推理将棋第172回解答(1)
[2024年4月21日最終更新]
推理将棋第172回出題の172-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第172回解説 担当 Pontamon
2024年の通常出題の初っ端から172-3で余詰を出してしまい大変申し訳ありませんでした。
第171回の推理将棋出題には15名の方々から解答をいただきました。解答、ありがとうございました。
172-1 初級 けいたん 作 敵駒の金頭に金 9手
「9手で詰みか」
「敵駒の金頭に金の着手があったね」
「とどめは駒取りだったな」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 9手で詰み
- 敵駒の金頭に金の着手あり
- とどめは駒取り
出題のことば(担当 Pontamon)
敵駒の金頭への金の着手なので最終手ではないことは明らか。何のため?
作者ヒント
不成2回(けいたん)
締め切り前ヒント
相手の金がピンされていない限り、金頭の金は最終手以外。金頭の金を打って逃げた金を取って詰む。
|
推理将棋172-1 解答 ▲76歩、△32飛、▲33角不成、△42金、▲同角不成、△41玉、 (条件) |
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相手の金頭へ金の手を指すには、まず金の入手が必要になります。先手が後手の金を取れるのは最短で5手目で、金を取れる地点は32地点、42地点、51地点、62地点の4地点になります。32地点で金を取る場合は、3手目の▲33角成か▲22角成をしてその馬で▲32馬を指すことになります。7手目の金頭の金の手は▲62金しかありませんが、32に馬が居て▲62金で王手された後手は△同玉などで62へ打たれた金を取るしか手がないので、32地点の馬を次の9手目に動かして後手玉を詰ますことはできません。となると、金を取る地点は42地点か51地点か62地点になります。参考図の手順では51地点で金を取り、7手目に金頭への金の着手をしていますが、詰ましたのは11手目なので手数オーバーで失敗でした。金を取った9手目は王手ではないので、取った金を62へ打って詰めるには11手が必要でした。
参考図:▲76歩、△62玉、▲33角不成、△51金右、▲同角不成、△61玉、▲42金、△72銀、▲41金、△71玉、▲62金 まで11手
51地点で金を取る手順ではなさそうです。42地点や62地点で金を取る手順ではどうでしょうか。初期配置の金は角の筋違い地点に居るので△42金や△62金とすることで先手の角で金を取ることができるようになります。角の経路は、▲33角不成からの▲42角不成とか、▲44角から▲62角不成、あるいは▲97角からの▲42角不成であれば5手目に金を取ることができます。先手は7手目に金を後手の金の頭へ打ち、最後の9手目で後手玉を詰めることになります。42の金を取っても62の金を取っても7手目の金頭への金の着手を指した時点では先手の角と金は2筋離れた2段目に居ることになり、どちらかの駒を支えにして残りの駒を5筋へ移動させる手が9手目になるはずですが、51地点も52地点も後手の金が利いているので8手目は後手の金を5筋へ移動する手で、その駒を9手目に取って詰めることになるはずです。52地点だと先手の角の利きがないので8手目は△51金のはずで、▲同金では角が浮いてしまうので9手目は51地点の金を角で取る手になります。
思い浮かんだ手順は、▲96歩、△54歩、▲97角、△42金、▲同角不成、△41玉、▲62金、△51金、▲同角成 なのですが、この手順だと10手目に△32玉で逃げられてしまいます。先手着手に余裕はないので、後手の手で32地点を埋めてもらえれば9手で詰む形になりそうです。32地点を埋めると言っても△32銀だと10手目に△31玉と逃げられてしまうので、32地点を埋めるのは飛になります。初手から、▲76歩、△32飛、▲33角不成、△42金、▲同角不成 と進むとこの5手目が王手になるので6手目は△41玉と逃げます。7手目から▲62金、△51金右、▲同角成 で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
けいたんさん(作者)「飛で穴を埋める」
■作者のコメントの2手目の32飛の手に関する短評が多かったです。
斧間徳子さん「5手目に金を取って7手目にその金を打つ順を探すと2手目32飛に辿り着く。」
■最後になって2手目に32を埋める必要があると気付く妙手順。
NAOさん「2手目の退路塞ぎがポイント。」
■後手は先手に金を差し出す必要があるので、2手目から早々と△42金を考えてしまいます。
ミニベロさん「ありそでなさそで、ニッチですね。」
■詰み上がりの主要部分はNAOさん作の「91-1 二段目の悪手」と同じですが、ありそうで中々お目にかかれない形でした。
諏訪冬葉さん「金打ちの時点でどこに玉を逃がすか考えました。」
■金頭への金打ちが王手だと8手目は玉が逃げる手。その場合は打った金を引いて詰めるか金尻への手で詰ますことになり詰み形が無さそう。玉の早逃げ8手の得にならなかった手順でした。
占魚亭さん「54歩の筋ではなかった。」
■△54歩の筋は解説にあった▲97角から42の金を取る手順や▲44角から62の金を取る手順で最終手▲51角成ですかね。それだと32地点とか72地点の玉の退路が塞がっていないので詰みませんね。
中村丈志さん「退路をふさぐ3二飛が難しかったです。」
■詰み形が見えないと△32飛を2手目には指せないですね。
原岡望さん「これはヒントなしでできました。2手目がポイントですね。」
■初級の9手ですので、ちょっとだけ迷ってもらえれば成功。
るかなんさん「32銀 31角と後から壁を作っていては間に合わない。」
■▲76歩、△32銀、▲33角不成、△42金、▲同角不成、△41玉、▲62金、△31角、▲51角成 だと△72金や△51金右が間に合いませんね。
飯山修さん「最終ヒントを読み違え最終手も金と解釈して苦戦。」
■余分な事も書いた締め切り前ヒントがまずかったかな。
ほっとさん「32飛が後から効いてくる。」
■最終手を指して分かる△32飛の意味。
はなさかしろうさん「詰形を見越した2手目△3二飛が好感触でした。」
■詰形が見えていない時は仮の手を指しておくと、詰み上がりに足りたい部分が見えてきます。
RINTAROさん「32飛で逃げ道を封鎖させておくのがポイント。」
■32地点を△32銀としていれば、▲51角不成に▲42金の頭金で詰む形がありますが、金頭の金の手の▲62金から△51金、▲同金だと、31地点は42の角で抑えているつもりが△42玉で角を取られて詰みません。▲角成だと△31玉で逃げられてしまいます。全て見越しての2手目△32飛でした。
正解:15名
斧間徳子さん NAOさん けいたんさん ミニベロさん
諏訪冬葉さん 占魚亭さん 中村丈志さん 原岡望さん
piyoさん テイエムガンバさん るかなんさん 飯山修さん
ほっとさん はなさかしろうさん RINTAROさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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