推理将棋第183回解答(1)
[2025年3月23日最終更新]
推理将棋第183回出題の183-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第183回出題 推理将棋第183回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第183回解説 担当 Pontamon
推理将棋第183回には13名から解答を頂きました。いつも解答、ありがとうございます。
183-1 初級 諏訪冬葉 作 ならずの王手が2回 7手
「7手で詰むって早いな」
「ならずの王手が2回というのも珍しいな」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 7手で詰んだ
- ならずの王手が2回あった
出題のことば(担当 Pontamon)
7手詰全手順のおさらい。不成の手で詰む手順が無ければ3回王手の手順のおさらい。
作者ヒント
最終手はならずではありません(諏訪冬葉)
締め切り前ヒント
成らずの王手は3手目と5手目でどちらも駒取りの手です。
|
推理将棋183-1 解答 ▲76歩、△54歩、▲33角不成、△42銀、▲同角不成、△52玉、 |
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7手詰手順で最終手が多いのは▲53銀までの手順。記憶では銀を4段目に打ってから▲53銀不成で仕留める形があったはず。銀を取る時の不成の王手と最終手の▲53銀不成の王手をすれば「ならずの王手が2回あった」の条件を満たせるはず。この方針で指したのが参考図の手順です。銀を取る前の▲33角不成もならずの王手でしたが、「ならずの王手は2回」や「ならずの王手が2回だった」のように回数を断定した条件文ではないのでならずの王手が3回あっても条件をクリアしているとの主張が通るかもしれないと思ったのですが、残念ながら手数は9手になってしまったので失敗でした。
参考図:▲76歩、△34歩、▲33角不成、△42銀、▲同角不成、△52玉、▲44銀、△54歩、▲53銀不成 まで9手
参考図の手順ですが、最終手の▲53銀不成を▲53銀成にすれば不成の王手は3手目と5手目だけになるものの手数オーバーに変わりはありません。不成の王手を稼ぐために一旦▲44銀と打ってから▲53銀不成を指しましたが、それは後手の△54歩がまだ突かれていないのも理由のひとつでした。△54歩が突かれていれば7手目に直接▲53銀と打てるはずです。後手の着手を1手減らすのなら、3手目の▲33角不成に何も貢献していない2手目の△34歩を削ることができます。この△34歩の代わりに△54歩を先に突いておけば、先手の▲44銀も省くことができるので7手で収まるはずです。初手から、▲76歩、△54歩、▲33角不成、△42銀、▲同角不成で2度目の不成の王手をして銀を入手すれば、6手目の△52玉に▲53銀と打って詰みになりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
諏訪冬葉さん(作者)「どうでもいいことですが、出題後に「ならずもの」というタイトルが浮かびました」
■タイトルが「ならずもの」だと西部劇のような感じの会話だったかも。
中村丈志さん「金打ちまでの詰みという先入観で時間がかかった。」
■▲52金までの7手では、42地点で金を取る際に角を成らないと▲52金を支えることができず、不成の王手は1回だけになりますね。
NAOさん「2回目の不成で銀取り。7手詰も条件次第では未だ掘る価値あるかも。」
■おもちゃ箱の7手詰は今回が15回目でツインがあったので過去16作です。手順前後や同一手順の条件違いがあるので、詰み上がりで分けると8個なので、作品化されていない詰み上がりがまだ3つ残っているようです。
RINTAROさん「入門に最適。」
■客寄せの初級の役割を果たしています。
飯山修さん「これは瞬殺」
■瞬殺クラスの手順を失敗例を入れて解説するのが難しいです。担当になってからしばらくは参考図を2つ載せていたのですが初級問題では無理ですよね。
ほっとさん「黎明期に作られていてもおかしくない。
古典として残したい。」
■29手順ある7手詰の詰み上がりは11個。成のタイミングや手順前後を排除しつつ全て1条件で作品化が可能ですが表現がいまいちかな。
原岡望さん「これは流石にすぐ分かりました」
■不成の手で詰めようとしなければ簡単ですよね。
はなさかしろうさん「最も7手らしいという印象のこの手順ですが(▲26歩以下は有名だけど例外的な印象です)、不成王手2回はこの手順しかない、と言われると…なるほど意外ですね。」
■「〇〇に□□で応じた」の形式の条件文だと1条件で全29手順を区別できますが、7手らしいという印象は無理ですね。
Miyaさん「なかなか最後の形が見えませんでした。信じられない手順があるものです。」
■多分、実践では見ることがない詰み形ですね。でも、この7手の詰み上がりの形は余詰の検討には不可欠な形になります。
るかなんさん「こんな簡素な条件がまだあったんですね。」
■簡素な条件で作図するのはかなり労力が必要になりますね。
占魚亭さん「これは超易しい客寄せ。」
■全解答者が正解の客寄せ作品でしたが、作図する方にとっては条件の閃きと大量の余詰検討が必要だったのかも。
桝彰介さん「不成2回の条件だけで限定されてるのは見事です。」
■不成2回の条件だけだと6手順が該当しますが、不成2回の王手で1手順に限定されていました。
正解:13名
piyoさん 中村丈志さん 諏訪冬葉さん NAOさん
RINTAROさん 飯山修さん ほっとさん 原岡望さん
はなさかしろうさん Miyaさん るかなんさん
占魚亭さん 桝彰介さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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