推理将棋第177回解答(2)
[2024年9月25日最終更新]
推理将棋第177回出題の177-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第177回出題 推理将棋第177回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
177-2 中級 Pontamon 作 プルーフゲームっぽい終局図 11手
「持ち駒がない11手で詰んだこの終局図は、歩の着手が1回だけだったように見えるね」
「そこが不思議な終局図だよね。同の手は無くて、端以外の各筋の初期配置の駒が盤上を動いたらしいよ」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 終局時に持ち駒は無く11手で詰んだ
- 終局図では、初期配置の歩が1回だけ動いたような配置
- 端以外の各筋の初期配置の駒が盤上を動いた
- 同の手は無かった
出題のことば(担当 Pontamon)
端以外の7つの筋の初期配置の駒が盤上を動きます。(盤上なので駒台への移動は含みません)
作者ヒント
詰みの主要部分は7手詰の形(Pontamon)
締め切り前ヒント
動いた2~8筋の初期配置の駒は各筋1枚ずつ。残り4手は歩打ち2回ととどめの駒打と二度動いた駒が1枚。
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推理将棋177-2 解答 担当 Pontamon ▲76歩、△52玉、▲33角不成、△51金左、▲66歩、△32銀、 (条件) |
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終局図での歩の配置が初期配置と比べて先手も後手も1回ずつの歩の着手なら、▲56歩、△74歩、▲58金右、△62玉、▲57金、△73玉、▲46金、△64玉、▲18香、△54玉、▲55金のように中段で詰む形がありますが、18枚の歩のうち初期配置から1回だけ動いたのであれば、先手の攻め駒が後手陣に入り込んだり、後手の玉が中段へ出て来て詰まされるような詰み形は不可能です。この不可解な状況を再現できるのは、一度取られた筋の歩を初期配置の地点へ打ち直して歩の配置を補修する方法しかありません。3手目の▲33角不成の後に33の角を移動して、歩を後手に取らせるように先手は取った歩を打ちたいところですが、先手の初期配置の歩が全ての筋にある状態では二歩の反則になるので工夫が必要です。同じ筋の歩を突き合った後互いに歩を取る手順はどうでしょう?試してみたところ手数オーバーの17手でした。(▲26歩、△24歩、▲25歩、△同歩、▲38金、△42玉、▲27金、△32玉、▲26金、△23玉、▲25金、△12香、▲35金、△14玉、▲26歩、△23歩、▲25金)
そうなると、▲33角不成で取られた33地点の歩を補修するための歩を後手が調達する必要があります。その後手の歩の調達の際に取られた歩の筋の先手の歩の補修は▲33角不成で取った歩を使うことになるでしょう。11手のうちの先手も後手も歩を取る手と歩を打つ手の合計4手が必要なので、詰み形としては最短の詰みである7手詰の詰み形かそれに近い形になるはずです。となると後手が先手の歩を取るために、△88角成、△87馬のように歩を取る余裕は無く、後手の1手で歩を取る必要があります。それを実現するのは先手の協力手の▲66歩を△同角で取り、6筋の歩が切れた先手は▲67歩と補修し、後手は△33歩の補修が可能になります。
この手筋を使って詰めてみたのが参考図の手順になります。条件で同の手は無しになっていたので▲66歩、△同角ではなく▲42角成を▲66歩の後に指したので、これで解けたと思ったのですが、▲33角不成から▲42角成の手は3筋の角が動いているものの初期配置の駒が盤上を動いた手ではないので「2~8筋の初期配置の駒が盤上を動いた」という条件をクリアできていませんでした。初期配置の33の歩が先手の駒台に乗ったのは、物理的に言えば3筋の駒が動いたものですが、盤上を動いたことにはならないので結局この手順は失敗でした。
参考図:▲76歩、△42金、▲33角不成、△62玉、▲66歩、△72金、▲42角成、△66角、▲67歩、△33歩、▲52金 まで11手
参考図の手順では3筋以外の2~8筋の初期配置の駒が盤上を動いているので非常に惜しい手順のはずです。詰み形としては、歩を取って打つ手が先後それぞれにあるので7手詰の詰み形になっいるはずですが、最終手が▲53銀の形にはならないはずです。初期配置の歩の配置と1手だけの歩の手なら△54歩になっていないといけませんが、初手の▲76歩はどうすることもできないので、初期配置から1手だけ指したように見える歩の手は▲76歩になるからです。もちろん▲23歩成での詰み形は初期配置の歩の条件を満たしていません。
後手は△66角で先手の歩を取る必要があるので、7手詰の詰み形のうちの角を2枚使う▲31馬や▲31角右成の詰み形も対象外になります。7手詰の形でとどめを刺しているのが▲53銀、▲52金、▲31馬でないとすると、▲42金か▲62金のどちらかになるでしょう。▲62金までの手順では3筋の駒が動く手がないので正解は▲42金までの7手詰手順になるはずです。初手から▲76歩、△52玉、▲33角不成、△51金左と進み、7手詰では5手目に▲同角不成とするところですが、同の手は指せない条件なので5手目は▲66歩として、6手目は△同角と指せないので△32銀とします。7手目から▲51角不成、△66角、▲67歩、△33歩、▲42金で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん「条件の捉えどころがわかりにくい難問。7手詰+4手で各々角で歩を取り打ち合うことを目指せばよかったと後付けでわかる。」
■プルーフゲームのように図面を提示できないので終局図の様子を言葉で説明しなければいけなくてわかりにくかったのかも。
はなさかしろうさん「後手が歩を取って先後共に歩を打つミッションに先後2手ずつ費やすので詰上りは7手の基本形のどれかになるわけで、筋条件でどれを選ぶかでしたが…第一感は52金と予想し、外してしまいました。」
■▲52金までの手順は参考図に採用した失敗手順でした。というか、左右反転の▲62金までの手順は失敗例には向かないのでこの手順しか使えなかったのですが....。
原岡望さん「短手数で歩を補充する手段。問題の意味を取り違えていなければよいのですが。」
■何か余詰がありそうで、担当としては怖くなります。
諏訪冬葉さん「多分これで条件を満たしているはず・・・」
■歩の配置だけじゃなくて、端以外の筋の初期配置の駒が盤上を動くという回りくどいような条件の解釈が心配になりますね。
ほっとさん「プルーフゲームとして成立しているわけではないのが残念。」
■今回の初挑戦では終局図の説明だけでは足りませんでした。別の終局図で作図の再チャレンジですね。
るかなんさん「この条件で飛車を使わないのは驚き。」
■飛車先の歩を突いて歩の交換をした後に相手陣へ飛が入り込んで大暴れしても良さそうな気がしますね。
ミニベロさん「7手ベースが大ヒント。限定できるのはこの形だけ。6筋の歩を取らせるとは、旨いですね。」
■作図の際、後手が1手で先手の歩を取れる手順に困っていたら▲66歩が見えて安堵しました。
飯山修さん「66歩の発見に手間取った。見た目と実績の条件が混じっていてややわかりずらい。」
■プルーフゲーム的な要素が入った作品だと、見た目を実現する手順が重要になりますが、問題文の解釈は少し面倒になりますね。
RINTAROさん「最初、着手後が2~8筋と勘違いしていました。同の手なしで限定させているのは流石です。」
■2~8筋への着手ではなく2~8筋の初期配置の駒が盤上を動く条件でした。
桝彰介さん「分かりませんでした。取った歩を打って局面を再現する方法が見つかりませんでした。」
■後手が歩を入手する方法が難しく、1手で歩を取れるようにする先手の協力手▲66歩がミソでした。
双方とも歩を取って打つという2手が必要なので残りは7手詰手順で着手の余裕が無さそうなので▲66歩の協力手を指し難いのですが、先手が歩を入手する手は7手詰手順の中に含まれているので▲66歩を指す1手の余裕がありました。
占魚亭さん「双方、反則したような終局図(笑)。」
■「その角は何処から入ったの?何処から出たの?」ですね。
正解:11名
NAOさん はなさかしろうさん piyoさん 原岡望さん
諏訪冬葉さん ほっとさん るかなんさん ミニベロさん
飯山修さん RINTAROさん 占魚亭さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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