推理将棋第174回解答(2)
[2024年6月24日最終更新]
推理将棋第174回出題の174-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第174回出題 推理将棋第174回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
174-2 中級 小林看空 作 27飛成 12手
「12手で詰められてしまったんだ」
「あれれ」
「最初、歩を突いて、あとは王だけ動かしていたのがいけなかったのかなぁ」
「そうだね、後手も歩突きは2手目だけだったらしいね」
「途中一回だけ王手をかけられて、最終手は、27飛成なんだけれどね」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 12手で詰み
- 歩の手は初手と2手目のみ
- 3-11手目、先手は玉だけ動かした
- 先手は途中一回だけ王手をかけられた
- 最終手27飛成
出題のことば(担当 Pontamon)
先手の初手以外の5手は玉の手。玉の手が多過ぎるような気がしますか?
作者ヒント
27の龍はオリジナルではない(小林看空)
締め切り前ヒント
玉は4手で行ける16で詰みます。何処でもう1手指すか?
|
推理将棋174-2 解答 担当 Pontamon ▲36歩、△14歩、▲48玉、△13角、▲37玉、△46角、 |
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先手の着手は初手以外は全て玉の手なので、後手の飛が3筋や4筋から出て来る手筋は使えません。すなわち、後手は先手の飛を取って、それを使わなければ最終手の△27飛成を実現できません。
歩の手が初手と2手目だけで、後手が先手の飛を取るとなれば、▲36歩、△34歩で歩を突いて、△55角で28の飛を取る手順が思い浮かぶでしょう。先手は3手目から玉の手を5回指さなければいけませんが、28の飛が後手に取られることを前提にすれば、3手目の▲68玉から▲28玉まで玉の5回移動ができ、玉頭の△27飛成で詰まされることになりそうです。この方針で指してみたのが参考図の手順になります。後手が28の飛を取ったあとに先手の玉が28地点へ来れるように28の馬移動2回したことにより飛を打つタイミングが遅くなり、手数オーバーの14手になってしまいました。玉移動は28地点までの5回を予定していたのですが12手では詰まず、先手は初手以外は玉の手を指す必要があり、6回目の玉の手になってしまいました。
参考図:▲36歩、△34歩、▲68玉、△55角、▲58玉、△28角成、▲48玉、△46馬、▲38玉、△36馬、▲28玉、△24飛、▲18玉、△27飛成 まで14手
最終手の△27飛成を支えるために27地点に利きが届く位置へ馬を移動するのに2手かかっていますが、飛を取ったあとに馬を移動させたのは玉が28地点へ来れるようにするためなのも理由のひとつでした。しかし、飛を取ったあとに馬を28のままにしておけば△27飛成を支えることができるので手数を節約できるはずです。△27飛成で詰まされる玉は28地点だけとは限りません。参考図のように▲18玉も△27飛成で詰みます。△28角成で飛を取ったあとに先手玉が27地点へ近づくことはできないので、28地点に馬を残すのであれば、角成で飛を取る前に、28地点の馬の利きが届かなくて且つ△27飛成の利きがある地点へ先に玉を移動させる必要があります。見つけた手順は、▲36歩、△34歩、▲48玉、△14歩、▲37玉、△55角、▲26玉、△28角成、▲15玉、△24飛、▲16玉、△27飛成の手順で、16地点の玉が詰まされる形です。でもこの手順だと後手の歩が2回突かれているし△24飛の飛打ちが2回目の王手になっているので条件をクリアできていません。4手目の△14歩は▲15玉ができないように15地点を抑えているので28の馬と27の龍での詰み形には必須になっています。となると、2手目に指した△34歩を指さずに2手目に△14歩を突いて、△13角から角が出て行き△28角成で飛を取る手順が可能かもしれません。初手から▲36歩、△14歩、▲48玉、△13角、▲37玉、△46角で初王手をして、7手目から▲26玉、△28角成で飛を取ります。9手目に先手玉が詰まされる地点の▲16玉を指せるのですがそれだと11手目には16地点を離れる玉の手を指さなければいけません。一方、10手目の飛の打ち場所ですが最終手で△27飛成をさせる地点へ飛を打つことになりますが、候補としては24、25、26、37の4地点があるのですが9手目に16の玉が移動する手との絡みになります。11手目に▲16玉を指せる地点へ26地点の玉が動ける地点は25しかありません。玉が25地点に居る場合、△24飛では2回目の王手になるので飛を打てる場所は37しかありません。9手目から▲25玉、△37飛、▲16玉、△27飛成で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
RINTAROさん「16玉の詰め上がり図で考えたら、解けました。」
■詰み上がりでは27地点に龍が居るので、玉位置は、2筋、7段目の他に16地点、18地点、36地点、38地点を考えることになりますね。
るかなんさん「初手34歩~9手目15香と指せれば26玉27飛成で詰むのになあと暫し考え込み。34歩で抑える必要は無かった。」
■▲26玉の場合、△34歩を突いていないと▲35玉と逃げる手が指せますね。手数合わせの▲25玉の次に▲26玉と戻らずに▲16玉と近道をすると解決しました。
諏訪冬葉さん「飛車は28で取るしかなさそうなので上に追い出す順を考えました。」
■先手玉と後手角のすれ違いが課題でした。
NAOさん「9手目は5段目に寄り道。」
■担当は条件を見た瞬間、玉の最初の手は▲58玉だと思いました。途中の寄り道でしたね。
ミニベロさん「25玉が不思議な待ち手。でもこれで割り切れているのか。」
■野球で2塁ベースを行き過ぎた時には直接1塁へは戻れず、2塁を一旦踏む必要があるように、行き過ぎた際には元の道へ戻るのが普通ですが、玉なら斜め後ろへ行ける利点を利用して直接16地点へ。
原岡望さん「端歩に端玉」
■2手目の端歩を突く時点で端玉が見えていた?「端玉に端歩」ではなくて「端歩に端玉」の短評でした。
飯山修さん「過去問で最も近いと思われる37-3を参考にして何とか到達。15脱出防止に14歩を使うのがミソ」
■先後反転の▲83飛成までの作品ですね。
内田昭さん「解図欲のわく作者名」
■現時点で3作ほど在庫があります。乞うご期待。
占魚亭さん「先手王のテンポ・ムーブ。」
■手損と言うべきなのか待機策と言うべきなのか。先手玉は詰まされたので手損ですかね。
ほっとさん「あえて1手余分に使う25玉が渋い。」
■最初に▲58玉だと後手角とのすれ違いに問題が生じ、中段へ出てからの玉での手待ちは▲25玉しか指せませんでした。
はなさかしろうさん「先手玉の手数合わせも自然に決まって気持ちよく解けました。」
■後手の角の手とのタイミングがあり、先手玉の手数合わせはこのタイミングでこの手しかありませんでした。
桝彰介さん「分かりませんでした。最後、どうしても2七飛成の後に1五玉と逃げられて詰みませんでした。」
■▲15玉と逃げられないように△14歩から△13角で角が出ることで一石二鳥。
正解:13名
RINTAROさん るかなんさん テイエムガンバさん
諏訪冬葉さん piyoさん NAOさん ミニベロさん
原岡望さん 飯山修さん 内田昭さん 占魚亭さん
ほっとさん はなさかしろうさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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