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推理将棋第176回解答(3)

[2024年8月25日最終更新]
推理将棋第176回出題の176-3の解答、第176回出題の当選者(ほっとさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

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176-3 上級  けいたん 作  銀を不成で取る手まで    12手

「銀を不成で取る手まで12手で詰みか」
「5手目は飛の着手だね」
「後手がかけた8手目からの3連続王手はすべて駒取りだったな」
「同の手は1回だったね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 銀を不成で取る手まで12手で詰み
  • 5手目は飛の着手
  • 後手がかけた8手目からの3連続王手はすべて駒取り
  • 同の手は1回

出題のことば(担当 Pontamon)

 3連続王手の条件自体がきついのに更にそれらの王手全てが駒取りの手です。

作者ヒント

 端の手あり(けいたん)

締め切り前ヒント

 5手目は端の手で玉は28地点で詰みます。

余詰修正

会話と条件の「3連続王手」の前に「8手目からの」を追加

余詰修正2

会話に「同の手は1回だったね」を追加し、条件に「同の手は1回」を追加


推理将棋176-3 解答 担当 Pontamon

▲76歩、△34歩、▲66角、△同角、▲18飛、△58角、
▲48玉、△57角不成、▲38玉、△49角成、▲28玉、△39角不成 まで12手

(条件)
・銀を不成で取る手まで12手で詰み(12手目△39角不成)
・5手目は飛の着手(5手目▲18飛)
・後手がかけた8手目からの3連続王手はすべて駒取り(8手目△57角不成:歩取り、10手目△49角成:金取り、12手目△39角不成:銀取り)
・同の手は1回(4手目△66同角)

Suiri1763

Suiri1763a7手詰の手筋の応用で57の銀を△57銀不成で取って詰む手順なら、▲56歩、△34歩、▲48銀、△66角、▲68銀、△48角不成、▲58玉、△46銀、▲57銀、△同銀不成の10手で詰めることができるので、手順を工夫すれば3連続王手にして△57銀不成で詰ますことができそうな気がしたのですが、どうもうまくいきません。最終手の位置は玉に直接利いている地点での不成の手だという先入観が間違いなのかもしれません。最終手が△39角不成の手で初期配置の39地点の銀を取る手であってもその39の角が玉に利いていない空き王手でも良いはずです。参考図の手順は8手目からの3連続王手で58地点の先手玉を詰めた手順ですが、最終手は△39角不成の空き王手です。持ち駒が無い先手は57地点での合い駒ができずに詰みとなっていますが、8手目からの3連続王手のうち、駒取りでの王手は最終手の12手目だけなので失敗手順でした。

参考図:▲76歩、△34歩、▲56歩、△88角不成、▲68飛、△99角不成、▲55歩、△56香、▲48玉、△57角、▲58玉、△39角不成 まで12手

空き王手がだめなら、8手目からの3連続駒取り王手を考えることになります。初期配置の39の銀を△39角不成で取って詰めた形を考えて逆算してみます。△39角不成が最終手なら先手玉は28地点に居るのでしょう。玉の逃げ場としてありそうなのは18地点と38地点になります。18地点については5手目の飛の手で▲18飛を指していれば玉の逃げ場にはなりません。38地点については最終手の△39角不成を支えている駒が38地点もカバーしているはずです。と言うのも、先手玉は28の前は38に居たはずで王手されて28地点へ逃げたはずだからです。終局図で39地点の角を支えつつ、10手目は38地点の先手玉に王手をかける手であり、かつ、最終手で動く角が57地点に居る場合は10手目の王手で48地点を塞いではいけません。そもそも48地点に後手の角がある場合は10手目の王手の手48地点であるはずはありません。これらを考慮すると10手目の王手は38地点の先手玉に対して49地点から馬か龍で王手するしかありません。小駒の駒成で49の金を取っても38の玉への王手にならないからです。先手の飛は5手目に▲18飛としているはずなので、もし△49飛成が10手目なら、後手の飛が自陣から進出して来ていなければいけません。考えられる手順は、▲76歩、△44歩、▲同角、△42飛、▲18飛、△44飛、▲48玉で8手目の△47飛不成の歩取り王手に▲38玉、△49飛成の金取り王手に▲28玉と進み、最終手の△39角不成で銀を取って詰めたいところですが、44で取った角は持ち駒のままなので最終手を指すことができません。

となると10手目の49の金を駒成で取って王手するのは龍ではなく△49角成した馬になります。この着手を実現するには4手目に角を取って、6手目に△58角と打つことになります。最終手で△39角不成を指す角は8手目に駒取り王手ができる地点に配置する必要がありますが、その機会があるのは4手目だけです。つまり、後々に39地点へ行くことができる地点で先手の角を後手の角で取る必要があります。39地点から辿ってみると、48、57、66、75、84地点のどれかになりますが、4手目に角を取れる地点となれば66に決まりです。初手から、▲76歩、△34歩、▲66角、△同角、▲18飛、△58角の手順になります。10手目の王手は9手目の▲38玉に対する王手なので、7手目は▲48玉です。8手目の駒取り王手は、57の歩を取っての王手の△57角不成で、続けて▲38玉、△49角成、▲28玉と進み、12手目の△39角不成で銀を取っての詰みになります。

余詰について

NAOさんとRINTAROさんから指摘があった元条件での余詰手順は先手の余裕手まで完全一致してました。
▲16歩、△34歩、▲15歩、△77角成、▲68飛、△同馬、▲48玉、△57馬、▲59玉、△38飛、▲58金右、△39飛不成 まで12手
ミニベロさん指摘の手順は逆側の△79飛不成の手順でした。
▲76歩、△34歩、▲77角、△同角不成、▲68飛、△同角不成、▲48玉、△57角不成、▲59玉、△78飛、▲58金左、△79飛不成 まで12手

余詰修正条件での余詰手順(NAOさん指摘)
▲76歩、△32飛、▲33角成、△同角、▲68飛、△15角、▲78金、△37角成、▲48金、△同馬、▲69玉、△39飛不成 まで12手

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

けいたんさん(作者)「個展ありがとうございます。粗検申し訳ありません。
銀を不成で取る手までの実現が容易だったということでしょう。
実現が困難な手順ほど余詰がでにくく作りやすいというパラドクス。」

■担当の粗検も申し訳ありませんでした。
作り易さに関してですが、珍しい手順を見つけた作品、余詰や紛れ筋が多いのにこれだけで限定できているのかと驚く作品のどちらも作者としては作り難いですよね。

NAOさん(双方解)「8手目からの駒取り5手詰、そのお膳立てには6手目迄に大駒2枚を適所に配置しなければならない。2枚目の攻駒は玉頭の角。
▲33角や△77角の余詰筋が先に見えてしまい、なかなか作意に辿り着かなかった」

■玉頭へ打った角が成って49の金を取り、最終手の支えに早変わり。

RINTAROさん(双方解)「余詰手順はすぐ分かったが、本手順が難しかったです。5手目飛なので、飛を取ることはあり得ず、角2枚の詰め上がり図を考え、正解に辿り着きました。」

■5手目が飛なので最短6手目に取った飛を3連続王手の時に使えても、駒取りにはできませんね。

るかなんさん(双方解?)「「8手目から3連続は思い込みでは?」と疑ってみましたが、いざ並べると非限定多数。
4手目77同角成の順も並べましたが、素直に「王手は3連続のみ」でしたね。」

■余詰手順の記載がありませんでしたが、コメントから察するに、途中で3連続の駒取り王手がある手順を並べられていたようですね。
▲76歩、△34歩、▲77角、△同角成、▲68飛、△同馬、▲48玉、△57馬、▲59玉、△38飛、▲58金右、△39飛不成。(3手目は▲77桂かも)

ミニベロさん(双方解)「先手5手、後手7手の順だが、66角で調整するあたり、ベテランの作者には当然とはいえ、ならいある手筋。」

■△88角不成で角を取って、△66角不成で戻っても△79角不成にしても△57角不成の歩取りでの王手ができますが手数オーバーの後手7手。先手の角を取りつつ66へ角を配置することで手数を削減しています。

原岡望さん「ヒントから角捨てが浮かび解決」

■先手玉を28地点へ向けて王手で追うためには自分の角以外に先手の角も入手する必要がありますね。

飯山修さん「28で詰むという事で5手目は18飛車確定。移動に4手かかるので39銀を取る方針にすれば一気に解決。」

■上級だったので玉の詰み位置もヒントに加えましたが、甘過ぎたかも。

占魚亭さん「「4手目駒取り・6手目駒打ち」が見えているので、組み立てやすかったです。」

■8手目からの3連続駒取り王手なので、後手が駒を取って打つタイミングが限られていました。

ほっとさん「7手目までの準備工作が印象的。」

■何せ8手目からの3連続駒取り王手なので準備が大変。

諏訪冬葉さん「△49金を消すのは必須なのでここから考えました。」

■参考図の手順のように空き王手だと49の金で39の角を取ることができないので、49の金を消す必要がない場合もありますのでご注意ください。

桝彰介さん「分かりませんでした。条件を満たすのが難しかったです。」

■連続の駒取り王手と聞くと、7段目の歩や9段目の駒を馬で取る王手で玉を追って手順もありそうなので手順を絞り難かったのかもしれませんね。

はなさかしろうさん「ユニークな詰ませ方ですね。裏推理で3手目は角に決め打ちして解いたので、解説楽しみです。」

■詰み形からの逆算が解説でした。逆算すると4手目は39地点へ到達できる角筋で先手角を取る手になるので3手目はその地点への角移動の手で決まりました。


正解:12名

  NAOさん  RINTAROさん  るかなんさん  ミニベロさん
  piyoさん  原岡望さん  飯山修さん  けいたんさん
  占魚亭さん  ほっとさん  諏訪冬葉さん  はなさかしろうさん


(総評)

NAOさん「不成で駒取りの3問。いずれも一捻り謎解き要素がある好作でした」

■最終手が不成というだけでも結構面倒ですが、指定された駒種を取る課題が追加されていると一苦労します。

RINTAROさん「今月も早めに推理将棋を考えることができました。けいたんさんの作品は、分かりやすくて好きです。」

■けいたんさんからの最近の投稿では「〇〇まで」のタイトルの作品が多いです。もちろん最終手の棋譜がタイトルになっているので分かり易いのですが、解くのが簡単というわけではありません。

るかなんさん「1問解けたら一気に考えやすくなりました。」

■最終手の駒種とその場合の玉の退路の関係を1問目で見極めると、多少は検討内容を削減できたのかも。

ミニベロさん「けいたんさんの個展、楽しめました。」

■楽しんでいただいて幸いです。

piyoさん「176-1と176-2はすぐに解けたのですが、176-3は全然考えが進まず、締め切り前ヒントを見るまでは全然詰み型がイメージできずでした」

■3連続王手は挟殺なのかとの考えも浮かんだのかな。王手は追う手で端へ追い詰める手順でした。

原岡望さん「今日は珍しくパラも解答できました。やれやれです。」

■詰パラの解答送付を忘れていて、解答いただいた前日の8/5に慌てて解答送付しました。

飯山修さん「最終手不成駒取り個展面白かったです。」

■次に個展を開催するなら、「〇〇まで」シリーズで駒種を揃えるか、バラすかかな。流石に地点が同じで、駒種や手数が違う組み合わせは今のところできません。
無理矢理担当作を追加すれば可能か?

ほっとさん「またしても最終ヒント待ちに。」

■中級で引っ掛かったのかな?

諏訪冬葉さん「今回は3問とも最終ヒント待ちでした」

■簡単だったような短評もあったので、作品と解答者の相性があるみたいですね。

桝彰介さん「1問のみですが、解答を送りました。難しいですが、引き続き挑戦していきます。」

■今後も解答をよろしくお願いします。


推理将棋第176回出題全解答者: 14名

  NAOさん  RINTAROさん  るかなんさん  ミニベロさん
  piyoさん  中村丈志さん  原岡望さん  飯山修さん
  けいたんさん  占魚亭さん  ほっとさん  諏訪冬葉さん
  桝彰介さん  はなさかしろうさん

当選: ほっとさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください

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