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推理将棋第177回解答(1)

[2024年9月23日最終更新]
推理将棋第177回出題の177-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第177回出題  推理将棋第177回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第177回解説  担当 Pontamon

推理将棋第177回は14名から解答をいただきました。いつも解答、ありがとうございます。
第177回は、余詰も出題文修正・補足も無いクリーンな回となりました。年賀詰出題以来、ようやく今年2回目の無事故の回でした。
このまま年内を終えたいものですが、どうなることやら。


177-1 初級  けいたん 作 飛不成まで          10手

「飛不成まで10手で詰みか」
「3手目は同の着手だったね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 飛不成まで10手で詰み
  • 3手目は同の着手

出題のことば(担当 Pontamon)

 最終手がタイトルの作品ですが、今回は着手地点の情報はありません。

作者ヒント

 後手の大駒の手は偶数筋(けいたん)

締め切り前ヒント

 後手陣の飛が出動して7段目での飛不成まで。3手目の同の手条件で筋は確定するはず。


推理将棋177-1 解答

▲76歩、△44歩、▲同角、△42飛、▲48玉、△44飛、
▲59金左、△69角、▲38飛、△47飛不成 まで10手

(条件)
・飛不成まで10手で詰み(10手目△47飛不成)
・3手目は同の着手(3手目▲44同角)

Suiri1771

Suiri1771a飛不成で詰ます形を考えてみます。△39飛成までの一間龍の形なら簡単なのですが、△39飛不成で詰ます場合には48地点の玉の退路を先手が塞ぐか後手が抑える必要があります。先手が自分の駒で48地点を塞ぐ例としては▲48銀があり、この銀を後手の角でピンして、△39飛不成を▲同銀で取ることができなくする形があります。しかし、10手だと△38飛と打ってからの△39飛不成では手数が足りません。▲68金、△34歩、▲36歩、△55角、▲58金上、△28角不成、▲18香、△37角不成、▲48銀、△39飛のように最終手で39地点へ直接飛を打つしかありません。そこで考えたのが57地点で先手の飛を△同角不成で取って、その角で48地点を抑える形で、手順は参考図の手順になります。同の手があって飛不成で詰めているので解けたと思ったのですが、同の手は3手目という指定があったので失敗でした。

参考図:▲58飛、△14歩、▲56歩、△13角、▲57飛、△同角不成、▲58金右、△38飛、▲18香、△39飛不成 まで10手

条件に隠れていた大きなヒントを見逃していました。同の手は3手目とのことなので、初手から3手目までは▲76歩、△44歩、▲同角の一通りの手順で限定されています。続いて△52飛、▲53角不成、△同飛、▲58玉、△59角、▲56歩、△同飛までの飛角サンドイッチの形で詰むのですが、最終手の飛の手が不成ではないので条件をクリアできません。後手は先手玉が居る5筋に飛を振ったのですが後手の歩が切れている4筋から飛が出て行く手順はどうでしょう?つまり4手目を△42飛とする手順を考えてみます。先手の角が44地点に居る状態なので5手目にこの角が何処かへ移動すれば、△47飛不成を指せますが、その飛を支える駒がありません。6手目の△47飛不成から△37飛不成、△39飛不成と進めても、玉の退路となる48地点の処理ができません。(▲48銀をピンすることも48地点を後手の駒で抑えることもできません)となると、後手は最終手の飛不成までの間に駒を入手して、飛不成を支えるように取った駒を打つ必要があります。最終手から逆算すると8手目が駒打ちで6手目は駒取りになるので6手目は△44飛で先手の角を取る手になるはずです。この手順で進めると最終手は△47飛不成になるので、先手玉は47地点の生の飛の利きがある地点に移動する必要があるので、5手目は▲48玉で決まりです。47地点に利くように8手目に角を打つ地点は何処でしょうか。△47飛不成の飛の媚びんに玉を逃がさないようにするには△69角が良いのですが、それには69地点の初期配置の金が邪魔です。したがって、7手目は69地点を空けるための▲59金左です。飛の反対側の媚びんの38地点は先手の飛で埋めます。4手目からの手順を整理すると、△42飛、▲48玉、△44飛、▲59金左、△69角、▲38飛、△47飛不成で詰みとなりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

けいたんさん(作者)「歩を不成で取る手まで。135-1が桂を不成で取る手までで、「飛を不成で取る手まで」「香を不成で取る手まで」は先日投稿しました。」

■最終手で4筋と6筋の書き間違いがありましたが、作者なのでご愛敬ということで正解扱いさせていただきます。
「不成で取るまで」シリーズの続きがあるとすれば、成駒ですかね。角以外は成るのに時間がかかるので手数は長くなりそう。

NAOさん「3手目同の追加だけで限定できるのか。なるほど。」

■3手目同の条件で、はてるま手筋や0番の筋が封印されますね。「4手目同」の条件との差ですね。

はなさかしろうさん「主条件は『0番』をはじめ有力筋が目白押しですが、3手目条件で3手目までが一通りに。両者の組み合わせでこの攻め筋が間に合って他の筋が不成立になるんですね。」

■何か余詰がありそうで、担当としては怖くなります。

原岡望さん「3手目まで絶対なので何とか。」

■飛不成までなので4手目は4筋へ飛を振る△42飛。さてその続きはどうしようか....。

中村丈志さん「解き終えてみればこれしかないですが、悩みました。」

■4手目が同の手の0番(▲76歩、△32飛、▲33角不成、△同飛、▲68玉、△37飛不成、▲78玉、△33飛不成、▲88玉、△38飛不成までの両王手)や△39飛不成を1筋ずらした△49飛不成までの手順にできないか等いろいろ悩ましい筋がありました。

諏訪冬葉さん「3手目「同」はこれしかないと思う」

■はい、3手目の同は▲76歩、△44歩、▲同角しかありませんね。

ほっとさん「頭3手は自動的に決まり、飛を4筋から活用することに気付けば瞬殺。」

■4手目の△42飛で詰み上がりまで見通しての瞬殺はさすがです。

るかなんさん「3手目までは一直線。後手が指したい手を指していけば綺麗に吊るし上がる。」

■△47飛不成までで仕留めたいけど、紐になる△69角を打つのには初期配置の金が邪魔なので▲59金左を指してもらう。等々、タイミングも着手も限定されて行きます。

ミニベロさん「これはいいです。シンプルでキッチリ限定。こんないい10手がまだあったんだ。」

■3手目同の条件の採用が決め手となった好作だと思います。

飯山修さん「1段目、9段目以外の飛車不成で詰みの作品は少ない」

■そうなんですね。では、それに乗って1作できました。条件は「〇〇手目の〇〇飛不成で詰み/駒成なし」なのですが、地点を明かせばこれで限定されているはずです。飛の着手地点を隠すにはあと何条件の追加が必要になるのかなぁ...。短手数での詰み手順は余詰対策で除外しなければいけないので仕上がりまでには時間がかかりそう。

RINTAROさん「解後感良し。条件も簡潔で素晴らしいです。」

■3手目が同の手という簡潔ながら序の3手明かしたも同然のヒントが効果的。

桝彰介さん「最終手前の先手の飛車の手で、後手の飛車の弱点をカバーしてるのが面白いです。」

■生の飛の媚びんを突き合わせて、最終手の駒を取れずに玉の退路を塞ぐ先手の協力手でした。

占魚亭さん「「3手目同」の条件で詰み形がイメージできました。」

■詰み形が思い浮かべばほぼ解図完了ですが、閃くかどうかがカギですね。


正解:14名

  NAOさん  はなさかしろうさん  piyoさん  けいたんさん
  原岡望さん  中村丈志さん  諏訪冬葉さん  ほっとさん
  るかなんさん  ミニベロさん  飯山修さん  RINTAROさん
  桝彰介さん  占魚亭さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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