推理将棋第176回解答(2)
[2024年8月23日最終更新]
推理将棋第176回出題の176-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第176回出題 推理将棋第176回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
176-2 中級 けいたん 作 角を不成で取る手まで 11手
「角を不成で取る手まで11手で詰みか」
「後手玉は連続で動いたな」
「歩の着手は初手と2手目と3手目だけだね」
「初手と2手目は同じ筋の着手だな」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 角を不成で取る手まで11手で詰み
- 後手玉は連続で動く
- 歩の着手は初手と2手目と3手目だけ
- 初手と2手目は同じ筋の着手
出題のことば(担当 Pontamon)
最終手で取る目標の角の位置と最終手の駒は?
作者ヒント
端の手あり(けいたん)
締め切り前ヒント
9手目は端筋で駒が成る手。この成駒は動きません。
|
推理将棋176-2 解答 担当 Pontamon ▲36歩、△34歩、▲76歩、△32銀、▲37桂、△42玉、 (条件) |
![]() |
角を不成の手で取る最終手はどこなのかを考えてみます。不成と言っても後手陣の手とは限りません。9手の両王手の手筋で、▲82角不成で飛を取って、▲92飛と打って、▲64角不成や▲55角不成での両王手が可能かもしれません。角を不成で取る手までなので後手は△64角か△55角を指す必要があるのでどちらの形でも手数オーバーの15手になりそうです。どうやら、後手角は後手陣にある角が最終手で取られるようです。それでは、先手のどの駒で後手陣の角を取るのでしょうか。2筋の歩を突き進めて▲23歩成から▲13とを指せば22の角に飛が直射するので▲22飛不成で32の玉を詰める形がありそうですが、ないものねだりの歩突きはできません。▲26歩、▲25歩までならその後、▲26飛、▲X6飛、▲X3飛不成で後手陣へ飛は入れますが▲22飛不成は指せません。後手が△34歩から△33角としていれば先手は9手目の▲43飛不成から11手目の▲33飛不成で角を取ることができますが、21の桂の守りがあるし、詰み形がありません。つまり、飛不成で角を取る手順は無さそうです。次は、銀を取って、打って、▲22銀不成で詰む形を考えるのですが、▲36歩、△34歩、▲96歩、△42銀、▲97角、△33桂、▲53角不成、△52金左、▲42角不成、△41玉、▲31銀、△32玉、▲33角不成、△21玉、▲22銀不成 では手数オーバーの15手でもまだ詰んでいません。銀の両腹(32地点は角頭でもある)の退路が塞がっていないからですが、先手の持ち駒の桂を▲24桂と打てていれば銀の両腹を抑えることができたはずです。
あと残っている駒種で有望なのは角しかありません。角も銀同様に両腹や角頭、角尻に玉の退路が残り易い駒なので工夫が必要です。桂を取って桂打ちで玉の退路の2地点を同時に抑える手筋を使って、33地点の角を▲33角不成で取ってみたのが参考図の手順になります。この図だと△52飛が間に合わなくて詰んでいない形になっていますが、暗算で詰み手順を考えた際には9手目は玉の両脇の32地点と52地点を抑えるための▲44桂を考えていたのですが、▲44桂を打ってしまうと最終手の▲33角不成を指せなかったので仕方なく32地点を抑える▲24桂にしたのでした。
参考図:▲36歩、△34歩、▲76歩、△33桂、▲37桂、△25桂、▲同桂、△42玉、▲24桂、△33角、▲同角不成 まで11手
33の角を角不成で取る手順ではないとすると、初期配置の22の角を角不成で取るのが最終手でしょうか。33地点だと21の桂が利いていたので△33桂を指してその桂を取って使おうとしましたが、22地点は31の銀が利いています。▲22角不成で角を取っての王手だと、後手玉はどこに居るのかと言うと31地点のはずです。もし11地点や13地点の場合は、21か23を経由して11地点へ移動したことになり11地点を空けるための△12香の手も必要になり手数オーバーになります。玉が△31玉で最終手が▲22角不成の王手だとすると32地点が後手の駒で塞がっているか先手の駒で抑えられていなければいけません。△32銀を指していれば△31玉の手も可能になり、32地点を埋めることも出来て一石二鳥です。△31玉の前は△42玉だったはずなので42地点の退路封鎖は△42飛になります。残った課題は▲22角不成を支える駒です。参考図の手順では桂を入手することと最終手の▲33角不成を支えるために▲25同桂を指していましたが、この7手目に▲25桂を指して9手目に▲13桂成をすれば22地点の角を支えることができます。したがって、初手からは▲36歩、△34歩、▲76歩、△32銀、▲37桂と進み、6手目からの後手の2手は玉の連続着手になり、△42玉、▲25桂、△31玉、▲13桂成と進み、10手目の退路を塞ぐ△42飛に▲22角不成で詰みとなります。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん「歩が使えないので右桂の3段跳ね」
■桂は最下段の配置なので遠いようですが、2マスずつ前へ進めるので3段跳ねで駒成が可能ですね。
RINTAROさん「22角不成の紐が右桂であることに気付けば解決。」
■▲13桂成に気付いた時点で解図完了だったはず。
るかなんさん「23歩成まで7手が思い浮かべば目指す形はわかりやすい。」
■▲26歩、△34歩、▲76歩、△32銀、▲25歩、△42玉、▲24歩、△31玉、▲23歩成、△42飛、▲22角不成の手順が浮かべば、2手目に合わせて初手は▲36歩で、2筋の歩を突き進めないので29の桂の三段跳ねの▲13桂成で23のと金の代用ですね。
ミニベロさん「これは、歩を突いていくか桂が跳ねるかの2択。」
■最終手の▲22角不成が見えると、支え駒は2択になりますね。歩成は▲13歩成と▲23歩成の2通り。
原岡望さん「序盤は分かったが詰筋は締め切り前ヒントにおんぶ」
■最終手で取られる後手の角が初期配置から動くとしたら2手目は△14歩か△34歩。先手角が22へ直射するように2手目△34歩と3手目▲76歩は考え易いけど、もしこれが罠だったら大変なことになるところでした。
飯山修さん「直前ヒントで13の成駒の支えで22角を取る事が判ったが飛車で取る方法を選んで失敗。
角で取る方が歩の制約を受けないのでずっと簡単だった。」
■先手の自陣の飛を使うのは歩の手の制約があるので無理そう。かと言って、後手の飛を取って▲12飛から▲22飛不成は手数オーバーですし詰み形を作るのも大変。
占魚亭さん「詰み形が全く見えません……。」
■角を不成で取る単純な手は3手目の▲22角不成。これを11手目に指して詰ますために必要な道具を揃えて配置できれば解けたでしょうね。
ほっとさん「桂を活用するとは。」
■最下段の桂なので目が向き難いです。
諏訪冬葉さん「端の手は動かないが意味はあると判断し、▲22角不成で詰む形を探しました」
■「端の手は駒成」のヒントだと成駒の活用も検討内容に追加されてしまうので「動かない」を追加しましたが、その前に「9手目」も追加していたので、最終手の11手目は不成の手が確定しているので9手目に端で成った駒を動かすチャンスはありませんでしたね。「9手目は端筋で駒が成る手」だけで良かったことでした。
桝彰介さん「分かりませんでした。初手から3六歩、3四歩、7六歩で角を活用していくのかと思いましたが。」
■序の解図予想は当たっていました。角を活用するには支えとなる駒の配置が必要でした。
はなさかしろうさん「歩条件が強いのでこちらも解きやすかったです。」
■不成で角を取るまでの手順に使える駒が限定されてくるので解き易かったと思います。
正解:11名
NAOさん RINTAROさん るかなんさん ミニベロさん
piyoさん 原岡望さん 飯山修さん けいたんさん
ほっとさん 諏訪冬葉さん はなさかしろうさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
| 固定リンク
「推理将棋」カテゴリの記事
- 推理将棋第190回解答(3)(2025.10.29)
- 推理将棋第190回解答(2)(2025.10.25)
- 推理将棋第190回解答(1)(2025.10.23)
- 推理将棋第191回出題(11月10日まで)(2025.10.13)
- 推理将棋第189回解答(3)(2025.09.28)


コメント