わる、スキヤキの話だな」
「旨いスキヤキは麩を食えば分かる、と言いますからね」
「違うの! 先手は初手と最終手だけが歩だった、という11手で詰んだ将棋の話」
「見てましたよ。間の4手はすべて大駒でしたね」
「先手は駒を3回取り、王手を3回掛けましたよ」
「成る手はなかったみたいですね」
「よし分かった! 忘年会はスキヤキで決まりだな」

スキヤキの前に、この将棋の手順を推理してくださいね。

(条件)

  • 11手詰
  • 先手の6手は、初手と最終手が歩で、あとは大駒
  • 先手は駒を3回取り、王手を3回掛けた
  • 成る手なし

出題のことば(担当 Pontamon)

 先月に続き「歩で始まり歩で終わる」作品です。アレかアレのもう一方でしょうか?

作者ヒント

 玉の手は4手(ミニベロ)

締め切り前ヒント

 前作は空き王手でしたが本作は突き歩詰。初手とは別の筋の歩突きなので玉は5段目。4段目の退路は大駒で抑えます。


推理将棋169-2 解答

76歩、△34歩、▲22角不成、△42玉、▲31角不成、△33玉、
36角、△24玉、▲13角不成、△15玉、▲16歩 まで11手

(条件)
・11手詰
・先手の6手は、初手と最終手が歩で、あとは大駒(初手▲76歩、3手目▲22角不成、5手目▲31角不成、7手目▲36角、9手目▲13角不成、11手目▲16歩)
・先手は駒を3回取り、王手を3回掛けた(駒取り:3手目▲22角不成、5手目▲31角不成、9手目▲13角不成、王手:5手目▲31角不成、手目▲13角不成、11手目▲16歩)
・成る手なし(3手目▲22角不成、5手目▲31角不成、9手目▲13角不成)

Suiri1692

Suiri1692a歩の着手で詰むのであれば、玉頭への突き歩か歩突きによる空き王手しかないはずです。168-3では空き王手でしたので今回は突き歩詰の予想はあるものの念のため空き王手の手順を考えてみると、▲76歩、△64歩、▲33角不成、△52玉、▲77桂、△51金左、▲22角不成、△63玉、▲18角、△54玉、▲26歩 という手順がありましたが、王手も駒取りも2回なので正解ではありません。歩突きは初手の最終手の2回しかできませんが、角を使うための初手▲76歩は外せないでしょう。歩突きでの詰みなので後手玉には中段へ出て来て貰うことになりますが何段目でしょうか?初手で突いた▲76歩を最終手で▲75歩と突くケースもありそうですが、▲76歩、△54歩、▲33角不成、△52玉、▲22角不成、△53玉、▲95角、△64玉、▲31角不成、△74玉、▲75歩 だと△85玉と逃げられてしまいます。となると5段目玉に対して、その筋の歩を突き手になりそうです。色々考えて見つけた手順が参考図の手順になります。3手目▲33角不成、9手目▲63角が王手なので最終手を含めると王手3回を実現していますが、駒取りは▲33角不成と▲22角不成の2回なので正解にはなりませんでした。初手で突いた▲76歩を活かすために▲66歩までの手順を考えたのですが失敗でした。

参考図:▲76歩、△64歩、▲33角不成、△52玉、▲22角不成、△63玉、▲78飛、△54玉、▲63角、△65玉、▲66歩 まで11手

歩突きの詰む過去作だと15玉か25玉が多いようです。しかし、先手の歩の着手は初手と最終手の2回だけではなく、例えば△15玉を▲16歩で詰めた「74-6 26年の将棋」だと25地点と24地点を抑えるために▲26歩と▲25歩の2手が必要になっています。25玉の場合は1筋と3筋を抑える手が必要になるので手数が足りないでしょう。ということで△15玉を▲16歩で詰める形を目指してみます。駒成ができるのであれば、22の後手角を取った後に▲13角成を指せば14地点と24地点を抑えることができますが▲13角不成で24地点は抑ええることがではそうです。14地点と25地点ですが、▲22角不成で後手角を取っているので14地点と25地点の両方へ角の利きを通す▲36角の駒打ちが良さそうです。詰み上がり図に必要な手を確定しているのですが、王手3回、駒取り3回をどのようにして実現するのかが課題として残っています。駒取りは▲22角不成で角を取る手と▲13角不成で歩を取る手が確定していますがあと1手は?3手目の▲33角不成でしょうか?▲76歩、△42玉、▲33角不成、△32玉、▲22角不成としても後手玉は33地点へ上がることができません。この▲33角不成で駒取りと王手の回数は稼げるのですが、後手玉の動きが不自由になります。22の角が取れる駒は11の香、13の歩、31の銀ですが▲11角不成で香を取っていると後手玉は33地点へ行くとができないので残る駒取りの手は▲31角不成です。初手から▲76歩、△34歩、▲22角不成、△42玉、▲31角不成と進めるとここまでで駒取り2回と王手1回を実現しています。続いて6手目は△33玉ですが7手目に▲13角不成を指してしまうと後手玉が△24玉と上がることができません。したがって7手目は14地点と25地点を抑える▲36角。続けて△24玉、▲13角不成の3回目の駒取りで2回目の王手をして、△15玉に▲16歩で詰みとなりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

ミニベロさん(作者)「トドメ歩は、今回はアレのほう。」

■今回は突き歩でした。

NAOさん「作風から角は8段目に打つものと思ったが、(A)と同じ36角。見事に裏をかかれた。」

■角を8段目へ打って、前作同様に空き王手の歩突きを想定されたようですね。

はなさかしろうさん「168-3の方が第一感この筋だったのですが当たりませんでした。筋違いの2枚角は正義ですね。」

■アレかアレのとどめだと予習されている可能性が高い。ということもあって今回は中級としました。

るかなんさん「「もう一つのアレ」が最大のヒント。」

■突き歩で詰めるなら端だと思っても玉の退路封鎖で一苦労したでしょう。

ほっとさん「「駒取り3回王手2回」「駒取り2回王手3回」の紛れが多く難解。」

■「駒取り3回王手2回」なら、▲76歩、△42玉、▲33角不成、△32玉、▲22角不成、△24歩、▲31角不成、△23玉、▲78角、△12玉、▲66歩 などもありますね。

原岡望さん「何となく解決」

■あの辺りとかこんな形とかが何となく想像できればしめたもの。

飯山修さん「駒取り王手をしないと数が足りないので2回やったらうまくいった。王手回数を条件に入れないと余詰があるのだろうか」

■駒取りと王手のどちらかが1回減ると余詰みが出て来てしまいます。

RINTAROさん「16歩までと決めつけると2手目34歩に辿り着く。これも条件と手順がマッチした作品。」

■後手の歩の手に制限は無いので、玉の退路を自ら塞ぐ△14歩や△24歩がありそうだけど手数が足りません。

桝彰介さん「分かりませんでした。4段目の封鎖が思った以上に厄介でした。」

■4段目の2箇所を1箇所ずつ角2枚で抑えるという贅沢な形でした。

諏訪冬葉さん「先月さんざん読んだ筋です。」

■やはり予習されていましたね。

占魚亭さん「条件から突歩詰とピンときました。」

■後手の角を取って、8段目へ控えて打って、歩突きの空き王手の順も見えそうな気がするのですが、突歩詰がピンと来ましたか。


正解:11名

  NAOさん  はなさかしろうさん  るかなんさん  ほっとさん
  ミニベロさん  原岡望さん  飯山修さん  RINTAROさん
  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  テイエムガンバさん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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