« 詰将棋メモ(2025年1月21日) | トップページ | 詰将棋メモ(2025年1月22日) »

推理将棋第181回解答(1)

[2025年1月22日最終更新]
推理将棋第181回出題の181-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第181回出題  推理将棋第181回解答(1) (2) (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第181回解説  担当 Pontamon

2024年最後の出題だった第181回には14名の方から解答をいただきました。いつも解答ありがとうございます。
正解者数をみると先月と同様に中級と上級が難問だったようです。
上級問題で余詰を出してしまい、粗検、大変申し訳ありませんでした。


181-1 初級  けいたん 作    金を取る次に金を打つ   9手

「9手で詰みか」
「後手は玉の着手だけだったね」
「先手は、金を取る王手して次に金を打つ王手した。王手はこれだけだな」

さて、どんな手順だったのでしょうか。

(条件)

  • 9手で詰み
  • 後手は玉の着手だけ
  • 先手は、金を取る王手して次に金を打つ王手した。王手はこれだけ

出題のことば(担当 Pontamon)

 王手は、7手目の金取りでの王手と9手目の金打ちの王手だけです。序中盤で王手をしないように攻めてください。

作者ヒント

 間合いをはかる(けいたん)

締め切り前ヒント

 7手目に61地点で金を取ります。


推理将棋181-1 解答

▲76歩、△52、▲33角成、△62、▲43馬、△51
61馬、△42、▲43金 まで9手


(条件)
・9手で詰み
・後手は玉の着手だけ(2手目△52玉、4手目△62玉、6手目△51玉、8手目△42玉)
・先手は、金を取る王手して次に金を打つ王手した。王手はこれだけ(7手目▲61馬、9手目▲43金)

Suiri1811

Suiri1811a金取りしてからの金打ちの王手で詰ます手順となると思い浮かぶのは51金を角不成で取ってから42や62へ金を打って詰む7手の手順の▲76歩、△52玉、▲33角不成、△51金右、▲同角不成、△72銀、▲62金が思い出されますが、本問では金取りの手が王手にならないといけないので2手目を△62玉として、△51金右を▲同角不成で取る手を王手にしてみると▲76歩、△62玉、▲33角不成、△51金右、▲同角不成、△61玉、▲98香、△72銀、▲62金のように先手に余り手が出来てしまいます。後手の着手条件を確認してみると、後手の着手は玉の手だけとのことです。後手は金を51地点へ動かせず、角筋に無い金を取るには先手は角成してから41か61の金を取りに行く必要があります。そこで手順を修正してみたのが参考図の手順です。61の金を馬で取るので52の玉に王手がかかり、最終手の43地点への金打ちで詰んだので解けたと思ったのですが、5手目の▲43馬が王手になっているので王手が3回で、王手は金取り王手と最終手の金打ちの王手だけの条件をクリアしていませんでした。

参考図:▲76歩、△62玉、▲33角成、△52玉、▲43馬、△51玉、▲61馬、△42玉、▲43金 まで9手

後手は動きたくなくても玉を動かさなければいけないので、後手玉は角成した先手の馬と距離を保つ必要があります。参考図の手順では61の金を取りに行きましたが、41の金を取りに行くとどうでしょう。▲76歩、△62玉、▲33角成、△52玉、▲32馬、△52玉なら▲41馬の金取りの手が王手になりますが、後手玉は△62玉と戻る手しか指せず、9手目に▲52金の王手をしても△同金が可能なので詰んでいません。となると金を取る手はやはり61の金を取るのでしょう。参考図の手順で問題となったのは▲43馬と寄った手が王手になったのが失敗原因でしたので、▲43馬の手が王手にならない玉の位置を考えれば良いことに気付きます。▲43馬が王手にならない玉位置は51、62、72の3地点で、5手目の▲43馬に対する6手目の玉地点もこれら3地点のどれかになります。玉が62地点や72地点だと▲61馬で金を取っての王手に対して△同玉で馬を取るしかないので、金打ちを支える駒がなくなるので詰まなくなります。したがって6手目は△51玉になり、51地点へ行ける地点の△62玉が4手目になります。2手目は4手目に62地点へ動ける△52玉になります。初手から▲76歩、△52玉、▲33角成、△62玉、▲43馬、△51玉、▲61馬で金取りの王手になり、玉の行き場は唯一の△42玉となり、9手目の▲43金での詰み上がり図は参考図と同じになりました。

それではみなさんの短評をどうぞ。

(短評)

NAOさん「2手目52玉が王手を避ける協力手。」

■玉しか動かせない後手のタイミング調整の手でした。

諏訪冬葉さん「2段目の金打ちは無理そうなので自力で3段目に穴をあける」

■金取りのために寄った▲43馬で最終手の金を打つ場所ができました。

るかなんさん「王手がかからないギリギリの位置をキープするのがポイント。」

■良い距離感を保つのが難しい。

はなさかしろうさん「駒の効率は良いけれど攻方だけ準備に手がかかる攻め筋なのですが、玉方を玉の着手だけで限定しているのが巧みでした。」

■この詰み上がり図になる手順は10通りですが、42玉を43金で詰める手順は1076通りもありました。

RINTAROさん「一人時間差。」

■攻撃側の一人時間差でないところが痛い(笑)

Miyaさん「推理将棋初心者ですが、楽しく解くことができました。」

■初心者向けの解説を心がけています。解くだけではなく、ゆくゆくは作図にも挑戦してみてください。

飯山修さん「出題の発表された日のうちに解ける問題があるのはうれしい」

■おかげ様で、7~9手の作品在庫が増えたので、2025年の初級の易問出題は大丈夫そうです。

原岡望さん「すぐ解けて楽しい問題です」

■すぐ解ける初級問題を出していきたいと思いますが、手強い短手数作があるかも。

ほっとさん「玉の一人時間差が楽しい。」

■一人時間差に2票目が入った。

占魚亭さん「第一感の手順でした。」

■解図の最初は冴えていたようですが

ミニベロさん「王手4回パターンは古くからあるね。」

■本問は初王手ですが、2手目△42玉なら王手4回で玉の手4回の手順がありますね。王手4回の9手1条件が出来たと思ったら条件違いの先行作がありました。

御原真尋さん「馬の射程に入らないように器用に揺れ動く玉が印象的でした。」

■付かず離れずは尾行の鉄則ですが、本問の玉は「3歩離れて、師の影、踏ませず」な感じ。

桝彰介さん「玉の動きが指し将棋の角替わりで間合いを取ってるのに似ていて面白かったです。」

■指し将棋の実力も低い担当にはよく分かりませんが、角打ちされても影響が少ないような陣形を保つ感じですかね。


正解:14

  NAOさん  piyoさん  諏訪冬葉さん  るかなんさん
  はなさかしろうさん  RINTAROさん  Miyaさん
  飯山修さん  原岡望さん  ほっとさん  占魚亭さん
  ミニベロさん  御原真尋さん  桝彰介さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

|

« 詰将棋メモ(2025年1月21日) | トップページ | 詰将棋メモ(2025年1月22日) »

推理将棋」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 詰将棋メモ(2025年1月21日) | トップページ | 詰将棋メモ(2025年1月22日) »