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推理将棋第180回解答(1)

[2024年12月21日最終更新]
推理将棋第180回出題の180-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第180回出題  推理将棋第180回解答(1) (2) (3)
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推理将棋第180回解説  担当 Pontamon

2024年最後の解答締め切りだった第180回には12名からの解答をいただきました。
いつも解答、ありがとうございます。
今回は中級と上級が難問だったようです。


180-1 初級  けいたん 作  5手目と7手目は7筋     8手

「8手で詰みか」
「5手目と7手目は7筋の着手だったね」
「大駒を打つ手はないな」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 8手で詰み
  • 5手目と7手目は7筋の着手
  • 大駒を打つ手なし

出題のことば(担当 Pontamon)

 初手が7筋着手なら4択ですが、5手目や7手目だと着手可能な駒種が増えそうです。

作者ヒント

 不成2回(けいたん)

締め切り前ヒント

 5手目と7手目の手で68地点への利きがあると詰みません。


推理将棋180-1 解答

▲58玉、△34歩、▲59金左、△77角不成、▲78銀、△59角不成、
77桂、△68金 まで8手

(条件)
・8手で詰み
・5手目と7手目は7筋の着手(5手目▲78銀、7手目▲77桂)
・大駒を打つ手なし(4手目△77角不成、6手目△59角不成)

Suiri1801

Suiri1801a8手で詰む手順だと先手の着手は4手。その半数が7筋の手でなければいけないのですが、7筋着手の候補としては、初手なら▲76歩、▲78銀、▲78金、▲78飛の4通りですが、初手で▲76歩を指していれば、その後、▲77桂や▲77角を指せるし、▲78銀の後で▲79金や▲79角も可能。これらは全て初手と3手目に連続で7筋着手をする場合です。初手▲68玉から3手目に▲78玉が指せるし、初手▲68玉の後の▲76歩なら▲77玉もできるし、▲78銀から▲79玉などいろいろありそうです。そこで考えたのが参考図の手順です。角成をしないで4手目△88角不成と6手目△77角不成だと、8手目に詰める手が△88角打となり大駒の打の手になってしまうので4手目に△88角成としたのですが、条件を確認してみると、大駒の打の手ではなく大駒を打つ手がないとのことなので失敗手順でした。

参考図:▲68玉、△34歩、▲76歩、△88角成、▲78銀、△77馬、▲79玉、△88角 まで8手

大駒を取ることはできても打つことができないとなると、小駒を取ってそれを打って詰ますか支えの駒として使うかになります。後手は2手目に△34歩で角道を開けて、4手目に小駒を取るとすると、最終手の角成を支えるために6手目にその小駒を打って詰めるのでしょうか。4手目に取れる歩以外の小駒は桂しかないので、初手から▲76歩、△34歩、▲77桂、△同角不成、▲58玉、△56桂、▲78銀、△68角成と指してみると69の金が居座っているので68の馬を▲同金で取られて詰みません。かと言って4手目の△77同角不成の王手の際に▲68金とすると8手目の△68角成の王手を▲同飛で取れるので詰みません。つまり、4手目に桂を取る手順だと詰みはないようです。となると4手目に小駒を取るのではなく6手目に小駒を取って8手目にその小駒を打つ王手で詰ますことになります。

とどめに打つ小駒なら金が最有力です。先手の金は後手の角筋にはないので、先手の金を68へ移動して6手目に取らせるのでしょうか、初手から▲48玉、△34歩、▲68金、△77角不成、▲78銀、△68角成、▲38金、△58金の手順で詰むのですが、5手目は7筋着手の▲78銀でしたが7手目は▲38金なので7筋着手の条件を満たしていません。後手の角筋で先手の金を取れる地点として59地点がありました。金を59地点へ動かすには玉がどく必要があり、初手が玉移動で3手目は金を59へ移動させる手となれば、先手の残りの着手の5手目と7手目は詰み形の邪魔にならないような7筋の手を指すことになります。59地点の金を取る手は6手目は△59角不成です。初手で動いている玉に王手を掛けると5手目に7筋着手ができないので初手は▲58玉に決まります。続けて△34歩、▲59金左、△77角不成として59地点の金を狙いますが、この4手目で77の歩が取られているので、5手目の7筋着手は▲78銀です。もちろん▲77同角や▲77同桂も可能ですが、後手の角を取ってしまうことはできません。6手目は△59角不成で金を取ります。先手玉は58地点に居るので8手目のとどめは△68金になるのですが、7手目の7筋着手は何になるでしょうか。5手目に▲78銀で銀が動いているので、▲79角や▲77角を指せますが、それだと8手目の△68金を▲同角で取ることができるので▲79角や▲77角ではありませんし、5手目に続いて7手目も銀移動の▲77銀も68地点に利くので駄目です。唯一詰みにつながる7手目の7筋着手は▲77桂で、△68金で詰みとなります。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

NAOさん「7手目遊び手が条件に入るとちょっと難しくなる仕掛け。」

■難しくなりがちな短手数+遊び手の作品では、遊び手と見抜かれにくい条件にするのが作者の腕の見せ所。

るかなんさん「守りを利かさないための着手がこれしかない。」

■連続2回の7筋着手で唯一68地点への利きがない組み合わせでした。

RINTAROさん「本詰め上がり図に到達するまで時間がかかりました。」

■元が7手詰の詰み形だとわかっていると簡単になるのでしょうが、8手でしか現れない詰み形を考えると苦労します。

原岡望さん「何となく詰み形が見えたと思っていたら角を打っていて大慌て。問題をよく読まないといけませんね。」

■▲79玉を△88角で仕留める形はよく見るので手拍子で指してしまいます。

はなさかしろうさん「7手の手順に待ち手を1手足して条件付けしていく。179-1に引き続き、不思議な感じがするシリーズです。」

■179-1が2020/9/2投稿作で180-1が2020/8/24投稿作。その頃の作者のマイブームだったのかも。

ほっとさん「7筋の連続着手で手順がうまく限定される。」

■無駄手の7筋着手を考えて、全く関係のない▲75歩でも指そうと思って初手▲76歩を突くと解けないという罠が。

飯山修さん「7手プラス1の新作はまだまだ埋もれていますね」

■新作が出て来るのを楽しみに待っています。

御原真尋さん「7手目は7筋という制約しか無いですが、最終手の68金を邪魔しないためには77桂しか有り得ないのですね、なるほどなと思いました。」

■実に上手い条件設定でした。

ミニベロさん「7手プラス1手。お見事です。」

■7筋着手はいくらでも出来そうなのに、5手目の7筋着手はこの手しか指せないという状況になっているのが凄いです。

占魚亭さん「7筋着手条件で詰み形が見えました。」

■4筋や6筋着手の条件だと玉の退路封鎖の協力手が浮かびますが、ひとつ離れた7筋だと全くの無駄手なのか詰みに関係する手なのかの予想がつきにくいはずですが、詰み形が見えたのは流石ですね。


正解:11

  NAOさん  るかなんさん  RINTAROさん  原岡望さん
  piyoさん  はなさかしろうさん  ほっとさん  飯山修さん
  御原真尋さん  ミニベロさん  占魚亭さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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