推理将棋第184回解答(1)
[2025年4月21日最終更新]
推理将棋第184回出題の184-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第184回出題 推理将棋第184回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第184回解説 担当 Pontamon
第184回は11名から解答をいただきました。いつも解答ありがとうござます。
54手の長編にも挑んでいただき感謝申し上げます。
184-1 初級 諏訪冬葉 作 約数 7手
「6月8日:今日は算数で約数を習った。6の約数は「1,2,3,6」、8の約数は「1,2,4,8」でどっちも4つだった。」
「今日はそうちゃんと将棋をした。7手で詰まされた。そうちゃんに「今日は8の約数の筋の手がなかったね」と言われた。すると、横で見ていたたっくんが「全部の手が6の約数の段だったね」と言った。2人には勝てそうにない。」
さて、どんな手順だったのでしょうか。
(条件)
- 7手で詰んだ
- 8の約数(1,2,4,8)の筋の手はなかった
- すべての着手が6の約数(1,2,3,6)の段だった
出題のことば(担当 Pontamon)
年賀推理では素因数分解の話が2つありました。今度は約数の話題です。
作者ヒント
実は7手詰めに1筋と8筋の手はありません(諏訪冬葉)
締め切り前ヒント
別条件の同一手順の先行作が一昨年に出題されていました。
推理将棋184-1 解答 ▲76歩、△52玉、▲33角不成、△51金右、▲同角不成、△72銀、 |
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5筋は8の約数の筋ではないので、7手詰ということもあり、△52玉や△54歩の5筋の手を後手が指せるので▲53銀までの詰み形を考えようと思ったのですが、先手は42地点で銀を入手することができないので、△62銀を取ることにしたのが参考図の手順になります。無事に7手で詰んでいるので解けたと思ったのですが、62の銀を取る際に角の方向転換を44地点でしているので、この▲44角は条件を満たしていませんでした。
それならばと、▲97角で▲31角成で銀を取る手順であれば△42銀の手は不要になります。その手順は、▲96歩、△54歩、▲97角、△52玉、▲31角成、△51金左、▲53銀になりますが、8の約数の筋の着手の条件は満たしていますが、もう一つの条件である全ての着手が6の約数の段の条件はクリアしているでしょぅか?6の約数の段は、1段目、2段目、3段目、6段目の4つしかありません。参考図の手順でも31の銀を取る手順でも後手は△54歩を突いているので条件をクリアできていませんでした。
参考図:▲76歩、△62銀、▲44角、△54歩、▲62角不成、△52玉、▲53銀 まで7手
7手詰の手順で出て来そうな地点をおさらいするのが早道かもしれません。後手は歩を突けませんが先手は角が出て行くための▲76歩は突けます。▲96歩も突けますが次の▲97角は指せませんので、先手は▲76歩から角が出て行く手順のはずです。ならば角は何処へ行けるかを確認してみると後手は△34歩を突けないので3手目は△33角で成るか不成にするかです。この3手目には歩を取っいますが後手玉を詰めるために歩は使えないので、次の5手目に金か銀を取って、7手目にその駒を打って詰める手順のはずです。33地点に先手の角か馬が居る状態から金か銀を取るのに都合が良いのは42地点ですが、8の約数の筋の着手ができないので△42金や△42銀を指せません。5手目に取れそうな駒と地点は22の角ですがこれも8の約数の筋なので取る事はできません。となると33の角が行ける地点として51地点があるので、初期配置で51に居た後手玉は2手目に移動して51地点を空けていれば、3手目の▲33角不成の次に先手は▲51角不成を指すことができるので、4手目は51地点で金を差し出す△51金右か△51金左のはずです。5手目の▲51角不成で金を取る手が王手にならないようにするには2手目の玉が移動する手は△52玉になります。つまり、初手からは▲76歩、△52玉、▲33角不成、△51金左か△51金右、▲同角不成と進みます。この51の角が後手玉の両脇に利いているのでどちらかに金を打って詰めることになりますが、42地点の着手はできないので7手目は▲62金です。この金を取れないようにする後手の協力手の△72銀が6手目になります。4手目に51地点へ移動する後手の金は61の金になるので4手目は△51金右となります。
それではみなさんの短評をどうぞ。
(短評)
NAOさん「6筋だけ偶数筋が指せる。」
■8の約数の中で偶数筋になっているのは6筋だけでした。
中村丈志さん「問題だけ読むと難しそうに感じました。」
■7手と短手数ですが、具体的な着手情報が無いので取っかかり難かったかもしれません。
飯山修さん「先月に続き瞬殺」
■29手順すべてをおさらいするまでもなかったですか。
るかなんさん「7手詰のうち、この図と23歩成までの2つは図形的に特異という印象があります。」
■るかなんさんも同一手順の1条件作「167-1 計算ドリル」を作られていましたね。
RINTAROさん「瞬殺でしたが、4筋を使わない手順は珍しいんですね。」
■4筋着手が無い7手詰は3通りのようです。
はなさかしろうさん「実は7手で、4段目または4筋の、4のつく着手がないのはこの手順だけ。条件が手順前後を限定していないのも剪定のポイントですね。」
■あっ、本当にそうですね。これで7手の1条件作が減った?このコメントを忘れた頃に誰かがしれっと作ったら採用されそう。
ほっとさん「暗算だと合っているかどうかチェックが大変。」
■筋と段の両方をチェックする手間が....。
桝彰介さん「一、ニ段目の手が多いので、条件に合う手順を探しました。」
■6段目の手は初手の▲76歩で、3段目は▲33角あたりだとして、あとは1、2段目ですよね。
原岡望さん「条件の確認に苦労します」
■まさか、筋と段の条件に合致する地点を全て洗い出したとか?
正解:11名
NAOさん 中村丈志さん piyoさん 飯山修さん
るかなんさん RINTAROさん はなさかしろうさん
ほっとさん 桝彰介さん テイエムガンバさん 原岡望さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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