« 詰将棋メモ(2024年11月28日) | トップページ | 詰将棋メモ(2024年11月29日) »

推理将棋第179回解答(3)

[2024年11月29日最終更新]
推理将棋第179回出題の179-3の解答、第179回出題の当選者(るかなんさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第179回出題  推理将棋第179回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


179-3 上級  るかなん 作  37枚一致(13手)       13手

「13手目で詰んだこの局は、成生を選べる手はなくてこの筋に4手目と5手目だけ指したね。」
「これも終局図で37枚が実戦初形と同じ配置…ではあるか。」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 13手で詰み
  • 終局図で盤上の駒のうち37枚は実戦初形と同じ配置
  • 成生を選べる手なし
  • 4手目と5手目は同じ筋の着手、それ以外の手でその筋の着手なし

作者ヒント

 厳格に数えるなら36枚(るかなん)

締め切り前ヒント

 頭金の形で後手玉は中段で詰みます。初形と違う配置の駒は玉と金の他のもう1枚は歩。

余詰修正

 会話と条件の「成る手」を「成生を選べる手」に修正させていただきます。


推理将棋179-3 解答 担当 Pontamon

▲26歩、△42玉、▲25歩、△32玉、▲38金、△24歩、
▲27金、△23玉、▲24歩、△同玉、▲26金、△23歩、
▲25金 まで13手

(条件)
・13手で詰み
・終局図で盤上の駒のうち37枚は実戦初形と同じ配置(実戦初形と配置が違うのは、51の後手玉、49の先手の金、27の先手の歩)
※23の歩は初形と同じ地点にある後手の歩なので実戦初形と同じ配置としています(見た目が同じ)が、厳密に言えば対局開始時には27に居た歩なので物理的には別の駒という解釈もあるようです。
・成生を選べる手なし
・4手目と5手目は同じ筋の着手、それ以外の手でその筋の着手なし(4手目△32玉、5手目▲38金)

Suiri1793

Suiri1793a「成生を選べる手なし」ということは、敵陣へ入り込む手が無いのですから、後手玉が詰むのは中段で決まりでしょう。中段の後手玉を詰める先手の駒は両脇が甘い銀ではなく金になり頭金の形になるでしょう。また、この先手の金を支えるのは歩で、後手玉は4段目へ出て来て、退路となる3段目を歩を打って塞ぎます。となると、先手の金が中段へ出て行くために突いた歩は後手に取られることになるので、先手の金を支えるための6段目の歩は最初に突いた先手の歩ではなく後手の歩を取ってから金の支えになる6段目へ打つことになりそうです。つまり、互いに同じ筋の歩を突き合って、片方は相手の歩を歩で取り、もう一方は中段へ進出した駒(先手なら金、後手なら玉)で歩を取ることになります。この方針で指したのが参考図の手順になります。実戦初形と配置が換わっているのは51の玉、49の金、57の歩の3枚だけなので条件を満たしており、無事に解けたと思ったのですが、掛かった手数が15手なので手数オーバーの失敗でした。しかも、4手目と5手目は同じ筋の手になっていますが、それ以外にその筋の着手が無かったという条件をクリアできていませんでした。

参考図:▲56歩、△54歩、▲58金右、△52玉、▲57金、△53玉、▲46金、△55歩、▲同歩、△44玉、▲54歩、△同玉、▲56歩、△53歩、▲55金 まで15手

参考図の手順から2手少なくする必要がありますが改善できそうなところは何処でしょうか?先手の駒の配置を考えてみると、金を支えるために歩を打つ手が必要になっていましたが、金が2筋から中段へ出て行き、▲25金で△24玉を詰ます形であれば、25の金を28の飛が支えているので▲26歩を打つ必要がありません。つまり、先手は飛先の金を25地点へ動かして24の玉を詰める形を目指します。4手目と5手目が同じ筋の手で、それ以外にその筋の着手が無いとのことですが、51の玉が24地点へ行き49の金が25地点へ行く際に一度だけの着手で済ますことができる筋を考えるとそれは3筋になります。4手目が3筋、つまり4手目に△32玉を指すには2手目は△42玉で、6手目でようやく2筋の歩を突けるようになります。一方、先手は5手目に3筋の手、すなわち▲38金を指すのであれば、初手と3手目は2筋の歩を突く手になるでしょう。初手から▲26歩、△42玉、▲25歩、△32玉、▲38金、△24歩と進みます。2筋の歩がぶつかっていますが、7手目に▲24同歩としてしまうと△23玉と上がることができないので7手目の▲27金に8手目は△23玉と上がります。7手目の▲27金によって28の飛の利きが消えたので9手目の▲24歩での歩取りを△同玉で取ることができます。続けて11手目の▲26金に△23歩で退路を塞げば▲25金で詰みとなりました。

余詰について

粗検、大変申し訳ありませんでした。
ほっとさんから指摘があった余詰手順は
▲46歩、△44歩、▲45歩、△42飛、▲58飛、△82飛、▲48飛、△45歩、▲同飛、△42金、▲同飛不成、△43歩、▲41金 まで13手
でした。元条件では不成の手を指せました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

るかなんさん(作者)「余詰検証で見つけた順ですが、攻方金を使う発想は盲点になるかもしれません。」

■本問も攻め方が金を使っていますね。

NAOさん「退路塞ぎの歩がぴったり間に合う。」

■退路塞ぎ且つ実戦初形の1マスを復元する手の12手目△23歩が間に合いました。

ほっとさん(双方解)「棒金戦法になかなか気付けず。少ない条件でうまく限定している。」

■4段目の中段玉を5段目の金で詰めるなら歩越しの金に目が行ってしまい、飛先での棒金は気付き難いかも。

ミニベロさん「この条件ですべての順が限定されているとは、お見事です。
一枚は駒台に行った、というのも面白いです。
余詰や手順前後がどう解消されたのか、解説が楽しみです。」

■元条件は「成る手なし」だったので、不成の手は指せるのでそれが余詰を生んでいました。

はなさかしろうさん(双方解)「同種駒の個体識別ありで結構考えたのですが見つからなかったので個体識別なしで回答します。頭金というか、棒金直撃というか、楽しい詰上りでした。」

■178-3の解説後のコメントのやり取りによると、配置が同じというのは、位置、駒種、所属が同一であれば個体識別を考慮しなくて良いことになっているとのこと。個体識別が必要な問題についてはその旨を条件に入れることになっているとのこと。でも、誤解が無いように補足説明があった方が良いとのことなので、出題中の第180回の180-2と180-3には担当から補足説明を入れさせていただきました。

テイエムガンバさん「確かに厳格に数えるなら36枚一致(物理的にみて)。」

■個体識別ありで厳密に考えると、物理的にも同じなのは36枚。個体識別に言及していない問題では無視してよいことになっていたそうです。(推理将棋黎明期の先人による合意?)

飯山修さん「左右どちらでも成立しそうなのに右でなければならないのは飛車の効きの為だった。」

■5段目の金を支える駒として初期配置の飛を利用するのがミソ。

桝彰介さん「分かりませんでした。179-2と同様に、詰ませる玉は四段目で、先手の歩がどれか1つ突いた状態で頭金という詰み形が分かっても、そこに至る手順を導き出せませんでした。」

■突いた先手の歩を支えにして5段目の金で4段目の玉を詰める形は解説の参考図になり、手数オーバーの15手になってしまいます。

諏訪冬葉さん「「中段玉に頭金」自体は早い段階で思いついたのですが、6段目に歩が必要と思い込み15手から減らせませんでした。」

■5段目の金を支える6段目の歩は正しい発想です。飛先の棒金に気付くかがカギ。

原岡望さん「金の支えを歩角と思い込んだのが不覚でした。
11:10 23:40 心臓に悪いです。
今月は2と3に大苦戦でした。ほっ。」

■「歩角と思い込んだのが不覚」、上手い!座布団1枚。


正解:11名

  るかなんさん  NAOさん  ほっとさん  ミニベロさん
  中村丈志さん  RINTAROさん  はなさかしろうさん
  テイエムガンバさん  飯山修さん  諏訪冬葉さん
  原岡望さん


(総評)

るかなんさん「今回は紛れ筋に惑わされることもなく、すいすいと解き進められました。1問が自作というのもありますが」

■出題日早々の一番槍でした。

NAOさん「中級上級は謎解き要素たっぷり、楽しめました。」

■究極の謎解きは、具体的な駒種や地点を教えない、悪魔系の問題ですかね。今回の上級は悪魔系と言えるのかも。中級は玉位置を明かしているのでちょっと違うかも。

ほっとさん「余詰は残念でしたが、なかなか楽しめました。」

■余詰連絡ありがとうございました。

ミニベロさん「ヒント無しでは解けない好作揃い。負けないように創らないと。」

■年末に向けて難問/長めの手数作がぞくぞくと。

RINTAROさん「今回も締め切り前ヒントのおかげです。絶妙なヒントに感謝です。今回の3問は条件の付け方に感心しました。」

■条件の付け方が上手い作品ばかりでした。

飯山修さん「3番の余詰手順を少し考えたが全然わからなかった。解けなかった問題を含め解答が楽しみ。」

■解説では4筋の余詰手順を紹介していますが、6筋でも余詰は成立します。

占魚亭さん「今回は、なんとか2問解けました。」

■いつも解答ありがとうございます。

桝彰介さん「初級のみ解けたので2ヶ月ぶりに解答を送りました。
WFPで衝立推理が解けたので初解答しましたが、衝立推理が解きやすいのは手順の半分がオープンになっているからだと思い、推理将棋は詰み形が見えても手順が浮かばないと苦労することが多いです。」

■解けた問題以外にも短評をいただいており、感謝しています。

諏訪冬葉さん「今回の共通点は「最終手玉頭」くらいしか思い浮かびません。」

■確かに「最終手玉頭」の作品ばかりでしたね。何かのテーマで選題することもありますが今回は違いました。でも、テーマ探しをしてみると何かと見つかるものなんですね。


推理将棋第179回出題全解答者: 13名

  るかなんさん  NAOさん  ほっとさん  中村丈志さん
  ミニベロさん  RINTAROさん  はなさかしろうさん
  テイエムガンバさん  飯山修さん 占魚亭さん  桝彰介さん
  諏訪冬葉さん  原岡望さん

当選: るかなんさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リストから選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください

|

« 詰将棋メモ(2024年11月28日) | トップページ | 詰将棋メモ(2024年11月29日) »

推理将棋」カテゴリの記事

コメント

占魚亭さんのコメントは(2)のだと思います。(この問題に44歩はないので)

投稿: 諏訪冬葉 | 2024.11.30 12:49

占魚亭さんは179-3は無解なので、消し忘れと思います。削除しました。
ご指摘、ありがとうございました。

投稿: TETSU | 2024.11.30 20:24

短評をコピペする際、貼り付け先のファイルの選択ミスがあったようです。

投稿: Pontamon | 2024.12.02 22:38

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 詰将棋メモ(2024年11月28日) | トップページ | 詰将棋メモ(2024年11月29日) »