推理将棋第179回解答(1)
[2024年11月23日最終更新]
推理将棋第179回出題の179-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第179回出題 推理将棋第179回解答(1) (2) (3)
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推理将棋第179回解説 担当 Pontamon
申し訳ありません、第179回の出題では「出題のことば」を書き忘れてしまいました。
また、179-3では余詰を出してしまいました。粗検、大変申し訳ありませんでした。
第179回は13名の解答者から解答をいただきました。いつも解答ありがとうございます。
179-1 初級 けいたん 作 全手順奇数筋 その2 8手
「8手で詰みか」
「初手は銀、3手目は歩の着手だったね」
「全手順奇数筋の着手だったな」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 8手で詰み
- 初手は銀の着手
- 3手目は歩の着手
- 全手順奇数筋の着手
作者ヒント
初手が無駄手(けいたん)
締め切り前ヒント
初手は▲38銀と▲78銀の二択だけど非限定にならないのは、初手でない方の銀は7手詰手筋で取られる。
推理将棋179-1 解答 ▲38銀、△14歩、▲56歩、△13角、▲58玉、△79角成、 (条件) |
奇数筋の着手で8手で詰めるとなると、3筋だけ飛の着手で詰めるはてるま手筋が思い浮かびます。先手の手も▲76歩、▲33角、▲58金右など奇数筋の着手が多いのですが、△39飛成の一間龍の形で詰ますには、玉の退路になる68地点を先手駒で埋める手が必要なので、残念ですがはてるま手筋は使えません。
他の条件を見てみると、初手は銀の着手とのことです。初手で奇数筋の銀の着手が可能なのは▲38銀か▲78銀の二択になります。そこで、初手を▲78銀として、後手はこの銀を狙って△77角成から△78馬で取り、馬と銀を連携しての△57銀で先手玉を詰めてみたのが参考図の手順になります。これは玉頭へ銀を打って詰める7手詰の詰み形のひとつなのですが、△57銀を打つには支えとなる△79馬の手が必要なので手数オーバーの10手になってしまって失敗でした。
参考図:▲78銀、△34歩、▲56歩、△77角成、▲58玉、△78馬、▲59金左、△79馬、▲55歩、△57銀 まで10手
参考図の手順では、初手で動いた78の銀を取りに行きましたが、最終的には△79馬の手が必要になるのであれば、初手は▲38銀であっても、△77角成から△78馬、△79馬で銀を取れますが手数の短縮にはなりません。この詰み形には左右反転タイプがありますが、▲78銀、△34歩、▲56歩、△66角から△39角成で右の銀を取れば、初手の▲78銀が無駄手になって、7手詰の手筋で8手目の△57銀で詰むのですが、偶数筋の着手である△66角が入るので失敗です。
△39角成で右の銀を取る手順は失敗で、79へ馬を配置する手順は手数オーバーで失敗しましたが、手数オーバーになった原因は△77角成から△78馬、△79馬と進めたからでした。7手詰の手順を思い出すと、左右逆の形の際には端角で銀を直接取っていました。8手詰なら△14歩、△13角から△79角成の手順になります。となると、79の左銀を動かすことはできないので初手は▲38銀で決まりです。初手から▲38銀、△14歩、▲56歩、△13角と進みます。5手目に指せるのは▲58玉で続けて△79角成で銀を取ります。7手目は玉の退路を塞ぐための▲59金左で、玉の逃げ場が無くなったので玉頭への8手目△57銀で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
るかなんさん「別条件を考えるほど初手銀直以上に良い手順が思い浮かばない。」
■元の7手詰を1条件で考えるとか、出題作品を別条件で考えるなどいろいろ楽しめそう。8手詰み/3手目は歩/銀を直進する手に端の手で応じた/不成なしで行けるかと思ったのですが、8手目68金で詰む手順があって失敗でした。
NAOさん「奇数筋なら5筋と端。」
■「全ての着手は一つの奇数筋」を考えてみたけど、非限定や手順前後をどう処理したら良いのやら。
ほっとさん「先手の無駄手1手+7手だとどうしても新鮮味に欠けるが、38銀は好手。」
■推理将棋では無駄手を1手加えることによって条件を少なく出来たり好作になったりすることがありますね。
ミニベロさん「7手に、無駄手の初手を足しただけなのに、作品に成っちゃう不思議。」
■初手は30手が可能なので非限定になりやすく、初手に無駄手を追加するケースは珍しいかも。後の流れとの兼ね合いがカギですね。
中村丈志さん「ヒントが無い時点で、初手がわからなかったです。」
■一応、初手は▲38銀と▲78銀の二択にはなっていましたので、最悪、両方を検討するのも一案。
RINTAROさん「1筋からの角の転換に気付けるかどうか。」
■角を使う場合、角の本通りを行くことが多いので裏通りの端角は忘れがちです。
はなさかしろうさん「133-1との対比ですが、銀の場合は待ち手ですね。」
■金の場合は後手に取らせるために57地点へ急行する必要がありましたが、本問の初手の銀は待ち手(無駄手)でした。
飯山修さん「一頃94問題というくくりがあったが84問題も手数が短いので条件が多くても気にならない」
■最初の2つの条件は「〇〇手目は〇〇」の形式になってますね。
占魚亭さん「詰み形をイメージしやすかったけど、ちょっと手こずりました。」
■△57銀の頭銀に決め打ちできれば手こずることは無かったのかも。
桝彰介さん「7手詰め+無駄手は考えやすく、条件も少なくて良かったです。」
■ヒント後は7手詰め+無駄手なのが見えますがヒントなしの時点ではどうでしょう。余詰検討の際には必ず短手数手順をチェックします。
諏訪冬葉さん「全着手奇数筋の7手は考えたので1手加えて終わりでした」
■作図のために検討したことがあると有利かも。担当のように作る先から忘れてしまうと何度も楽しめます(苦しむ?)。
原岡望さん「これは何とか。」
■「これは何とかヒントなしで解けた」ということですよね。
正解:13名
るかなんさん NAOさん ほっとさん 中村丈志さん
ミニベロさん RINTAROさん はなさかしろうさん
テイエムガンバさん 飯山修さん 占魚亭さん 桝彰介さん
諏訪冬葉さん 原岡望さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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