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推理将棋第174回解答(1)

[2024年6月22日最終更新]
推理将棋第174回出題の174-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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推理将棋第174回解説  担当 Pontamon

第174回は15名から解答をいただきました。いつも解答、ありがとうございます。
今回は余詰は無かったものの、出題文を精査できていなくて余詰より悪い不詰の出題文になっていました。大変申し訳ありませんでした。


174-1 中級  けいたん 作  27飛成まで         12手

「27飛成まで12手で詰みか」
「5~9筋の着手は無かったな」
「歩を取るのは1度、8手目だけだね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 27飛成まで12手で詰み
  • 5~9筋の着手無し
  • 歩を取るのは1度、8手目だけ

出題のことば(担当 Pontamon)

 着手があったのは1筋から4筋までの4つの筋なので先手玉はこれらの筋のいずれかに居ます。

作者ヒント

 終局時38に玉がいる(けいたん)

締め切り前ヒント

 8手目は17の歩を角成で取ります。

出題文訂正

会話:「5~9筋は釘付けだな」を「5~9筋の着手は無かったな」に訂正
条件:「5~9筋は釘付け」を「5~9筋の着手無し」に訂正


推理将棋174-1 解答

▲26歩、△34歩、▲25歩、△44角、▲26飛、△同角、
▲48玉、△17角成、▲38玉、△26飛、▲48銀、△27飛成 まで12手

(条件)
・27飛成まで12手で詰み(12手目△27飛成)
・5~9筋の着手無し
・歩を取るのは1度、8手目だけ(8手目△17角成)

Suiri1741

Suiri1741a歩を取る手は8手目の1回だけという条件なので、△32飛、▲33角不成、△同飛や△44歩、▲同角、△同飛のような後手の飛が出て行く鉄板手筋は使えません。また、最終手の△27飛成で初期配置の27の歩を取ることもできないので困ってしまいました。「普通に考えて解けないときは、先ずこの「両王手」を疑ってみる」という「覚えておきたい推理将棋の基礎知識 6」の言葉が思い出されます。そこで、歩を取る手が8手目の1回だけで先手の飛を取って両王手で使う手順が参考図の手順です。しかし、手数オーバーの14手になっていますし、「5~9筋の着手無し」の条件に反して5筋の手の△55角があるので全くの失敗でした。

参考図:▲26歩、△34歩、▲25歩、△55角、▲26飛、△24歩、▲48玉、△25歩、▲38玉、△26歩、▲36歩、△37飛、▲28玉、△27飛成 まで14手

後手は自分の飛が出て行けないので先手の飛を取る必要があるのですが、参考図のように△55角で28の飛を取ることはできますが「5~9筋の着手無し」の条件に反するので別の手順で先手の飛を取る必要があります。5筋を使えないので△44角で4筋を使った場合、6手目に取れる17の歩を8手目に△17角不成で歩を取り、△28角成で飛を取って△17飛から△27飛成の手順だと手数が足りません。6手目に取れる歩を8手目に取るのが無駄になっています。初期配置の28の飛を取るのは難しそうなので、飛を移動して別地点で飛を差し出すことを考えなければいけません。後手は歩を取ってから飛を取ると、飛取りが10手目になるため、12手目に取った飛を打っていては手数オーバーになるのが明白です。ということは、8手目に歩を取る前に飛を取る必要があることになります。つまり、6手目に飛を取り、8手目に歩を取る手順を考えればよいのです。後手の歩を突き進めると飛を取る前に歩を取ることになるので、飛を取るのは角しか無さそうです。2手目△34歩で4手目は△44角なので、この角筋に5手目までに先手の飛を配置しなければいけません。角の利きは35地点、26地点、17地点ですが、5手目までに△35飛は指せないので飛を配置するのは17地点か26地点になるでしょう。17地点なら、▲16歩、▲18飛、▲17飛の手順があります。17地点の飛を△17角成で取って8手目に△27馬で歩を取り、△26馬、△17飛、△27飛成と進めば△26馬が△27飛成の支えになって好都合です。あとは先手の7手目から11手目までの3手で玉を▲48玉、▲38玉、▲28玉の手順で移動すれば詰み形になるはずなのですが、指してみると6手目の△17角成のあとの7手目から▲48玉、△27馬までは問題ないのですが、27に馬が居るため9手目の▲38玉を指すことができません。

となると、飛を取らせるのは26地点しか残っていません。初手から、▲26歩、△34歩、▲25歩、△44角、▲26飛の手順で5手目に26地点へ飛を配置することができるので、続く6手目から△26同角、▲48玉と進みますが次の角で歩を取る手では角成にして最終手を支える必要があるため、37地点の歩ではなく17地点の歩を取る△17角成が8手目になり、9手目は▲38玉です。17地点に馬が居るので先手の玉は28地点へは行けないので38地点で詰まされる必要があります。今通って来た48地点が玉の退路になるので先手駒で埋める必要があります。39の銀を▲48銀としても17の馬が39地点に利いているので玉の退路にはなりません。後手は10手目の飛の打ち場所ですが、△28飛だと▲同銀とするしかないので28地点へ飛を打つことはできません。最終手で△28飛成を指せる飛の打ち場所として26地点が空いていました。10手目から△26飛、▲48銀、△27飛成で詰みとなりました。

不詰みの出題文のお詫び

出題時は「5~9筋は釘付け」となっていたので、先手玉も動けないため不詰みになっていました。粗検、大変申し訳ありませんでした。
投稿作品の余詰検討の際、釘付けの対象駒は後手の駒だけだったのです。その後、5~9筋の着手を禁止する必要があったのですが、釘付けの文言のままでカバーされていると勘違いしていました。
「釘付け」の条件は、釘付けを指定された駒が動くことも、その駒を取ることも禁じる条件として使われるものです。過去例だと「金銀は釘付け」のように使用されていました。今回は駒ではなく筋の指定だったので、正しくは指定された筋に初期からある駒が釘付けと解釈されるべきものでした。指定された筋へ入って来た駒が動いたり取られたりしないというものではありません。
出題時の文章だと「後手」が抜けていたので先手の玉も動けず、居玉のまま詰ます必要があり、この場合は不詰みとなります。ちなみに、「5~9筋は釘付け」「歩を取るのは1度、8手目だけ」の条件のままで△27飛成の手で59の玉を詰ますには空き王手の手筋で24手かかりそうです。△27飛成の手で59の玉を詰ますだけなら16手。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

RINTAROさん「角で飛を取って、歩を取って成って、飛を打って成るしかないので、考えやすかったです。」

■8筋の着手ができたとしても、▲26歩、△84歩、▲25歩、△85歩、▲24歩、△84飛、▲58飛、△24飛、▲48玉、△29飛不成、▲38玉、△35桂、▲48飛、△27飛成の手順だと手数オーバーの14手。

るかなんさん「先に飛車を渡すために車庫出し。最終手が27で歩を取っていない条件がうまい塩梅の誘導。」

■先手の飛を後手が取る場合、28地点のまま、▲78飛や▲68飛と振った飛を取ることが多いですね。車庫出しはあまりないかも。

諏訪冬葉さん「後手の飛車が使えないので先手の飛車を取るのは必須。という前提で「駒取りは8手目だけ」と条件を誤読してはまりました。」

■先手の飛を取る駒取りは6手目だけだとしても▲48金寄が間に合いませんでした。▲48玉、△34歩、▲36歩、△55角、▲26歩、△28角成、▲37桂、△18馬、▲38玉、△29飛、▲58金左、△27飛成。6手目の無駄手を指して8手目に飛を取って、▲48金寄も指すと手数オーバーの14手。確かにはまりますね。

piyoさん「別解(何か私が勘違いしていたらすみません)」

■一瞬、余詰があったのかと驚きましたが、最終手の△27飛成で歩を取っているので別解の手順では条件をクリアできていませんでした。

NAOさん「8手目17角成がぴったり。」

■8手目に先手の歩を取るとなると、2手目以降は歩を突き進めて行くのかと思い込むと大変。

ミニベロさん「最初の条件では居玉ですね。」

■5筋釘付けだと玉が動けないですね。釘付け条件を見ても5~9筋の着手が無いからOKって思ってしまいました。

原岡望さん「角に託すと分かれば容易」

■出題文へのコメント、ありがとうございました。不詰の出題文を早々に修正することができました。

飯山修さん「釘付けでは玉も動けないと思ったらやはり訂正が出てほっとした。飛車先交換を考えたが歩が1回しか取れないので断念。次に飛車を差し出してもらう手順に取り掛かったらあっさり。」

■粗検、申し訳ありませんでした。

中村丈志さん「ヒントがあったので、電車の移動時間でなんとか解けました。」

■暗算で解ける方は電車での時間潰しにピッタリなのかも。

内田昭さん「プルーフゲームとして成立している」

■終局図を提示するだけで手順が確定しているタイプですね。

占魚亭さん「後手は角を使うのがベストなので、見えやすかったです。」

■後手の飛を使うには、飛が3筋からでも4筋からでも後手の歩を取る必要があるので、後手角で先手の飛を取ることを考え易かったと思います。

ほっとさん「3作中で一番読みやすい。」

■8手目が歩を取る手なら、飛は6手目に取っておかないと10手目の飛打ちからの27飛成ができない。と理屈は見えても△55角を指せないので困ってしまいます。

はなさかしろうさん「手数の割に解きやすかった。馬が良く利いています。」

■玉の退路を塞ぐ▲48銀。銀が動いた39地点を抑えるためならなら8手目は△17角不成でも良いのですが、それだと△27飛成を支える駒がないので8手目は△17角成。それぞれの手が絡み合っています。

桝彰介さん「歩成までの7手基本手順にも出てくる、11手目飛車による逃げ道封鎖を発見して解決しました。」

■短評を見ると11手目の棋譜の書き間違いでは無さそうなので不正解とさせていただきました。


正解:14名

  RINTAROさん  るかなんさん  テイエムガンバさん
  諏訪冬葉さん  piyoさん  NAOさん  ミニベロさん
  原岡望さん  飯山修さん  中村丈志さん  内田昭さん
  占魚亭さん  ほっとさん  はなさかしろうさん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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