推理将棋第182回解答(2)
[2025年2月22日最終更新]
推理将棋第182回出題の182-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
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推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
182-2 初級 Pontamon 作 令和7年の年賀推理 11手
「あけましておめでとう。今年も元旦から年賀状書きか。今年の年賀推理はどんな感じ?」
「令和7年だから、7にまつわる条件を揃えたよ。1筋から7筋の7つの筋へ着手して、7手目の7筋への手が唯一の駒打ちだよ」
「あとは?」
「正月だけど華々しい駒成は無くて、打った駒は動かずに11手で詰むんだ」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 11手目で詰み
- 着手は1筋から7筋までの7つの筋
- 7手目の7筋への手が唯一の駒打ちで、打った駒は動かなかった
- 駒成なし
出題のことば(担当 Pontamon)
令和7年に相応しい7の条件は、7手目は7筋、着手は1筋から7筋の7つの筋です。
作者ヒント
今年はいつもの馬単騎ではありません(Pontamon)
締め切り前ヒント
いつもの馬の単騎詰ではありませんが、後手玉は12地点で詰む空き王手です。
推理将棋182-2 解答 ▲76歩、△42玉、▲33角不成、△32玉、▲22角不成、△24歩、 |
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1筋から7筋までの着手となると、とどめで1筋へ角を打つ合い利かずの詰み形を思い出してしまいますが、駒打ちは7手目の1回だけと制限されています。7筋へ打つ駒は5手目までに入手する必要がありますが、歩や角なら最短3手目、他の駒種でも5手目入手可能なので、7手目に駒を打つこと自体は難しくはありません。7手目の駒打ちと言うのであれば5手目に取った角以外の駒を7手目に打つのでしょうか。本来なら1筋や2筋の手が無い9手詰の手順を応用して1筋と2筋の手は無駄手を指すなら、▲76歩、△52玉、▲33角不成、△51金右、▲同角不成、△42銀、▲72金、△62銀、▲18香、△24歩、▲62角成という手順で詰ますことができるのですが、最終手が駒成の手になってしまうので、これでは駄目です。3手目に取った角を5手目に打たずに7手目に打つことで5手目と7手目の手順前後を解消している条件なのかもしれません。と言うことで、3手目に角を取って7手目に角を7筋に打つ手順を考えたのが参考図の手順となります。5手目に▲72角を指せるのですが、1~7筋の着手条件をクリアするための4筋の着手である▲44角不成を5手目に指して、7手目に7筋への駒打ちを実現しています。とどめの手に邪魔な後手の飛は△12飛で追いやることによって1~7筋の着手条件を無駄なく実現できたと思ったのですが、金の入手のために7筋に打った角を▲61角不成で動かしているので条件をクリアしていませんし、最終手の▲52金は2回目の駒打ちでした。
参考図:▲76歩、△34歩、▲22角不成、△74歩、▲44角不成、△12飛、▲72角、△73桂、▲61角不成、△32金、▲52金 まで11手
7手目の7筋への駒打ちが無駄手だと、打ち場所が複数あるので非限定になります。とどめの駒打ちならまだしも、7手目に駒を打ってから動かないのなら、この7筋に打った駒を支えにして最終手で詰ましたいところですが、後手陣へ出陣している角の駒成ができず、最終手の駒打ちもできないとなると、思い付く詰み形は吊るし桂になります。▲22角成から▲21馬で桂を取る手順が多いですが、駒成無しでも△33桂を角で取って11手目の▲53桂の桂打ちの吊るし桂の詰みはあるものの、最終手で桂を打てないのであれば自陣の桂を跳ねて行くしかありません。▲76歩、△42飛、▲33角不成、△32金、▲42角不成、△41玉、▲72飛、△14歩、▲77桂、△24歩、▲65桂、△44歩、▲53桂不成 の吊るし桂で詰ますことはできますが、手数オーバーの13手です。
なお、7手目に7筋へ唯一の駒打ちをして詰ますには、銀、金、角、飛の駒種を打つことが可能ですが、作意以外では打った駒が必ず動く必要があります。
困った時には両王手や空き王手を考えるとのが良いとのことですが本問ではどうでしょう。空き王手と言えば昨年の年賀推理の170-2では、▲78馬を配置しての最終手▲66歩の空き王手で12地点の玉を詰める馬単騎がありました。本問では駒成なしなので解図の際に候補から外していましたが、後手玉が12地点へ移動するのであれば1筋~4筋の着手は必然ですし、初手▲76歩なら、残る筋は5筋と6筋になります。空き王手のために馬の代わりに78地点へ角を打てば▲66歩の空き王手はできそうです。問題は後手角が22に居なくなっているので△22玉で逃げることを抑える必要があります。丁度良いことに▲22角不成で後手玉を取った先手の角があるので何処かへ移動して22地点をカバーすれば良いことに気付きます。▲31角不成でも22地点を抑えることはできますが、未着手の筋として5筋が残っていました。なので角の移動先は55地点になります。後手は△23歩と玉移動の手だけなので、▲33角不成の王手をかわす必要があります。初手から▲76歩、△42玉、▲33角不成、△32玉と王手をかわして、5手目の角取りの手の▲22角不成に△24歩を突きます。7手目は駒打ちなので▲78角で、続けて△23玉、▲55角、△12玉、▲66歩で詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
飯山修さん「成なし11手過去問で7筋駒打ち作品を検索してみると担当作のWFP 110-5がヒット。
5筋の手がなかったので33角生を55に変えました。」
■WFP 110-5は担当の過去問DBには無かったので整理作業での抜けのようです。(^^;
NAOさん「55限定の角不成。7手目7筋打ちが年賀詰にマッチして巧い。」
■1~7筋の着手の条件で行けることか見えた時は安堵しました。
諏訪冬葉さん「この形なら1-4筋は玉が動くし66歩で6筋もクリアできると気づいたらすぐでした。
(この形にすぐ気づいたとは言っていない)」
■気付けば速いけど、後手陣の7筋への駒打ちを生かしての詰みがありそうな気がするので悩まされる。
piyoさん「このヒントからこの詰み筋が最初は全然想像できず、色々な展開を考えさせられてしまいました。解けた時はすっきり。」
■一桁の手数作よりも11手作の解後感はどの問題でも高いですよね。(解けた時、逆に「あ~ぁ」と脱力してしまうことも)
はなさかしろうさん「条件から筋違い2枚角の気配がして、交差か平行かを考えるのですが、「7筋への駒打ち」から▲7八角を連想できてよかった。今年は新春から温まってます。」
■気配を感じたのは「打った駒は動かなかった」辺りですかね。驚きの察知能力!
占魚亭さん「角2枚で睨む。7筋への駒打ちでピンときました。」
■駒成なしの条件だと2枚角を察知するのかな。
るかなんさん「7手目の7筋に打った駒でトドメ。」
■空き王手だからこそ出来る早目の主役登場。
桝彰介さん「後手に2ニに角を打たせて壁にするのは間に合わないので二枚角の詰め上がりが見えました。」
■1~7筋の着手という条件があるので後手陣の7筋への駒打ちに惹かれることなく、22地点へ目が向くのか。
ほっとさん「5筋の条件を満たす55角不成が面白い。」
■▲55角不成と▲66歩がカギ。
RINTAROさん「この詰め上がり図に気付くまでに時間かかりました。」
■毎年の12玉を馬単騎で詰める形から離れてもらうために駒成無しにしました。余詰回避にもなっていました。
Miyaさん「後手玉は12地点で詰むというヒントが無ければ全然わからなかった。」
■出題数が多い年賀推理では大甘なヒントが出ます。
原岡望さん「ヒント頼みでした」
■大甘ヒントが助けになったかと思います。
御原真尋さん「締切前ヒントまで見てようやく解くことができました。」
■出題数が多かった回なので、解いてもらうためにヒントは甘めでした。
正解:14名
飯山修さん NAOさん 諏訪冬葉さん piyoさん
はなさかしろうさん 占魚亭さん るかなんさん
桝彰介さん ほっとさん RINTAROさん Miyaさん
原岡望さん 御原真尋さん テイエムガンバさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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