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推理将棋第170回解答(6)

[2024年2月28日最終更新]
推理将棋第170回出題の170-6の解答、第170回出題の当選者(はなさかしろうさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第170回出題  推理将棋第170回解答(1) (2) (3) (4) (5) (6)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


170-6 上級  Pontamon 作  歩突きは6筋から   11手

「指し初めは令和6年にピッタリの対局だったね」
「まず、最初の歩の手は6筋だったね」
「6筋と言えば、6筋の着手は6回あったね」
「正月らしく華やかな駒成が無いのは少し残念だけどね」
「着手筋に法則が生まれたのは興味深かった」
「両隣がある7つの筋(2筋~8筋)に着目すると、どの筋も着手があった筋と無かった筋に挟まれているね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 11手で詰み
  • 最初の歩の手は6筋
  • 6筋着手は6回
  • 2筋~8筋それぞれは、着手があった筋と無かった筋に挟まれている
  • 駒成なし

出題のことば(担当 Pontamon)

 着手筋のパズル条件から着手筋を特定するのは簡単なので、解図の方針が見えてくるかも。

作者ヒント

 3回の歩の手の最初と最後が6筋です(Pontamon)

締め切り前ヒント

 最初の歩の手は2手目の△64歩。着手筋の2筋、3筋、6筋、7筋のうち2筋と3筋の手はどちらも先手の角不成です。


推理将棋170-6 解答 担当 Pontamon

▲78飛、△64、▲76歩、△62玉、▲33角不成、△63玉、
▲22角不成、△74玉、▲63角、△65玉、▲66歩 まで11手

(条件)
・11手で詰み
・最初の歩の手は6筋(2手目△64歩)
・6筋着手は6回(2手目△64歩、4手目△62玉、6手目△63玉、9手目▲63角、10手目△65玉、11手目▲66歩)
・2筋~8筋それぞれは、着手があった筋と無かった筋に挟まれている
・駒成なし(5手目▲33角不成、7手目▲22角不成)

Suiri1706

まずは着手があった筋を特定してみます。6筋の着手があったのは分かっているので、5筋を考えてみると着手があった6筋と着手が無かった4筋に挟まれていることになります。次に3筋について考えると着手が無かった4筋と着手があった2筋に挟まれているはずです。7筋について考えると着手があった6筋と着手が無かった8筋に挟まれていることになり、ここまでのところ、着手があった筋は2筋と6筋で着手が無かった筋は4筋と8筋が確定しています。6筋着手が6回なので2筋着手が5回なら11手が決まりそうに思いますが、着手があつたのか無かったのかが判明していない筋があります。たとえば4筋について考えてみると、4筋自体は着手が無かった筋だと判明しているものの、隣の3筋と5筋については未確定です。と言っても、3筋と5筋が両方とも着手があった筋だとか両方とも着手が無かった筋だと条件が成立しないので、3筋か5筋のどちらかが着手があった筋でもう片方は着手が無かった筋である必要があります。仮に5筋が着手があった筋だとすると、3筋は着手が無かった筋となり、2筋を考えると1筋は着手があった筋になります。6筋について考えると、5筋が着手があった筋なので7筋は着手が無かった筋になり、8筋を考えると9筋は着手があった筋にになります。つまり、この場合だと着手があったのは1筋、2筋、5筋、6筋、9筋になります。6筋着手が6回なので残りの4つの筋で5回着手になるので1筋、2筋、5筋、9筋のどれかの筋の着手が2回であとは1回ずつになるはずです。9筋着手が2回なら、▲96歩、▲97角から▲53角不成はできますが、1筋と2筋の着手1回ずつは歩突きか香を突くしか手が無さそうです。

Suiri1706aとなると、3筋か5筋のどちらかが着手があった筋の場合では3筋が正しいようです。この場合、各筋の状況がどうなるかというと、着手があったのは2筋、3筋、6筋、7筋の4つの筋で、6筋着手が6回なので、2筋、3筋、7筋の着手合計が5回になります。▲33角不成で銀を取って、玉が居た51地点を角で抑えて、6筋の歩を支えにして▲63銀で詰めた手順が参考図の手順になります。

2筋の着手は都合の良い時に△24歩とすれば、年賀条件として明示されていないけど年賀推理にビッタリの手になっていると思ったのですが、△24歩を指す機会がありませんでした。

参考図:▲66歩、△32銀、▲65歩、△34歩、▲76歩、△64歩、▲同歩、△33銀、▲同角不成、△62玉、▲63銀 まで11手

4筋着手が無いので、玉が3筋や2筋へ移動する手は無いので、2筋と3筋の着手は何でしょうか?駒成ありだと、△32飛を▲33角成や▲22角成のあとに▲32馬で取る手順がありそうですが、△34歩、▲22角成、△32飛、▲32同馬にしても△32飛、▲33角成から▲32馬の手順にしても3筋着手が3回になるので、7筋着手は▲76歩で使っていて、あとは6筋着手しかんできない状況になってしまいます。となると、2筋と3筋の手は先手の▲33角不成からの▲22角不成の2手の可能性が高いはずです。7筋着手では▲76歩を指しているはずですが、7筋着手をあと2手指すことができそうです。

最初の歩の手は6筋とのことですが、初手で▲66歩を指すと、角が出て行くには▲76歩の他に▲65歩で角道を通す必要があるので効率がよくありません。となると最初の歩の手は後手の△64歩になるでしょう。6筋着手が多いので、2手目の△64歩のあと、後手玉は中段へ出て来る可能性大です。初手は未確定ですが、初手から▲何か、△64歩、▲76歩、△62玉、▲33角不成、△63玉、▲22角不成と進みそうです。この時点で先手は角を持ち駒にしていて、後手玉は63地点です。後手玉が中段へ出て来るのであれば、5筋の着手はできないので8手目は△74玉で9手目は玉の退路を防ぎつつ後手玉へ王手を掛ける▲63角で続いて10手目の△65玉が5回目の6筋着手になります。ここで金を持っていれば▲66金の頭金で詰みですが、持ち駒に金はありません。▲31角不成で銀を取っていれば▲66銀でも詰みます。△76玉と逃がさないために初手で△78飛を指していれば76の歩を取られることはありません。でも、▲31角不成を指していると手数オーバーになってしまいます。盤面をよく見ると22の角が利いているので▲66歩の突き歩がありました。6回目の6筋の手の▲66歩で無事に詰みとなりました。

上級なのに締め切り前ヒントが足りなくて解けなかったという短評になるのか、169-2の解説を読んで、参考図と同じ詰み上がりになりそうだと気付いて解けたのか、さて結果は?

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

NAOさん「66歩が止めとは。中間ヒントで解決。」

■中間ヒントでは最後の歩の手も6筋としましたが、最終手と結びつけたのは勘がいいですね。まさか最終手が6筋の歩と読み間違えたとか?!

飯山修さん「成なしの過去問が67-3にありこれを参考にして解答に到達」

■67-3が参考になるとは!!169-2の参考図は過去問DBにまだ整理されていなかったようですね。

RINTAROさん「詰め上がり図からの逆算で解きました。」

■169-2の解説の参考図が役立ったのかな?

原岡望さん「角の連携で仕留める」

■22の角が55地点を抑えながら66歩の支えになっています。

ほっとさん「不思議な条件。そして予想外の詰上り。」

■「着手があったのは2、3、6、7筋の4つの筋」が簡潔な条件ですが、それでは能がないのでパズルのような条件を捻り出しました。詰み上がり図は初のようです。

るかなんさん「48筋の着手なし、26筋の着手ありまでは確定。ただ自力ではそこからもう一段掘り下げられず終い。」

■6筋着手6回の条件から、後手玉が6筋の中段へ行けることに気付けば、解けたのかも。

諏訪冬葉さん「多分これで詰んでいるはず・・・」

■▲63角で玉の4段目への退路が封鎖されているので詰んでいます。

はなさかしろうさん「相当考えた挙句ヒントを頼ってしまいましたが、なんと素晴らしい詰み形! 条件は抽象的で一手足りない順のオンパレードと、難問の名作ですね。更に169-2の解説では種明かしをしていて吃驚。一足先に書いちゃうんだ…。」

■締め切り前ヒントは「最初の歩の手は2手目の△64歩で後手玉は65地点で詰みます。2筋と3筋の手は先手の手」の方が良かったかな?初の詰み形なので難し過ぎると思い、169-2の解説の参考図で紹介したのですが本問の解図には役立ってなかったようです。担当だからできる追加ヒントでしたが、170-6のヒントになっていることを明示していないので無理だったようです。
本問の詰み上がりは169-2の紛れ筋として発見したもので、年賀推理の条件に出来そうだったので急遽作図した作品でした。


正解:10名

  NAOさん  飯山修さん  piyoさん  RINTAROさん
  原岡望さん  ほっとさん  るかなんさん  テイエムガンバさん
  諏訪冬葉さん  はなさかしろうさん


(総評)

NAOさん「パズル要素満載の骨のある年賀詰6問、楽しみました。」

■解図を楽しめられたようで幸いです。

飯山修さん「作意ダダ漏れの直前ヒントのおかげでなんとか解答できた」

■解答の集まり具合を見て、締め切り前ヒントを修正しているので、今回のようにヒント投入時点で1名しか解答者が居ないと甘~いヒントになりがちです。

RINTAROさん「優しいヒントのおかげで全題解けました。」

■6題あったということもなり、解答者へ優し過ぎだったかも。

原岡望さん「何とか〆切前日の解答です。
171回は手がかりも見えず苦難の月になりそうです。ヒントさんよろしく」

■171回ですが、解図期間が長いだけじゃ助けになっていないですかね。
第171回の作者ヒントは2月14日に投入されているはずですが、171-3の2作については、投稿時の作者ヒント案だったWFPへ寄稿した「最長連続両王手についての考察」(29ページ目)が参考になります。この存在を知っている人と知らない人とでは差が大きいので情報を共有しておきます。

ほっとさん「例年よりは解答しやすくなっていて良い工夫でした(171回が重量級ばかりなことから目を背けつつ)。」

■171-3、171-4の2題3作の手数は重量級ですが、難度は辛くはないはず。

るかなんさん「各地の大量の出題に感化されて色々作っていたら解図がすっかり疎かに。今年も精進して参ります。」

■今年も、解答・投稿、よろしくお願いします。

諏訪冬葉さん「最終ヒントを見る前は1問だけで終わるのを覚悟していましたが、何かつながったのか1日1問くらいで残りが解けました。」

■脳内のシナプスがつながって、過去問とか解説の参考図が潜在意識下に思い出されたのかも。

ミニベロさん「今月はお手上げです。来月もだけど。」

■ミニベロさんにはすぐバレると思っていた170-6が無答とは驚きました。


推理将棋第170回出題全解答者: 13名

  NAOさん  中村丈志さん  飯山修さん  piyoさん
  RINTAROさん  原岡望さん  ほっとさん  占魚亭さん
  るかなんさん  テイエムガンバさん  諏訪冬葉さん
  はなさかしろうさん  ミニベロさん

当選: はなさかしろうさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください

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