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推理将棋第173回解答(1)

[2024年5月22日最終更新]
推理将棋第173回出題の173-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第173回出題  推理将棋第173回解答(1) (2) (3)
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推理将棋第173回解説  担当 Pontamon

今月も余詰を出してしまい、粗検、大変申し訳ありませんでした。
第173回は14名から解答をいただきました。いつも解答ありがとうございます。
あっ、いつもじゃなくて初解答の内田昭さんがおられました。今後とも解答をよろしくお願いします。


173-1 初級 けいたん 作 歩ではじまり歩で終わり不成なし 10手

「10手で詰みか」
「歩の着手は初手と2手目と最終手だけだな」
「不成はないね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 10手で詰み
  • 歩の着手は初手と2手目と最終手だけ
  • 不成なし

出題のことば(担当 Pontamon)

 先後が換わって、後手の最初の手と最後の手が歩です。先手の初手も歩。

作者ヒント

 端の手あり(けいたん)

締め切り前ヒント

 後手の歩の手は1枚の歩を2回突きます。


推理将棋173-1 解答

36歩、△14歩、▲48玉、△13角、▲37玉、△57角
▲26玉、△35馬、▲16玉、△15歩 まで10手

(条件)
・10手で詰み
・歩の着手は初手と2手目と最終手だけ(初手▲36歩、2手目△14歩、10手目△15歩)
・不成なし(6手目△57角成)

Suiri1731

Suiri1731a攻め方の歩の着手が初手と最終手だけとなると、突き歩での詰みか空き王手での詰みになるはずです。空き王手の手順の最短は9手で、9手の場合は両王手となる空き王手の1手順しかありませんが、10手だと両王手以外の単純な空き王手の手順が多数存在しています。その中で、後手の歩の着手が2手目と10手目では、たとえば、▲76歩、△34歩、▲66角、△同角、▲48玉、△57角成、▲38玉、△92角、▲46歩、△84歩の手順がありますが、この手順では歩の着手が条件で指定されている初手、2手目、最終手以外に9手目も歩の着手になっているので失敗手順になります。歩の着手が初手、2手目、最終手の3手だけの空き王手の手順を探してみたのが参考図の手順になります。これで解けたと思ったのですが、4手目の△77角不成が不成の手であるため「不成なし」の条件をクリアできていなかったので失敗手順になります。

参考図:▲86歩、△34歩、▲68玉、△77角不成、▲78玉、△33角成、▲87玉、△32馬、▲98玉、△44歩 まで10手

どうやら最終手の歩突きが空き王手になる手順ではなく、本問は突き歩による詰み手順のようです。

過去作を調べてみると突き歩詰の最短手数は10手で「2-2 突歩詰」の1作だけ見つかりました。この作品の手順では歩の着手は6手あったので、本問では半分の3回の歩の着手(初手、2手目、最終手)で詰める必要があります。端玉の形だと玉の隣の筋が1つだけなので退路を塞ぐ地点が少なくて済みますが、玉の前後が問題になってきます。▲15玉を突き歩で詰ますなら△14歩ですが、この駒配置だと▲16玉のように玉を下がる手での逃げ場所があるからです。先手の5手の着手では▲15玉とするのが精一杯で玉の退路を自ら塞ぐ▲16歩の協力手を指せないからです。また、▲15玉へ向かうために通って来たはずの▲26玉も玉の逃げ場になります。ということは、玉が下がって逃げられない位置の▲16玉が△15歩で詰まされることになりそうです。後手の歩の手は2手目と最終手だけなので必然的に2手目は△14歩になります。16地点の玉が△15歩の王手をかわすとすれば、後ろには下がれないので、斜め前の25地点と脇の26地点の2地点になります。となると後手は25地点と26地点を抑えつつ先手玉を16地点へ追い詰める手順の後に△15歩の突き歩で詰めるはずです。2手目に△14歩としているので角を使えそうです。初手から▲36歩、△14歩、▲48玉、△13角、▲37玉、△57角成と進んで、後手は馬を作ります。25地点と26地点を抑えるには馬を35地点へ引くことになります。7手目から▲26玉、△35馬、▲16玉、△15歩で詰みとなりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

けいたんさん(作者)「不成ありだと余詰」

■参考図の手順ですね。△22角成から△32馬とする手順と合わせて1種類2手順になります。

NAOさん「簡素な歩の条件で突歩詰へ誘導。」

■成らない歩の手が最終手の10手は多くはないようです。

ミニベロさん「これ、シンプルでいいです。10手でやれるなら11手は要らないね。」

■1筋の端玉を端歩で詰める手順は10手でも11手でも過去作はいろいろあった感じでしたが意外と無かったです。

ほっとさん「端玉には端歩その1。」

■その1は端歩を2回突く手筋でした。

原岡望さん「端がポイントと分かれば解決」

■飛の筋と香の筋があるので9筋が良さそうに思えますが上手くいきません。

RINTAROさん「詰め上がり図の推測が当たったので、瞬殺できました。」

■双方の角が使えるので、10手でも11手でも1筋が良いのですね。

内田昭さん「さっぱりワカラン条件が上手」

■この短評は初級に対するものだったのか、解答が無かった中級と上級に向けてのものなのか....。メールソフトの仕様なのか、改行が無くて全てつながったテキストだったので区切りが分かりませんでした。

るかなんさん「五段目まで歩を突くイメージがわけばしめたもの。」

■後手の歩の手は最初と最後の2手だけなので、別の筋に分散させてしまいそうです。

占魚亭さん「歩突き2回で詰ますには端が最適。」

■2番目の筋へ玉を逃げられなくする工夫が思い浮かべば簡単。

飯山修さん「2番の問題から手掛け駒が取れれば10手で成立するのにと思ったら何とそれがこちらの作意だった」

■使いたいから駒を取るのではなく、成りたいだけなんですよね。

諏訪冬葉さん「歩で詰めるためには飛車がいる左に追いたくなるが右だった。」

■後手が歩の5手だけなら左の9筋ですね。

はなさかしろうさん「なぜか不思議な感じのする詰上り。標準で刷り込まれている9手の形とはひと味違った無骨な風情があるからでしょうか。」

■後手の駒配置が初形と殆ど変わっていないので、何か違和感があるのかも。


正解:14名

  けいたんさん  NAOさん  ミニベロさん  ほっとさん
  原岡望さん  RINTAROさん  内田昭さん  るかなんさん
  piyoさん  占魚亭さん  飯山修さん  諏訪冬葉さん
  テイエムガンバさん  はなさかしろうさん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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