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推理将棋第170回解答(4)

[2024年2月24日最終更新]
推理将棋第170回出題の170-4の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第170回出題  推理将棋第170回解答(1) (2) (3) (4) (5) (6)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


170-4 上級  ミニベロ 作  三捨利警部・新春ミステリー  同じ数字が13回 11手

「11手で詰んだ将棋の棋譜に、同じ数字が13回も出てくるとはどういうことだ」
「おそらく同じ筋や同じ段が多く指されたということでしょうか」
「そんなことは誰でもわかるよ。じゃあ、6手目に6筋着手とは?」
「令和6年に合わせたか」
「なるほど。しかし初手は歩ではないそうだが」
「何か事情があったんでしょうな」
「成る手1回、王手2回はどうなんだ」
「それが分からんのです」
「それがじゃなく、結局何も分からんのだな」

誰か分かる人いますか?
(同は数字ナシですよ!)

(条件)

  • 11手詰
  • 棋譜上、同じ数字が13回
  • 成る手1回、王手2回
  • 6手目は6筋
  • 初手は歩ではない

出題のことば(担当 Pontamon)

 13回現れた数字は、着手筋で絞るか段で絞るか、それとも先手や後手が指し易い地点に目星をつけるか。

作者ヒント

 ゾロ目の駒を取れば、それだけで4回!(ミニベロ)

締め切り前ヒント

 13回出て来る数字は4で11手全ての手に4が付きますがそれでは足りないので44着手が2回あります。とどめは玉頭への駒成です。


推理将棋170-4 解答 担当 Pontamon

48 、△34歩、▲46歩、△44角、▲45歩、△64歩、
44歩、△74歩、▲84角、△42玉、▲43歩成 まで11手

(条件)
・11手詰
・棋譜上、同じ数字が13回(11手全着手が4段目か4筋の手で4が11回。4手目△44角と7手目▲44歩は4が2回なので計13回)
・成る手1回、王手2回(成る手:11手目▲43歩成、王手:9手目▲84角、11手目▲43歩成)
・6手目は6筋(6手目△64歩)
・初手は歩ではない(初手▲48飛)

Suiri1704

Suiri1704a先手も後手も同じ数字を含む手を指すのであれば、双方が同じ筋の手を指すのが効率が良さそうです。ではどの筋が良いかを考えると、玉が居る5筋になるでしょう。しかし、6手目は6筋という条件があるので、その手には5が付かないでしょう。6筋着手で5が付くなら65地点の着手しかありませんが、△74歩、△73桂、△65桂なら6手目に65地点の着手ができますが、2手目も4手目も5の数字が付いていません。となると6手目の6筋の手では数字の5を諦めるしかなく、その代わりに55地点の着手で5の数字を稼ぐしかなさそうです。参考図の手順はこの方針で、▲55歩と▲55飛の2手を指して6手目の△62銀で5が付かなかった分を挽回しようとしたのですが、棋譜の5を数えてみると12個なので1つ足りていませんでした。それに王手の数も最終手だけの1回なので条件をクリアできていません。

参考図:▲58飛、△52玉、▲56歩、△51玉、▲55歩、△62銀、▲54歩、△52玉、▲55飛、△51銀、▲53歩成 まで11手

参考図の手順を少し変更して、▲58飛、△54歩、▲56歩、△55歩、▲同歩、△62銀、▲54歩、△52玉、▲55飛、△51銀、▲53歩成 とすれば5は13回、と言っても5手目の▲同歩の着手地点の55で5が2個あると考えたのですが、「同は数字ナシですよ!」と釘を刺されていたのでこの手は使えません。

5筋がダメなら、1手で玉移動ができる4筋か6筋が有力なはずです。6筋だと、▲68飛、△34歩、▲66歩、△同角、▲同飛のように66地点の着手を稼ぐことができますが、同の手は数字なしなので別の手順を考える必要があります。初手▲68飛のあと先後で歩を突き合うと△64歩、▲66歩、△62金、▲65歩、△同歩、▲同飛、△66歩、▲62飛不成、△67歩成、▲61金 の順で詰みはありますが、6の数字が足りません。6の手を稼ぐにはゾロ目地点の66の着手を増やせば良いのですが、▲66歩、▲66飛、△66歩の3手が精一杯でした。となると、同じ数字は4でしょうか。4のゾロ目地点は44なので、後手着手なら△44歩や△44角がありますし、△44角を実現するための△34歩も4が付く手になっていて効率が良さそうです。それに6手目の6筋着手は△64歩が条件を満たしながら4が付いている手なのでピッタリです。先手の攻めは5筋や6筋と同様に飛を振ってから4筋の歩を突き進める手順がメインになるはずです。初手から、▲48飛、△34歩、▲46歩、△44角、▲45歩、△64歩、▲44歩と進めれば同の手なしで7手で4が9回実現できています。残り4手で4が付く手を4回指せば良いので、詰み形を考えてみます。先手の飛は48に居て、先手の4筋の歩は44地点まで進んでいます。後手玉が△42玉と上がれば、▲43歩成で詰ますことができるかもしれません。それには、玉が移動した51地点を先手が抑えるか、後手の駒で埋めるかになりますが、△51金右の手では4の数字を含んでいないので4を13回指すにはもう1手44の着手が必要になります。でも、44の歩は最終手まで動けないので。玉の退路の51地点は先手が抑える必要があります。先手は持ち駒に角があるので▲84角と打って51地点へ角の利きが届くようにできれば良さそうです。そのためには8手目は△74歩の協力手になり、続けて▲84角、△42玉です。8手目に△42玉を指してしまうと▲84角が王手にならないので、王手回数2回を実現できません。8手目の△74歩の次の▲84角の王手に△42玉と逃げて、11手目の▲43歩成で詰みとなりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

ミニベロさん(作者)「こういう優しい問題も時には必要」

■よく目にする条件が多いので優しい気がしますが、いざ解くとなると決して易しくはありません。

NAOさん「4でも6でも良さそうだが、66を使おうとすると同の手が入ってしまう。」

■そうなんですよね。6筋の方がゾロ目地点を使い易いというか後手勝ちの手順ではよく目にする手なので6筋で行きたくなってしまいますが、どうしても同が入ってしまいます。

飯山修さん「64、74の歩を突くのがすごくユニーク」

■6手目6筋の△64歩は完全に詰みとは関係がない余裕手でした。でも、△62金、△62銀、△62飛では詰みにならないという点で秀逸な年賀条件になっていました。

RINTAROさん「51地点を角でふさぐと分かれば、手順は見えてきますが、条件がピッタリですね。」

■玉の退路となりそうな51地点を抑えるための▲84角でした。

原岡望さん「6手目に惑わされました。」

■△62銀や△62飛で壁を作って、居玉を攻める手筋が見えますが、棋譜の4を稼ぐのに同の手なしで42地点の攻防は無理なようです。

ほっとさん「6絡みと決めつけてしまい大苦戦。全着手が4絡みだった。84角が好手。」

■6手目6筋の条件は6筋着手が多い中での非限定や手順前後を避ける条件にも思えます。

るかなんさん「降参 直前ヒント頼みでしたが実らず。48飛から42歩成迄を目指しても飛金銀の守備が堅い。」

■後手の金銀は守備要員ではなく退路閉鎖の担当でした。42玉なら頭金の形が見えます。

諏訪冬葉さん「最終ヒントで43歩成は浮かんだものの51を塞ぐ手順に一苦労。」

■△51金右で51地点を塞ぐと4が一個足りなくなりますね。

はなさかしろうさん「6手目は6筋が待ち手を利用した巧みな条件付けで、この廻りをかなり巡ってしまいましたが、なるほどの84角で、推理が楽しい問題でした。」

■▲43歩成の支えとして△62金からの▲61角が浮かびますが、4を稼ぐことができません。


正解:10名

  NAOさん  飯山修さん  piyoさん  RINTAROさん
  原岡望さん  ほっとさん  テイエムガンバさん  諏訪冬葉さん
  はなさかしろうさん  ミニベロさん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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