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推理将棋第173回解答(3)

[2024年5月26日最終更新]
推理将棋第173回出題の173-3の解答、第173回出題の当選者(piyoさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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173-3 上級 小林看空 作 突歩詰             13手

「13手で、めずらしい、初王手の突歩詰で勝ったよ」
「ほう」
「最後は、駒も取らずに、しかも不成だったんだんだよ」
「ほう、それはめずらしい 」
「相手は4手目に玉を動かしたけれどね」
「ふむ」
「双方とも角は動かさなかったんだ」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 13手目の初王手の突歩で詰んだ
  • 最終手は駒を取る手ではない
  • 最終手は不成の手
  • 4手目は玉
  • 双方とも角は動かさなかった

出題のことば(担当 Pontamon)

 最終手は1段目でないことは確か。2段目か3段目での歩不成で詰む形を考えよう。

作者ヒント

 先手の飛車も動かなかった(小林看空)

締め切り前ヒント

 後手の飛車は2回動き、玉は7筋で詰みます。

余詰修正

 会話と条件での「突歩」の前に「初王手の」を追加


推理将棋173-3 解答

▲76歩、△52金右、▲75歩、△61玉、▲74歩、△62飛、
▲73歩成、△82銀、▲63と、△71玉、▲73歩、△61飛、
72歩不成 まで13手

(条件)
・13手目の初王手の突歩で詰んだ(13手目▲72歩不成)
・最終手は駒を取る手ではない(13手目▲72歩不成)
・最終手は不成の手(13手目▲72歩不成)
・4手目は玉(4手目△61玉)
・双方とも角は動かさなかった

Suiri1733

初級問題や中級問題では中段の玉を突き歩で詰めたので最終手は不成の手にはなりませんが、本問では先手の歩の着手の回数制限がないので先手陣の歩を突き進めて行き、歩不成で詰ますことができそうです。

Suiri1733a57の歩を突いて行き▲53歩不成で詰ましてみると、▲76歩、△34歩、▲44角、△52玉、▲56歩、△54歩、▲71角成、△99角不成、▲55歩、△51金右、▲54歩、△42香、▲53歩不成の手順が出来上がりましたが、先手にも後手にも角の着手があるのでいけません。後手は99の香を取って△42香と打つ代わりに2手目に△42飛を指せば角を動かさなくても済みますが、先手の角の着手2回は必要なので省けません。角や馬以外に最終手の▲53歩不成を支える駒があるかと考えて指したのが参考図の手順です。参考図では桂を跳ねて57地点に利かせているので最終手の▲53歩不成を支えているのですが、角とは違い62地点に利きがないので△62玉で逃げられてしまい詰んでいませんでした。

参考図:▲76歩、△42飛、▲77桂、△52玉、▲65桂、△54歩、▲56歩、△55歩、▲同歩、△62銀、▲54歩、△51銀、▲53歩不成 まで13手

歩不成の突き歩で玉を詰めるには、参考図のように玉腹には玉頭への利きが無い駒、すなわち、歩、香、桂、飛の駒で両脇(端玉なら片側。「62-3 2013年の指し初めは?」の13手では最終手が▲13歩不成ですが、駒を取っての歩不成。玉腹は空いていますが先手が抑えています)が塞がっている必要かあります。参考図のような2段目玉なら片脇は飛を配置することができますが、反対側は先手の駒を取って玉腹へ打つしか無さそうです。角は動けないので玉が82地点なら△92香で玉腹へ香を配置できますが91地点が玉の逃げ場になってしまいます。玉の両脇を後手駒で固める場合、詰ます手順には▲36歩、△42玉、▲37桂、△52飛、▲25桂、△51金右、▲33桂不成、△同桂、▲48飛、△32桂、▲46歩、△94歩、▲45歩、△95歩、▲44歩、△96歩、▲43歩不成がありますが手数オーバーの17手も掛かってしまいます。32地点を埋める駒を桂ではなく歩にした場合も17手になります。

どうやら2段目玉を歩不成で詰ますことは難しいようです。初期配置の歩があるので玉の両脇を埋める必要がない3段目玉だと2段目の退路と玉の両隣の筋の4段目の退路が最多で5地点あるのでそれらを先手と後手で塞ぐことは出来なさそうです。となると、玉は1段目になるはずですが、1段目には金や銀が居るのでこれらの対処が必要です。まず思い浮かぶのは81の桂の隣の91地点へ玉が行けば玉腹は桂がある81地点だけなので良さそうなのですが、指してみると2段目玉より手数は短くなったものの、やはり手数オーバーの15手でした。(▲96歩、△52飛、▲95歩、△62玉、▲94歩、△72玉、▲93歩不成、△92香、▲16歩、△82玉、▲15歩、△91玉、▲14歩、△82銀、▲92歩不成)それならば81の桂の反対側の71地点の玉ならどうでしょう?△91玉の時は玉移動のために飛を動かしていたので大丈夫でしたが、△71玉を▲72歩不成で詰めるのであれば82の飛が居座っていては困ります。また、72地点に利きがある61の金の処理も必要になります。これら2つの問題を一気に解決する案は61地点に飛を配置することです。玉の両脇は、歩、香、桂、飛の駒で塞ぐのいう理屈にも合致しています。あと、71地点へ玉が行くには71に居る銀の処置が必要ですが、飛が82から移動した後であれば△82銀を指せますし、△62銀でも良いかもしれません。4手目は玉の手の条件があるので、飛の移動の邪魔にならないように、2手目に△52金右として4手目に△61玉とすれば、その後、△62飛が可能になります。飛が動いたら△82銀を指して、空いた71地点へ△71玉で移動し、空いた61地点へ△61飛とすれば後手の6手の手順が完成しました。(62には飛が居るので△62銀は指せませんでした)

後手の駒配置が完了したようなので駒配置を見てみると▲72歩不成で歩突きの王手をした際に△62玉と逃げることが可能な状態であることが分かります。▲72歩不成を支える駒が▲78飛だとすると歩突き5回と合わせると先手の着手7回のうちの6回を使ってしまいます。たとえ角の手が許されていたとしても62地点への玉の脱出を止めるには▲77角、▲95角の2手が必要なのでうまくいきません。他の方法で先手は62地点を抑える必要がありますが、その方法はどんなものになるでしょうか。先手は7筋の歩を突き進めるので89の桂を使うことができそうです。▲77桂、▲65桂、▲53桂成、▲63成桂とすれば、62地点を抑えることと▲72歩不成の支えにもなるので▲78飛が不要になります。しかし、この手順で先手の手数を数えてみると9手掛かってしまいます。63地点に成駒を配置すれば、62地点のカバーと最終手▲72歩不成の支えの一石二鳥になるのが分かりましたので、63地点に成桂以外の成駒を配置するには何があるかを考えると残っているのは「と金」だけでしょう。かと言って▲66歩から▲63歩成までに4手と▲76歩から▲72歩不成までの5手だと成桂の時と同じで先手は9手必要になります。何処かで2手を短縮する必要があります。▲63歩成と▲72歩不成の手順では6筋と7筋の歩を一から突いていますが、最後の▲72歩不成をする73地点の歩が打った歩であれば手数は少なくて済みそうです。つまり、7筋の歩を▲76歩から▲73歩成としてから▲63ととして、▲73歩の歩打ちから最終手▲72歩不成とする手順です。初手から▲76歩、△52金右、▲75歩、△61玉、▲74歩、△62飛、▲73歩成、△82銀、▲63と、△71玉、▲73歩、△61飛、▲72歩不成で詰みとなりました。

余詰手順

けいたんさんから指摘のあった余詰手順は下記でした。粗検、大変申し訳ありませんでした。

▲38飛、△32金、▲36歩、△41玉、▲35歩、△34歩、▲同歩、△33金、▲同歩不成、△42銀、▲52金、△31玉、▲32歩不成 まで13手

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

けいたんさん(双方解)「歩を成るのが意外でした」

■歩不成までの詰みという言葉に惑わされてしまい、歩成の手は除外してしまいます。

NAOさん(双方解)「突歩で詰めるには玉の脇をどう塞ぐかが鍵。
桂と飛で脇を塞ぐ手順は好手順と思うが、修正含め条件重複があるのが残念。
タイトル、会話は突歩で構わないが、歩不成が突歩とダブっており条件の突歩は不要。
・13手目の初王手で詰んだ
・最終手は駒を取らない歩不成
・4手目は玉
・双方とも角は動かさなかった
でどうでしょう。」

■突歩詰が明示されたことによって、歩不成での空き王手の筋を考えなくてよくなっているという意味はありますね。
最終手が駒を取る歩不成なので余詰ではありませんが、空き王手の一例としては、▲76歩、△32飛、▲16歩、△42玉、▲48飛、△34歩、▲46歩、△33角、▲45歩、△24角、▲44歩、△33玉、▲43歩不成

ミニベロさん「中間ヒントで飛車まで縛られて、ますます分からなくなった。
最終ヒントで、やっとすべて理解した。
ノーヒントでは全く解けません。秀作です。」

■出題は2回目になりましたが、本問が小林看空さんが投稿された処女作でした。処女作は気合が入っていて、秀作が多いですよね。

ほっとさん「歩を打って不成で進めることになかなか思い至らず。」

■連打の歩からの歩の垂らし。歩の持ち駒がある実戦なら何のことはない手筋なのですが手数が短い推理将棋では忘れがち?

原岡望さん「ヒントのお陰ですぐ解決。7筋の攻防と分かれば割に簡単」

■△73玉だと15手掛かってしまうし▲74歩の突歩の手に不成が付かない。△72玉に▲73歩不成では△同桂がある。
ヒント前に▲76歩、△84歩、▲33角成、△62玉、▲34馬、△99角不成、▲56馬、△92飛、▲86歩、△72玉、▲85歩、△82玉、▲84歩、△72香、▲83歩不成や▲76歩、△72飛、▲33角成、△62玉、▲34馬、△99角不成、▲66歩、△51金左、▲45馬、△64歩、▲65歩、△52香、▲64歩、△12香、▲63歩不成の手順を考えた方が居るかもしれませんが、角を使っても手数オーバーの15手です。

RINTAROさん「玉は7筋で詰むが大ヒントで、72歩不成迄の詰め上がり図を考えると理詰めで解けます。」

■後手の手順は、「この駒が動かないとこの手が出来ない」というトコロテン方式/芋づる式?は理詰め可能。

るかなんさん「73歩不成は81桂が邪魔、さりとて73歩不成から72歩不成としていては62や82の退路を塞ぐ暇が無い。
72歩に紐を付けながら62を先手番で塞ぐ一石二鳥の好手があった。」

■解説通りの推理だったようですね。

piyoさん「締め切り前ヒントを見た後も結構苦戦しました。飛車をとる順&玉も62からのルートで考えてしまい迷宮に。飛車をとらない順を考え始めてからはすぐでした。」

■「後手玉は71地点で詰む」のヒントを予定していましたが、地点まで明かすヒントは甘過ぎると考えなおして「7筋」にしました。簡単になり過ぎず、程よい感じだったようですね。

占魚亭さん「締切り前ヒントに助けられました。この詰み形は浮かばなかった。」

■玉の両脇を先手が抑えるか、後手が埋めるか、それらの併用になるので時間をかければ導き出される形のはず。しかし、1段目玉を除外していると辿り着けないかも。

飯山修さん「何とも悠長な攻め方が成立する事に感心。こういう問題を見る度に最終ヒント迄待って良かったと思ってしまう。
だって7筋で詰まそうなんて1秒も考えなかっただろうなと思うから。」

■6筋の歩を進めて▲63歩成をしてから7筋の歩を突き進めて▲72歩不成だと悠長過ぎます。

諏訪冬葉さん「何かを取って歩のひもにすると思ったらとどめの歩を取るとは。」

■してやられた感で、解けた時に脱力してしまう作品でした。

はなさかしろうさん「玉方は1段玉ならだいたいこんな感じと思いましたが攻方の2枚目の攻駒がわからずヒント頼りに。歩のバトンタッチでしたか。詰形が左右ありそうなのに実は一意で綺麗に決まりました。」

■バトンタッチと言っても、▲73歩成のあと▲33角成、▲51馬を指して▲72歩だと打ち歩詰


正解:13名

  けいたんさん  NAOさん  ミニベロさん  ほっとさん
  原岡望さん  RINTAROさん  るかなんさん  piyoさん
  占魚亭さん  飯山修さん  諏訪冬葉さん  テイエムガンバさん
  はなさかしろうさん


(総評)

NAOさん「縛りのある突歩詰特集。駒が取れなかったり角が動かせなかったりすると結構難しい。」

■推理将棋の黎明期では最短手数での詰み形が主流だったでしょうか。一テーマ一作だと新作が枯れてしまいますが、縛る方法の数だけ新作が生まれるてしょう。

ほっとさん「結局最終ヒント待ちに。」

■詰パラと違い、こちらではヒント投入があるので、難問はヒント待ちも作戦のうち。

原岡望さん「今月は優しい出題とヒントで一安心
パラ苦戦中」

■初級と中級は易しめだったようです。

RINTAROさん「久しぶりに締切日前に解けました。」

■久しぶりに快勝気分でしょうか。以前はヒント投入前の解答もあったように記憶しています。出題が段々難しくなっているのかなぁ。

るかなんさん「前2作はヒント無しで、上級は直前ヒントを見て更に頭を捻りました。」

■締め切り前ヒントは後手の着手に関するものだけで、先手の手順を考える余地を残してありました。

飯山修さん「あまり間隔の開かないうちに今年のお正月長編特集について一言。171回の長編作出題は1月出題3月解答でしたが私のような最終ヒント依存症解答者はいくら前に出題されてもあまり目を通そうとしないので意味がない。最終ヒントの早出しをしていただいたほうがもっと解答者は増えたと思います。(それじゃ最終にならないとツッ込まれそうですが)」

■時間があっても取り組む気が起きなければ時間の無駄になってしまいますね。長手数作は易問に限りますね。

諏訪冬葉さん「2か月連続で最終問題に苦戦。相性かな・・・」

■最終問題は難し目の作品になってしまいます。最近の投稿作は12手以上で難しい作品が多い気がします。


推理将棋第173回出題全解答者: 14名

  けいたんさん  NAOさん  ミニベロさん  ほっとさん
  原岡望さん  RINTAROさん  内田昭さん  るかなんさん
  piyoさん  占魚亭さん  飯山修さん  諏訪冬葉さん
  テイエムガンバさん  はなさかしろうさん

当選: piyoさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください

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