推理将棋第173回解答(2)
[2024年5月24日最終更新]
推理将棋第173回出題の173-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第173回出題 推理将棋第173回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
173-2 中級 ミニベロ 作 歩で始まり歩で終わる(C) 11手
「だめ。最近ボケてきて、さっき指した将棋、忘れちゃった」
「たしか先手の歩の手は、初手と最終手だけだったよ」
「そうそう思い出した。それで・・・」
「先手は駒を取らなかったね」
「そうそう、そうだった。それで・・・」
「2手目と7手目は同じ筋だったね」
「そうそう、そのとおり。よく覚えているね、人の将棋を」
「自分の将棋くらい、自分でおぼえておけよ!」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 11手詰
- 先手の歩の手は、初手と最終手だけ
- 先手は駒を取らない
- 2手目と7手目は同じ筋
出題のことば(担当 Pontamon)
先手は使わなくても駒取りができません。初期配置の駒を活用することになります。
作者ヒント
先手の初手と最終手は歩ですが、残りの4手は1枚の駒です(ミニベロ)
締め切り前ヒント
後手も最初の2手目は歩で、残り4手は1枚の駒です。
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推理将棋173-2 解答 ▲26歩、△34歩、▲38銀、△42玉、▲27銀、△33玉、 (条件) |
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最終手が歩突きならば、突き歩での詰みか歩を突いての空き王手の詰み形のはず。まずは空き王手を考えてみます。
△44玉を▲76歩の空き王手で詰めるには、玉頭の45地点や35地点を抑える必要がありますが。初手▲36歩で▲46歩も指せば35地点と45地点をカバーできるけど、先手の歩の手は初手と最終手だけなので▲36歩と▲46歩の両方は突けません。初手▲36歩で35地点を抑え、その後▲37桂で45地点を抑える形があり、2手目が△34歩なら▲37桂を7手目に指せば条件をクリアできます。
あと抑えなければいけないのは54地点と64地点。先手の玉や金でこれらの地点を抑えての空き王手の手順がありましたが、▲56歩を突けないので57経由で▲65玉や▲65金はできません。▲56歩を突ける条件だったとしても、先手に残されている着手は3手目と5手目の2手なので手数オーバーになります。
2手目が△42玉なら37経由で7手目に▲46金を指せて、▲56金から▲65金を指せますが▲65金が11手目になるし▲46金で抑えた45地点のカバーが外れてしまいます。それなら先手が45地点を抑えなくて良いように後手の駒を45地点に配置してみたのが参考図の手順です。先手は駒取りなしで▲76歩の空き王手で詰めることができましたが手数オーバーの13手。しかも2手目と7手目は同じ筋の条件をクリアできていませんでした。
参考図:▲36歩、△34歩、▲38金、△42玉、▲37金、△33玉、▲46金、△44玉、▲56金、△33桂、▲65金、△45桂、▲76歩 まで13手
どうやら最終手の歩突きが空き王手になる手順ではなく、本問は突き歩による詰み手順のようです。空き王手はダメそうなので端玉の△15玉を▲16歩で詰める形を目指してみます。△34歩を突いて後手玉が15地点まで来るのであれば、後手に手数の余裕はありません。または、△24歩を指して23経由で△15玉まで移動してから△14歩で退路を断つ形も手数が足りません。となると、玉が14へ引けないように先手が14地点を抑える必要があるのでしょうか。歩突きは最後の▲16歩しかできないので初手を▲36歩として▲37桂で25地点を抑えるとして、14地点と24地点はどうするのかが問題です。先手の駒で14地点と24地点の退路を断つ必要があるので、25地点に金気の駒を配置すれば14と24をカバーできます。しかし、▲25金だと△15玉は王手放置の反則になるので指せません。14地点と24地点を25地点の駒で抑えても、それをすり抜けて△15玉を指せるようにするには、▲25銀が良さそうです。その銀の支えが必要なので、初手で▲26歩を指すことになります。初手から▲26歩、△34歩、▲38銀、△42玉、▲27銀、△33玉と進み、7手目は2手目と同じ3筋の▲36銀が可能です。8手目から△24玉、▲25銀、△15玉と進み11手目の▲16歩で詰みとなります。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
ミニベロさん(作者)「こっちが初級ですね。10手で作らないと。」
■駒取り無しの条件は11手でなければ使えないので、意味のある11手作でした。
けいたんさん「駒取りなしならこの手順」
■予習の効果があったのかな。
NAOさん「駒を取れないときは金駒を使いましょう。」
■後手の中段玉を空き王手で詰める時は金か玉の出番でしたが、
ほっとさん「端玉には端歩その2。173-1の手順がちらついて9筋で玉を詰めようとしてしまった。」
■手数が増えるのは先手なので、駒取り無しを実現するための後手の協力手の△54歩は指せないままなんですよね。
原岡望さん「1と似たような発想」
■駒取り無しなので馬を作れず、銀が上がって行って解決。
RINTAROさん「詰め上がり図が思い浮かばず、苦戦しました。」
■「玉頭へ歩を突く」という主要部分は思い浮かぶのですが、玉の周辺地点のカバーをどうするかがネックになりますね。
るかなんさん「飛先の攻めには銀がよく似合う。」
■名人戦第三局でも出た棒銀ですね。
占魚亭さん「こちらも端で仕留める。金では強すぎるので銀。」
■馬は作れないので初級の馬の代わりに▲35金だと14地点をカバーできずに困ったなぁとなりがち。攻撃力を落として銀が正解でした。
飯山修さん「8筋で試して86歩を取られてダメだったが、2筋なら取られないことに気が付かず数時間無駄をした」
■▲85銀を支える初手▲86歩だけど、▲86歩を支えている駒がありませんでした。なので初手▲76歩で▲85銀は▲77桂で支えようとしたら手数オーバーですね。
諏訪冬葉さん「2手目と7手目の条件で手順前後その他が消えていた。」
■うまい条件設定でした。
はなさかしろうさん「腹銀? 銀腹玉というべきでしょうか。「2手目と7手目は同じ筋」がぴったりでした。」
■筋違いなので腹角を配置することはできません。たとえ▲25角ができたとしても△24玉で逃げられてしまいますね。
正解:13名
けいたんさん NAOさん ミニベロさん ほっとさん
原岡望さん RINTAROさん るかなんさん piyoさん
占魚亭さん 飯山修さん 諏訪冬葉さん テイエムガンバさん
はなさかしろうさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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