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推理将棋第178回解答(1)

[2024年10月23日最終更新]
推理将棋第178回出題の178-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第178回出題  推理将棋第178回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第178回解説  担当 Pontamon

推理将棋第178回は13名からの解答をいただきました。


178-1 初級  Pontamon・飯山修 作  飯山氏からの図    8手

「これは飯山修氏から提供された図で過去作には無い詰み上がりらしい」
「どんな手順で実現できるのかな?」
「初手は7筋の手で、8手目の2回目の王手で詰みだね」
「ほかにはどんな手があるのかな?」
「駒を横へ動かす手があるし、同で取った駒を同じ段へ打つ手があるね」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 8手目の2回目の王手で詰んだ
  • 初手は7筋の手
  • 駒を横へ動かす手があった
  • 同の手で取った駒を同じ段へ打った

出題のことば(担当 Pontamon)

 飯山氏から提供された詰み上がり図に担当が条件付けした8手作です。

作者ヒント

 もちろん同の手は角ですが棋譜は同角成(Pontamon)

締め切り前ヒント

 横に動ける駒は、飛、金、玉の3種。本問では玉が動くので49地点か69地点で詰まされます。


推理将棋178-1 解答

78金、△34歩、▲56歩、△66角、▲48金、△同角成
69玉、△58金 まで8手

(条件)
・8手目の2回目の王手で詰んだ(6手目△48同角成、8手目△58金)
・初手は7筋の手(初手▲78金)
・駒を横へ動かす手があった(7手目▲69玉)
・同の手で取った駒を同じ段へ打った(5手目▲48金:6手目△同角成-8手目△58金)

Suiri1781

Suiri1781a「寄る手があった」だと棋譜に「寄」が付く手なのかと迷うかも。8手の棋譜に「寄」が付く手は「金寄」しかないけれど、本問では「駒を横へ動かす手」なので、横へ動ける玉、金、飛の3つのどれかになるでしょう。初手は7筋と言えば圧倒的に多いのは▲76歩。駒を取る手は同の手で取る必要があり、王手2回のうちの最初の王手は77で角を取る手での王手が見え易いので、この方向で考えた手順が参考図の手順になります。詰み上がりの形は二枚角での詰みになっていますが、先手の協力手の▲66歩は手数が足りないので後手が一旦角を打ってから△67角不成としています。初手の▲76歩が角打ちを邪魔しているので、同の手と同じ筋に打てるのは78地点に限定されています。

参考図:▲76歩、△34歩、▲77角、△同角成、▲58玉、△78角、▲48飛、△67角不成 まで8手

無事に解けたと思ったのですが条件を見直してみると、同の手で取った駒を打つのは駒取りした同じ筋ではなく同じ段だったので参考図の手順は失敗手順でした。短手数で取れる駒としては角なのですが、角を同の手で取って、同じ段へ角を打つなら、▲76歩、△34歩、▲66角、△同角、▲58玉、△46角、▲48飛、△57角左成 の形が思い浮かびますが、王手は1回だし59地点の逃げ場があるので失敗です。どうやら、角を同の手で取る手順では無さそうです。

となると後手が取って打つ駒は何でしょうか。歩や角以外の駒を駒を取れるのは6手目なので、その取った駒を8手目に打って詰めることになるので、とどめは金の可能性が高いでしょう。初期配置で金は角の筋違いなので、動いた金を直後に角の同の手で取るしか無さそうです。6手目に角で金を取れるのは37地点、48地点、57地点、59地点、68地点、77地点の6地点ですが、本問では初手が7筋の条件があるため、歩突きと金移動合わせて3手かかる37地点と57地点は除外されます。また、初手▲76歩で69の金を2手かけて77地点へ移動して77地点で後手が角で金を取ると、その手は王手になるので王手の応手をすると7段目へ金を打てません。したがって77地点も除外されます。59地点で金を取る手順では、▲78銀、△34歩、▲48玉、△77角不成、▲59金右、△同角成、▲38玉、△48金のように9段目に金を打つことはできても王手にはなりません。残る金取り地点は48か68になりますが、68地点で金を同の手で取る際、▲78銀、△34歩、▲38金、△77角成、▲68金、△同馬の手順だと、△77角成と△68同馬の両方が王手になるので、▲49玉、△58金で詰めることができても失敗手順になります。なお、取った駒を同じ段へ打つので、角不成で取っていては打った金の支えがないので金取りは角成か馬で取る必要があります。角成を77でも68でもできるので手順が非限定になるので68地点で金を取るのではないという裏読みが可能でした。

ということで、金を取らせるのは48地点のようで、目指すのは68地点で金を取って詰める左右反転形です。初手から▲78金、△34歩、▲56歩、△66角として、48地点に角が利くようにし、▲48金、△同角成で金を取ります。これが1回目の王手なので横移動の手の▲69玉で王手をかわし、△58金で詰みとなりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

飯山修さん(作者)「送った図とはどれも合わず変だなと思ったら「パラ302作品の68玉が69のものは未出」とついでに書いたつぶやきが作品になってたと知りビックリ
こうして作品にしていただくと69玉型が未出の理由が良く判りました」

■提供いただいた他の詰み形は互いに余詰になりそうで条件付けが難しそう。いつかは作図にチャレンジしてみます。

NAOさん「69玉を金で詰ますのは初ですか。角か馬で詰める形が多いから見過ごされたのかも。」

■玉位置を明かせば、小駒で詰むのは本問の詰み形だけの6通りになりますね。

はなさかしろうさん「手数の割にしっかりした条件がたくさん付いていますが、王手2回と同の駒取りの両立が鍵でしょうか。7手基本形とは反対の、玉の右側からの角侵入でした。」

■成や不成の条件は排除しましたが、余詰を無くすために条件が増えてしまいました。

原岡望さん「角の使い方」

■先手陣へ直射している角ですが、先手陣へは入らずに66地点で方向変換。

るかなんさん「初手第一感は飛車でした。作意より余詰でこの形に遭遇した人が多そう。」

■初手は▲76歩、▲78銀、▲78金、▲78飛の四択でした。「初手は7筋」だと▲76歩以外だと想定する人が多いでしょうから、その裏をかく条件として使えるかも。

ミニベロさん「7手のアレンジだけど、2回目の王手が旨い限定。」

■初王手や3回王手で詰む余詰を排除するためにどうしても必要になった王手2回条件でした。

諏訪冬葉さん「4手目「△77同角成」を中心に読んでたので解答にたどり着けませんでした」

■△77同角成後に78地点や68地点の駒を同の手で取って8手目に打つ手順だと条件のいずれかが不成立になります。

ほっとさん「過去に無かったのは、余詰を消すために条件がたくさん必要になるから、という気がする。」

■余詰を消すための条件設定に苦労しました。

中村丈志さん「金のフェイントが難しかった。」

■初手▲78金のフェイントから同の手で金を取らせるための▲68金を△同角成で取らせる手順だと、この時点で既に王手を2回しているので▲49玉を△58金で詰める手順は失敗でした。この手順が余詰にならないようにするために王手回数の条件が必要になりました。

RINTAROさん「初手76歩を考える。気付きにくい角の活用。今回の3問で一番考えました。これまでで一番難しい初級問題だったかも。」

■条件が多いと解図のヒントが多いようで、逆に達成しないといけないタスクが多いとも言えるので8手でも難問になったのかもしれません。

御原真尋さん「角は7筋になるものだとばかり思っていて、解けるまでにかなり時間を要しました。」

■先手なら▲44角、後手なら△66角経由で角の進行方向を変えて、次に金、銀、飛を取る手筋がよく出てきます。

占魚亭さん「同じ段ではなくて同じ筋に打つと勘違いしていました(苦笑)。」

■参考図の手順をどれにしようか悩んでいたのですが、その勘違いをいただいて結果稿を書きました。


正解:12名

  piyoさん  NAOさん  はなさかしろうさん  原岡望さん
  るかなんさん  ミニベロさん  諏訪冬葉さん  ほっとさん
  飯山修さん  RINTAROさん  御原真尋さん  占魚亭さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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