推理将棋第170回解答(2)
[2024年2月20日最終更新]
推理将棋第170回出題の170-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
170-2 中級 Pontamon 作 2024年の年賀推理 11手
「あけましておめでとう。今年も元旦から年賀状書きか。今年の年賀推理はどんな感じ?」
「後手玉を詰める11手目は、駒成があった6筋地点への小駒移動の手だよ」
「そうか、令和6年の6筋絡みの条件で、駒成も最終手も6筋の同じ地点なんだね。今年はいつもの詰み上がりじゃないみたいだね」
「・・・。あと、大駒の初期配置地点から大駒が動く手は2回だよ」さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 11手で詰み
- 最終手は駒成があった6筋地点への小駒移動の手
- 大駒の初期配置地点から大駒が動く手は2回
出題のことば(担当 Pontamon)
初期配置の大駒が2枚動いたとは言ってませんが、その可能性もある条件になっています。
作者ヒント
大駒の初期配置地点から動いた大駒はどちらも先手の大駒(Pontamon)
締め切り前ヒント
作者の年賀推理恒例の合い利かずの馬単騎の形ですが、最終手は駒成があった66地点の手です。
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推理将棋170-2 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△42玉、▲33角不成、△32玉、▲66角成、△24歩、 (条件) |
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条件から明確なのは6筋での駒成があることと、その駒成をした地点への小駒の手で詰むということです。6筋で駒成した駒が居座ると最終手が指せませんが、それは駒成したのが先手の駒の場合です。もしかすると後手が6筋で駒成して、その駒を先手が最終手で取って後手玉を詰ますという可能性もあります。とは言うものの、△64角成は最短で8手目、△67飛不成から飛を引いて成れるのは10手目なので6筋で成った後手の馬や龍を取って詰ます手順は無理そうです。
後手玉を詰ますのですから後手陣か4段目で先手の駒が成って、その地点への小駒の手で詰ます構成が思い浮かびます。その場合、1段目に居る金銀の守りをかわす必要があります。頭に浮かぶ詰み形は吊るし桂です。これなら3段目で駒成して、その成駒で玉の退路を塞いで。吊るし桂で詰めれば良いからです。参考図の手順はこの吊るし桂の形で詰ました手順になっています。後手玉と同じ筋の3段目に成駒を配置して、その脇の地点の桂で詰める形がありますが、今回は6筋の歩を突き進めて▲63歩成での駒成をしてから73の桂を取る手順なので、玉の退路となる52地点は後手の飛移動で埋めます。42地点は31の銀が上がって埋めます。初期配置の大駒は後手の飛しか動いていないので、31の銀が動いた地点へ△31角を指せば条件をクリアすることができす。無事に解けたと思ったのですが、最終手は桂打ちの手になっているので条件をクリアできていませんでした。▲55桂などで控えて桂を打って最終手を盤上の小駒の移動の手として▲63桂不成を指せば良いのですがそれでは手数オーバーになってしまいます。
吊るし桂以外の形では、64地点で駒成する手順の▲76歩、△52飛、▲55角、△74歩、▲91角生、△64歩、▲64同角成、△62玉、▲82馬、△51金右、▲64香 の手順がありますが、これも最終手が香打ちの手なので失敗です。その他、最終手が▲62金の金打ちの詰み(▲76歩、△54歩、▲44角、△42金、▲71角不成、△62金、▲同角成、△同玉、▲71銀、△72玉、▲62金)もありますが、どれも最終手が駒打ちになってしまいます。
参考図:▲66歩、△74歩、▲65歩、△73桂、▲64歩、△52飛、▲63歩成、△42銀、▲73と、△31角、▲63桂 まで11手
後手陣近くの段の6筋での駒成だとうまくいきませんでしたが、6筋で駒成できる地点と言えば、角道の66地点でしょうか。作者ヒントだと、大駒着手は2枚とも先手の大駒とのことなので、先手の88の角が動く手と先手の22の馬が最終手で角成した66地点へ引いて来る2手を指して後手玉を詰める手順の▲76歩、△52玉、▲33角不成、△64歩、▲66角成、△63玉、▲22馬、△74玉、▲63角、△65玉、▲66馬が閃きますが、最終手は盤上の駒移動の手ではあるものの大駒の手なので条件に合いません。最終手が▲66馬ではなく66地点への小駒移動での王手だと▲66歩がありますが、それでは△76玉で歩を取られてしまいます。76の歩を守るには▲78飛を指していれば良いのですが、そうすると手数が足りなくなるので突き歩詰の形も無理なようです。あとは、困ったときの両王手や空き王手の形を考えるとことになります。▲66歩が空き王手の手だとすると、玉に利きが届いているのは78地点の角か馬で後手玉はその筋上に居ることになります。見てみると例年の△12玉が見えました。今年も、馬単騎の合い利かずの詰み形のようです。先手は66で角成をする必要があるので、初手からは▲76歩、△42玉、▲33角不成、△32玉、▲66角成と進みます、6手目からは△24歩、▲88馬、△23玉、▲78馬と指して、88の角移動の手と88の馬移動の手で、大駒の初期配置地点からの大駒移動の2手の課題をクリアします。10手目の△12玉に対して、▲66歩の空き王手で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん「角は成った後初期配置に戻ってから寄る」
■▲78馬は77と88から行けるので、大駒の初期配置の88に限定するために変な表現になってしまいました。
飯山修さん「条件がわかりずらく要は88から2回動いたという事と気付くのに時間がかかった」
■すみません、「88から大駒が2回動いた」とすれば簡潔なのですが、▲22角成・不成からの移動の可能性も残したかったのです
RINTAROさん「条件が若干分かりにくいかもです。」
■すみません、来年の年賀推理は簡潔な条件にします。
原岡望さん「ここからもはやヒント頼み。この詰上がりは知っていましたが。」
■毎年お馴染みの詰み上がりなので中級としたのですが....
ほっとさん「まさかの66。」
■後手陣近くでの角成を考えていただいたようですね。
るかなんさん「雄弁な無言が最大のヒント。66角成まではこの作の発言だけを基に推理で確信しました。」
■「・・・(いつもと同じなんだよなぁ)」聞こえてしまいましたか(笑)
諏訪冬葉さん「最終ヒントの「馬単騎」を見て解答がひらめきました。(条件を見落として途中▲77馬としたのは内緒)」
■詰み形が見えてしまうと、手拍子に▲77馬からの▲78馬を指してしまうこともありそう。
はなさかしろうさん「結構難しかったのですが、過去の経験が活きてこの筋を思い浮かべることができました。この筋は攻方の待ちが多いので11手の年賀問題だととりわけ注意が必要ですね。」
■2022年、2023年に続き今年で3年連続の似た詰み上がり図でした。
正解:10名
NAOさん 飯山修さん piyoさん RINTAROさん
原岡望さん ほっとさん るかなんさん テイエムガンバさん
諏訪冬葉さん はなさかしろうさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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