推理将棋第184回解答(2)
[2025年4月23日最終更新]
推理将棋第184回出題の184-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第184回出題 推理将棋第184回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
184-2 初級 Pontamon 作 隣のマス 8手
「隣のマスへ駒を動かして先手玉を詰めた8手目は初手の隣のマスだった」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 8手で詰み
- 隣のマスへ駒を動かした最終手は初手の隣のマスの手
出題のことば(担当 Pontamon)
初手を指せる段は2つだけ。その隣のマスへの手で詰むのならどちらの段なのかもうお分かりですよね。
作者ヒント
横へ動ける駒種は金、飛、成駒しかない(Pontamon)
締め切り前ヒント
初手は▲68玉なので、78地点の手で詰みます。
|
推理将棋184-2 解答 担当 Pontamon ▲68玉、△34歩、▲76歩、△88角成、▲59金左、△69角、 |
![]() |
初手を指せる段は8段目か6段目です。もちろん6段目への初手は歩を突く手になります。まずは初手で突いた歩の隣のマスの着手で詰む手順を考えてみます。最終手が6段目の手だと、飛び道具が必要になりそうです。なぜなら、先手玉は9段目か8段目に居ることになりそうだからです。参考図の手順では最終手は初手の▲76歩の隣のマスへの△66桂で先手玉を詰めています。この△66桂は5筋に居た桂を隣の筋へ動かす手なので条件を満たしていると思ったのですが、最終手は隣の筋への手ではあるものの隣のマスへ移動する手でなければいけなかったので失敗でした。初手の▲76歩の隣のマスへの着手で詰ますのであれば角の手順もありましたが、こちらは最終手は持ち駒の角を初手の隣のマスへ打つ手なのでこれも失敗です。▲76歩、△34歩、▲68玉、△88角成、▲59金右、△89馬、▲86歩、△66桂、▲85歩、△86角 まで10手
参考図:▲76歩、△34歩、▲66歩、△同角、▲77桂、△同角成、▲58玉、△54桂、▲48銀、△66桂 まで10手
参考図では6段目の初手の歩突きの隣のマスへの着手で詰む手順を考えたため、手数が8手であることを忘れて手数オーバーの10手になっていたので、最後の手が横移動云々は論外でした。どうやら初手は6段目ではなく8段目のようですが、最終手が横移動の手となるとその駒は金か飛か成駒のいずれかになります。玉尻で金を取る184-1の手筋を使ってみると、▲58玉、△34歩、▲59金左、△77角不成、▲16歩、△59角不成、▲68銀、△78金、▲15歩、△68金で詰むのですが、この手順も10手の手数オーバーでした。後手が先手の金や飛を取れるのは最短で6手目なので、8手目に取った駒を8段目へ打ってから一つ隣のマスへ動いて詰ますと10手になってしまうのは当然でした。つまり、最終手で隣のマスへ移動する駒は後手の成駒になり、初手が8段目なので後手が駒成するのは△88角成の8段目で、最終手の8手目にその馬を隣のマスの78地点へ移動する手で詰ますことになります。初手は8段目の手なので3手目は後手角の利きが88地点へ通るようにする▲76歩です。最終手は△78馬になるので初手は68地点のはずです。△78馬で先手玉が詰むのですから、先手玉は居玉のままではなく、78の馬の利きが届く6筋に居るはずです。78地点は初期配置の状態で玉、金、銀が利いている地点なので△78馬を同の手で取れる状態であってはいけません。また、△78馬を支える駒が必要になりますが、それは4手目の△88角成で取った角を6手目に打てば良いはずです。78地点に利きがある地点へ角を打つのですが、△67角か△69角か△87角か△89角のいずれかになりますが、これら4地点には初期配置の先手の駒があるので後手が角を打てるように事前に移動しておく必要があります。となると、6筋の先手玉は初手では68地点しか行き場が無いので初手は▲68玉になります。
これら諸々のことを満たす手順を考えることになります。初手から、▲68玉、△34歩、▲76歩、△88角成までは確定ですが、5手目は6手目に後手が角を打つ地点を空ける手になります。▲77桂とすれば△89角、6筋か8筋の歩を突くのなら歩を突いた筋の7段目への角打ちになりますが、78地点に利きがある先手の金、銀の処理が必要だったことを加味すると5手目は▲59金左として78地点への金の利きを無くすようにするのが正解で、6手目は金が動いて空いた69地点への△69角になります。7手目は78へ利いている駒で残っている銀を▲78銀と指して88の馬が隣のマスの78へ移動する手の△同馬で銀を取って詰みとなりました。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん「馬を寄る手を目指す。59金左がぴったりの協力手。」
■打った角の弱点の腹を塞ぐ協力手が光ってます。
飯山修さん「8手詰過去問で初手8段目かつ最終手8段目隣マスの作品は11個。
そのうち最終手が駒移動の作品は1個のみであとはすべて駒打。
こういうやり方で条件をいろいろ変えて検索すれば新作が作れる可能性があるということか。」
■過去作研究から新作の創作の可能性が見えてきましたね。「条件が違えば新作」の立場から過去作を違う条件で限定できないかを考える手もあります。
るかなんさん「こちらも底角設置がポイント。「隣」の共通点でシンプルに纏まっている。」
■隣の隣が初手の地点でした。
RINTAROさん「条件を1文に詰め込みすぎなので、2つに分けた方がいいかもです。」
■条件数を少なくするためら詰め込み過ぎる癖がついてしまっています。
はなさかしろうさん「スペル詠唱のような条件ですがよく読むとわかりやすく、78への馬寄りが大本命。効率の良い詰み形で好ましいです。」
■友達の友達は友達だ。隣の隣は最初の着手地点だったです。
ほっとさん「8手で1条件(?)は貴重。」
■無理矢理の一文でした(苦笑)
桝彰介さん「締切前ヒントで7手詰に無駄手のパターンでないと気づき、そこから正解にたどり着きました。」
■7手詰+無駄手の8手の場合、詰ます方の手数は4手のままなので無駄手は先手になりますが、7手詰で寄る手の最終手は無いので8手での独自手順になります。
原岡望さん「分かりやすい条件です」
■少し考えると横へ動ける後手の駒は馬しかないことに気付きます。
正解:10名
NAOさん piyoさん 飯山修さん るかなんさん
RINTAROさん はなさかしろうさん ほっとさん
桝彰介さん テイエムガンバさん 原岡望さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
| 固定リンク
「推理将棋」カテゴリの記事
- 推理将棋第190回解答(3)(2025.10.29)
- 推理将棋第190回解答(2)(2025.10.25)
- 推理将棋第190回解答(1)(2025.10.23)
- 推理将棋第191回出題(11月10日まで)(2025.10.13)
- 推理将棋第189回解答(3)(2025.09.28)


コメント
担当のPontamonです。
すみません、桝彰介さんの短評への担当コメントが抜けていました。
■7手詰+無駄手の8手の場合、詰ます方の手数は4手のままなので無駄手は先手になりますが、7手詰で寄る手の最終手は無いので8手での独自手順になります。
投稿: Pontamon | 2025.04.24 11:29
桝彰介さんの短評への担当コメントを追記しました。
投稿: TETSU | 2025.04.25 10:51